現代におけるアート。その意義、存在価値、そして彼自身のアートへのこだわり。
"Arty"にはその全てが込められている。(hfff!)

 現代アートの金字塔「Arty」の完成記念、Little Mustaphaへのインタビューです。Little Mustaphaにアルバムの内容、アートの現在、そしてこれからのアートについて伺ってみたいと思いますので、みなさんは姿勢を正して身動きせず物音を立てずに読んでください。もしも雑音がするような事があればその芸術性が損なわれてしまいますから注意してください。

Little Mustapha-----こんにちは。リトルゴーチ・ムスタファです。
ミドル・ムスタファ-----うわっ、出た!今更そのネタですか?
Little Mustapha-----なにを言うのですが。アートは普遍的な価値を持っているのですよ。今更もなにも、このネタは未来永劫語り継がれるのである。
ミドル・ムスタファ-----なんで変な喋り方なんですか?
Little Mustapha-----それを言われると困るのであるが、なんかアートっぽい感じにしたいけど、あんまり上手くいってないんだしなあ。
ミドル・ムスタファ-----何を言ってるのか解りませんが。とにかく始めませんか。今回はアートっぽい感じということで作ったようですけど。どの辺がアートっぽいのか。
Little Mustapha-----なんて言うか、年明けからピアノの練習を真面目にやる、というのを再開していてね。それでクラシックというか、近現代風ピアノみたいなのをやりたいと思ったのが始まりというか。
ミドル・ムスタファ-----じゃあアートとかそういうのは?
Little Mustapha-----でも近現代といったらアートな感じがするでしょ?バロックとかそういうクラシックだと「芸術」だけど近現代は「アート」なんだよ。
ミドル・ムスタファ-----それは何て言うか、適当に言ったつもりがけっこう深い問題だったりしそうな話なのですが。
Little Mustapha-----まあ、ボクも自分で言って思ったけどね。「芸術」と「アート」は元は日本語か英語かの違いのはずなんだけど、今では全く違う意味になっていたりするしね。歌のCDを一枚出しただけでアーティストって呼ばれちゃうしさ。誰かに作ってもらった歌を歌って芸術家だよ。しかも買う人は歌目当てじゃなくて、同封されてる…
ミドル・ムスタファ-----おっと、その話はその辺で終わりにしてください。
Little Mustapha-----なんで?芸術なんだからそんなふうに検閲されると反抗的芸術になってしまうよ。
ミドル・ムスタファ-----無理に芸術にしなくても良いですよ。でも、だいたい解りましたけど、今回の作品には特に意味は無い、ってことで良さそうですね。
Little Mustapha-----当たり前だ!芸術に意味など無いのだよ。意味があるのは芸術に触れた時に感じたその心の動き。それこそが鑑賞者にとっての芸術なのである。
ミドル・ムスタファ-----なんていうか、それはかなり「アートっぽい」意見ですね。

「About Ice, Heat and Its Event horizon」について

ミドル・ムスタファ-----確かにピアノの感じは近代っぽいですけど。
Little Mustapha-----そうじゃなくて「事象の地平線」ってのがアートでしょ。
ミドル・ムスタファ-----それはアートというか科学の分野じゃないですか?
Little Mustapha-----それを曲のタイトルにするところが現代のアートっぽいんだけどね。
ミドル・ムスタファ-----まあ、解らない事もないですが。それで途中からメタルっぽくなるんですけど。
Little Mustapha-----アートだからね。
ミドル・ムスタファ-----それじゃあ説明になっていないような気もしますが。
Little Mustapha-----いや、アートだからこうなるんだよ。芸術だったらこうはならないよ。
ミドル・ムスタファ-----また意味があるのか無いのか解らない事を言ってますけど。
Little Mustapha-----それもアートなんだから仕方ないんだし。
ミドル・ムスタファ-----アートで全部誤魔化すのってズルくないですか?
Little Mustapha-----でも、そうすると楽なんだけどね。でも昔ながらのクラシックみたいなのしか芸術じゃないとか、そんなことを考えている人達には自分がすでに化石化してるってことに気づいて欲しいっていうかさ。あるでしょ。ホントはクラシックとかも好きなんだけど、ボクはああいう化石化した連中のせいで、ホントに腹が立って…
ミドル・ムスタファ-----あの、ヤバくなってきたんで次に行きましょう。

「Anger of Counted Sheep is Counted Again」について

Little Mustapha-----これは現代っぽい曲だよね。
ミドル・ムスタファ-----ええ、まあ。
Little Mustapha-----なんかスッキリしない返事でありますが?
ミドル・ムスタファ-----その言い方もアレですが。それよりも、さっきから近代とか現代とか言ってますけど、何か違うんですか?
Little Mustapha-----それは、なんていうか。この曲は「エクソシスト」っぽいから現代でしょ。
ミドル・ムスタファ-----それって、人によっては全然意味が解らないと思いますけど。多分、映画の「エクソシスト」のサントラの音楽に似てるってことですか?
Little Mustapha-----そうだけど。ただ、あの映画もそろそろ「現代」じゃなくなって来てるって感じもするよね。
ミドル・ムスタファ-----そうですね。時間の経つのは早いものですよ。
Little Mustapha-----でも、そんなことを言ったらこの曲がパクりみたいに聞こえるから、これは無かった事にするけどね。
ミドル・ムスタファ-----なんですか、それは?
Little Mustapha-----つまり、この曲が現代っぽいのは、近代っぽい曲よりも、より音楽らしいということかな。
ミドル・ムスタファ-----良く解らないですが。現代音楽って理解しがたいってイメージなんですけど。
Little Mustapha-----それは偏見だと思うけど。近代から現代にかけて音楽理論を追求するあまりに、屁理屈みたいな音楽が出てきた、というのは確かだけどね。でも実は現代音楽にはそういう動きに反してもっと自然に聴ける音楽を目指す動きもあったりして。そういう意味ではこの曲は現代っぽいんだけど。
ミドル・ムスタファ-----その解説が屁理屈っぽいですが。でも途中でドカドカするのは何ですか?
Little Mustapha-----ドカドカ?!…ああ、あれは何て言うか。あれだよ。原爆が落ちた後のアレ。
ミドル・ムスタファ-----別にここでゴーチネタを挟まなくて良いですけど。タイトルからしてもそんなことは全く感じられませんけど。
Little Mustapha-----そうでございましたね。タイトルから推測すると、怒りの羊の怒りとまた数えられた怒りだと思うよ。
ミドル・ムスタファ-----いつもそんな感じなんですけど、今決めてませんか?
Little Mustapha-----アートだからね。
ミドル・ムスタファ-----説明になってないし。

「Etude for Four-Piece Kid」について

ミドル・ムスタファ-----Four-Piece Kid って、これはまたアートですか?
Little Mustapha-----何を言っておるのだね?私の作品は全てアートなのだよ。
ミドル・ムスタファ-----ああ、変なことは聞かない方が良かったですかね。それよりも、そのアーティストキャラですけど、いまいちアーティストっぽくないんですけど。
Little Mustapha-----ああ、気づいちゃった?まあ元々はこのアートシリーズの曲は別のアルバムの中にちりばめられる予定だったしね。あんまり下準備が出来てないし。
ミドル・ムスタファ-----別にインタビューのために下準備とかしなくて良いと思いますが。
Little Mustapha-----そうだけどね。出来れば完璧を目指さないとアートじゃないし。現代のアーティスト達はどんな喋り方をするのか?ってことはもう少し研究の余地があるよね。
ミドル・ムスタファ-----研究してどうするんですか。
Little Mustapha-----だってアートっぽいこと言ってた方がこういう作品を発表する時に作品の有り難みが増すでしょ。見たり聴いたりする人にとってのアートの価値なんていうのは有り難みの度合いによって決まるからね。誰も見向きもしなかった絵画が実は超有名な画家の作品だった!ってだけで何億円もの値段になったりとかさ。
ミドル・ムスタファ-----それはありますよね。でもこの曲と関係ないと思いますが。
Little Mustapha-----ああ、そうでした。でも最近のアートっぽい人は聞いた事のないカタカナ語とか多用するよね。適当にカタカナ語っぽいのを勝手に考えて使ってるとアートっぽくなるのかな?
ミドル・ムスタファ-----知りませんけど。それじゃあFour-Piece Kid ってのは勝手に考えたアートな言葉なんですか?
Little Mustapha-----ああ、それね。そうでもないけど。本当は「フォーピース・ジャズ・バンドのためのメタル練習曲」という感じにしたかったんだけど、ジャズというのにはちょっと曲が簡単すぎると思って、それで子供向けのメタル練習曲かな?ってことだったんだけど、それだとあんまりアートっぽくないし、それでこうなったんだけど。
ミドル・ムスタファ-----アートっぽくなった、ってことですか。
Little Mustapha-----意味のわからない言葉という意味でね。あとボクの曲はテンションノート地獄って意味ではジャズっぽいんだけどね。それはあんまり解ってもらえない部分だけど、この曲はドラムセットの音がジャズキットだから、もしかするとジャズっぽいと思う人がいるかも知れないよ。
ミドル・ムスタファ-----でも、最近は三拍子でスウィングしてる曲の方がジャズっぽいって言われている感じがしますよ。
Little Mustapha-----ああ、それそれ!…というかキミがそんな事を言い始めるとボクが気を遣わないといけなくなるから控えて欲しいけどね。まあ、別に誰かに気を遣う必要は無いから言いたい事全部言っても良いんだけど。でも度が過ぎるとホントに総スカンを喰らうしね。
ミドル・ムスタファ-----あっ、でもその「総スカン」って人によってはアートっぽい意味のわからない言葉かも知れませんよ。
Little Mustapha-----それはどうでも良いけど。あぁ、でもボクもたまにはチヤホヤされたいんだよね。…というかこの「チヤホヤ」はダイジョブだよね?
ミドル・ムスタファ-----ダイジョブの意味が良く解りませんけど「総スカン」よりは一般的な言葉だと思いますよ。
Little Mustapha-----ならいいや。

「COMET」について

Little Mustapha-----後付けのタイトルだけど、これはホントに彗星をイメージしたみたいな曲になってるよね。
ミドル・ムスタファ-----後付け、って。言ったらダメでしょ。
Little Mustapha-----あっ、しまった…!でも、ご存知のとおり曲のタイトルは毎回後付けがほとんどなんだけどね。でもこの曲は最後までタイトルが決まらなかった曲なんだけど。アートっぽいということに捕らわれていたから良いアイディアが出てこなかったんだよね。でも、何となく曲を流している時にこの曲からイメージされたのが彗星ってことで、これは上手いタイトルだと思ったりしてね。
ミドル・ムスタファ-----そうなんですか。でも思ったんですけど、各曲の途中に入るメタルな部分のせいで曲から受けるイメージというのは少し限定される感はありますよね。
Little Mustapha-----それはタダの意見なのか、けなされているのか…。
ミドル・ムスタファ-----別に、タダの意見ですよ。
Little Mustapha-----でも、そのメタル的な部分というのがワンパターンになってしまった感はあるけどね。この曲はメタルっぽい後にフュージョンとかプログレっぽい感じなのが特徴でもあるけど。まあ、そうなったのはいつもみたいに思いつきで楽器をどんどん増やさないで、決められた楽器だけで演奏したってところも影響してるんだけど。
ミドル・ムスタファ-----というか、その決められた楽器とかの話は最初にしておくべきでしたね。
Little Mustapha-----ボクも今思ったけど。今回はピアノが、まあメインな楽器になっていて、その他にギター、ベース、ドラムが一人だけ、という設定になってるんだよね。多重録音だから楽器は後からいくらでも足せるんだけど、それはやらないであえて一つの楽器でやるってことで。
ミドル・ムスタファ-----最近のデジタルな録音手法から考えると珍しいですけど、それもアートっぽいってことですか?
Little Mustapha-----そうじゃなくて、これはこれで楽だからね。
ミドル・ムスタファ-----エェ?!
Little Mustapha-----あ…、じゃなかった。なんていうか、アレだよ。臨場感を追求するとか。訴求するとか。そういうアートだよ。
ミドル・ムスタファ-----別に訴求はしなくても良いと思いますけど。
Little Mustapha-----そうだけど。でも下手に楽器を増やさない事によって、曲のコアな部分というか、何を思ってこういう音の並びになっているのか?とか、そういうところが理解できたりするんじゃないか?ってことなんだけど。まあそこまで理解してもらおうと思うのは無理な話だけどね。
ミドル・ムスタファ-----そうですよね。
Little Mustapha-----でも、楽器が少ない、というかギターが一本だけだとパワーコードでジャーン!ってなってる音だけってワケにもいかないから、この曲の後半みたいに少し高い音で伴奏したり、あるいはメロディーに専念とかになったりするから、そういう意味でフュージョンっぽいし、プログレっぽい感じにはなるんだよね。…あ、プログレっていってもプログレ・メタルとは違うから要注意だけど。
ミドル・ムスタファ-----プログレ・メタルを聴く人はその辺は敏感だから大丈夫だと思いますよ。
Little Mustapha-----まあ、そうだよね。

「Beautiful Woman and Her Jalapeño」について

ミドル・ムスタファ-----これも変なタイトルがついていますけど、アートってことですか?
Little Mustapha-----別にアートだから変なタイトルってワケでもないけどね。でもアートとしてちゃんと意味のあるタイトルなのさ。
ミドル・ムスタファ-----なんか喋り方がロックみたいですけど。それで、何がアートなんですか。
Little Mustapha-----この曲って途中でハバネロっぽくなるでしょ。まあ、ハバネロにも色々あるけど、やっぱり有名なのはカルメンのハバネロなんだけど。そういうイメージから男を虜にする美女という設定が出てきてね。
ミドル・ムスタファ-----ええ…。
Little Mustapha-----あれ?!…これじゃ解らないかな?まあアートっていうのは複雑だからね。ハバネロっぽいけど、そのままじゃつまらないし、ちょっとひねりを加える事でさらにアートになるってことだよ。だからハバネロじゃなくてハラペーニョになった、ってワケ。
ミドル・ムスタファ-----あの、もしかしてハバネラのこと言ってますか?
Little Mustapha-----ん?!なにが?
ミドル・ムスタファ-----カルメンっていったらハバネラですよ。ハバネロじゃなくて。
Little Mustapha-----…そ、そうだけど。
ミドル・ムスタファ-----さっきからずっとハバネロって言ってましたよ。
Little Mustapha-----そんなことあるワケないじゃん!アハハハ…。
ミドル・ムスタファ-----だってハバネラじゃハラペーニョになりませんし。
Little Mustapha-----うん…。…。
ミドル・ムスタファ-----だんまりはやめてくださいよ。
Little Mustapha-----…。

「It is Like Beginning of the End」について

ミドル・ムスタファ-----じゃあ、次に行きますから、そろそろ喋ってください。さっきの間違いはもう気にしない事にしますから。
Little Mustapha-----はいはい。どうせ私には芸術なんて解りませんよ〜だ!
ミドル・ムスタファ-----なんですか、その態度は。アートっぽいとか、そういうので通してくれないとやりづらいですよ。
Little Mustapha-----だってもうやる気なくなっちゃたし。アルバムの発表も延期しようかな。
ミドル・ムスタファ-----そんなことで延期とかやめてくださいよ。それよりも曲について何かないんですか?
Little Mustapha-----ああ、そうでした。これは細かい間違いをいちいち指摘されて、次第に不振へと陥っていく芸術家の悲劇を描いた作品。
ミドル・ムスタファ-----今考えるのはやめてくださいよ。それに私の指摘したのは細かいのじゃなくて大きな間違いですからね。
Little Mustapha-----はいはい。どうせ私は細かくないですよ〜だ!
ミドル・ムスタファ-----意味のわからない開き直りはやめてくださいよ。
Little Mustapha-----まあ、そうだけど。実を言うと、この曲はアート的に全体のバランスを考えて曲数が少なすぎるってことで、アート的に追加されたものなんだけど。つまり次の曲へのアート的な前奏曲ってことでもあるから、アート的には次の曲とニコイチな曲だね。
ミドル・ムスタファ-----「アート的」という言葉は全部無視して良いですかね。
Little Mustapha-----良いですよ。
ミドル・ムスタファ-----確かに短い曲ですし、何となく前奏曲な感じはしますけどね。しかし、今回はアルバムだけどやけに短いですよね。
Little Mustapha-----まあ、アートってのは短いからね。
ミドル・ムスタファ-----何がですか?
Little Mustapha-----ホントのところ、こういうのはあんまり長いと自分でも飽きたりするからね。でも、こうして聴いてみるとちょっと物足りない感じがするけど。まあ、ちょっと物足りないぐらいが丁度良いんだよね。
ミドル・ムスタファ-----なんか美味しい食べ物の話みたいで、アートっぽくない説明になってきましたが。でもこの曲はピアノよりもメタルな感じですよね。
Little Mustapha-----まあ、急遽追加されたものだから作り易いやり方で作ったし。…ああ、アート的に、ってことでね。
ミドル・ムスタファ-----もうそろそろアート的とか無理しなくて良いと思いますよ。
Little Mustapha-----いや、一度決めたら最後までやる!
ミドル・ムスタファ-----そんなに熱くならなくてもいいのに。

「Waltzing into Silence」について


ミドル・ムスタファ-----最後の曲になりましたが。これは一番アートっぽいって感じじゃないですか。
Little Mustapha-----三拍子だから?
ミドル・ムスタファ-----そうかも知れませんね。なんかアートっぽいって言われそうな雰囲気がありますよ。
Little Mustapha-----三拍子って今の人達にはあんまり馴染みがなかったりするしね。ジャズっぽいって言われてる曲も普通のスイングじゃなくてジャズワルツの方が多かったりする印象だよね。
ミドル・ムスタファ-----普段聴き慣れていない方が特殊な感じがしてしまうんですかね。
Little Mustapha-----そういえば思い出したけど、前の方の曲で5/8拍子とか色々変拍子を使っている曲があったのに偉そうに解説するの忘れてた!
ミドル・ムスタファ-----今更言われても遅いですよ。あんまりアートとかにこだわってるから。
Little Mustapha-----うーん。悔しいなあ…。
ミドル・ムスタファ-----それよりも、この曲はピアノだけかと思わせておいて、メタルな部分もちゃんと入れていたり、その辺はやっぱりアートって事ですかね。
Little Mustapha-----いや。もうアートとか言ってると自分の曲のスゴいところをアピール出来ないからね。あれはアートじゃない事にするよ。
ミドル・ムスタファ-----ということは音楽的になにか意図があった、という事ですか?
Little Mustapha-----そうじゃなくて、今回はああいう音を入れるというルールだし、無理矢理入れたんだけど。
ミドル・ムスタファ-----それじゃあ、全然スゴいアピールになってないですよ。
Little Mustapha-----あっ、しまった。じゃあアレはアートなんです。モダン・クラシックとメタルの融合!化学反応!そういうこと。
ミドル・ムスタファ-----アートというか、中二病的ですけど。
Little Mustapha-----うーん、まあいいか。でもアレはアレで味わいが出てると思うんだよね。まあ、思うのはボクだけかも知れないけど。特に最後の所とか。曲の後にミョーな余韻が残る感じがして。ああいうのはけっこう好きだし。まだカセットのMTRを使っていた頃の曲はあんな余韻が残る曲を最後にもってきていたしね。
ミドル・ムスタファ-----それって、まだあなたがあなたじゃなかった頃の事ですね。
Little Mustapha-----そういうことか。まあ原点に返ったとも言えるけど。そういうことは、つまりボクは元々アートっぽいって事になるんじゃないか?
ミドル・ムスタファ-----でも、あの終わり方がアートっぽいってことは誰も言ってませんけど。
Little Mustapha-----ああ、そうか。…というか、キミが余計な事をいうから上手くまとまりそうなところがまとまらなくなってきたぞ。
ミドル・ムスタファ-----ああ、そういう作戦だったんですか?でも今回は曲が少ないし、まだ余力はありますよ。
Little Mustapha-----じゃあ、もう一回やる?
ミドル・ムスタファ-----それは困りますけど。今回は途中のおまけコーナーとかなかったですけど、その辺のネタはないんですか?
Little Mustapha-----いや、特にないけど。やれと言うのなら用意してない事もない、って感じかな。

「その辺のネタ」について

Little Mustapha-----それじゃあ、せーの…、「ザ・オマケコーナー!」…って、なんで一緒に言わないんだよ!
ミドル・ムスタファ-----なんで、って。いきなり言われても困りますよ。それに全然アートじゃなくなっていますけど、良いんですか?
Little Mustapha-----それはまあ、良いんですよ。でもせっかくやるんだからアートな感じで「オマケ・ザ・コーナー」にしたら良かったかな?
ミドル・ムスタファ-----それのどこがアートなのか解りませんし。意味も良く解らないですから。
Little Mustapha-----なんとなく、コーナーをオマケするみたいなニュアンスだしさ。オマケの再構築って感じかな。
ミドル・ムスタファ-----再構築って…。
Little Mustapha-----まあ、言いたかっただけだけど。ただ、もっと「再構築」ってキーワードは本編のインタビューで使いたかったよね。ただ、再構築に関連しそうなワードがあんまり思いつかなかったし。
ミドル・ムスタファ-----それはどうでも良いですけど、オマケコーナーとかオマケザコーナーとか、やらないんですか。
Little Mustapha-----ああ、やりますよ。それじゃあ、まずはいつものように、といきたいのですが、今回は裏ジャケはないのでボツ・ジャケコーナーから。


Little Mustapha-----これって、なんてフォントか忘れたけど、元々のフォントをさらに装飾してこの形にしたんだよね。けっこう苦労した、というかソフトが重くて大変だったんだけど。
ミドル・ムスタファ-----面白いですが、もう少し、みたいな感じですよね。
Little Mustapha-----あのシワシワのエフェクトとか、そういうのに頼ってりるのはダメなアイディアになりつつある証拠というかね。そんな気もするし。


Little Mustapha-----続いては、改良になってない改良版。
ミドル・ムスタファ-----カラフルですね。
Little Mustapha-----うん。カラフルなんだよね。そして今度はGIMPのフィルターに頼っているカラフルさなんだけど。さらにダメなアイディアになりつつある、って感じが強く出ている作品である。
ミドル・ムスタファ-----語尾だけアートにしなくて良いですよ。
Little Mustaphal-----そうである。
ミドル・ムスタファ-----そいうか、それはタダの変な喋り方ですし。
Little Mustapha-----そんな気がしたけど。最終的に採用されたのはあんまりゴチャゴチャしないシンプルなのになったけど。まあ、楽器の構成もシンプルだしね。一番あってるような気もするし。アレはクラシックピアノの楽譜のデザインをちょっと参考にしてるんだけど。
ミドル・ムスタファ-----へえ。でもピアノの楽譜って出版社によっていくつか種類ありますけど、あれは何となく味わいがあって良いですよね。
Little Mustapha-----そうなんだよね。思い切ってアレをパクるというのもアリだったかも知れないけど。バレたら本気で怒られそうだしなあ。
ミドル・ムスタファ-----あれだけアートとか言ってたんだから、そんな所を気にするのってなんか変ですけどね。アートだったら怒られないんじゃないですか?
Little Mustapha-----まあ、それもそうか。というか、もう出来ちゃったんだから今更そんな事を考えても意味がないんだし。


Little Mustapha-----続いては問題作ですよ。
ミドル・ムスタファ-----なんかちょっと気持ち悪いですが。
Little Mustapha-----これは何かというと、不思議系タレントが不思議感をアピールするためにブログとかで公開するイタズラ書き風の本気の作品の再構築!
ミドル・ムスタファ-----なにが再構築だか解りませんけど。これって中ジャケとは違うんですか?あるいはコンセプトアートとか言ってる時もありますが。
Little Mustapha-----これは、こんな展開もあろうかと思って、さっき描いておいたんだけど。なので、あからさまに狙っている感じが出ているよね。そういう意味でもこのアートのコンセプトにピッタリだったりして。
ミドル・ムスタファ-----えーと、そのコンセプトについてはあんまり触れるのはよしておきますけど。でも、あなたの言いたいことは何となく解ってしまうような。
Little Mustapha-----なんかここに来てアートな感じになってきたようだけど。そうなんだよね。アートというのは明確に説明できるものではなくて、何となく解ってしまう、という感じで解釈するものだと思うんだけど。
ミドル・ムスタファ-----それはそんな気がしますけど。でもそれって、このイタズラ書きについての話ですか?それとも、アルバムの方ですか?
Little Mustapha-----まあ、ホントは絵の方で思いついた話だったんだけど、アルバムの方という事にしておいてくれたまえ。
ミドル・ムスタファ-----その変な喋り方は全然アートっぽくないですよ。
Little Mustapha-----そういうのは気にしない!


Little Mustapha-----そして、ナンダゴーチちゃん。
ミドル・ムスタファ-----なんですかこれは?というか、さっきから全然アルバムと関係ないものばっかりじゃないですか。
Little Mustapha-----だってオマケ・ザ・コーナーだし。
ミドル・ムスタファ-----だし、って言われても解りませんけど。
Little Mustapha-----なんていうか、もうアートなんてどうでも良いって事なんだよね。
ミドル・ムスタファ-----なんか意味深な発言ですが。
Little Mustapha-----このナンダゴーチちゃんこそが、今回の作品の中で最高のアートだというのに、そんなことに気づく人は誰もいないんだし。いつからかアートというのは説明書きが付いてないとだれも理解できないものになってしまったんだよ。感動するものに出会ったとしても、そこに「これはアートです」と書かれた説明書がなかったらそれはアートじゃなくなってしまうし、価値もないように思ってしまう。そんなふうに損している人が沢山いるってことだよ。
ミドル・ムスタファ-----へえ…。それでこのナンダゴーチちゃんはどの辺がアートなんですか?
Little Mustapha-----いやいや。上手い事まとめるために大げさな事を言ったんだから。キミは変なところに突っ込まないで「それは素晴らしい意見ですね」とか言ってオシマイにしたら良かったのに。
ミドル・ムスタファ-----ああ、そうだったんですか。それじゃあ、それは素晴らしい意見ですね。ではこの辺で今回のインタビューは…。
Little Mustapha-----ちょっと、そんなんじゃダメに決まってるよ。
ミドル・ムスタファ-----決まってる、って言っても。そろそろ終わりにしないと時間が無くなってきましたし。
Little Mustapha-----だめだよ。こんなんじゃ全然アートになってないし。納得がいくまで何度でもやり直すよ。それじゃあ、一曲目からね。
ミドル・ムスタファ-----えぇっ!?
Little Mustapha-----ほら、早くやらないと終わらないよ。

 こうしていつものように悪夢のインタビューが始まったのでした。誰か私を起こしてこの悪夢を終わらせてくれませんでしょうか。

2014年 6月  Middle Mustapha