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#008 「ディレクターズカット」 2003-12-09 (Tue)

 ひとけのない公園でシンナーを吸っている女子中高生に絶大な人気を誇るプリンセス・ブラックホールの新曲が密かに発表されました。前作に続いて、いい曲に仕上がってしまっているのが何とも言えません。きっとちゃんとした人が歌えばなかなかステキな曲と言われるかも知れません。それに、今回は歌詞も大変素晴らしい出来になっております。なかでも、曲の始めに入る台詞と中盤に出てくる早口言葉が最新のヤングな雰囲気を盛り上げております。イントロの台詞はかのアリスクーパー氏の名曲「ドワイト・フライのバラード」という曲に使われていたものをLittle Mustaphaがプリンセス・ブラックホール風にアレンジしたもので、メロディもかの名曲を彷彿させます。

 これほどの名曲をカラオケバージョンのままにしておくのはもったいないということで、私は実力派アーティストがこの曲をカバーすることを切に望んでおります。リトルつながりでエブリ何とかシングなどどうでしょうか?もし、エブリリトル何とかの実力派ヴォーカルの方がこれを読んでいたらご検討ください。


 突然ですが、ここで抜き打ちテスト。抜き打ちテストは突然やるものなので、突然ですが、は余計でした。

”../SideShow/PrincessBlackhole/Single/夢見るプリンセス・ブラックホール”でプリンセス・ブラックホールの新曲を聴いて次の問に答えましょう。


[問1]

プリンセス・ブラックホールの部屋のドアと窓がそれぞれ一つずつだとすると、曲が終わったときドアと窓はどのような状態になってるか答えなさい。


[問2]

ドアと窓の数を限定しないと曲が終わったときに考えられるドアと窓の状態の組み合わせは何通りあるか答えなさい。


答えは、最後のほう。


 このようにプリンセス・ブラックホールの曲を宣伝してみましたが、今回のこのコーナーとは関係ありません。みなさんは去年のクリスマスにLittle Mustaphaたちのサンタクロース襲撃計画があったのをご存じでしょうか。そのときの様子はこのコーナーの前身である「今週の・・・」でお伝えしたのですが、結末は謎のままでした。あの話を完結させるか、させないかで制作会社とはかなりもめた、ということになっています。というわけで今回はディレクターズカット版として結末付きでお送りいたします。この結末は話が発表された次の週に掲載する予定だったのですが忘れていました。まあ、きっと今年のクリスマスにもLittle Mustaphaたちはサンタ襲撃を計画しているようなので、確認の意味でここでもう一度去年の話をするのもいいでしょう。はじめは去年の内容をそのままコピーしたものなので、一度読んだことがある人は最後のほうから読んでください。もちろんはじめから読んでもかまいませんよ。そんな暇人はいないでしょうけど。それでは「サンタの季節完全版」の始まり始まり・・・。

 ここはサンタの国。サンタのおじさんは今年も子供たちに渡すプレゼントの用意で大忙し。ここはサンタの国。サンタのおじさんが一人とトナカイがいっぱい。どちらかというとトナカイの国。サンタのおじさん、プレゼントの用意ももう少しで終わりそう。

「今年一年いい子にしていたヨシオ君にはPS2を、普通だったマイケル君にはPS1。勉強をさぼったハルオ君にはアメ玉一個。やれやれ、これで今年のプレゼントは全部用意できたぞ。オーホッホッホッホッ」

ここはサンタの国。サンタのおじさんのわざとらしい笑い声が虚しく響く。ここはサンタの国。どうしてサンタのおじさん一人だけなの?サンタのパパやサンタのママはどうしてしまったのでしょう?ここはサンタの国。サンタのおじさんの他にはトナカイだけ。サンタのおじさんは一人で全部やる。プレゼントをトナカイのそりに積み込みました。

「ふーっ。今年も無事用意が終わったぞ。ちょっと一休みするか。オーホッホッホッホッ」 ここはサンタの国。でもいちいち笑うこともないのに・・・。サンタのおじさんが暖炉のまえの椅子で一休みしています。

「おや?こんなところに手紙が落ちているぞ」

サンタのおじさんがふと床に目をやるとそこには子供からの手紙が一枚落ちていました。

「あぶない、あぶない。プレゼントを一つ用意し忘れるところだった。オーホッホッホッホッ」

ここはサンタの国。サンタのおじさんは一人でよく笑います。街中でやったら捕まります。サンタのおじさんが手紙を見るとこんなことが書いてありました。



「サンタのおじさんへ---ボクのうちはお金持ちです。だから欲しいおもちゃはなんでもパパとママに買ってもらえます。今年も数え切れないぐらいおもちゃを買ってもらいました。だからプレゼントはいりません。---中屁端 妄蔵より」

 サンタのおじさん、困った顔をしています。ここはサンタの国。世界中の子供にプレゼントを渡すのがサンタの決まり。でも、こんな時のために良いものがあるんです。ここはサンタの国。サンタのおじさんはサンタマニュアルを取り出しました。


「サンタマニュアル・トラブルシューティング20057項---電源は入っていますか?ケーブル類は正しく接続されていますか?・・・」


ここではないようです。サンタのおじさんさらにページをめくっていくと・・・。ありました。


「トラブルシューティング41039項---プレゼントを拒否された時には:ものがダメな時は形のないものを与えてみましょう。(中略)裕福な家庭に生まれた子供は一般的に家族の愛に飢えています。そういう子供には家族のぬくもりなどを与えてみましょう。(中略)・・・の時に幸せの青い鳥は予期せぬトラブルの原因となり(云々・・・)」


 サンタのおじさん、これで一安心。でも家族の愛ってどうやってプレゼントするんでしょうか?サンタのおじさん腕組みをして考えます。ここはサンタの国。トナカイのそりはどうして空を飛べるのか、誰も理由は知りません。ここはサンタの国。サンタのおじさん、何かいいことを思いついたようです。

「今年は忙しくなるぞ。オーホッホッホッホッ」

ここはサンタの国。その笑い方、なんとかして欲しい。

 一方、ここはブラックホールスタジオ。Little Mustaphaのすみかです。めずらしく、ブラックホールのメンバーが勢揃い。彼らはなにかをたくらんでいるのでしょうか?気になるところです。Little Mustaphaは先ほどからどこかに電話をかけているのですが、なかなか繋がらないようです。

ミドル・ムスタファ(Md.M.)---どうです?出ましたか?

Little Mustapha(L.M.)---だめだ、全然出ないよ。

Dr.ムスタファ(D.M.)---電話番号は合ってるのか?

L.M.---ちゃんとタウンページ最新版を見たんだから合ってるよ。

ニヒル・ムスタファ(N.M.)---ヤツが電話に出るわけないよ。今頃は大忙しなんだろ?

Md.M.---でも、電話して確認しないとちょっと不安ですよ。

L.M.---まあ、大丈夫だよ。・・・多分ね。それより、まだ時間があるからそれまでとりあえず酒でも飲んでようよ。今日のために色々と買い込んできたんだ。ウィスキーにウォッカにテキーラにジンに焼酎。どれがいい?

N.M.---ビールとかはないのかよ。

Md.M.---ボクはサワーがいいんですけど。

L.M.---なに言ってるんだよ。そんなもの飲むんだったら水飲むのと変わらないよ。

Dr.M---わしは焼酎。梅割でな。

L.M.---梅なんてないよ。それから水もジュースもなし。全部ストレートで飲むんだよ。クリスマスなんだぜ。

マイクロ・ムスタファ(Mc.M.)---あのー。

N.M.---なんだキミ、いたの?

Mc.M.---ええ、まあ。あのー、さっきから気になってたんですけど、電話のところが点滅してるのって、留守番電話じゃあないでしょうか?

L.M.---あっ、ホントだ。なんだろう?聞いてみようか。---ピッ!


留守番電話---ゴゴ・ゴジ・ジュウ・ヨンプン・ピーッ「ちょいと、あなた方!今日はあたくしに連絡もしないでクリスマスパーティーをしてるって本当なんですの?あたくしはたくさんのお誘いをキャンセルして今日の予定を開けておいたんですのよ。それなのにあなた方は本当に失礼ですわ!それとも大女優のあたくしがこの時期に予定を開けてあるはずがないと思って気を使ってくれたのかしら?それなら許してあげてもよくってよ。どちらにいたしましても、これを聞いたらすぐに私のところに電話するんですのよ。でも、もうあたくしはどこか他でセレブの集まる素敵なパーティーにお出かけしているかも知れませんわ。うふっ。それから、あたくしのお屋敷の電話番号は666の6・・・」ピーッ・メッセイジ・オワリ。


N.M.---なんだこれ?

L.M.---これって、プリンセス・ブラックホールって人かな?なんでここの電話番号知ってるんだろ?

Md.M.---電話してみた方がいいんじゃないですか。

L.M.---無理だよ。番号知らないし、留守電も途中で切れてるし。

D.M.---なんでその女は我々が集合していることを知っているんだ?誰かが情報を漏らしたか?

L.M.---そんなことはないよ。秘密は守られてるはずだよ。だって秘密なんだから。これは、まあ言ってみればミステリーってやつだな。

Md.M.---そうしておきましょう。そんなことより今夜はもっと大事な計画があるんですから。

L.M.---そうそう、余計なことは考えないで計画に集中しないとね。ところで、ちょっと思いついたんだけど、このプリンセス・ブラックホールって人とぼくらで戦隊もののヒーローやらない?

Md.M.---五色のやつですか?

L.M.---うん。ボクがレッドで、ニヒル・ムスタファがブルー。Dr.ムスタファ先生がイエローでミドル・ムスタファがグリーン。そんで、プリンセス・ブラックホールがピンク。ちょうどピッタリ。

Mc.M.---あのー、私は?

L.M.---あっ、ごめん。キミもいたんだっけ。

 ブラックホールスタジオではなにやら陰謀が渦巻いているようです。ところでサンタのおじさんはどうなったでしょうか?サンタのおじさん、サンタの国を出発してプレゼントを配り始めたようです。でも今年のサンタさんはいつもよりも急いでいます。家族のぬくもりに飢えた妄蔵君に、ちょっと手の込んだプレゼントを用意してるからです。だから他の子供にプレゼントを渡すのはかなり雑になっています。

 サンタのおじさん、早くもヨシオ君の家に到着。でもこんなに早く家に入っても大丈夫なんでしょうか?やっぱりヨシオ君はまだ寝ていません。部屋に入ってきたサンタのおじさんを見て、ヨシオ君はビックリ。子供に姿を見られてはならない。サンタの国のサンタの掟。でも大丈夫。サンタのおじさん、慌てることなくヨシオ君のボディに一発。ヨシオ君は意識を失い夢の世界へ。

「ふー。サンタマニュアルを読んでおいて助かった。オーホッホッホッホッ」

 サンタのおじさんは子供に見つかることを恐れて、家の中には入らずに外から子供部屋の窓めがけてプレゼントを投げ入れることにしました。もちろん窓を開けているうちなどほとんどありません。クリスマスイブの夜、ガラスの割れる音があちこちから聞こえてきます。

 サンタのおじさん、とあるビルのまえにやってきました。

「確か、ハルオ君の家はこの辺りだったと思ったんだが・・・。ああ、そうだ思い出した。ここだ、ここだ」

あっ、サンタのおじさん、そこは違いますよ!そこは若いカップルが泊まりに来るホテルですよ!

  部屋に入ったサンタのおじさん。目の前で繰り広げられる光景を目にして呆然。サンタの国のサンタの掟。こんなことは許されてはならない。でも独り者のサンタのおじさん。ジェラシーを感じないわけでもない。

「オーホッホッホッホッ。オーホッホッホッホッ・・・」

困った時には笑うしかない。サンタマニュアル999999項。

 妄蔵君のために張り切るサンタのおじさん。でも、どうしてサンタのおじさんが妄蔵君ためにこんなに頑張っているのか知っていますか?実はサンタのおじさんも愛のない家庭に育ったのです。サンタのおじさんは少年時代、酒を飲んで暴力をふるうパパサンタにいつもおびえていました。ママサンタはといえば、仕事をしないパパサンタの代わりに、昼は空き缶工場でパート、夜は「スナック・サンタ」でセクシーサンタとしてホステスをしていたのです。忙しいママサンタはサンタのおじさんにかまっている暇などなかったのです。そんな家庭に育ったサンタのおじさん。事情は違っても家族に愛されない妄蔵君のことが他人とは思えなかったのです。

  さあ、サンタの仕事ももうすぐ大詰め。後は妄蔵君へのプレゼントを残すのみ。サンタのおじさん、妄蔵君の手紙に書いてあった住所へ大急ぎで向かいます。

そのころブラックホールスタジオでは・・・。


D.M.---・・・と言うわけでこの実験が成功すれば、我々が太陽系の外に旅行をすることも可能になるってわけなんだ。

Md.M.---へえ、すごいですねえ。ボクは海王星に行ってみたいなあ。

N.M.---海王星は太陽系の惑星だよ。それにそんな話、嘘に決まってるじゃないか。

Dr.M.---どうしてキミはそう疑り深いのかねえ。それじゃあ学会のヤツらと変わらないじゃないか。

L.M.---ねえ、ウィスキーなくなっちゃったよ。もう他にないの?

Md.M.---もうやめておいた方がいいんじゃないですか。もうそろそろ、計画の時間ですよ。

L.M.---本当だ。もうすぐ来るな。あいつ。

Mc.M.---本当に来ますかねえ?私のあんな手紙で大丈夫だったんでしょうか?

Md.M.---大丈夫ですよ。あなたの「中屁端シリーズ」はなかなか説得力がありますから。

N.M.---ヤツは子供にだけはいい顔する偽善者野郎さ。大人が呼んでも来ないけど、子供のふりをすれば絶対来るのさ。特に心に問題を抱えてそうな子供ならヤツは大張り切りさ。

L.M.---今日こそヤツに復習するぞ。それからアルトサックスもいただきだ。

N.M.---オレなんか、モデルガンをプレゼントにリクエストしたのに、朝起きて枕元においてあったのは銀玉鉄砲だったんだぜ。その次の年も、そのまた次も。

Md.M.---ボクなんか、おもちゃのバットとゴムボールをもらったことがあるんですよ。ボクがたのんだのは消える魔球の投げられる野球盤だったのに。今日こそはヤツにカンフーキックをお見舞いしてやりますよ。

D.M.---カンフーキックっていうのはどうかなあ。わしの開発した超強力電撃銃を使うのはどうだ?これを使えばヤツはしびれて身動きできなくなるぞ。

L.M.---それ本当に使えるの?電源コードがついてるけど、電池じゃ動かないの?

D.M.---なにしろ超強力だからな。電池じゃパワー不足なんだ。

Mc.M.---私はなにをすればいいでしょうかねえ?

N.M.---先生の超強力なんとかで動けなくなったところできみの話を延々とヤツに聞かせるってのはどうだ。

Md.M.---それは名案ですねえ。

一同--- ヒッヒッヒッヒッ。

L.M.---それじゃあ、その間にボクがヤツの袋の中をあさって、みんなの希望のプレゼントを見つけるよ。ミドル・ムスタファが野球盤で、ニヒル・ムスタファがモデルガンだね。

N.M.---ショットガンな。

L.M.---先生はなにがいいんですか?

D.M.---わしか?わしは反重力リアクターだ。

L.M.---なんだそれ?まあいいか。マイクロ・ムスタファはなにがお望み?

Mc.M.---私は「横溝正史全集」が欲しかったんです。

Md.M.---変な子供だったんですねえ。あっ、鈴の音!来ましたよ。

L.M.---よし。みんな、作戦開始だ!

一同--- ヒッヒッヒッヒッ。



なにやら物騒なことになってきました。

  そのころサンタのおじさんは、妄蔵君の家の前に到着していました。妄蔵君への特別プレゼントは上手く渡せるのでしょうか?サンタのおじさん、精神集中のためか一人でなにかつぶやいています。


「ああ、この44マグナムがまた火を噴くことになるとは、思ってもいなかった。これも全て妄蔵君のため。いやもしかすると私自身のためかも知れない。しかし、私にできるだろうか?計画は難しいものではない。あのときと同じようにすればいい。まず、家に入ったら家中の大人をこの44マグナムで抹殺。残された妄蔵君は私の息子として、私の愛に包まれて幸せに暮らす。このくらいのことができなければ私はサンタ失格である。思えばあの夜も今日のように静かであった。27年前、私が実の両親であるパパサンタとママサンタをこの44マグナムでこの世から葬り去ったあの夜。あれから27年間。私はサンタとして完璧な仕事をこなしてきた。ここで尻込みするわけにはいかないのだ。さあ妄蔵君、待ってろよ。いまキミに最高のプレゼントを渡しに行くからな。オーホッホッホッホッ」

 サンタのおじさん、44マグナムを持ってブラックホールスタジオへ入っていきました。


 ブラックホールスタジオの中では各人配置についてサンタのおじさんが入ってくるのを待っています。玄関脇の洗面所には超強力電撃銃を持ったドクター・ムスタファとミドル・ムスタファが。奥の部屋にはLittle Mustaphaとニヒル・ムスタファが金属バットを持って構えています。マイクロ・ムスタファはサンタのおじさんに聞かせる話の原稿を持って椅子に座っています。どうやら玄関を通りすぎて部屋に入ろうとするサンタのおじさんを挟み撃ちにする作戦のようです。一同、固唾をのんでサンタのおじさんの到着を待ちます。

 ギーッ、とドアの開く音がしてサンタのおじさんがブラックホールスタジオの中に入ってきました。サンタのおじさんは足音を立てないように、そーっと静かに廊下を歩いていきます。そして、部屋の前まで来たとき突然部屋のドアが開きました。「引っかかったな、インチキサンタめ!」Little Mustaphaとニヒル・ムスタファがサンタのおじさんの前に立ちふさがりました。勢いよく飛び出してきた二人ですが、サンタのおじさんの手に握られている44マグナムを見て二人は青ざめて固まってしまいました。サンタのおじさんも不意をつかれてたじろぎました。妙な緊張感が三人の間を流れていきます。ほんの一瞬の出来事でしたが、三人には長い時間のように感じられました。すると、そのときです。ブラックホールスタジオ中の明かりが消えたのです。真っ暗で何も見えなくなりました。銃声とガラスの割れる音がしました。それからマイクロ・ムスタファの悲鳴も聞こえました。ブラックホールスタジオの中では何が起きたのか解らなくて全員がパニック状態です。ドクター・ムスタファは奇声を発しながら超強力電撃銃の引き金を引いていますが何も起こりません。ニヒル・ムスタファはLittle Mustaphaが振り回す金属バットに当たらないように部屋中を逃げ回っています。マイクロ・ムスタファはどうやら気絶しているようです。唯一冷静だったのがミドル・ムスタファでした。ミドル・ムスタファはブラックホールスタジオの落ちたブレーカーを操作して明かりが点くようにしました。明かりが点くと一同みな正気に戻りました。

 ところで、サンタのおじさんはどこへ行ったのでしょうか。明かりが消えたとき、サンタのおじさんは持っていた44マグナムで窓ガラスを撃って割れた窓から逃げたようです。その途中にマイクロ・ムスタファを突き飛ばしたのでしょう。ひ弱なマイクロ・ムスタファはそれで気絶してしまったのです。


D.M.---いったい何が起きたんじゃ?

Md.M.---電撃銃の電圧が高すぎて、ブレーカーが落ちたみたいですよ。

N.M.---何だよそれ。そのインチキ銃のせいで、オレはLittle Mustaphaに頭を割られるところだったんだぜ。

L.M.---何言ってんだよ。ボクがバットで応戦しなかったらボクたちみんなあの銃で撃たれてたんだぜ。

Md.M.---銃って何ですか?サンタのおじさんはそんな物騒なもの持ってたんですか?

L.M.---うん、そうなんだよ。どうしてだろう?なんだかよく解らないなあ・・・。

マイクロ・ムスタファ目覚める

Mc.M.---あのう、私少し気になるんですけどねえ。

一同---なんだキミいたのか。

Mc.M.---あのサンタの顔どこかで見たような気がしませんでしたか?

N.M.---あんな顔に見覚えはないねえ。

Mc.M.---私にはあのサンタがディレクターN.T.に見えたような気がするんですが?

D.M.---まさか、そんなことはあるまい。

Mc.M.---私はあの顔を見て「監督の季節」という・・・

N.M.---そんなことはどうでもいいよ。とにかく計画は失敗したんだ。

L.M.---ホントだよ。その電撃銃、ホントに使えるの?

D.M.---何を言っとるんだ。これは最先端の科学で作ってるんだ。失敗の原因は他にあるはずだ!


ドクター・ムスタファがもう一度超強力電撃銃のスイッチを入れると、ブラックホールスタジオは再び暗闇に包まれた。

 ・・・ここはブラックホール。全てが無駄に終わる場所。ここはブラックホール。真実は全て闇の中。


(サンタの季節完全版)

答え合わせ。

[問1の答え]

ドアは閉まっている。窓は開いている。


[問2の答え]

すごく沢山。