なんだかもうビデオカセットの山がうっとうしい感じです。あの大きさといい、重さといい、せめてCDサイズくらいにはならないものでしょうか。
と、思ったのが一年前。いや正確には一年になるにはあと三ヶ月です。それはどうでもいいのですが、その時に私はビデオやテレビの映像をパソコンに録画ができるキャプチャ・マシーンを購入したのです。そして、それを使って大量のビデオカセットをデジタル化してDVDにしようと考えていたのです。
あれから約一年たった今、予定ではもうほとんどのビデオカセットを処分しているはずなのですが、ビデオカセットは増える一方。そして私がDVDにしたのはたった三本の映画だけ。結局、一本のビデオカセットすら処分できていません。
原因はそのマシーンで映像をパソコンに取り込む時の標準の形式がDVストリームで、ファイルサイズがバカでかいというところにあるようです。映画一本を取り込むとだいたい20ギガを超えます。そこに毎週録画したいテレビ番組のファイルなどが加わるとすぐにハードディスクがいっぱいになってしまうのです。それに、前にも書いたようにDVストリームからDVDの形式に動画を変換するのにはかなり時間がかかるのです。面倒だから「取り込んだ動画をDVDにするのはあとにしよー」と思っているとなかなかハードディスクに空きができないのです。
ということで、なんとかハードディスクの容量を節約しなければならないような気がしてきました。映像を圧縮すれば結構ハードディスクは有効に使えるはずです。(前にもそんなことを書いた気がします。でも今回はもうちょっと厳密に)
それでは、たまには役に立つ情報満載?でいきたいと思います。
私の持っているキャプチャ・マシーンで利用できる圧縮形式はQuickTimeで利用できるものだけです。とは言っても沢山あってどれが良くて、どれが悪いんだかわかりません。
こう言う時には諦めるしかない。…いやいや、今回はちょっと違います。オリジナルの一つの動画を全ての形式で書き出してみるという実験をしてみたのです。
使った動画はその時たまたま放送されていた夜のニュース。最近すっかり以前の元気が無くなってしまった総理が解散とか不信任とか話題でインタビューを受けている映像です。この十秒ほどの動画をオリジナルとして、全ての形式で書き出してみました。本当は、激しい動きとかが無いから実験には向いてないんですけど、もう面倒だからいいや。
圧縮といっても、あまり圧縮率が高すぎるとDVDにした時に映像にモザイクがかかったようになってしまいます。ベストなのは書き出した時のファイルサイズが小さくて、しかもDVDにした時の画質が元の映像に近いものです。とりあえず書き出した全てのファイルを一枚のDVDにしてみます。
以下が実験の結果をまとめたものです。書き出した時のファイルサイズが大きい順に上から並んでいます。
ちなみに、「画質」は圧縮したものをDVDの形式にした時のものです。
それから、圧縮時の設定は特にいじらず初期設定のままです。
圧縮形式 | 圧縮率 | 画質 | コメント | ファイルサイズ |
TIFF | × | ○ | 画質は○に決まってる、サイズでかすぎ | 320.3M |
Planar RGB | × | ○ | 画質は○に決まってる、サイズでかすぎ | 239.5M |
BMP | × | ○ | 画質は○に決まってる、サイズでかすぎ | 238.6M |
PNG | × | ○ | 画質は○に決まってる、サイズでかすぎ | 164.4M |
コンポーネントビデオ (Component Video) | × | ○ | 画質は○に決まってる、サイズでかすぎ | 159.5M |
TGA | × | ○ | 画質は○に決まってる、サイズでかすぎ | 144.8M |
アニメーション (Animation) | × | ○ | 画質は○に決まってる、サイズでかすぎ | 72.9M |
DVCPRO50 - PAL | × | ○? | なぜかワイド画面。顔が横にのびてる | 67.2M |
DVCPRO50 - NTSC | × | ○? | これもなぜかワイド画面。顔が横にのびてる | 56.2M |
グラフィックス (Graphics) | × | × | ザラザラ。初期設定が約3200色だから仕方ない | 47.2M |
DV - PAL | × | ○? | またもなぜかワイド画面。顔が横にのびてる | 34.3M |
DVCPRO - PAL | × | ○? | これまたなぜかワイド画面。顔が横にのびてる | 34.3M |
オリジナル DVストリーム | - | - | このファイルと比べてファイルサイズが大きくてもその大きさに意味はない?というより圧縮になってないじゃん! | 28.9M |
DV/DVCPRO - NTSC | ○ | ○ | ほとんどオリジナルと一緒だから | 28.8M |
JPEG 2000 | ○ | ○ | 圧縮率はあまり良くない | 25.6M |
ビデオ (Video) | ○ | ○ | ビデオをダビングするならビデオにしとけってことでしょうか? | 23.2M |
モーション JPEG A (Motion JPEG A) | ○ | ○ | 圧縮率はあまり良くない | 22M |
モーション JPEG B (Motion JPEG B) | ○ | ○ | 圧縮率はあまり良くない | 21.9M |
フォト - JPEG (Photo - JPEG) | ○ | ○ | なぜかモーションJPEGより成績が良い?この場合だけか? | 18.7M |
H.264 | ○ | ○ | かなりいい。リアルタイム変換ではどの程度かが疑問 | 17.3M |
Apple Pixlet Video | ○ | × | モザイク化 | 9.6M |
H.261 | ○ | × | テロップがギザギザ | 7.7M |
Apple VC H.263 | ○ | × | 多少モザイク化 | 7.7M |
Sorenson Video | ○ | ○ | 良いが書き出しに時間がかかる。リアルタイムではきついかも? | 7.5M |
Sorenson Video 3 | ○ | ○ | Sorenson Videoと変わらないが、書き出しが早い分よい。3なだけはある? | 7.5M |
MPEG-4 ビデオ (MPEG-4 Video) | ○ | ○ | 以前にモザイク化したことあり。その時はリアルタイムで圧縮したからか? | 7.3M |
シネパック (Cinepak) | ○ | × | かなりモザイク化 | 6.1M |
H.263 | ○ | × | モザイクではないが夏のカゲロウの向こうの景色状態 | 2M |
いろいろな結果を見たところ優秀なのは'Sorenson Video 3'のようです。ということで早速'Sorenson Video 3'で圧縮しながら映画を一本取り込んでみようと思います。選んだ映画は「ナイト・フライヤー」です。アメリカンなホラーの傑作です。いつかこの映画についていろいろ書きたいけど、まあ今はいいや。
ビデオをセットして、ソフトを起動して取り込み開始。
ん!?
あれ!?
まあいいか。
という感じで、映画が終わったので取り込み終了。早速Quick Time Playerで取り込んだ動画を再生してみます。
ん!?
あれ!?
なんだよこれ!動きがパラパラ漫画みたいじゃん!
どうやら、キャプチャ・マシーンから送られてくる映像を圧縮するのは一度動画として記録されたものを圧縮するより処理能力を要するようです。私のパソコンではそこまでできなかったようで、コマが飛び飛びになってしまいました。これではまったく使えません。このファイルはゴミ箱に捨てて消去!
しかし、どうしたものでしょう。圧縮せずに取り込んだものを圧縮してからさらにDVDに変換していたのでは時間がかかりすぎです。考えた末に私は家を飛び出しハードディスクを買ってきました。
「これで圧縮しなくてもなんとかなるっしょ」となぜか軽いノリでこの状況を乗り切ろうとしているのですが、私は間違っている?
キャプチャ・マシーンとハードディスク二個(以前にマシーンと一緒に買ったものを含めて)を合わせても、単体のDVDレコーダーよりもまだ安い。でも、なんだか得しているのか損しているのか解らない、複雑な気分です。でも、大丈夫っしょ。ハードディスク二個もあれば…
いったい私の部屋からビデオカセットの山が消えるのはいつになるのでしょうか。ビデオが消えたら今度はパソコンソフトのマニュアルの山を片付けないといけません。次はスキャナーを買うのでしょうか?私は。