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#108 「壊してみる?」 2007-12-09 (Sun)

 破壊は新たな創造への第一歩である。全ての物は壊され、そこに新たな物が作られる。これまでそうであったように、これからもその繰り返しなのである。このBlack-holicにおいてもそれは同じことである。始めにあった「今週の・・・」というコーナーは壊され、そこに「Black-holic」が作られそしてこれまで続いている。何かが壊されてこそ、新しい何かは生まれるのである。


 という感じで、破壊というとなにやら恐ろしいイメージもありますが、ここブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)では「分解」と「破壊」はほぼ同義語であると考えて良いでしょう。いろんな機械を分解するとだいたい壊れます。そこで私は新たな創造の第一歩として、懐かしい外付けMOドライブを分解することにしたのです。


 なぜそんなことをするのかというと、私の使っている(すごく古い)PowerMacG4のためです。このPowerMacには元々ZIPドライブがついていました。私がZIPを使いたいからZIPドライブ付きを選んだのではなく中古のマックだったので、私の希望とは関係なく付いていました。

 付いていても使わないのなら意味がないのでZIPドライブは取り外して、今ではそこには何も入っていないのですが、3.5インチドライブがちょうどおさまる空間に何もないのはもったいないです。実は以前ハードディスクを入れて使っていたこともあるのですが、固定するためのネジ穴の位置が合わなくて、固定せずに使わなくてはいけませんでした。それが原因かどうかは知りませんが、そのハードディスクは調子が悪かったので取り外しました。

 でもやっぱり、せっかくのスペースに何もないのは気になります。そこで私はひらめきました。「そういえば使ってない外付けMOドライブがあるんじゃね!?」と。USBやFireWireの外付けドライブの中身はIDEのドライブなのです。良く意味が解らないかもしれませんが、外見ではUSBやFireWireに見えてもケースの中でIDEという規格からUSBやFirewireに変換しているということです。


 ZIPは使ったことがないけど、MOなら以前は普通に使っていました。なのでディスクも沢山あります。ちょっとしたファイルのバックアップなどには最適なのではないでしょうか。そう思って、早速分解開始です。

 ケースを開けてみると思ったとおりIDEっぽいMOドライブが入っていました。


 さらに、ドライブを取り外すとハードディスクそっくり!というところに感動しても意味はないですが、マスターとスレーブの設定のしかたなどが書いてあって、まさしくIDEな感じです。早速、Macの電源を落として、取り付けです。

この3.5インチ用のスペースはCD/DVDドライブを取り付ける部品とつながっています。どうせなら5インチにすればいいのに、という感じですが3.5インチ専用です。


 ここでめでたく設置が完了して「ちゃんとOSに認識されるかチェック」になるところでしたが、大問題が発生しました。なぜかこの取り出したMOドライブはケーブルを挿す場所が上下逆さまです。IDEのケーブルは横に何本ものケーブルが並んでいてそれが一つにまとめられた物なのです。それぞれのケーブルには役割があるので差し込み方を間違えて大変なことにならないよう、上下があるのだと思いますが。

 この横に広いケーブルをねじって逆さまにするのはちょっと無理なような気がします。さもなければドライブ自体を逆さまに入れたら良いじゃん!なのですが、それだと取り付けるための部品と干渉して差し込めません。


 もしかして、こういうふうに間違った使い方をされないように、こういう作りになっているのでしょうか?まあ、どっちにしろこの外付けMOドライブを内蔵にするのは無理だということが解ってしまったので、私はかなりガッカリ。

 でもガッカリで終わってはいけません。それに始めからここの記事にするために写真まで撮っているのですから、こんなガッカリな結末はいけません。無理矢理な内蔵がダメなら無理矢理な外付けです。


 ちょうど今では使っていないIDEハードディスクがあります。不良セクタなどがあってちゃんと使うのにはちょっと心配なハードディスクですが、内蔵を外付けにする実験には最適です。中身を取り出した外付けMOドライブは「なんちゃって外付けハードディスクケース」にすることにしました。

全然意味はないですが、フタの付いている外付けハードディスクケースの完成?


 今度こそ、という感じでパソコンにケースを繋いで電源を入れてみます。ケースのランプは着いたのですがディスクは認識されません。システムプロファイラで確認すると「不明なデバイス」となっています。やっぱりダメなのでしょうか?


 結局ガッカリだった私はここで外付けMOドライブはあきらめて他の物の分解を始めてしまいました。この行動に特に意味はないのですが、ガッカリついでなので意味などはいらないのです。


こちらはさらに懐かしいSCSIの外付けMOドライブ。外付けMOを二つ持っているということからも、以前はMOがどれだけ活躍していたかがうかがい知れます。SCSIはちょっと特殊なので中にIDE仕様のドライブ入っているということはないようです。

 特殊といっても、結構優秀なのですけどねえ。パソコン(CPU)の処理に負荷をかけない作りのSCSIだったのですが、パソコン自体がが優秀になってしまったので今ではほとんど見かけなくなりました。


 続きまして、SCSI外付けハードディスク。懐かしすぎます。2Gです。

 こちらはハードディスクなのでさっきのMOドライブと違って中には取り出せるドライブが入っています。でもSCSIなので外も中もSCSIです。そういえば寝室に(文字どおり眠っている)PowerMac7200があるのですが、あれのハードディスクはSCSIでしたねえ。もしかするとこのドライブを内蔵した方が今回の「外付けを内臓に」な企画としては簡単だったような気もしますが、気にしません。


 ということで、いろいろ分解しましたが、せっかくなので久しぶりにMOも使って見ようかな、ということで分解されていたFireWireの方のMOドライブを元に戻してパソコンにつなげてみました。都合のいいことに机の上にこのあいだのバージョンアップの時に出てきたMOディスクがあります。

 電源を入れてMOディスクを挿入。ドライブは動いているのですが、いつまでたってもディスクが認識されません。システムプロファイラではまたしても「不明なデバイス」です。まさか壊れちゃった!?と思いつつ、これまでの「分解・組み立て」でしてきたことを思い出してみました。

 そうするとMacに内蔵しようとした時に、ドライブの設定を「マスター」から「スレーブ」にしたことを思い出しました。詳しいことはここで書くと面倒なので書きませんが、「マスター」と「スレーブ」の設定を間違えると上手く動きません。なのでもう一度分解して最初の状態だった「マスター」に戻して、もう一度組み立てです。


 今度はちゃんと認識されました。ただ気になるのがシステムプロファイラではまだ「不明なデバイス」のままです。ということはデバイスが不明でもそれなりに設定されていればOSはディスクを認識してくれるということなのでしょうか?

 もしかするとさっき試したあのハードディスクも設定が「スレーブ」になっていただけで認識されなかったのでしょうか?すごく気になるのですが、あのハードディスクはもうすでに「本物のハードディスクケース」用のアダプターに取り付けられてしまったので確認するのが面倒です。


 ビミョーな謎を沢山見つけながら、いろんな物を分解しましたが、今では全て元のとおり。使い道のないSCSI機器は組み立てられて元の使い道のないSCSI機器に戻りましたし、FireWireのMOドライブは元のMOドライブですし、ハードディスクはちゃんとしたハードディスク用のケースに。すごい苦労していろんな物を分解したのですが、結局は何も変わっていません。

 唯一違うことといえば、私のパソコンに何年かぶりにMOディスクがマウントされたことでしょうか。それだけのことですが、それだけでも懐かしい日々がなんとなく思い出されたり、または「あのころはなんであんなにおバカだったんだろう?」という気分になったり出来るのでそれで良いのです。


 破壊しても必ずそこに新しいものが生まれるとは限りません。少なくとも何を作るために何を破壊するのかということが明確でなければいけません。


 さらに言うと、新しく何かを作るための破壊は「解体」という方が正確です。


 ということで、今回は特殊な用語が沢山出てきましたが解ってもらえたでしょうか?多分解ってもらえてませんね。「何かを変えようとしたのに、何も変わらなかった」というのがオチですよ。まあ、オチを説明することほどダメなことはありませんが。


 次回はそろそろクリスマスなので気合いを入れなくてはいけません。