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#162 「赤の薔薇」 2015-02-22 (Sun)

 突然ですがクイズです。これは何でしょうか?



というか、間違えましたが。これでは答えが「エレキギター」になってしまいます。そうじゃなくて、この写真に間違いがありますが、それは何でしょう?が正確な問いです。

 それで、答えは解りますでしょうか?これでは難しすぎるので、もう一枚!



どうでも良いですが、写真に撮って初めて気付きましたが、細かいホコリが大量に付いていて恐ろしい気さえしますが。それよりも、この写真だとちょっとだけ解るかも知れない感じです。

 とは言ってもギターに詳しくないと気付かないことですけど。それからRestHouseを良く読んでいる人には最初の写真の時点で答えが解っているかも知れません。

 それでは、さらなるヒント!



これはショッキングなほどホコリが写っていますが、写真用に照明を当てているのもちょっと影響しています。そんな言い訳はともかく、そろそろ答えを書きますが、6弦(一番左)から4弦(左から3番目)までの弦の高さが異常なことになっているのです。


 そんな感じで前置きが長くなったのですが、今回はこれを直そう!という大特集なのです。

 一体何が異常なのか?というと、標準的な弦の高さとこのギターの弦の高さは全く逆な感じになっているのです。



上の写真に何がおかしいのかということを示す矢印を書き入れました(多少大げさになっている)が、各弦の高さが左の6弦から4弦にかけて次第に低くなって、その次の3弦がまた高くなって1弦に向かって低くなっていきます。

 1〜3弦と4〜6弦って弦の種類がちょっと違うし、なんとなくあってそうな気もするのですが、これは大間違い。このギターは新品で買ったのでそんな間違いがあるとは思っていなかったのですが、やっぱりどう考えても弾きづらいという状態のギターにはそれなりの理由があるようです。


 買った時からずっと思っていたのですが、4弦だけが下に凹んだようになっていてアルペジオ奏法とかで4弦を空振りとか、結構あったのです。

 本来なら6弦が低くなって4弦に向かって高くなっているべきなので弾きづらいのは当たり前。しかも4弦は太い種類の三本の弦の中では一番細いので、ブリッジの高さが一番低い状態だと余計に弦高が低くなってしまいます。


 そんな感じで、最近私がアルペジオが下手になっていた原因も解ったりしたのですが、そんな事よりもこれは直さないと気持ち悪くて仕方がない。しかし、私にこの複雑そうに見えるフロイド・ローズの修理とか出来るのか?とも思ったりしますが。でも保証期限もとっくに過ぎていますし、その前にギター歴何年だよ?ということでもあるので自分でなんとかするのです!

分解は意外と簡単

 このブリッジってフロイド・ローズという種類のものなのですが、演奏中は色々と遊べる反面、ちょっと複雑な装置という感じで調整とかがややこしかったりします。それで分解とかちゃんと出来るか心配でもありましたが、オクターブ調整する時に緩めたり締めたりするあのネジを緩めたらすぐに外せました。


簡単だったが構造はやっぱり複雑

 というか、写真の状態おかしくない?と思った方は名探偵!フロイド・ローズを使ったトリックを簡単に暴いてしまえるでしょう。

 なんのことかというと、さっき説明したとおりだと6弦から4弦にかけて順番に低くなっているという事だったのですが、実はそうではなかったのです。よく見ると一番高いのが5弦だったのです。

 最初の考えでは、6弦と4弦の部品を入れ替えたら高さが逆になるはずだったのですが、実際に入れ替えて弦を張ってみたらこれまた各弦の高さが変な感じ。でも4弦が凹んでいるような変な感じはなくなったのでそれでオッケーでもあったのですが、ここまで来たら完璧じゃないとせっかくやったのにもったいない。

 ということで、せっかく弦を張り直してオクターブ調整とかもしたのに、もう一回やり直し。

 その前に分解して入れ替えて組み立ててる時に気づけるんじゃないか、という事でもあるのですが、あの部品の下にはバネのようなものがあったり、部品自体も複数のパーツから成っているもので、ネジを締めてから弦を張るまでどういう状態になるのか素人には予想できなかったりするのですよ。


<!-- 関係ないですがフロイド・ローズってオクターブ調整も面倒臭いよね。-->

そして小ピンチ

 6弦と4弦を入れ替えてダメだったということは、最初の状態だと5弦が一番高かったという事になります。ということで、5弦の部品も外されてさっきの写真のような状態になったということなのですが。

 と、ここで思わぬ事態が!今回の修理は良い特集ネタになるということで、この記事用の写真とか撮っていたのですが、写真を撮っている間にどの部品がどの場所にあったのか解らなくなってしまいました。


 さっきも書いたように実際に弦を張ってみるまで微妙な高さの違いがわからない感じでもあるのですが、これは長期戦になりそうな予感。

冷静になるのだ

 こういう時にどうすれば良いのか?というと、やっぱり冷静になるしかない。それでダメならパニクってみたらなんとかなるかも知れませんが。

 まず最初に何をしたのか?という事を思い出してみる。最初にしたのは6弦と4弦の入れ替え。そして、そこで実は5弦が一番高かったということに気付いて再び分解。最初に修正した時の状態だと高さの順番は [ 5弦>4弦>6弦 ]のはず。なので今度は5弦と4弦を入れ替えたら良かったのですが、写真を撮ってる間にこの関係が解らなくなって、なぜか5弦と6弦を入れ替える私。

 あとから思い出して書いている今でも、この時点でどんな状態なのか理解できてないのですが、一体どの弦が一番高くて、どの弦が一番低いのか。


 この間違えた状態だと[6弦>4弦>5弦 ]であってるのか?ということですけど。これを正常な尾状態に戻すのには一番高い6弦を4弦に。一番低い5弦を6弦に。残った4弦は5弦でいいのか?

 というか、今言葉で考える方がさらに難しいと気付きましたが。でも実際には一回でなんとかこの作業は成功したのです。


 ただ上に書いたように理屈で考えたのではなくて、これまでどういうふうに動かして来たのか?ということを思い出して、直感で並べ直したのですけど。こうやって書くと私がおバカな感じがしてきますけど、最初の予定と違って実は5弦も動かさないといけないとか、そういう事を写真を撮りながら気付いたりするとホントに混乱するのであんまりバカにしてはいけませんよ。


 それはともかく、買ってから数年経ってやっとこのギターがまともになったのです。


得したの?

 買った時からずっと弾きづらいとは思っていたのですけど、新品で買ったのだしこんな異常な状態はあり得ないと思ってました。でも、やっぱり変だと思ったらそこには理由があるようです。

 どういう状況でブリッジの部品の配置がメチャクチャになったのか?というところが気になりますけど。元々安いモデルなので、作るのにお金をかけられなかったりするのかも知れません。そんな感じで工場の人が専門知識がないとか、そんな感じとかも想像できますが。

 ただ、店ではこれをアウトレットとして売っていたのですが。もしもアウトレットの理由がこのブリッジだとしたら、うーむ…な気分。解ってるのなら直しておいて欲しいとか。でも安く買ったし、間違いも含めて1時間足らずの作業で正常な状態になりましたし。それを考えると、この作業はアウトレットで安くなっていた1万円ぐらいの価値があるのか?とも。しかし、間違いに気付かないで使っていた数年間は、なんか損しているような気も。

 その辺は考え方次第で評価が分かれたりしますが。良い方に考えておきましょう。

それよりも

 最後に書いておくと、今回気付いた重要な事があります。それは、私のギターホコリがヤバすぎないか?ということです。この記事に掲載しているのは公開用に元の写真よりサイズを小さくしているのですけど、オリジナルのサイズで見ると、細かいホコリが部品の間とかにビッシリ!

 作業のためにLEDのクリップライトで照らしているので余計に強調されている感じもありますが、こんなにホコリが溜まっているとは知りませんでした。そして、使い続けているとフレットのところとか部品の間にこびり付いている謎の固形の汚れって、あれはこういうのと人間のアブラとか汗が合わさって出来ているに違いない、という感じです。

 最近は昔のような情熱がないので、すぐにギターを弾ける状態にしておかないとずっとギターを弾かないという事になったり。なので、なるべくギターはケースの外に出してあるのですが、そういう時にはマメに掃除をしないといけないという事ですね。

 そして、安物とはいえ大切に使わないと楽器はいい音を出してくれないという事でもあるのです。今回の修理でもちょっと愛着が湧いてきましたし、もっといい音で演奏できるように、これからもこのギターを可愛がっていきたいと思えるようになって来ました。(とはいっても、このギターにステッカー貼りたくて仕方がないのですけど。楽器を愛している人に言わせると、それはやってはいけない事みたいですね。)

 ということで、ギターの修理で大特集。今回ので気付いたのですが、もしかしてこんな修理の時じゃなくても、弦の交換だけでBlack-holicの記事が書けるんじゃないか?とも思ってしまいましたけど。なぜって、フロイド・ローズは弦の交換もけっこう苦労するのです。でも、私も慣れているので今回みたいなハプニング的なことはさすがに起きないですが。

 でも、厳密に言うと最近までちゃんとしたフロイド・ローズの弦の張り替え方を知らなかった、という私に関する豆知識もありますけど。この辺は全部自己流でやって来たダメな部分です。でもスラッシュの「ギターは自分でなんとかするものだ」という言葉に影響されていたりもするのですけど。でも今考えるとそのスラッシュの言葉がホントに本人の口から出たのか?というと怪しいガンズ自叙伝みたいな本からの言葉でもあります。というかスラッシュとかガンズとか知ってる?(というか、今思うと恥ずかしい本を読んでいたとも思います。)


 なんかまとめを書いているつもりが懐かしい気分になって来ましたが、この辺でオシマイ。今年はこれまで、なんとか月に一回ペースを守れていますが、2月ですでにギリギリとか。次は3月なのでひな祭り特集だな。或いは、それ以外。

 どうぞお楽しみに!