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#104 「Extinction」 2007-08-13 (Mon)

 どこがどうとは言えないが、何かが違う。これが本当に昨日まで私が生活してきた世界なのか。どこをどう見ても昨日までと何も変わっているところはない。これがこれまで生活してきた世界で、これからも生活はここで続くのである。どこがどうなっていようと。


 そんなことはどうでもいいのだが、ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)にLittle Mustapha以外の主要メンバーが集まっています。理由は良く解りません。多分これから明らかになるのではないでしょうか。

ミドル・ムスタファ-----おかしいですねえ。時間になったのにLittle Mustaphaだけいませんよ。

ニヒル・ムスタファ-----だいたい、ヤツの部屋にいるのにヤツがいないってどういうことだよ。勝手に上がり込んでオレ達が泥棒みたいだぜ?

Dr.ムスタファ-----そんなことはないだろう。また鍵もかけずに買い物に行ってるんだ。それに私らは呼ばれたんだから泥棒じゃないだろう。

ミドル・ムスタファ-----泥棒を招いたら、それは泥棒じゃないですからねえ。

ニヒル・ムスタファ-----何を言ってるのか解らないよ!


そこへLittle Mustaphaがやって来る。


Little Mustapha-----いやあ、失礼。遅れちゃいました。

ニヒル・ムスタファ-----遅れちゃいました、って。自分の部屋に遅れてやって来るなよ!

Little Mustapha-----まあまあ。たまには時間に負けてしまう弱い一面も見せておかないとね。

一同(Little Mustapha除く)-----???

ミドル・ムスタファ-----それは、時間にルーズということですか?

Little Mustapha-----そうだけど。

Dr.ムスタファ-----ほう、それは面白い。

ニヒル・ムスタファ-----どこがだよ!だいたい時間にルーズのルーズは負けるという意味じゃないぜ。

Little Mustapha-----だけど、これは言葉のあやというやつだよ。弱い人間は絶えず進んでいく時間に追いつけないから遅れるというわけだよ。キミはルーズーがきかないなあ。

一同(Little Mustapha除く)-----?????

ミドル・ムスタファ-----融通が利かない、ということですか?

Dr.ムスタファ-----ほう、それは面白い。

ニヒル・ムスタファ-----全然面白くないよ!それよりも、何でオレ達を呼びだしたんだ?まさか、そんなダジャレを聞かせるためじゃないだろうな?

Little Mustapha-----呼び出したって、ボクはそんなことはしてないよ。今日はマイクロ・ムスタファからの「とっても面白いことがあるからみんなで集まりましょう」という手紙を受け取ったからこうして集まってるんでしょ?

ミドル・ムスタファ-----なんですかそれは?

ニヒル・ムスタファ-----次のダジャレへの布石か?

Little Mustapha-----そんなに沢山ネタは用意してないよ。まあ、ここは一度静かにしてみたらいいんじゃない?

一同----- …。

マイクロ・ムスタファ-----あの…

一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----何だ、キミいたの!?

マイクロ・ムスタファ-----もういい加減それはやめてくださいよ!ホントはいることに気付いていたくせに。

Little Mustapha-----まあまあ、そう怒らないで。これをやらないと調子が出てこないからねえ。それで、どうしてキミはこんな手の込んだ方法でボクらを集めたりしたんだ?

マイクロ・ムスタファ-----私は何もしてませんよ。私もあなたからの招待を受けてやって来たんですから。でも、ちょっと私には気になることがあるんです。こんなことはミステリーの世界では良くあることなんです。私の書いた「恋の季節」で主人公の代晴端(ヨバレバタ)は、予期せず受け取った招待状が元で…。…ちょっと。何で止めないんですか?

ミドル・ムスタファ-----いや、何だか「恋の季節」というタイトルに驚いて、みんな最後まで聞きたいと思ったんじゃないですか?

マイクロ・ムスタファ-----最後までっていっても、もう最後まで言っちゃいましたよ。

Dr.ムスタファ-----あれで終わりなのか?

マイクロ・ムスタファ-----でもみなさんの頭の中ではあれだけの内容でいろんな想像がふくらんだでしょ?

ニヒル・ムスタファ-----キミはものすごい手抜きな小説家なんだな。それより、いったい誰がオレ達をここに集めたんだ?

ミドル・ムスタファ-----そうですよ。マイクロ・ムスタファがヘンな話を始めるから話がそれてしまいましたよ。

マイクロ・ムスタファ-----それは簡単に推理できます。我々が今日ここに集まっていることを望んでいる人が我々を集めたんです。

Dr.ムスタファ-----ほう、それは面白い。

ニヒル・ムスタファ-----今のはダジャレじゃないぜ。

Dr.ムスタファ-----そんなことは解ってる。

Little Mustapha-----それにしても、キミはいつからミステリー小説家になったんだ?

マイクロ・ムスタファ-----小説家になるにはあらゆるジャンルのことを知っていなければいけないんですよ。そんなことよりも、私の話はまだ終わっていないんです。

ミドル・ムスタファ-----じゃあ「恋の季節」の続きが聞けるんですね?

マイクロ・ムスタファ-----それは違います。私はこの間、新しく出来た「CAST」というコーナーを見て思ったんです。我々にはなぜか敵が沢山いるようです。敵と言って良いかは解りませんが、少なくとも我々に対して敵意を抱いている人は沢山いるはずです。

ニヒル・ムスタファ-----それは、そうかも知れないけど。そうだとするとそいつはオレ達に何か危害を加えようとしているってことだろ?だとすると、それはおかしいぜ。わざわざオレ達を集めるより、一人ずつ呼び出したほうが確実にことを済ますことができるぜ。

ミドル・ムスタファ-----それは同感ですねえ。これまでも危ない目にはあってきましたが、みんなで集まっていることが幸いして偶然助かって来ましたからねえ。

Little Mustapha-----偶然じゃなくて、みんなで力を合わせて困難に打ち勝った、とか言わないと格好悪いよ!

ニヒル・ムスタファ-----そんなところでウソを言っても始まらないよ。

Little Mustapha-----まあ、そうだけどねえ。そんなことよりも、結局誰がボクらを呼んだんだか解らないんだし、そろそろ飲もうか?

ミドル・ムスタファ-----飲んでる場合じゃないと思いますが。

Little Mustapha-----でもみんなが集まってるのに、やることがないんじゃ飲むしかないでしょ?

Dr.ムスタファ-----ほう、それは面白い。

ニヒル・ムスタファ-----なにが!?


 予期せず集まったにもかかわらずブラックホール・スタジオ(Little Mustapha)にはいつでも酒がある。一説によると、Little Mustaphaは密造酒を作っているということだ。またある説ではLittle Mustaphaの部屋の水道の蛇口をひねるとウィスキーが出てくるということだ。しかし、それらの説はデタラメである。

 それから、ある説によると、この話は次回に続くということであるが、これもウソである。始めはそうしようかと思ったのだが、ダラダラした話を小出しにすることによってまた新たにダラダラと話が思わぬ方向に発展していく手法を用いて記念すべきBlack-holic200回記念を目差すのはフェアではないという感じだからである。


(つづく)

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