「歌と劇:プロフェシー」

6. 予言の書より(抜粋)

台詞のみ


神々に呪われた排気ガスの国に尻尾が迷路になっているイヌが現れる時、第一の国から訪れた災いにより森に囲まれた宝物の館は火山の神の怒りに触れるであろう。尻尾が迷路になっているイヌがひとたび吠えるのなら、宝物の館は炎に包まれる。さもなくば排気ガスの国のガスを吸い込んだ者はさまよい続け、カラが迷路になっている卵を産み落とす。そして、天界の王国から来た使者の涙は虚しく流れるだろう。

7. ペケファイル課の部屋

スケアリー : どうしてこれがあのデパートでのテロになるんですの?

モオルダア : 良く解らないけどねえ。「火山の神」が爆弾で「宝物の館」があのデパートになるみたいだよ。あの辺はけっこう緑が多かったしねえ。

スケアリー : それだけなんですの?他の部分はどうなんですの?「排気ガス」とか「卵」とか「使者の涙」とかはどうなるんですの?

モオルダア : その辺は今解読中らしいよ。でもあのデパートには他の国から誰かが来るよねえ。それがもしかしたら「第一の国から訪れた災い」かも知れないよ。

スケアリー : 全然信じられませんわ。だいたい、こういうものって何にでもあてはまるような書き方をされているから、どうにだって解釈できるんですのよ!

モオルダア : それはそうかも知れないけど、ボクの第六感はあの場所で何かが起ころうとしているとボクに告げているんだよねえ。


スキヤナー入場


スキヤナー[歌] : おい!モオルダア!

     おい!モオルダア!

     何をしているんだ!

     おい!モオルダア!

     おい!モオルダア!

     緊急事態だ!

スケアリー[歌] : ちょいと副長官

     部屋に入る時は

     ノックぐらいしたらどうなんですの?

スキヤナー[歌] : おや、スケアリー!

     おや、スケアリー!

     キミもいたのか

     おい!モオルダア!

     おい!スケアリー!

     何をしているのだ〜!


モオルダア : …何をって言われても…。予言の解読とでもいいましょうか。

スキヤナー : そんなことをしている場合ではないようだぞ。どうやら、どこかの国からテロリストが潜入しているらしい。彼らは自らを「角が迷路になっている羊団」と名乗っているようだ。

モオルダアとスケアリー : 角が迷路になっている羊団!?

スキヤナー : そうだ。同時に驚くほどのヘンな名前だろ?

モオルダア : そうじゃなくて。…これはどうにも予言の書が怪しくなってきたなあ。

スケアリー : そうですわね。自体は緊急を要するのかも知れませんわ!あたくしは今すぐに警察と連携するためにニコラス刑事さまのところへ急行いたしますわ!


スケアリー退場


スキヤナー : なんだキミ達は?私はまだ詳しいことは何も言っていないのに、なんだか行動が早いな。うん、さすがは私の部下だ。一を聞いて十を知るというやつだな。

モオルダア : そうじゃなくて、予言が現実のものになるような感じなんですよ。

スキヤナー : 予言ってなんだ?それは謎めいたラビリンスだなあ。


スキヤナー[歌] : ナンセンス

     月明かりの

     プリンセース

     謎めいてる

     ラビリンス

     瞳の中の魔法


スキヤナー歌いながら退場


(Cynical Conversation のイントロが流れる)

モオルダア : なんだか…もう。こんなにミステリアスな展開なのに、みんなが歌うから調子が出ないな。もしかしたら、ボクも歌ってみたら頭が冴えてくるかも知れない。

(歌が始まる手前で曲が止まる)

モオルダア : やっぱり、やめておこう。このノリにはどうしたってなじめないんだ。ああ、ボクもあんな感じになれたらなあ…。


モオルダア退場


ドコデーモス、ドチラーノン入場


ドコデーモス : ああ、なんという陰鬱な場所へやって来たのだ。荒れ果てた墓場から這い出した死人達でさえ、この場所には長居できまい。

ドチラーノン : 死人の話とは、なんと不吉な。ここにはあの子を救うため、災いの炎を消すために来たのでございます。そんな不吉な話はしないでください。

ドコデーモス : そうは言っても、この薄暗さ。このよどんだ空気を吸えばそんな思いもめぐるもの。とにかく、早いことここを出たいものだが。

ドチラーノン : それは私も同じこと。この場所にいる二人に聞けば解ると聞いてやって来ても、その二人はどこへやら。

ドコデーモス : 無駄に時間を費やして娘を危険にさらすとは、断じて許されてはならぬ。おい!誰かいないのか!おい!誰か!

ドチラーノン : 誰もいない部屋で誰かを呼んでも答えはありません。ここは島の掟に従って歌を歌えば良いのです。

ドコデーモス : ふうむ。良いところに気が付いたな。さすがは我が妻だ。


ドコデーモス[歌] : 予言者は言う、心配はないと

ドチラーノン[歌] : それでもあの子の顔を見るまでは

ドコデーモス、ドチラーノン[歌] : 押し寄せる不安に息が詰まる

     暗い地下室に光はあるか

     早く助けたいな

     ア・ティ・ラーノ〜ン!


エキストラ3(FBL職員)入場

エキストラ3 : …あの…。ペケファイルの二人ならデパートのほうに行きましたけど。…多分ア・ティ・ラーノ〜ン様もそちらにいらっしゃるかと…。

ドチラーノン : あら、そうなの?それなら早く言ってくださらないと。

ドコデーモス : まったくだ!


Exeunt