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#034 「記録の固執」 2004-11-21 (Sun)

 何でも見えちゃうホームページなんてどこにあるんだろう?いつまで経っても見つけることは出来ません。そこで私は考える。無いのなら自分で作るしかない。「何でも見えちゃう」ためにはいったい何が必要なのか?そんなことが出来たらきっと私は大金持ちになれるかも知れない。そんなおバカなことを考えていたら、ハードディスクが壊れました。


 何でも見えちゃうホームページなんて、所詮夢の話。こうなったら、私が何でも見ちゃえばいいのです。ということで、私は壊れたハードディスクをさらに壊してみたくなりました。これを壊せばきっと何でも見えちゃうに決まっています。壊すといってもハンマーで叩き壊すようなことはしません。それほどまでにストレスはたまっていませんから。ドライバーを使って少しずつ壊していきます。これだけでも十分です。普段は滅多にお目にかかれないハードディスクの中身が見えちゃうのですから、なんだか「見えちゃう」って素晴らしい。


 ハードディスクってよく見ると、普通と違うネジで留められているんですね。幸い私はノートパソコンを分解するためにこの特殊なネジ用のドライバーを持っていたので、だいたいのネジは外せました。これで金属製のカバーと裏側の基盤がとれました。


 やったー!ハードディスクの中身が見えちゃいました。さすがはハードディスク。CDとかDVDとかのディスクとは比べものにならないぐらいピカピカ。でもこれってどこかで見たような気がします。そういえば、ハードディスクのパンフレットみたいなのには中身の見えてる写真が使われていることがよくあるんですよね。余談ですが、私は始めてベアドライブというのを買う時に、ベアというのがケースに入っていないという意味ではなくて、パンフレットの写真みたいにディスクがむき出しなのかと思って、ビビっていたことがありました。どうでもいいけど。

 そんな、パンフレットと同じ状態では「見えちゃう」とは言えません。もっと壊さないといけません。そう思ってまたドライバーを取り出すと、なんたることか、私のドライバーのサイズと違うネジが出てきました。これがないとディスクの部分が取り外せないようです。せっかくのピカピカディスクを目の前にして取り外せないなんて、見えそうで見えないチラリズム。ぜんぜん意味が解りませんが、こうなったら力ずくしかなさそうです。でもまだハンマーは使いませんよ。


 よく見るとディスクを読みとるアームの部分は何とか取り外せそうです。アームの読みとる方の端との反対側には上に金属の部品があります。今のところは取り外せないのですが、どこを見てもネジで固定されている様子はないので、この部品は力ずくで取り外すものなのでしょう。

 今度はマイナスドライバーを使います。テコの原理で何とかなりそうな感じです。部品の下にドライバーを差し込んで持ち上げてみます。部品が下の部品と離れたのでもう大丈夫だと思って手を放しました。すると驚いたことに部品はすごい勢いで元の位置に戻ったのです。

 なんだか久々に「???」な気分です。ドライバーで持ち上げた時は完全に上の部品と下の部品は離れていたのですが、これはいったいどういうことでしょうか?でももう私には考える余裕はないので、もう一度チャレンジするしかなさそうです。

 今度は部品が離れた後も手を抜かずに完全に部品がはずれるまで持ち上げました。すると驚いたことに、部品はドライバーにぴったりくっついて離れません。実はこの部品、強力磁石だったようです。強力というよりDr.ムスタファ風に「超強力」といった方がいいくらい強力です。この部品の下にもう一つの超強力磁石があったのでなかなか取り外せなかったのです。


 どうして、こんなものがついているのか?それは部品をはずして見えちゃうようになったアームの部分を見れば解ります。

読みとる側の反対側はコイルになっていたのです。詳しいことは解りませんが、このコイルに電流を流して、磁力でアームを動かしていたのでしょう。なんだか予想もしない展開にビックリの私ですが、みなさんは知ってました?

 まあ、原理はモーターと一緒だからそれほど驚くことではないんですけど、実際に見てみると余計に驚いてしまうんですよねえ。


 このアームはなかなか格好いいので私のオモチャにすることにしました。出来れば磁石もそうしたかったのですが、あまりにも「超強力」なために私の部屋にある電子機器(主に楽器類)を壊しそうなので、これは元に戻すことにしました。

 戻す時には注意が必要です。下にも超強力磁石があるので、二つを近づけるともの凄い勢いでくっつこうとするのです。私は危うく指を挟みそうになりました。何しろ「超強力」ですから、下手をすると骨が折れるかも知れないぐらいの勢いなんです。


 このように「何でも見えちゃう」企画をしてみましたが、こんなものは他でも沢山あるようです。検索したらいっぱい出てきてガッカリでした。でもここで終わらないのがBlack-holicなのです。だってここは分類でいったら「文系」なんですから。

 ここで、ハードディスクについてもう一度考えてみるべきかと思います。ハードディスクとはデジタル情報を記憶するものです。記憶というのは機械のものでも、人間のものでも同じことです。そこには「情念」とか「怨念」が積もり積もっているかも知れないのです。

 ここから先が「何でも見えちゃう」企画の山場でもあるのです。中が見えちゃうようになったハードディスクをよく見てみると、何かが見えませんか?見るものを震え上がらせるような恐ろしいあの顔が。


 ハードディスクの写真を撮っていたら、恐ろしい心霊写真が沢山撮れたので、ここからは恐ろしいジャケット特集です。

 ディスクに写った恐ろしいジャケットのオープニングを飾るのは、このサイトでもおなじみ(?)のアリスクーパー様です。「何で歌ってる人の名前はアリスなの?って彼女が聞くから、オレは言ってやったのさ。ベイベー、キミには理解できないよ、ってな」っていうアリスです。

 ジャケットは怖いけど、このころはまだ低迷期の前なので怨念的にはそれほどでもありません。オープニングにはちょうどいい怖さ。

 いい笑顔ですねえ。実はこれジャケットというか裏側の写真なんですけどね。Silver Ginger 5 のジンジャー様です。というよりワイルドハーツのジンジャーなんですけどね。確かこのころってワイルドハーツがあるのかないのか良く解らない頃じゃなかったかなあ。それでこんなに顔色悪いのね。照明の加減かも知れませんが、ちょっとギョッとする青白さですよ。

 もっと顔色悪い人がいました。当時は、この顔見るとみんなヘビメタって言ってましたけど、マイケル・モンローはそれほどヘビメタじゃないんだよね。でも何よりも恐ろしいのは、今でもこんな顔でロッケンしてるところだね。この心霊写真の頃がこのメイクの出来る限界の歳だったと思うけどね。気持ちが若ければそれでいいのさ。ベイベー!

 ここからは、ホントに怖くなってくるよ。この駅のホームでゴルフのスイングをしている写真のどこが怖いのか?と思うかも知れませんが、それはさほど重要ではないかもしれません。これは存在自体がほとんど心霊化してしまったD.A.D.のアルバムなのです。デンマークのバンドです。私はけっこう好きなんですけど、最新アルバムがどこに行っても売ってないんですよね。もう、海外向けにはCDをださなくなっちゃったんでしょうか?もしかしてD.A.D. が好きな私の方が怖い?

 どうでもいいけど、デンマークって「キングダム」の国ですよね。それも知りません?すごく怖いけどすごく笑えるホラーのことです。けっこうはまる人もいるはずです。でも何より恐ろしいのは、作ったのが「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の監督だということ。それを知らなかった私は「キングダム」最高とか言っておきながら、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」には興味がないとか言っていました。ちなみに「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は見る前に評判が良すぎたため見なかったのです。今でも見たことはないので、何とも言えないのですが多分「キングダム」の方が面白い?

 これもいい具合に恐ろしいですよねえ。何よりも恐ろしいのが邦題なんです。「狂気のスラッシュ感染」ていうんですよ。最近はあまりグッとくる邦題を見かけませんが、これぐらいの邦題をつけてくれないとねえ。だって、メタルってそんな感じだから。

 あまり知っている人はいないけど、私はかなり好きなMr.Bungleの一枚目。ジャケットは一番怖いけど、内容はこの次のアルバムが一番恐ろしい。その次のアルバムは少しも恐ろしくないところがまた更に恐ろしかったり。それで、その次はいつ出るのかまったく解らないところも更に恐ろしい。

 それにしても、どんなところにいるヤツでも、ピエロっていうのは子供を怖がらせるためにいるとしか思えない。

 このジャケットには私も少しビビッた。中身とどれほど関係があるのかは知らないが、エグ過ぎる。店でこれをレジに持っていった時に店員もギョッとしていたよ。

 これ、ジョン・ゾーンだよ。ジャケットは気持ち悪いけど、中身はすごく格好いいんだよ。

 これはかなり情念が入っていますよ。ローラ・パーマーの遺体ですね。ちょっと趣向を変えてCDではなくDVDのジャケットです。これは「ツイン・ピークス」の本編の方のジャケットで、この本編の方はあんまり怖くないんだけどね。でも「本編を見た後に見るように」っていう映画の方はすごいんだよね。映画監督ってすごいんだなあ、って始めて思いましたよ。

 それで、遺体を放置しておくとゾンビになるのです。私も酒を飲み過ぎた時とか、ゲームをやりすぎた時とかは時々ゾンビになるのですが、ロブ・ゾンビにはかないません。彼こそ、ゾンビの中のゾンビです。彼はリアルにゾンビだからマリリン・Mとは違って青少年に悪い影響を与えることもありません。彼のCDを聞いても銃乱射事件を起こすようなこともないのです。心から世界の平和をのぞんでいるのは、もしかするとゾンビだけかも知れない。そんなことはあり得ないのですが、私はそんな気分です。

 アリスで始まってゾンビで閉めるなんて、なかなかいい感じでしょ。まあ知らない人には何にも解らないことですけどねえ。結局、ハードディスクの中にはたいして怖いものは入っていなかったということですかねえ?

 というより、ハードディスクの話はどうなちゃったんだよ、って感じですよねえ。でも、まあ気にしない。ディスクがあまりにピカピカだったから、何かを映してみたくなったんです。しかもなぜかスクリプトの練習?まあ、たまにはこった感じでね。えへへ。

 次回は何が壊されるのか?もしかすると壊れてしまった私の頭を分解してみるかも知れません。お楽しみに!?