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#125 「悪い例 Pt.2」 2009-05-08 (Fri)

前回のあらすじ:を書くのは面倒なので前回を読んでください。(というか物語ではないので「あらすじ」はいらないのです。)

「イラガマンが、おじいちゃんになっちゃった…。イラガマンが…」

あれから一日たって部屋に戻った私は変わり果てたイラガマン印を見て力無くつぶやいたのでした。


 色々と理由は考えられますが、ペンキのムラを隠すためのイラガマン印のタトゥーシールがシワシワになっていたのです。あまりのショックに写真を撮るのを忘れましたが、こんなシワシワじゃやる気がなくなる、と思ってシールははがすことにしました。ほぼ完成のはずだったのに色々と台無しです。

 はがすとシワシワになった理由がなんとなく解ります。



 爪で引っかいただけなのにペンキが剥げていきます。ペンキを厚くしすぎたのか、乾く前にシールを貼ってしまったのか、そんな理由でシールがシワシワになったのかとも思いましたが、どうやら問題は筐体部分に元からついていたコーティングみたいなものにもあるようです。

 筐体はアルミか何かで出来ているのですが、それに黄色い塗装みたいなことがしてあったのです。この黄色とペンキの相性が良くなかったようで、ペンキを塗った部分は全体的にベトベトした感じになっています。

 一番最初のヤスリがけをもっと完璧にやらないといけなかったのです。ここでやる気をなくしてしまうとあまりにもバッドエンディングなので、気を取り直してはじめからです。というよりも、ペンキを剥がす作業もあるのでマイナスから再スタートでもあります。いずれにしても面倒なことになってきたのです。


 紙ヤスリではどうにもなりそうになかったので、もう少し強力なサンダーを使います。サンダーといってもヤスリですが、ケースにサンダーと書いてあるのでサンダーです。(これの古風な感じのタイプだとダニエルさんが空手の修行で使っていたアレになります。というか、解りづらい?)


 ベトベトしていたペンキはけっこう簡単に剥がれていきました。しかし、その後がけっこう大変です。



 最初からついていた黄色いコーティング(というか塗料なのかなあ?)は強力でけっこう分厚く塗られています。休憩を入れながら一時間ぐらいでだんだん下のアルミっぽい部分が見えてきました。

 横にドライヤーみたいな黒い機械が見えていますが、あれは電動ドリルに取り付けられる紙ヤスリを試したものです。ヤスリがけ専用の機械ではなくてチャチい作りなので、まったく役に立ちませんでした。

 やっぱりサンダーでゴシゴシするしかありません。



 さらに二時間ぐらい。ゴシゴシからガリガリに音が変わってきました。もうほとんど黄色は残っていません!というか傷だらけですが気にしてはいけません。ここまでくる間に手が滑って自分の手をヤスリがけしてしまったり、摩擦熱で熱くなった筐体を支えていた手に軽い火傷をしていたりで、もうボロボロな私です。(もの凄く高温になっていたワケではないのですが、低温火傷みたいなことだと思います。水ぶくれになっていました。もしかするとただのマメかも知れないですけど。)



 だいぶ良い感じになってきたので、最後は紙ヤスリです。目の粗いのと細かいのを順に使ったら滑らかになりました。もしかして、さらに紙ヤスリの目を細かくしていったら最終的にはiPodの裏みたいになるのではないか!?とか思ってしまったのですが、そんなことになっても意味がないのでヤスリはここで終了です。

 文字にすると大したことはないですが、もうほとんど手に力が入らない状態です。

 あとは色を塗れば完成のはずです。裏側にイラガマン印を刻印することは諦めました。もう一度タトゥーシールを使っても良かったのですが、ツルツルな感じになったのが気に入ったのでツルツル感を強調することにしたのです。(ホントは面倒だからやらなかっただけ、という説もあります。)


 もうすぐ完成なのですが、ちょっと気になるのがペンキの残りの量です。二回も塗るとは思っていなかったので、ペンキは一番小さいサイズを買っていました。なくなったらまた買いにいけば良いのですが、もう疲れているので買いにいく気力がありません。

 スプレーペンキなので一滴も無駄にしないというのは無理ですが、なるべく無駄のなくなるように慎重にスプレーしていきます。前に思いつきでやったサンバースト仕様がちょっと良かったので、最初は白から塗ります。

 両端に白を塗ったところでちょうど白ペンキがなくなりました。ギリギリです。


 次はメタリックの青です。白い部分を消さないように慎重に、かつ無駄なく手早く。青もなかなか良い感じで塗れてきました。しかし、あと少しのところでペンキの出方が怪しくなってきました。ガスの出る音はしていますが色が付いていない気がします。

 こういう時は振ればなんとかなります。ペンキが出なくなったら振ってちょっと塗って、また出なくなったら振って。そういうことを繰り返していたら最初の慎重さがなくなって、白い部分に思いっきりペンキを塗ってしまいました。

 まあ、これはしかたがないと諦めて、最後の一塗りをしようと思ったらスプレーペンキの「最後っ屁」みたいなのが出てきて、大粒のペンキがまた白い部分に!これにはちょっとヘコみましたが、部品を付けたらうまい具合に隠れることが解りました。



 という感じで、今度こそ「タナカ君のピアニカの改造、というか色を塗る!」が成功しそうです。

 ペンキが完全に乾いたら、全ての部品を元どおりに組み立てます。そして、最後の仕上げに小さなイラガマン印のタトゥーシールを貼り付けます。(ここは妥協ではなくて予定どおりです。)



 色々ありましたが、完成です。色を塗っただけなのに二日もかかりました。やり直しのヤスリがけを始めたのは午前中だったのですが、すっかり日が暮れて写真の色が部屋の照明の色に影響されてオレンジっぽくなっています。暗いので写真がブレていたりもしますし。

 あとはピアニカを吹きまくるだけです。もうペンキがベトベトすることもないですし、苦労してやり直した甲斐がありました。もう以前のような懐かしいピアニカではありません。この最新イラガマン印のピアニカで斬新な演奏の数々を生み出していくのです。


 ついでに書いておくと、鍵盤の根本についているバネの部分に「ナメラカニナール」を付けたらすごく弾きやすくなりました。(「ナメラカニナール」の正式名称は「KURE 5-56」といいます。)ちょっと臭くなるのが難点ですけど。

 「このピアニカじゃ速弾きしづらいんだよね」ともんくを言ってくる小学生のお子さんをお持ちの親御さんは「ナメラカニナール」を試してみてください。付けすぎると鍵盤までヌルヌルするので注意ですが。

 ということで、成功かどうかは良く解りませんがオリジナル風のピアニカが完成しました。わざわざ二回に分けることもなかったのですが、写真が多いとメンドクサイので分けてしまったのです。

 ピアニカといえども自分で使う楽器にはこだわりたいですし、そうすることによってもしかすると演奏にも個性が出てくるかも知れないので、こういうことは良くやってしまいます。ギターにステッカーを貼ったり絵を描いたりする人がいますが、それと一緒です。なによりも工作は楽しいですし。


 ついでに書いておくと、この小学生仕様のピアニカは古いのが原因かも知れませんが、ちょっと音痴です。音によってピッチがちょっとずれています。でもこれは平均律ならぬ小学生用の小学正律での調律だと思えば大丈夫です。


 今回はピアニカをイラガマン仕様にしてしまいましたが、次は何がイラガマン仕様になるのでしょうか?それは次回に書かれるのか?或いは書かれないのか?

 多分書かれませんが、次回も何かの特集に違いありません。それを特集と呼んで良いのならの話ですが。

 お楽しみに!