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#105 「ボタニカルヘル」 2007-08-18 (Sat)

 みんながやっているから自分もそうしなくてはいけない。多くの人がそう感じているし、そうしようとしなくてもいつの間にか周りにあわせている場合もあります。ただし、ここLittle Mustapha's Black holeにおいてそういう態度は赦されてはならないのです。


 熱心な訪問者なら私がベランダで何を育てているのか知っているはずですが、そんな人はいないので説明しなくてはなりません。去年からブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)のベランダではヘチマ或いはヘチマっぽい植物が育てられているのです。

 前々回のBlack-holicでは、(思いつきだったのですが)ブラックホール・スタジオの愛称が「ヘチマ」になっていました。それから、去年発表したLittle Mustaphaの最新作のジャケットにはヘチマの花のつぼみがコラージュされています。その辺からも解るように、ヘチマはLittle Mustapha's Black holeのシンボル的な存在となっていたのです。


 しかし、悲しいことが起きました。下の写真をご覧ください。


 ヘチマがヘンな形をしています。これには今年から育てられているヘチマっぽい植物の存在が関係しているのです。「ヘチマっぽい植物」と書いていると面倒なので正体をバラしてしまいます。それはヒョウタンです。

 私が下調べをせずにヘチマとヒョウタンを同じ鉢に植えてしまったのがいけないのですが、今年はヘチマに元気がなく一方でヒョウタンが豊作なのです。ヒョウタンの葉っぱが大きすぎてヘチマに陽が当たらなかったためだと思われます。

 ベランダでは圧倒的な少数派になってしまったヘチマの実ですが、私は「Little Mustapha's Black holeのシンボルにもなるぐらいのヘチマなら数は少なくても立派な実になる」と信じていました。それがどういうことでしょうか?ヘチマの実は自分が周りと違うということを気にしてヒョウタンみたいな形になってしまったのです。


(こちらは本物のヒョウタンの実)


 白い目で見られても、相手にされなくても、独自のスタイルを貫くというLittle Mustapha's Black holeのモットーがぜんぜん現れていません。これではLittle Mustapha's Black holeのシンボル失格です。


 ここでいきなり話がそれますが、自ら好んで似合わない恰好をするのと「みんながやってるから」みたいな理由で似合わない恰好をするのでは全然違いますよねえ。前者の場合はそのうちサマになってきて、その恰好が似合うようになってくるのですが、後者の場合はいつまでたってもイケてない感じです。


 何を書いているのか解らなくなってきましたが、自分のスタイルを見つけるというのは思っているほど楽ではないということですかねえ?誰も気付いていませんが、ここは音楽サイトということになっているので作曲に例えてみますが「これが自分のスタイルだ!」というのを確立するまでにいったいどれくらいの曲を作らなくてはいけないのか?私には想像もつきません。(というか、自分のスタイルを確立したと思っている作曲家はある意味「終わっている」作曲家だと思います。)

 こんな感じで自分のスタイルを見つけるのは大変なのですが、そこで妥協して今回のヘチマのように「みんなと同じ」になってしまうと余計にキモくなってしまいますし、誰かを裏切ることにもなってしまいます。ヘチマはヘチマでなくてはならないし、ヒョウタンはヒョウタンでなければならないのです。それでもヘチマはヘチマで自分の在り方を見つけなければいけないし、ヒョウタンも同様なのです。


 なんだか知りませんが、今回は植物に対して説教しています。そんなことより「前回のヘンな話の続きはどうなったんだ?」と思っている方もいるかも知れませんが、それはいつになるか解りません。今回のような内容がこのコーナーの健全な在り方であるのです。でも、次回はあの話の続きになってしまうかも知れません。