Fostex VF-160

 これはMTRといって、録音の機械なんだよ。録音といってもラジカセに録音するのと違って、トラックごとに録音をするから同時に楽器を演奏しないで別々に録音して一つの曲を作ることが出来るんだ。例えば、まず最初にトラック1にドラムを録音して、その次にトラック2にベース、そうしたら次はトラック3にギターという感じだね。
 もともとアマチュアの使うMTRというのはカセットテープを使った4トラックのものが主流だったんだけど、デジタル技術が進むとアマチュアにも手の出せる値段の8トラックや16トラックのデジタルMTRが売り出されるようになってきたんだ。このVF-160はデジタルの16トラックのものだよ。
 デジタルのよさは、何度録り直しても音が悪くならないところ。カセットテープだったら4回ほどでテープがのびてきちゃうんだよね。それから、巻き戻しや頭出しが一瞬でできてしまうところも素晴らしいね。あと、曲の中の一部分を消去したりとか、コピーして他の場所に貼付けたりも出来るんだ。テープじゃ絶対に不可能だよね。・・・消去ならかろうじてできるのかな?でもやり直しはできないよね。
 このVF-160の面白いところはデザインかな。普通各トラックの音量を調節するフェーダーは1列に並んでいるんだけど、これは2列になっているんだ。なぜかは知らないけど、これで多少横幅が狭くなって奥行きのある机には便利だよね。でも横に広い机の人は普通のデザインの方が便利だけど。
 それと音がなかなか良いんだよ。さすが老舗のFostexだね。デジタル特有の物足りなさをあまり感じさせないんだ。
 でもLittle Mustaphaの部屋にあるVF-160はちょっとした危機をむかえているんだ。それはLittle Mustaphaがパソコンを使って録音することが多くなってきたからなんだ。でもしばらくはVF-160を使い続けるだろうね。ここでVF-160とパソコンを比べてみるよ。パソコンが優れている点は、パソコンの性能が許す限りトラック数が増やせるというところだね。それからエフェクターの種類が豊富で、これも性能が許す限り、沢山の種類のエフェクターを同時に使うことが出来るところもいいね。一方、VF-160の良いところは、パソコンのようにフリーズすることが滅多にないところだね。それから起動の速さがパソコンよりも断然速いというところも見逃せないよ。それから、決定的な違いは、パソコンはマウスで操作するのに対してVF-160は手で操作するということなんだ。これが意外と重要なポイントだったりするんだよね。