New Album "Tell Me What You Need !"
(やり直しバージョン)完成記念インタビュー?
これを読んでアルバムの内容が解りづらくなっても知りません。
あくまでも楽しむために読んでください。
真ん中辺におまけ(?)があります。
中途半端すぎる完璧主義者、Little Mustaphaが最新アルバム「Tell Me What You Need」をどうしても気に入らない、といってやり直しをしたので完成記念インタビューもやり直しです。
いったいどうしたというんですか?急に「やり直しバージョン」を作ったりして。ヒマだったんですか?
Little Mustapha-----ヒマとは失礼な!芸術家は常に完璧を求めているものなのだよ。
だったら、最初から完璧を求めたものを作れば良かったじゃないですか。
Little Mustapha-----だって、あの時はいろいろ忙しかったしさあ。
つまり、ヒマになったからやり直したということでしょ?
Little Mustapha-----まあ、そういうことか。でも、やり直していろいろなモヤモヤがグズグズしてたのがなくなってスッキリしたし。なんだか次への意欲が沸いてくる感じだよ。
そうなんですか。しかも「やり直しバージョン」では2曲も追加されてますね。
Little Mustapha-----そうだよ。一曲は昔作った曲だけど、もう一つは一昨日作って昨日録音したんだ。いろいろな作業を含めて完成までは3時間程度かな。
それじゃあ「完璧」なものは出来ないんじゃないですか?
Little Mustapha-----それは、どうでもいいんだよ。意外ときれいな音で録れたからね。
…へえ、そうですか。それで、どうします?また全曲についていろいろ聞かなきゃいけないんですか?
Little Mustapha-----当たり前じゃないか。曲はほとんど一緒だけど、今回は今回で別のアルバムだよ。それに、まあまあ納得のいくものに生まれ変わったんだからボクとしてもいろいろ言いたいことが出てきたんだよ。
やっぱりそうなりますか。それじゃあ手っ取り早くやってしまいましょう。
Little Mustapha-----いやいや、じっくりやってくれよ。
それでは最初に聞きますが、前回のオリジナルバージョンのどこが気に入らなかったのでしょうか?
Little Mustapha-----それはあれだよ。やり直したのがミキシングとマスタリングというところからも解るように音がメタメタだったでしょ。
そうでしたね。私もそう思いましたよ。これまで何枚もアルバムを作っている人の音とは思えないひどいものでした。ゴミですよあれは。
Little Mustapha-----ちょっと、それは失礼だぞ。どうしてそんなことを言うんだ?
ああ、それは失礼。ダメな方をけなして今回のを褒めたら喜ぶと思って。
Little Mustapha-----なんだよそれ?もうちょっと別の方法を考えてくれよ。ゴミとかいわれるとボクもショックだ。曲自体は気に入ってるのが多いからね。問題は最近のメジャーのCDの音がでかすぎるところにあるんだよ。
メジャーのCDって、普通の店で売ってるCDのことですか?
Little Mustapha-----まあ、そういうことだけど。なんだか知らないけど、最近では「大きな音=いい音」と勘違いしているリスナーがたくさんいて、さらに作る方も「デカい音でインパクトを与えよう」みたいなやり方で作ってるみたいなんだ。昔買ったCDと最近のを比べてみれば解ると思うけど、明らかに最近のCDの音はデカいんだよ。だからボクもそんなCDに負けないくらいにデカい音にしようと思っていろいろやってるうちに音質がガタガタ。せっかくの曲がボロボロ。
最近「ガタガタ」とか「ボロボロ」とか、そういう表現が好きですねえ。
Little Mustapha-----なんかオモシロでしょ?こういう表現が真面目な話の随所に出てくると…、ってそうじゃなくてアルバムの話をさせてくれよ!
そうでしたね。それじゃあ、今回は音が小さいんですか?
Little Mustapha-----「小さいんですか?」ってキミはまだ聞いてないのか?
(あっ、しまった!)一応聞いたんですけどねえ。新曲と未発表の曲に気をとられていて…。エヘヘ。
Little Mustapha-----エヘヘじゃないよ!もしかして、前回もちゃんと聞いてないんじゃないのか?
そんなことはありませんよ。ちゃんと聞きましたよ。
Little Mustapha-----まあ、どうでもいいか。でもバツとしてここで一度全部とおして聞いてよね。
ああ、そうですか。それなら聞きながら話も聞けますから、ちょうど良いですね。
Little Mustapha-----じゃあ再生するから心して聞くように。
…あんまり音は良くなってないですねえ。
Little Mustapha-----なんてことをいうんだ!いくらボクでも怒るぞ!
ああ、ごめんなさい。
Little Mustapha-----でもこの一曲目の「Intro Juice」というのは名前が気に入ってるだけ、みたいな感じの曲だしね。まあいいか。
そうなんですか?前に言ってたビートルズがどうこうっていうのは?
Little Mustapha-----あれは適当に言っただけだし。これはポップなアルバムなんだから、いちいち曲に意味がなくたっていいんだよ。
なんだか、話を聞く気がなくなるなあ。…と思ってるところで2曲目ですよ。酒の歌。これも意味ないんですか?
Little Mustapha-----ないと言えばないし、あると言えばある。
何ですかそれは?哲学じゃないんですから。
Little Mustapha-----「酒は哲学」ということかな?
違うでしょ。
Little Mustapha-----違うよねえ。ところで、今回明かされる衝撃の事実なんだけど「Drink Needs Me」ってFaith No Moreの歌詞から拝借したものなんだよ。
パクリですか?
Little Mustapha-----悪い言い方をするとそうなるかな。でも曲調は全然違うし、まあ「影響を受けた」ぐらいにしておいてよ。「RV」って曲なんだけど「酒がオレを必要としてる。オレじゃない」みたいな歌詞。いいよねえ。
いいんですか?
Little Mustapha-----いいでしょう?
まあ、そういうことにしておきましょう。そうこうしてるうちに三曲目ですよ。「Lady Tetragonal」は何かすごいですよねえ?
Little Mustapha-----そうだねえ。レコーディングは楽しかったんだけどねえ。全て思いつきで作ると後で面倒なことになるんだよ。
それで、Lady Tetragonalっていったい何なんですか?
Little Mustapha-----さあねえ?でもジャケットの裏に書かれている人はQueen Tetragonalという名前が付いてるよ。でもあれがLady Tetragonalという証拠はないけど。
証拠はない、って。全部あなたが作ってるんだから、その辺は解ってるでしょ?
Little Mustapha-----いやあ、それが解らないんだよ。悲しいことに。
そうなんですか。そういえば、ジャケットもちょっと変わりましたねえ。
Little Mustapha-----そうだよ。ちょっとだけ完璧に近づいたから、ジャケットもちょっとだけ色を足して完璧に近づけたんだ。まあ、適当だけどね。…おっと、曲が変わりましたよ。
そうですね。「Vee Vee Vigorous」は適当に作った曲なんですよね?
Little Mustapha-----違いますよ。
そうなんですか?
Little Mustapha-----そうでもないですよ。
何なんですか?!
Little Mustapha-----まあまあ。それにしてもこういう曲は、満足してるの弾いてる本人だけという感じもするよねえ。でもボクは自分が良ければそれでいい。
ヒドいですねえ。
Little Mustapha-----そうでもないよ。最近知ったんだけどねえ。ネットでギター弾きまくりの動画とか音声ファイルを公開してる人がいるでしょ。あれって結構人気があるみたいなんだよね。あんなのは自己満足だと思ってたけど、好きな人は好きなんだよ。だからボクも自己満足のこの曲を誰かに聴いてもらって、満足共有出来たらそれはそれで素晴らしいことじゃないか!
何ですかそれ?曲が短いからもう終わりましたよ。次は「Arabian Wood」です。これは自作フレットレスギターの曲でしたね。
Little Mustapha-----そうだけど、これは同時に宇宙を表現する曲でもあるんだよ。
またずいぶんと大きくでましたね。
Little Mustapha-----なんかこの曲はやり直ししたら結構上手くいったから大きくでてみました。でも宇宙といわれると、そう聞こえてこなくもないでしょ?歌のない曲なんて説明次第でどうにでもなる、というとかな?
音楽家がそんなことでどうするんですか!
Little Mustapha-----まあまあ。これは音楽についていろいろ熱く語りたがる人への当てつけだよ。
そうなんですか。
Little Mustapha-----嘘だけどね。
ちょっといい加減にしてくださいよ!
Little Mustapha-----なんか疲れちゃってねえ。不真面目100%何だよ。それじゃあ、だらっとした感じで次にいこうよ。
はいはい。でもこれはだらっとした感じの曲ではないですよねえ。
Little Mustapha-----まあ、そうだけど。この曲に関してはとくに言うこともないかな。言いたいことは前回のダメバージョンの方で言ってしまったし。知りたい人はそっちを読んでくれよ。
いい加減ですねえ。
Little Mustapha-----不真面目100%だからねえ。
じゃあ、次の「La Mar」も不真面目100%でお願いしますよ。
Little Mustapha-----これは結構真面目だよ。もうちょっとなんとかしたかった曲なんだけど。これが精一杯。何よりもオリジナルの録音でノイズが入っていたようでねえ。そういうことがあると、なんかすごくやる気がなくなってしまうんだよ。
つまりちゃんとやらなかった、ということですか?
Little Mustapha-----そうとも言えるかな。でもやる気がないなりに頑張ったよ。
まず始めにやる気を出してくださいよ。
Little Mustapha-----そうだよねえ。でも始めのアイディアの時点では結構気に入ってたからねえ。ちょっとしたことで逆にやる気がなくなってしまうんだよ。恐ろしいよねえ。
あなたのそのいい加減さが恐ろしいですよ。
Little Mustapha-----そんないい加減な感じで、前半の「いい加減ステージ」が終わると言うことだね。
「いい加減ステージ」ですか?前はそんなのなかったですよ。
Little Mustapha-----やり直してて思ったんだけど、このアルバムは次の「He Roe」から曲調が変わるでしょ。次の曲からは中盤の「お気軽ステージ」ということなんですよ。
「いい加減」の次が「お気軽」ですか?あなたはいつになったら真面目になるんですか?
Little Mustapha-----ボクはいつでも真面目だけどねえ。真面目にいい加減だし、真面目にお気軽なんだよ。
どうでもいいですよ。
Little Mustapha-----それにしても、この「お気軽ステージ」は得に音がひどくてねえ。しかも編集すればするほど変になってくるし。録音の時にお気軽すぎたのがいけなかったね。次の「Needs Me Like You Need It !」もそうだね。曲はそうでもないのに、なぜかヘヴィーロックの音を目差して録音してしまったからね。ギターの音がケバケバ。この2曲に関しては「お気軽ステージ」の「ケバケバハーフ」だね。
だね、って言われても良く解りませんよ。それじゃあ次の「Wonderland Hollywood」だってケバケバなんじゃないですか?
Little Mustapha-----それはそうだけど。これは歌が入ってるおかげでギターのパートが少ないからあまりケバケバしないですんだんだよ。ああそれから、関係ないけど今回のやり直しで理想的なボーカルのイコライジングが少し解ってきたような気がするんだ。このアルバムはちゃんとしてないマイクで録音したからボーカルも元の音はひどいんだけどね。思い切ったイコライジングでなんとなく曲に馴染む感じになることもあるみたいだね。
へえ。そういうことは私には良く解りませんけど。すごいですねえ。
Little Mustapha-----適当に褒めるのやめなさいよ。
いやいや。私はいつだって真面目ですよ。それよりも次は密かに録音された新曲「Lies I Need」ですね。変な曲ですが。これはどういうことなんですか?
Little Mustapha-----元々ここに入る予定の「Load of the Stink」の音がひどくて直しようがない、ということで急きょ録音されたんだ。さっきも言ったように一昨日作って昨日録音したやつ。やる気になれば結構出来てしまうものなんだよねえ。
それにしても、あなたの裏声はきびしいですよねえ。
Little Mustapha-----それを言うなよ。ボクだってホントはちゃんとした声で歌いたかったんだけど、移調するとギターが難しくなるし。急いでるとこういうことになるんだ。
結局やる気不足じゃないですか。
Little Mustapha-----まあね。最後の方なんてグタグタだしね。でもああいうのを一人でやるのって大変なんだよ。
それじゃ次にいきましょうか。アルバムのタイトルでもある「Tell Me What You Need !」です。ちょっと気になったのですが、これってシングル用のショートバージョンまであるのに、シングルになってませんねえ。
Little Mustapha-----シングルって言うのはあのサイトに投稿と言うこと?
まあ、そうですけど。
Little Mustapha-----始めはそのつもりだったんだけど、後で聴くとそれほど良い曲でもないかなって感じでね。この曲は始めに「Tell Me What You Need !」っていうタイトルがあって、それを元に作った曲なんだ。曲がいいからアルバムタイトルも同名にした、ということではないんだよね。それにガンズだって「アペタイト・フォー・ディストラクション」という曲をシングルで出してないでしょ。
出してないというより、元々そんな曲はありませんよ!
Little Mustapha-----そうなの?まあ、どうでもいいけど、そういうことだよ。そんなことより、次からはいよいよ終盤「ドロドロ・ステージ」だよ。ちなみに、このアルバムは「Miss Fatto Can Dance」で終わりで、その後はボーナストラックということになってるから。
ドロドロって、適当に言ってませんか?
Little Mustapha-----まあ、そうだけど。少なくとも「Blue as Bob」は結構ドロドロですよ。
そうですよねえ。始めの静かなところだけにすれば良かったのに。
Little Mustapha-----そんなことをしたら、ヒヨったって言われてしまうよ。ボクはいつだってフルスイングなんだよ。
フルスイングでも当たらなきゃしょうがないですよ。
Little Mustapha-----ひどいことを言うねえ。でもファールチップぐらいにはなってるでしょ?
そうしておきましょうか。
Little Mustapha-----なんか、キミは今日全体的に失礼な感じだなあ。
そりゃ、仕方ありませんよ。同じアルバムで二度もこんな事しないといけないんですから。
Little Mustapha-----そうなのか?ボクは精一杯頑張ってるんだから、その辺も考えてくれないと、チョーブルーだよ。
でた。また上手いことまとめようとして。
Little Mustapha-----バレたか。
バレバレですよ。
Little Mustapha-----なんだかデレデレだね。
何がですか!?
Little Mustapha-----もう何でもいいよ。それよりこの曲は何だ?
「何だ?」ってあなたの作った曲じゃないですか。
Little Mustapha-----フッフッフッ。引っ掛かったな。
何ですかそれは。
Little Mustapha-----この曲はやり直しによってかなり印象が変わったと思うんだが、どうでしょう?
そういえばそうですね。でも曲自体の退屈さは…。いや、これは言うべきではありませんね。
Little Mustapha-----そうですよ。あんまり批判されると、ボクは立ち直れなくなるんだから。でもまあ、だいたい全部のアルバムに「この曲は入れなければ良かった」というのがあるんだよね。今回の場合は、ボーナストラックになってしまった「Load of the Stink」と、この「Hollow the Hollow」ということかな。
2曲もあるなんて。ある意味豪華ですね。
Little Mustapha-----「豪華って」どういうこと?
いや、なんとなく、ですけど。
Little Mustapha-----まあ、どうでもいいか。この曲に関しては「やり直し」が上手くいって、ギリギリでボーナストラックにならずに済んだスレスレの曲ということなんだよ。
ギリギリでスレスレですか。
Little Mustapha-----そうだよ。ハラハラでドキドキでしょ。
ワクワクしちゃいますね。
Little Mustapha-----いやあ、そこまでではないですよ。
…というか、この会話は何ですか。真面目にやりましょうよ。
Little Mustapha-----別にこのアルバムはポップなんだから真面目にやる必要はないでしょ。
だからといって「やり直しバージョン」を作るぐらいだから、本気な部分はあるんでしょ?
Little Mustapha-----まあ、そこは真面目とか不真面目とかと関係なく、自分で聴くのも嫌になるほどのひどい音が気に入らなかっただけだからね。作曲の段階では完全にシリアスなものは排除してるんだ。ボクのネタ帳には同じ時期に作られた別の曲もあるんだけど、シリアスすぎるということで録音とかはしなかったんだよ。いろんな事が上手くいかなくて、絶望的な感じの時には、そんなシリアスなのなんてやってられないからね。シリアスでドロドロなのは楽しい時にしか作れないのかも知れないよ。そうしないと、バランスがとれないからね。
つまり、これを作っている時にあなたは絶望的な感じだったということですか?
Little Mustapha-----そこまでではないけどねえ。まあ今考えると、いろいろなことが上手くいってなかった感じだったかも知れないよ。
そんなことがあるんですか?あなたに限ってそんなことはないと思っているのですが。
Little Mustapha-----それ、どういうこと?まあ、いいか。でもお気楽感を出し過ぎて、肝心のミキシングとかマスタリングにも影響してしまったから「やり直し」が必要になってしまったんだよ。
へえ、そうなんですか。そんなことより、もう次の「Miss Fatto can Dance」は終わってしまいましたよ。
Little Mustapha-----ホントだ。でもこれは前回のとほとんど変わってないから良いかな。それよりもキミはミス・ファットーを見つけたの?
いやあ、それがまだなんですよ。あれからずいぶんと悩みましたけどねえ。私の頭の中にミス・ファットーはまだ現れないんですよ。
Little Mustapha-----そりゃそうだよ。そんなものは存在しないんだから。
そうなんですか?でもあなたの頭の中にはいるんでしょ?
Little Mustapha-----まあね。キミにはミス・ファットーに出会う資格がないんじゃないかなあ。
ええ!?それは困りますよ。私はどうしても私のミス・ファットーに出会いたいんですよ!
Little Mustapha-----それだったら、このアルバムを何度も繰り返して聴くことだね。そうすればキミもミス・ファットーに出会えるよ。
それは面倒だなあ。じゃあミス・ファットーは諦めます。
Little Mustapha-----なんだ。そんなに簡単に諦めちゃうの?良い感じになってきたのに。
そんなことより、「やり直しバージョン」の目玉でもあるボーナストラックについて何か言ってくださいよ。
Little Mustapha-----なんだかキミは無理矢理な進行をするねえ。
いいでしょ。もうそろそろ飽きてきましたから。
Little Mustapha-----じゃあ、しょうがない。まず最初の「Load of the Stink」は何度も言ってるようにレコーディング時の音がひどすぎてどうにもならなかったから、ボーナストラックに格下げということだよ。しかも曲もダメな感じだしね。お気楽すぎたんだろうね。お気楽な曲を作るにしても、少しは真剣にならないとダメなんだよね。肩の力を抜くのと気を抜くのはかなり違うと言うことだね。
そういうことでしょう。このアルバムの全体的に言えることとも言えますが。
Little Mustapha-----そこまで言わなくても…。
それは失礼しました。じゃあ、これはホントの目玉作品。「Disco Romanctica」に関して。私、知ってるんですけど。これって以前は「Disco Romantico」でしたよね。
Little Mustapha-----あ、知ってた?これはボクの良くある文法ミスでねえ。このDiscoっていうのは、「円盤」という意味のDiscoではなくて踊ったり跳ねたりする場所のDiscoのことなんだけよ。「円盤」の意味でのDiscoは男性名詞だから後に来る形容詞も男性形でromanticoになるんだけど、踊る場所のDiscoは実はDiscotecaという名詞を短縮したもので女性形なんだよね。だから後にはRomanticaがつくんだ。というか、何でここでミニスペイン語講座をしなくちゃいけないんだ?
そうですよね。私の質問がいけませんでした。そんなことより、この曲はあなたが全然聴かない感じの曲ですよね?
Little Mustapha-----そうだよねえ。ボクも何でこんな曲を作れたのか不思議に思ってるんだけど。この曲を作ったのはボクがまだLittle Mustaphaという名前を使い始める前のことなんだよね。だから昔すぎて正確なことは覚えてないんだけど。今になって当時の曲を聴くと時々もの凄いことをやっていて自分でもビックリしてしまうんだよ。そうは言っても、基本的にギターインストではあるけどね。
でも細かい部分は今よりも上手くできていますよね。
Little Mustapha-----それはまた失礼な!…でも否定は出来ないね。まあ言い訳に聞こえるかも知れないけど、一度使った細かいテクニックは何度も使いたくないからねえ。
作れば作るほどネタがなくなるってことですか?
Little Mustapha-----そういわれると悲しいけど。そういうことかなあ。でも、誰も気付かないかも知れないけど、今回のアルバムには地味であるけど新しいギターのテクニックがいろいろ使われているんだよ。気付かれなければ意味はないのかも知れないけど、それはそれで進化してるんだから、いいじゃないか。
そんなふうに開き直られると何にも言えませんよ。なんか良く解らないうちにCD終わっちゃいましたよ。
Little Mustapha-----つまりこういうことかな。必要なものは手に入らないし、手に入れたと思ってもいけない、ということじゃないかなあ。
なんだか、適当に上手くまとめようとしてませんか?
Little Mustapha-----まあ、そんな感じだけどね。でもボクは今回の「やり直しバージョン」をやっていてなんとなく解ったんだよ。現状に満足できるのは妥協した人。それで上手くいくこともあるかも知れないけど、創作において妥協は良くないんだよ。もっと良いものが出来るのに、これが最高、オレがサイコーとか思ってしまうのは妥協してる証拠。創作する人に必要なものは「完璧」とか「サイコー」とかなんだけど、それは絶対にあり得ないんだよ。
それで?
Little Mustapha-----「それで?」って。ここはキミが上手くまとめてくれないと、ボクが格好いいことをいった感じにならないじゃないか!
そんなことを急に言われても…。
Little Mustapha-----必要なものは絶対に手に入らないもの、ということだよ。つまり、キミにおけるミス・ファットーみたいなものだよ。
はあ。
こんなふうに、またしても良く解らない感じでLittle Mustaphaの部屋をあとにしました。私は頭の中にいるミス・ファットーにどうしても出会いたいのですが、それは本当に「絶対に手に入らないもの」なのでしょうか?私はミス・ファットーに出会えたら、自分の人生がまったく違うものになるような、そんな気がしてならないのですが、そんなものは手に入れてはいけないのでしょうか?それとも、本当は手にはいるのに無意識という制御機能が働いてミス・ファットーを私の頭の中から排除しているでしょうか?
私にはどうしてもミス・ファットーが必要なのです。それがどんなものであるかは知りませんが、ミス・ファットーを見ない限り、私はダラダラとフラフラとしたままでしょう。
そうです。私に必要なのはこのダラダラをバリバリにしてくれる、劇的な何か。それがきっとミス・ファットーなのです。モヤモヤをシャキシャキに変えてくれるミス・ファットーなのです。
絶対に手には入らないけど、絶対に必要なものはいつまでも追い求めるべきなのです。Little Mustaphaがあの日の当たらない部屋でいつでもそうしているように。
(2006年 秋 日の当たらない部屋にて)