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#107 「空きビン墓場」 2007-11-07 (Wed)

 ブラックホール・スタジオがバージョン4.1へバージョンアップしたのは記憶に新しいところだが、今回なんと約2ヶ月半という異例の早さで新バージョンが発表された。しかも、今回はバージョン4.1からいきなり5.0ということで大きな変更がなされている。この異常事態に関係者の中には困惑の色を隠せないものもいたが、開発責任者の私によると「これはかねてから予定されていたこと」ということだ。


 開発責任者の私は今回のバージョンアップについて次のように語っている。

「創作作業が進まないのを環境のせいにするのは良くない。しかし、いくらあがいてみてもイイものが出来ないとなると、これは環境のせいにするしかないのです。私はバージョン4.1が完成して使い始めた直後に今回の5.0のことを考えていた。そしてやるのならなるべく早い方が良いとも考えていた」

確かに、バージョン4.1はそれよりも前の4.0よりは優れていたが、創作活動にはあまりに窮屈な印象であった。それでは、バージョン5.0になってどのような変更があったのか見ていこう。

 バージョン5.0のコードネームは「空きビン墓場」となっている。(前回は「ヘチマ」だった。)ところが、実際にリリースされたバージョン5.0には空きビンは見当たらない。ただし、これは「使用していくうちに想定される状態」をコードネームにした、ということなので気にするほどでもないだろう。(バージョン5.0にする作業の前に空きビンは捨てられたのだ!)


 5.0で最も目を惹くのが作業スペースの場所が変わったということだろうか。「楽しいインターネット」や「イライラゲーム」など、その他の作業用のスペースと音楽製作用のスペースが全く逆になっている。「楽しいインターネット」や「イライラゲーム」に広いスペースは必要ないということにやっと気付いたということだろうか。


 さらに、音楽製作用のラックはその他の作業用の机と直角になる形で配置されている。これにより、その他の作業をしている時でも、音楽製作用の机におかれたスピーカーの音が良く聞こえるようになっている。しかし、これは本来の目的ではない。机が直角に配置されていることにより、椅子を90度回転させれば音楽制作とその他の作業が切り替えられるのだ。(実際にはもう少し動かないといけない。)無駄な動きをなくして集中力を持続させる設計になっているのだ。


 そして一番注目すべきは今回から新たに加わった機能「パニックゾーン」である。

パニックゾーンのスクリーンショット。


 「パニックゾーン」という名前は映画「パニック・ルーム(2002) - goo 映画
」のパニックルームにヒントを得ているが、機能としては全く類似性はない。


 創作活動中には時としてパニックに陥ることがある。パソコンのアプリケーションが「予期せず終了」したり、頭の中にあるアイディアを形にしてみたら全く駄目なものであると気付いた時などである。またもう少しで良い曲が出来るという時に優等生的な安易なコード進行で無理矢理曲を終わらせようとしている自分に気付いた時などもパニックになりやすい。

 そういった場合にこの「パニックゾーン」を利用するのである。「パニックゾーン」に座ると、後ろと左側には壁が迫っており、前方には「コード類のグチャグチャ」がむき出しになった創作スペースの後ろ側がそびえている。このケオティックな空間では余計にパニックになりそうだが、かえってこの閉鎖的な空間が気を落ち着けるのに役立つのだという。

 この落ち着く空間では読書や工作の作業も出来そうだが、今のところ暗すぎるためそのような作業には対応していない。今後のバージョンアップでライトが設置されることを期待したいところだ。

 このように、またしても部屋の模様替えなどをしてしまったのだが、今回は前回の反省をふまえて機能的になっているように思える。ただ、私以外はこの異様な空間に長居することは出来ないかも知れない。全ての機器がどのような役割を持っているのか解らないと、いろいろなモノが雑然と置かれているようにしか見えない。余計なお世話でこれらをきれいに並べられたりしたら私はそうとうなパニックになるのだが、そのようなことをする人はいないので、心配はいらないだろう。


 というか、こんなくだらないことを書いてないで早く曲を作りなさいよ!という感じであるが、このあいだからいろんなバージョンアップで疲れたから、とりあえずはこれでいいのである。

 予定どおり、前回の予告とは違うことを書いているが次回も予定どおりである。ということで、次回は寝室のバージョンアップである。お楽しみに、である。