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#021 「創作筋」 2004-06-30 (Wed)

 私がまた空き缶になる時、あなたはきっとそよぐ風

 私がまた空き缶になる時、あなたはきっとスッカラカン

(マイクロ・ムスタファ、ポエム「空き缶の季節」より)


 というわけで、私はまた空き缶になってしまいそうなので何とかこのコーナーを更新しようと試みているのです。「空き缶」とは何だ?という方も大勢いるかも知れません。詳しく言うと「空き缶」というのは頭の中に何にもない感じの状態なのです。辞書には載っていません。私が勝手に言っているだけですから。

 この空き缶状態というのは、五月病とちょっと似ているかも知れません。私の場合、年中五月病のふりをしているので、五月病が正確にはどんな感じかちょっとわからないのですが、きっと似ているでしょう。私の空き缶状態は、大抵何かを集中してやっていた後に起こります。特に創作関係で集中した時には必ず空き缶状態になるようです。原因は多分、神経が疲れているのでしょう。

 でも神経ってどうしたら休ませることが出来るのでしょうか。体が疲れたらしばらくじっとしていれば疲れはなくなります。でも、空き缶状態の時にそれをやってはいけないようです。以前は、何かまとまった創作物(大抵このホームページで公開しているもの)を作った後はしばらく創作を中止して休むことにしていました。でも、そうするといつまでたってもやる気が出てこない。無理に何かを作ろうとしても、少しも面白くない。作っている本人が面白いと思えないものを人に見せても意味がありません。ということで、またしばらく休んでみる、という悪循環になっていくのです。


そこで私は考える。

「髪を切ってみる作戦」

 集中して創作をしている時には散髪に行く暇はありません。髪を切ればきっと風通しも良くなって、頭の中もすっきりするでしょう。近所の格安美容院へ行く私。どんな頼み方をしてもいつも同じ髪型にされてしまう。今回も同様です。すっきりはしたけどやる気は出ない。あんまり効果なし。

「体を動かしてみる作戦」

 部屋にこもってばかりいるから神経が参るんです。「たまには体も動かさないと」と思ってみましたが、私は普段からけっこう体は動かしています。以前、空き缶状態の時にも色々運動していましたが、効果はありませんでした。創作の筋肉というのがあればいいんですけどねえ。私はジムに通って創作の筋肉を鍛えるでしょう。余談ですが、「愛の筋肉」というアリス・クーパーの曲があります。

「酒を飲んでみる作戦」

 こうなったら飲むしかない。しこたま飲んで絶好調。やる気もどんどん出てきます。ただし酔っぱらっているので創作には取りかかれない。「よし、明日はやるぞ!」と思って布団に入る。起きたら何もなくなっている。「キミ、これこそ空き缶じゃないか」頭の中で誰かの声がした。

「ツボを押してみる作戦」

 「細かい仕事は得意な方です」という中国四千年さん。細かい仕事をしていれば神経だって疲れるはず。そんな中国四千年の必殺技である「ツボ」で空き缶状態脱出か!?

 体のいろんな所を押してみる。ウーン、いいねえ。効いてるよ。アー、けっこうきてますよ。ウォー、素晴らしい・・・

「それで、何の話でしたっけ?」

「読書してみる作戦」

 実は私これが一番効果があることを知っているんです。それなら何で、よけいなことを書くんだという感じですが、普通に書いてもつまらないので。まあいいじゃないですか。それでどうして読書がいいのか、私にも詳しいことは解りません。でも、思い返してみると私がいろいろなことを作るようになった時に私はけっこうな読書家でした。本を読むとちょうどいい刺激が脳に与えられるのかも知れません。


 それなら、テレビや映画じゃダメなのでしょうか?私の場合、テレビや映画にはあらかじめ出来上がっている情報が多くてダメなようです。大抵の本には文字しか書いていません。しかし、私たちは本を読む時には頭の中で映像や音を想像しています。文字を文字として理解しているのではなくて映像に置き換える作業も頭の中で行っているはずです。この過程がちょうど良い脳の運動になっているようです。「創作の筋肉」を鍛えていると言えなくもありません。

 こんな感じで、何とか空き缶から逃れようとしております。世の中で空き缶状態に悩んでいる人が参考にしてくれれば、と思っておりまする。本当は、もっといい方法があるんです。それは「もっといいものを作ることが出来るはず」と自分に言い聞かせること。自分の作品に満足したらそこで終わりです。私はいつでもそう思って今までやって来ました。そしてこれからも、よりよいものを作るために前進あるのみです。ただし、私の進む方向がみなさんの思っている「前」とは違う方向であることもあるのですが・・・。


 なんだか空き缶状態なのに色々書いてしまいました。本当は手を抜いて「これまでのLittle Mustapha's Black holeを振り返る」をやろうとしていたのですが、これ以上書いたら長くなってしまいます。それでは次回は手を抜いていきます。