何日か経って、クリスマス・イブ。ブラックホール・スタジオでは予想どおりLittle Mustapha達が集まっています。
Little Mustapha-----おかしいなあ。マイクロ・ムスタファが来ないねえ。いつもはだだいたい時間どおりにやってきてたみたいだけど。
ミドル・ムスタファ-----そうですよね。影が薄いから、いつもみんなは彼がいることに気付かないんですけど、いたことはいたんですよねえ。今日はせっかく話の中心になれそうなのに。
Dr.ムスタファ-----もしかしたら、本当は来てるのにまた気付いてないだけかも知れんぞ。
ニヒル・ムスタファ-----先生、それはないでしょ。影が薄いって言ったって、透明人間って訳じゃないんだぜ。でもヤツがいないと変な電話もかかってこないし、留守番電話のランプも点滅してないな。やっぱり鍵を握るのはマイクロ・ムスタファかも知れないな。
Little Mustapha-----どうでもいいけど、マイクロ・ムスタファに電話してみようか。彼が来ないと始まらないから。
Little Mustaphaは電話のハンズフリー機能をオンにして電話をかけた。
ミドル・ムスタファ-----どうして、わざわざハンズフリーで話すんですか?普通に電話すればいいのに。
Little Mustapha-----だってハンズフリーって、手がないってことだろ。だから手で受話器を持ったらいけないんだよ。ハンズフリーフォンって言うのはそういうことなんだから。
何を言っているのか訳が解りませんが、全員黙って電話がマイクロ・ムスタファを呼び出す音を聞いています。
電話機-----もしもし、マイクロです。・・・もしもし?・・・もしもし?
一同、黙って電話機の音を聞いています。
ミドル・ムスタファ-----ちょっと、これ留守番電話じゃないんだから、誰か話さないと。
Little Mustapha-----ああ、そうか。もしもし、ボクだけど。キミ、どうしてまだ家にいるんだよ。もうみんな集まってるよ。
電話機-----そうですか。それはすいませんでした。私の方から連絡しようと思ってたんですけど。今日は朝から体調がすぐれないから欠席しようと思うんです。
Little Mustapha-----そうなの?体調が悪いって、風邪でもひいたの?せっかく今日はキミが主役になれそうだったのに。
電話機-----そうじゃないんですけど、朝からひどい頭痛と目眩がして。それどころじゃなさそうなんです。でもみなさん、気をつけてください。私には何か嫌な予感がするんです。これが私の頭痛と関係しているのかは解りませんが、もし今日の夜みなさんのところに期待したのと違うサンタがやって来たとしたら、その時には何かとてつもない(未完)
一同-----電話も未完かよ!
全員声を合わせて電話につっこみを入れたところで、ブラックホール・スタジオの玄関でチャイムの音がしました。
ミドル・ムスタファ-----あれ?誰か来ましたよ。
Dr.ムスタファ-----もしかしたら、手紙で呼んだ方のサンタがもう来ちゃったんじゃないのか?
ニヒル・ムスタファ-----それはないね。まだ夕方だぜ。
Little Mustapha-----誰だろう?宅急便でも来たのかな?
Little Mustaphaが席を立って玄関に向かいました。ドアを開けると、なんとそこにはマイクロ・ムスタファがいました。
マイクロ・ムスタファ-----いやあ、すいません。遅れました。
Little Mustapha-----???。遅れましたって、キミは今日来ないんじゃなかったの?
マイクロ・ムスタファ-----何でです?
Little Mustapha-----だって、たった今キミの家に電話したら・・・。
マイクロ・ムスタファ-----私が今家の電話に出られるわけはないじゃありませんか。ここに来るのに急いで歩いていたんですから。
Little Mustapha-----そうだよねえ。じゃあ、さっきの電話は何だったんだ?確かにキミの声で・・・。
今年のサンタ話はどんどん怪しくなっていくようです。