現代のアートはその限界の時を迎えてしまった。あらゆる表現、技巧は古びていき過去の栄光だけが賞賛される倦怠の時代を迎えたのだ。そこでアーティスト達は破壊を始めたのである。全ての古びたもの、全ての価値のあるもの、全ての美しいもの、それらは彼らにとって崩すべき障壁であった。そして、彼らは全てを破壊した。
破壊の後に何が起こるのか。その真っさらな地平に新たな価値が生まれるはずだった。しかし、そうはならなかった。アートは常にアーティストのためだけにあるものではないからである。全てを無にされたアートには素人にもアーティストにも解らない価値が生まれてしまったのである。新たに生まれるアート。それは説明書がなければ意味が解らないもの。あるいは値札の値段を見て価値が解るもの。そうでなければ口先だけのアートであった。
そしてアートを壊したアーティストという矛盾した存在。本来はアートを作り出すはずの彼らは自分たちの壊したものを再生することが出来なかったのかも知れない。
アートは死んでしまったのか?この問いに答えるのは容易ではない。しかし、アートは今も存在する。美しく、激しく、そして繊細で知性にあふれた、誰もが無条件に感動できるもの。そういうものは決してなくなることはないのである。
そして、この「Arty」という作品はそういったアートの話とは全く関係のないアルバムである。
完成記念インタビューは[ こ・ち・ら ]!