KORG MS-2000

 これはアナログモデリング・シンセザイザーというオモシロ楽器だよ。アナログシンセをわざわざデジタルで再現しているんだ。デジタルの便利なところは設定の保存や呼び出しが簡単なところだね。これだけつまみがあるとどこをどう動かしたか何か覚えられないから、保存が出来るということは便利なことだよ。
 ここで、アナログシンセについてちょっと説明しておくよ。アナログシンセは、現在楽器屋さんでよく見かけるデジタルシンセとは音の出し方が全く違うんだ。デジタルシンセでピアノの音を出すと本物そっくりの音がするよね。なぜかというと、あれは本物の音を録音してそれをシンセ用に加工しているから本物の音がして当然なんだ。でも、アナログシンセではそうはいかないよ。アナログシンセはオシレーター(発振機)の出すピー、とかビーとかいう音を加工して音を作るからどうしても本物の音にはならないんだ。本物に近い音なら出るんだけど、それもけっこう技術がいるみたいで、音楽の現場に行ってシンセの音色を作るという仕事があったくらいなんだ。
 どうしてそんなアナログシンセをわざわざ再現するのかというと、アナログシンセの独特の音がいいという人が沢山いたからみたいだね。それに自分で音色を作っていくのも楽しいからね。
 実はLittle Mustaphaがこんな楽器を買うのはすごく意外だと思ったんだ。思ったとおり、はじめの方は使い方が解らなくて、あまりいじっていなかったけど、最近ではやり始めるとずいぶん長い時間遊んでいるよ。彼の作品の中でも時々MS-2000が使われているよ。でもかっこいい音よりオモシロサウンドが中心だけどね。