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#028 「キャンペーン」 2004-10-02 (Sat)

 期待しないで見たからガッカリしませんでした。いったい何のことだか解らないでしょうが、これはさっき見たテレビドラマの話。以前も同じシリーズの探偵ものやってたんですが、その時はちょっと期待して見ていたのでガッカリ、だったのです。ですから、今回は全然期待しないで見ました。ガッカリもしないし、予想外のおもしろさに喜ぶこともありませんでした。途中からCDを聞き始めてしまったので、そこからはほぼ映像だけを見ていました。それからは、もう何がなんだか解らないのでテレビは消しました。


 それから、気付いたら中日優勝だって。さっき「何とか市場」の広告メールが届いて「優勝おめでとうセール」とか書いてありました。「何とか市場」が来年、球団を持ったりしたら自分のところのチームが優勝しない限りそんなセールは出来ませんから、今年はがんばって沢山稼いでほしいところです。でも「声援ありがとうセール」というのもありますね。私は弱いチームを応援しているのでそんなところに詳しかったりして。


 さて、前置きはこのくらいにして、そろそろ本題に入らないといけません。前置きといっても本題とはまったく関係ないことばかり書いていますが。こんなことなら、いっそのこと日記コーナーでも作ればいいのかも知れません。でもこれ以上ここのコンテンツを増やすわけにはいかないのです。今でもどこに何があるのか解らなくなってしまっているんですから。そういう訳の解らない状況のときには、目の前にあることにも意外と気付かないことがあるんです。先日、窓から外を見てみると、彼らが私の家の前にいたんです。或いはいたような気がしただけかも知れませんが。(彼らとはここに登場する捜査官のことです)

「モオルダア。何ですの、この絵は?あなたこんなことが本当にあるとか言うんじゃないでしょうね」


「これは、ある画家の想像で書かれた絵なんだけどね。でもスケアリー。人間の想像というのはどこかで現実と結びついているんだよ。つまり、この世界中、或いは全宇宙といった方がいいかな。そういった全ての現実が時に芸術家の想像の中に現れることがあるんだ」


「何をいっているんだか解りませんけど、科学的に証明でしてくださらないと良く解りませんわ。それにあなたは芸術とか芸術家とかおっしゃってますけど、その絵には少しも芸術性も感じませんし、あたくし、その絵を描いた人が芸術家とは少しも思えませんわ」


「芸術が科学で説明できたらそれは凄くつまらないものになると思うけどねえ」


「どうでもいいですわ、それにしてもこの後ろに書いてある額の中の女性ですけど、これってあたくしじゃございませんの?」


「えっ、どれが?・・・これは何て言うか・・・キミはこんなに綺麗じゃ・・・じゃなくってもう少し・・・違うんじゃないか。これはきっとオリジナル'the X Files'の人だと思うよ」


「モオルダア。言いたいことがあるならはっきりおっしゃったらどうなんですの?あたくしがあの方よりも美しいと言うことは解りきったことですけども。・・・そんなことよりもあなたはどうしてこんな絵が重要だなんておっしゃるの?こんなのどっかの壁に書いてあるイタズラ書きと変わりませんわ」


「スケアリー。キミはメタル好きのエイリアンの話を知ってるかなあ?」


「そんな話、知ってるわけないじゃありませんか。何ですのそれ?金属が好きなエイリアンですの?」


「金属じゃなくて、音楽のメタルだよ。宇宙からやって来たエイリアンの中には時々地球の文化にえらく感動してしまうものがいるんだよ。オリジナルの方にもあっただろ?野球が好きなエイリアンが人間になりすまして名プレーヤーになるっていうのが。その話によれば偉大な成績を上げた野球選手達はみんなエイリアンだってことだけどね。イチローだってもしかしたら、そうかも知れないぜ。・・・これは余談だけど、ボクならイチローにヒットを打たせない自信はあるけどね。ボクの時速三百キロの剛速球は誰にも打てないよ」


「ちょいと、モオルダア。どうでもいいんですけど、あなたは何でそんなに長く喋るんですの?何の話をしているのか解らなくなってきたじゃありませんか。どうしてエイリアンがそんな訳の解らない音楽を好きになったというんですの?」


「キミは宇宙の音というのは知ってる?」


「宇宙の音?あたくしそういうのって怪しい宗教とか薬物中毒の感じがして大嫌いですわ」


「いや、そういうのじゃなくてね。実際に証拠があるんだよ。ある宇宙飛行士が言ってたんだけど。宇宙空間に出るとシタールの音がした、と言うんだ」


「あなた、重大なことを忘れていますわよ。宇宙には音を伝える媒体がないから音は聞こえないんですのよ。それにシタールって、いかにも『東洋の神秘』的ですわ。きっとその宇宙飛行士の未知なものへの考えが、その人にとっての謎の多い国のイメージと重なってそういう気分になっただけなんだと思いますわ」


「それは、耳で聞こえる音に限ったことだけど、人間はあらゆる器官を使って音を感じることができるんだよ。耳では聞こえないような低音でも振動として肌を伝わって聞こえてくることだってあるんだぜ」


「だぜ、って何ですの。偉そうに。なんだかむかついてきますわ」


「それに、キミだって、重要なことを忘れているよ。宇宙空間は未知のエネルギーで溢れかえっているんだ。つまり、ビックバンがあってエントロピーで・・・宇宙が収縮しないのは・・・何て言うか、そのエネルギーが・・・」


「ちょいとモオルダア。解らないことを説明しようとするのはやめてくださるかしら。あたくしが知りたいのは、どうしてこのエイリアンがメタルとかいう音楽が好きかということですのよ」


「ああ、そうだったね。原因は宇宙の音にあると思うよ。シタールというのは弦をはじいて音を出す楽器だけど、その弾いた弦の音に特殊な弦が共鳴してあのミステリアスな音が出るんだ。その音を聞いて気持ちがいいのはその共鳴している音が自然倍音だからだよ」


「あなた、自然倍音って何のことだか知っていらっしゃるの?」


「ん!?それは、何ていうか、気持ちのいい音のことだろ?」


「まあ、どうでもいいですわ。続きを話してくださるかしら?」


「その自然倍音によって作られる完璧なハーモニーというのは、僕たちが普段耳にしている音階からは作り出せないんだ。つまり、そのへんにあるピアノでは宇宙の音は作り出せないということかも知れないねえ。でもメタルは違うんだ。メタルのギターは倍音を増幅させて音を出すんだ。つまり、その音の一つをとって見ればそこには完璧なハーモニーがあるということなんだよ。それを人工で作られた音階で演奏するから耳障りな音楽になるんだけど。まあ、これを説明してたらきりがないから、詳しいことは省くけど、その自然倍音の世界と地球で作られた特殊な音階が合わさった音楽に斬新さを感じるエイリアンがいてもおかしくないだろう?」


「いっていることはだいたい解りますが、あたくし、エイリアンなんて始めっから信じていませんから、今の話はほとんど無駄ですわ。どうでもいいですけど、早くこの調査を終わらせませんこと?」


「どう思おうとキミの勝手だけどね。ボクはこの家にそのメタルに夢中になってるエイリアンがいるという情報をつかんだんだよ」


「そう、それなら早くこの家のエイリアンを捕まえてしまいましょうよ。どうせそんなものはいないでしょうけど。あたくしはそろそろ飽きてきましたから、これから何が起ころうと、この家の捜査を終えたら帰りますからね」

 二人はこのあと私の家の呼び鈴を鳴らしました。・・・それって、私の家にメタル好きのエイリアンがいるってことなの?もしかして私のことをエイリアンだと思ってるの?とにかくこんな二人には関わりたくないので私は居留守を使うことにしました。

 十回以上呼び鈴は鳴っていたのですが、私は玄関を開けることはありませんでした。しばらくすると彼らは諦めて帰ったようでした。窓から外を覗くと歩いていく二人の姿が見えました。

 このように書いてみましたが、今回は久々に絵を描いたのでそれをペケファイルのキャンペーン用にしてみました。大きな画像はペケファイルの「記念品」コーナーからどうぞ。

 ちなみにペケファイルはとりとめもなく、だらだらと随時更新中。「空に浮かぶ雲を眺めているようにのどかなSF・ホラー・ミステリー」と勝手に名付けています。よっぽど暇な人は必ず読むこと。


 なんだか久しぶりに大作の「Black-holic」でした。ここまで読まないと、大きい画像はどこにあるのか解らない、の巻き、でした。次回は、まだ何も考えていませんが、そのうちお会いしましょう。