「今週のリミックス」
街を歩くといろいろな会話が耳に入ってきます。私はそんな会話を立ち聞きするのが大好き。という訳で、今週はたいそう混乱状態であります。
「ちょいと奥さん、聞きました?」
「あら、○○の奥さん。聞きましたわよ。あれでしょう。」
「そうよ、いくらあれでもあれは困るわよねえ。」
「ホントに、□□さんのとこなんかあれのおかげで、ダンナさんの会社が危ないって話よ。」
「ウチなんか今までが今までだったもんだから、あれになったらどうなることか知れたもんじゃないわよ。」
「あらいやだ、わたしあれしてくるの忘れてたわ。それじゃまた。」
「オヒョオオオオ!」
「おい、そこのキミ。ここで何をしてるんだ。」
「いや、あのちょっと。」
「ちょっとじゃ解らんだろう。どうもあやしいな。キミ名前は?」
「△△です。ボク別にあやしいもんじゃないですよ。」
「それはどうかな。この自転車、キミの?」
「そうです。名前は□□になってますけど。ボクのです。もらったんです。」
「いいですか皆さん。」
「キミは強盗に撃たれて死ぬことにしたよ。」
「そう。最近この辺りで下着泥棒が流行っているんだ。キミ、その鞄の中には何が入っているのかね?」
「夢が詰まっているんです。」
「なに!いい加減なことを言っていると逮捕するぞ。」
「ホントですよ。それから幸せの青い鳥も入っています。セットで安かったんです。」
「へえ、そうなのか。で、それはいくらだったのかね?」
「824円。」
「夢と幸せがそんな値段で買えるのか?それは驚きだ!」
「そこの○○商店でセールやってますよ。お巡りさんも行って来たらどう?」
「そうだな。じゃあキミ、あやしいヤツには気を付けるんだぞ。」
それではオーディションを始めます。左のかたから順に悲鳴をあげてください。」
「キャアアア!」
「アアアアア!」
「ギャアアア!」
「アレエエエ!」
「これは秘密の話なんだがねえ、私はとうとう時間を止める装置を作ることに成功したのだよ。」
「本当ですか博士!早く発表しましょう。」
「それがだね、誰も装置のボタンを押せる者がいないんだよ。」
「何でですか?私ならすぐにでも押しますけどねえ。」
「押すのはいいんだが、押した本人の時間が止まらないという保証はないんだ。」
「もし世の中の全員が止まってしまったら・・・大変なことになりますね。」
「イヤアアン!」
「ウオオオオ!」
「ノオオオオ!」
「はい、お疲れさま。主演は666番のかたに決まりました。おめでとうございます。」
「ええい、頭が高い!この印籠が目に入らぬかぁ!」
「何だよじじい!」
「ねえキミ。何で大根役者は大根なのか知ってる?」
「さあ・・・。白いから?」
「おしいな!答えはニンジンじゃないからさ。」
「なるほど。それじゃあ、○○さんの店は大変だね。」
「それほどでもないんだがね。なんせ止まっても誰も気付かないのだから。」
「そうでしょうか?なんだか良く解りませんねえ。」
「もしかすると、私たちが気付かないうちにもう時間は何度も止まっているのかも知れないよ。」
「だとしたら、誰がまた動くようにしたんでしょうか?」
「いるとしたら、時空を越えた存在だな。」
「博士!それはもしかすると○○の奥さんのことですか?」
「断定は出来ないが、可能性としては十分にあり得る。」
「うーん、こりゃまた忙しくなりそうだ。」
「いいですか皆さん。」
「キミは強盗に撃たれて死ぬことにしたよ。」
「それじゃあ、リハーサルいきます。いいですか?」
「いいですわよ。あたくしは強盗が入ってきたら悲鳴をあげればいいのでしたわね。」
「そうですよ。さっきからもう何回もやってるでしょ。いい加減に覚えてください。」
「動くな!」
「オヒョオオオオ!」
「ダメダメ!もう一回。」
「あら、どうして?とってもいい演技じゃあありません?もうこんなことはやめて次にいきませんこと?」
「なんで、あんな女優を使うんだ?だいいち、オーディションに来たのと違う人じゃないのか、あれは。」
「ちょいと、早く幸せの青い鳥を探すシーンにいきませんこと?」
「なんだそれ?そんなシーンないぞ。」
「プリンスってのは違うんじゃないかって思うんだけど。」
「まあいいんじゃん。プリンスが必ずしも格好いいとは限らないから。」
「ええい、頭が高い!この日の丸が目に入らぬかぁ!」
「うるせえ、オッサン!」
「オヒョオオオオ!」
「下着泥棒が大根盗んだらしいぞ。」
「それで警察はどうしたんだ?」
「盗んだのが下着じゃないから釈放だって。」
「何で?」
「下着泥棒は下着を盗むのが本業だから、大根を盗んでも罪にはならないんだよ。」
「なるほど。それじゃあ、○○さんの店は大変だね。」
「監督さま!あたくしの台詞がほとんど消されているんですけど、これは何かの間違いじゃありませんこと?」
「ああ、そのことならそれでいいんだ。キミは強盗に撃たれて死ぬことにしたよ。」
「ええい、頭が高い!この星条旗が目に入らぬかぁ!」
「はっ、ははーっ。とんだご無礼を。」
「大変だ!幸せの青い鳥が盗まれた!」
「ウソでしょあんた!どうすんのよ、これから。」
「大丈夫だ。夢ならまだここに・・・。しまった!夢も盗まれた!」
「いいですか皆さん。あれがやってきたら10分間息を止めていてください。そうすれば助かりますから。」
「先生、あれはいつやってくるんですか?」
「それは先生にではなくて、皆さんのお父様やお母様に聞いてください。」
「先生、10分間息を止められないとどうなるんですか?」
「知りたかったら、息をしていてください。」
「はーい。」
「知ってる?ウサギってギャグがすべると死んじゃうんだって。」
「そうだっけ?バカにされるとじゃなかったっけ?」
「オヒョオオオオ!」
「そういえば、○○さんのところに入った泥棒は下着泥棒だったんだってね。」
「知ってるよ、だけど大根盗んだから捕まらなかったんだろ。」
「いや、それがホントは下着を盗んだのに○○さんが大根が盗まれたって届けたんだよ。」
「それってもしかして、○○のダンナさんが□□さん奥さんの下着を盗んできたっていうやつのことじゃない?」
「そうそう。どうも、あの二人は普段からあやしいと思ってたんだよ。」
「あれも程々にしておかないと、また時間が止まって大変なことになってしまうからねえ。気を付けないと。」
「ホントホント。」
今週は街で聞かれる会話をリミックスしてみました。といっても、全てフィクションです。もう解ってますよね。みなさまのあれには何が残りましたか?今週の「今週の・・・」に対する皆さんのご意見・ご感想は必要ありません。ほんの出来心なんですから。それでは、私はあれがあるのでこのへんで失礼いたします。以上、今週のあれでした。