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#109 「UNWRITTEN」 2007-12-22 (Sat)

「オーッホッホッホッホ!サンタのおじさんだよ!」

「うわーっ!ウルトラ・サンタだ!」

 Little Mustaphaの部屋の外で大きな音がした後、一同は黙って外の様子をうかがうように耳を澄ましていました。すると案の定、玄関の開く音がして誰かが入ってきてLittle Mustaphaの部屋に近づいてきました。そして扉が開くとそこにいたのはテカテカスーツに身を包んだ怪しいサンタだったのです。


ウルトラ・サンタ-----ちょっと、ウルトラ・サンタはないでしょ?私は本物のサンタさんだよ。オーッホッホッホッホ!

ニヒル・ムスタファ-----そんなはずはないぜ。サンタがそんな恰好だなんてオレは信じないぜ。

ミドル・ムスタファ-----でも本人が本物のサンタって言ってますよ。

ニヒル・ムスタファ-----言うだけなら誰にだって出来るさ。

Little Mustapha-----じゃあ、本人に確認してみれば良いじゃん。あのサンタさん。あなたは本物のサンタですか?

ウルトラ・サンタ-----だから、本物だって言ってるじゃない。

Little Mustapha-----ということだから、このサンタさんは本物だよ。想像と違うのは、きっと本物のサンタだから、ということじゃないかな?

ウルトラ・サンタ-----この服装については厳密に言うとそうじゃないんだけどねえ。

Dr.ムスタファ-----私らに会うからめかし込んできた、ということかな?

ニヒル・ムスタファ-----めかし込んでこの恰好はないぜ。そんなことよりも、例の物はどうなんだ?オレはプレゼントがもらえるのなら、本物かどうかなんてことは気にしないぜ。

Little Mustapha-----まあ、それもそうだね。それじゃサンタさん、いきなりなんですが、プレゼントのほうは?

ウルトラ・サンタ-----もちろん、持ってきてあるぞ。オーッホッホッホッホ!

一同(ウルトラ・サンタ除く)-----やったー!


 怪しいサンタの登場に、またしてもプレゼント獲得作戦は失敗かと思われたのですが、なんと今回はすんなりとプレゼントをもらえそうです。サンタさんは持っていた小さなカバンに手を入れると、とてもその中にはおさまりそうにない大きさのプレゼントを取り出していきました。


Little Mustapha-----うわあ、さすが本物のサンタさん。すごいカバンをもってるなあ。

ウルトラ・サンタ-----ああ、これね。最近開発されたんだよ。オーッホッホッホッホ!それじゃあ、まずはアルトサックス。それから野球盤。それとモデルガンに反重力リアクターね。それからマンガ全集はどなたかな?

ミドル・ムスタファ-----ああ、マイクロ・ムスタファは今日は欠席なんですけど。

ウルトラ・サンタ-----それは仕方がないなあ。残念ながらその人には次の機会まで待ってもらうかな。オーッホッホッホッホ!


 一同、渡されたプレゼントの包装を夢中になって開けています。そして、念願のプレゼントを獲得ということになるはずですが、なぜか全員の顔色がすぐれません。


Little Mustapha-----なんだこれ?

ウルトラ・サンタ-----アルトサックスだよ。それだろ?キミが欲しかったのは。

Little Mustapha-----これはどう見てもアルトサックスには見えないよ。こんなのただの棒きれじゃん。

ウルトラ・サンタ-----ああ、そうか。キミはまだそのタイプのサックスを見たことがないんだな。使い方は簡単だよ。それを両手で持って額にあてるんだ。それから演奏したい曲を思い浮かべるだけで良いんだぞ。オーッホッホッホッホ!

Little Mustapha-----そんなことはあり得ないよ。


 と、言いつつもLittle Mustaphaはサンタに言われたとおりにアルトサックスと言われているものを額にあてました。すると棒の先から「the X-Files」のオープニング曲のメロディーが聞こえてきました。


Little Mustapha-----うわあ、なんだこれは?

ウルトラ・サンタ-----ほらね。アルトサックスでしょ!オーッホッホッホッホ!

Little Mustapha-----それはそうかも知れないけど、こんなのだったらアルトサックスを欲しいとは思わないんだけど。

ニヒル・ムスタファ-----そんなことよりも、オレのプレゼントの箱の中にはなんにも入ってないぞ!

ウルトラ・サンタ-----いやいや、そんなことはないですよ。最近はそういう危険なオモチャの規制が厳しくてねえ。それは特別に作られたバレないモデルガンなんだ。箱の中に手を入れてみれば解るぞ。完全に透明なモデルガンだ。オーッホッホッホッホ!

ニヒル・ムスタファ-----あっ、ホントだ。この形はまさしくモデルガンだ。でも透明じゃ意味がないぜ。モデルガンは見て楽しむために欲しかったんだぜ。

ミドル・ムスタファ-----それじゃあ、私のこのペラペラの野球盤はなんですか?どう考えても手作りですけど。

ウルトラ・サンタ-----ああ、それはちょっと問題があってね。最近じゃスポーツなんてモノはなくなってしまったから、その野球盤は私が作ったんだよ。オーッホッホッホッホ!

ニヒル・ムスタファ-----オイオイ。ちょっと怪しくないか?本物のサンタのくせにオレ達の期待を裏切るなんてあり得ないぜ。

Little Mustapha-----そうだよ。なんだか手品みたいなプレゼントでごまかそうとしてるのかも知れないけど、そんなことじゃボクらは納得しないよ!

ミドル・ムスタファ-----そうだ、そうだ!

Dr.ムスタファ-----いや、みんなそれは違うと思うぞ!

ニヒル・ムスタファ-----なんだ?先生はまさか本物の反重力なんとかがもらえたって言うのか?

Dr.ムスタファ-----そのとおりだよ。いや、これは素晴らしい。彼は本物のサンタだよ。


 Dr.ムスタファは箱から出した円筒形の機械を見つめて感心しています。そして近くにあったアルミの灰皿をその機械の上にのせてスイッチをいれました。すると灰皿はスルスルと浮かび上がり天井にぶつかってそこに静止しました。Dr.ムスタファは全員がそれを見て驚いているのを確認すると、スイッチを切りました。天井にくっついていた灰皿が落ちてくるのをDr.ムスタファが受け止めると、満面の笑みを浮かべました。


Dr.ムスタファ-----みんな見たか?今ここに反転した重力帯が発生したんだぞ!

ニヒル・ムスタファ-----なんだよ、重力帯って。それもなんかの仕掛けがあるんだろ。

Little Mustapha-----仕掛けがあるとしても、面白かったけどね。そんなことより、サンタさん!一体なんでこんなプレゼントを持ってくるんだよ?手作りの野球盤は別として、全部すごいモノなんだけど、こんなモノは欲しくないんだよね。

ウルトラ・サンタ-----えっ!?じゃあいらないの?

Little Mustapha-----だってこれ、もらっちゃったら次からアルトサックスをリクエスト出来ないでしょ。

ウルトラ・サンタ-----なんだ。わざわざタイムトンネルを使ってリクエストをしてくるぐらいだから、きっと喜ぶだろうと思ってたのになあ。

ニヒル・ムスタファ-----先生は喜んでるけどな。それよりも「タイムトンネル」ってなんだ?

ウルトラ・サンタ-----ん?「タイムトンネル」を知らない?もしかしてこの時代だと別の呼び方なのか?未来や過去にモノを送る技術だよ。オーッホッホッホッホ!

ミドル・ムスタファ-----そんなことは不可能ですよ。

ウルトラ・サンタ-----不可能って言ったって、こうして私が未来からここへやって来ているんだから。それじゃあ、あの手紙は偶然私のところに届いたということか。まあ、良くあることなんだけどね。オーッホッホッホッホ!

Little Mustapha-----ということは、これまでのいろんなモヤモヤを上手く説明するにはサンタさんは未来からやって来た、ということになるの?

ウルトラ・サンタ-----そういうことだよ。ウルトラ・サンタじゃなくて「未来サンタ」と書いたほうが正しいぞ。オーッホッホッホッホ!

ニヒル・ムスタファ-----でもそんなのはおかしいぜ。どうしてオレ達の出した手紙が未来に行っちゃったんだ?そんなことはあり得ないぜ。

Dr.ムスタファ-----なんでも、否定していると科学は進歩しないぞ。

未来サンタ-----あなたは良いことを言いますねえ。私の推測だとこの手紙は断続的継続時間帯に入り込んでしまったんだろうな。

Little Mustapha-----なんだ、その断続なんとかって?

未来サンタ-----「断続的継続時間帯」ですよ。今、私が思いついた名前だけどね。オーッホッホッホッホ!まあこの時代的に言えば「時空のねじれ」とか「空間の歪み」とかそんな風に表現するのかな。手紙には消印が押してなかったから、きっと手紙を投函したポストの中で「断続的継続時間帯」が発生したんだな。

ミドル・ムスタファ-----そのヘンなモノの中に手紙が入ったから手紙が未来のサンタさんのところに届いたということですか?なんだか信じられないなあ。

未来サンタ-----まあ、いずれタイムトンネルが出来るから信じざるを得なくなるけどね。「断続的継続時間帯」は人の気付かないところでは沢山発生しているんだよ。特に細かい作業をしている時の机の下とか、タンスの裏、ベットの下なんかにね。そういうところにモノが入り込むと見つからないことがあるでしょ?でも見つからないのは当然だよね。そこに入り込んだモノは「断続的継続時間帯」を通じて別の時間へ飛んでいってしまったのだから。もし飛んだ先が過去だとすると、それはずっと見つからないけど、近い未来だとするとすぐに見つかるんだよ。「目の前にあるのになんで気付かなかったんだろう?」っていう感じで、なくしたものが見つかる時には大抵「断続的継続時間帯」が関連しているんだ。気付かなかったのではなくて、その物体が飛ばされた時間が来てそこに現れたということなんだよ。オーッホッホッホッホ!

ミドル・ムスタファ-----ホントに信じて良いのかどうか解らない話ですねえ。

未来サンタ-----まあ、信じられなくても現実なんだから仕方がない。あと、まだあるぞ。「断続的継続時間帯」を通ってきたモノというのは「何とも言えない懐かしさ」を持つことがあるんだ。

Little Mustapha-----ああ、それはわかるなあ。なくしたと思っていた怪獣消しゴムが何年かしてタンスの裏から出てきた時は「何とも言えない懐かしさ」を味わったねえ。

未来サンタ-----そうでしょ?懐かしかったでしょ?

ニヒル・ムスタファ-----それは解ったけど、プレゼントはどうするんだ?

ミドル・ムスタファ-----そうですよねえ。それにボクの野球盤はひどすぎる。スポーツがなくなったって、いったいサンタさんはいつの時代から来たんですか?

未来サンタ-----3007年だよ。オーッホッホッホッホ!

Little Mustapha-----ピッタリ千年かあ。でも千年もたつと喋り方とか笑いのタイミングがヘンになるんだね。それにサンタさんは凄く若々しい。

未来サンタ-----そうか?まあ見た目は未来技術で整形手術なんだがね。オーッホッホッホッホ!

Little Mustapha-----ところで、提案があるんだけど。本物の未来サンタさんなら「現在サンタさん」のところに行って、ボクらの欲しいプレゼントを取ってくる、ということは出来ないのかな?

未来サンタ-----それは無理だなあ。過去の自分と会うとややこしくなるっていうのはこの時代でも解ってることだろ?

ミドル・ムスタファ-----そうですよねえ。きっとマイクロ・ムスタファが「時間旅行の季節」という小説で書いているはずですよ。

一同(未来サンタ除く)-----アハハハハッ!

未来サンタ-----なにが面白いのか解らないが、とにかくそういうことだよ。オーッホッホッホッホ!それで、どうするの?プレゼントはもらうの?もらわないの?

Little Mustapha-----ボクは返品しようかな。

ニヒル・ムスタファ-----オレも。

ミドル・ムスタファ-----私はもちろんいりませんよ。

Dr.ムスタファ-----私は絶対にもらうぞ。

未来サンタ-----そうなのか。それじゃあ「反重力リアクター」だけは置いていくことにしよう。オーッホッホッホッホ!それで他の人に何もないというのも寂しいなあ。せっかっく1000年もさかのぼってきたのだし、キミ達に特別プレゼントだ!サンタの国のサンタの酒はどうかな?

Little Mustapha-----うわー、やったー!それ美味しいんだよね!

未来サンタ-----あれ?キミはこの酒を飲んだことがあるのか?まあいいか。1000以上も前のことは覚えてられないからね。オーッホッホッホッホ!

 怪しい機械や意味がありそうでなさそうな言葉やらが出てきておかしな話ですが、やっぱり今回もグタグタ飲みが始まってしまいそうです。

 未来サンタは例のカバンからクスリのカプセルぐらいの小さな容器を取り出しました。どうやらそれが「サンタの国のサンタの酒」のようです。以前に何度か出てきた「サンタの国のサンタの酒」とは全く見た目が違うのでこれは「未来のサンタの国のサンタの酒」と言うべきでしょうか?まあ、気にするほどのことではありません。

Little Mustapha-----なんか、すごく小さい酒だねえ。

未来サンタ-----そうか?私の時代では常識なんだがねえ。オーッホッホッホッホ!これは小さいけど、アルコール度数が300%なんだよ。

ミドル・ムスタファ-----300%ってどんな状態なんですか?全然想像が出来ませんけど。

Dr.ムスタファ-----超物理学的な数値だな。

未来サンタ-----私も詳しいことは解らないけど、そのまま飲むと大変なことになるから気を付けた方がいいぞ。オーッホッホッホッホ!

Little Mustapha-----それは困ったなあ。いつもは普通の酒だから、氷とか水とか用意してないよ。割るのは水道水で良いかな。

ニヒル・ムスタファ-----水道水なんかで飲みたくないぜ。あのニオイだけで気分が悪くなる。

未来サンタ-----大丈夫だよ。「サンタの国のサンタの酒」なら水道水でも美味しく飲めるから。オーッホッホッホッホ!私はいつも水道水で飲んでるからね。5リットルの水に一滴垂らせば十分楽しく飲めるよ。オーッホッホッホッホ!

Little Mustapha-----それじゃあ、水を持ってくるよ。バケツが必要かなあ?

 まだ夕方になったばかりだというのに、未来の酒で飲み会が始まりました。「サンタの国のサンタの酒」は飲めばなぜだか楽しくなる。それに、サンタさんの未来話もオドロキの連続で、グタグタ飲みらしからぬ盛り上がりです。

未来サンタ-----…ということでねえ、女性の服だけを透かしてみる透視メガネはこの後500年は実現できないんだよ。オーッホッホッホッホ!

Dr.ムスタファ-----そうだったのかあ。今の技術ではどうしたって骨まで見えてしまうからなあ。

ニヒル・ムスタファ-----また先生はそんなエロいことを研究してたのか?

Dr.ムスタファ-----なにを言っているんだ。これはLittle Mustaphaがどうしても欲しい、というから研究していたんだ!

ミドル・ムスタファ-----本当ですか?!

Little Mustapha-----ん!?…ああ、あれね。あれならもういらないよ。ボクはエスパーの能力を鍛えていろんなモノを透かして見ることが出来るようになったんだからね。

ミドル・ムスタファ-----本当ですか?!

Little Mustapha-----ウソですよ。というかボクは透視メガネが欲しいなんて行った覚えはないよ。

Dr.ムスタファ-----いやいや、きっと酔っ払ってて覚えてなかった、とかそういうことだろ?

ニヒル・ムスタファ-----酔っぱらいの言うことなんまともに聞くなんてあり得ないぜ。ホントは先生が欲しかったから研究してたんだろ。

Dr.ムスタファ-----そんなことはないぞ!私は科学と人類の発展のために全力で研究を続けておるのであるから!そんなことよりも、その先はどうなるんだ?600年先、1000年先、我々人類はどうなってるんだ?

未来サンタ-----人類!?ああ、そうか。あなた達は人間だったねえ。オーッホッホッホッホ!言い忘れてたけど、人類は透視メガネが完成するずっと前にほぼ絶滅してるんだよ。オーッホッホッホッホ!…あれ、これは言わない方が良かったかな?

ミドル・ムスタファ-----言わない方が良いに決まってますよ!なんだか私はドン引きです。

ニヒル・ムスタファ-----そんなに悲しむことはないのさ。所詮人類なんて愚かな生き物なのさ。

未来サンタ-----まあまあ、そんな風に思わないで。でも、良いニュースがありますよ。Little Mustaphaは1000年後でもずっと生きています。

Little Mustapha-----なんで?!

未来サンタ-----生きている、というか生かされているという方が良いかも知れないけど。人類の次に地上の支配者となる者が「最後の人類」として冷凍保存することに決めたのがLittle Mustaphaだったんだよ。オーッホッホッホッホ!

Little Mustapha-----それは全然良いニュースじゃないし、まさに生き地獄じゃん!

未来サンタ-----まあ、そう解釈すればそうなるけどね。でもこれは私のいた未来での話だからね。未来というのは人それぞれに違うものなんだよ。オーッホッホッホッホ!だから「今なにをするか」によってそれぞれの未来は全く違ったものになるかも知れないんだ。

ミドル・ムスタファ-----そんなことを言われても、人類絶滅の話はNGですよ。というかサンタさんってやっぱり人間ではないのですか?1000年も先から来てるということですし、思いっきり若返っているし。

未来サンタ-----その辺は未来技術でどうにでもなるからね。オーッホッホッホッホ!まあ人間かそうでないか、といったら微妙な感じだけどねえ。人間以上、神様未満という感じかなあ。オーッホッホッホッホ!それはさておき、へこむ話をしてしまったお詫びとして「未来的マンモス・ハイテンション飲み」というのはどうだね?

一同(未来サンタ除く)-----未来的マンモス・ハイテンション飲み!?


 未来サンタさんはそう言うと「サンタの国のサンタの酒」の容器を取り出してバケツの中の「サンタの酒の水道水割り」の中にさらにサンタの酒を3滴ほどたらしました。


ミドル・ムスタファ-----そんなことをしてダイジョブなんですか?一滴だけでも結構キツい酒なのに。

未来サンタ-----大丈夫だよ。オーッホッホッホッホ!キミはまだアルコール度数300%という状態が良く解っていないのだな。これは多く入れたら入れるほどキツくなるというものでもないのだよ。オーッホッホッホッホ!

ミドル・ムスタファ-----良く理解できませんが。

未来サンタ-----細かいところは私にもわからんがね。とにかくこれを飲んだらマンモス・ハイテンションだぞ。それじゃあ、まずは私が飲んでみるぞ。


 未来サンタはバケツの中の酒をコップにすくってグビグビと飲んでから叫びました。

「ウオー!マンモス・タノピー!!」

Little Mustapha達は苦笑いで未来サンタを見ていましたが、未来サンタはとても楽しそうです。


未来サンタ-----ちょっと、ちょっと。みんなも飲まないとダメなんじゃないの?テンション低すぎだぞぉ!

ミドル・ムスタファ-----なんだか面倒なハイテンションですねえ。

Little Mustapha-----でもちょっと楽しそうだからボクも試してみようかな。


 未来サンタに続いてLittle Mustaphaもサンタの酒をガブガブ飲みました。


Little Mustapha-----ウワー!マンモス・ウレピー!!これはとてもマンモスな酒だねえ。みんなも飲まないとダメなんじゃない?

ミドル・ムスタファ-----Little Mustaphaまでヘンなことになっちゃいましたよ。

Dr.ムスタファ-----もう、こうなったら私らも飲むしかないだろ。

ニヒル・ムスタファ-----じゃあオレも。

ミドル・ムスタファ-----ということは私も飲まないとダメなようですねえ。


 それぞれが自分のコップにサンタの酒をくむと、今度は全員同時にゴクゴク飲みました。


一同-----ウワーッ!マンモス・ノリピー!!

 こうなると、もう収集はつきません。中身のないマンモス・ハイテンションな叫び声がブラックホール・スタジオに響き渡ります。そしてこういうおバカ騒ぎは大抵すぐに終わってしまいます。こんなふうに騒いでいるとすぐに酔いつぶれてしまうからです。

 Little Mustapha達もなんだか意味が解らないことを叫んでいるうちに、一人、また一人と酔いつぶれて寝てしまいました。Little Mustaphaが最後に「マンモス・ウィズピー!!」とつぶやいたのを最後に、とうとう全員が眠りについてしまいました。まだ夜になったばかりだというのに。

 深い眠りについたLittle Mustapha達の寝息が部屋のあちこちから聞こえてきます。


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