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#037 「Black-holic Special ---Peke Santa---」 2004-12-11 (Sat)

今回は長編のため6ページにわけました。ゲッ、マジで!?


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 ブラックホール・スタジオではまた訳の解らない会話が続いています。その頃、エフ・ビー・エルペケファイルの部屋では・・・って、ここでペケファイル登場なの?まあ、いいか。この話とペケファイル本編は関係ありませんよ。特別出演です。

(ペケファイルが解らない人はAbout Peke Filesとか、主な登場人物とか読んで見てね。ペケファイルについてはここから。)

F.B.l.(エフ・ビー・エル)ペケファイルの部屋


 ペケファイルの部屋のドアが勢いよく開くとそこにはスケアリーの不機嫌そうな表情があった。

「モオルダア。事件っていったいなんですの?」

モオルダアは静かに新聞をスケアリーに手渡した。彼は彼女の機嫌がどうとか、事件がどうとかはあまり関係がないらしい。モオルダアは趣味で捜査をしているのだから。

「何ですのこれ?サンタ宛の手紙紛失って。こんなことは、わざわざあたくし達が捜査をする必要があるようには思えませんわ」

 モオルダアの予想どおりスケアリーは記事の重要性を否定している。でも暇なクリスマスにはもううんざりなモオルダアは、何とかしてクリスマス用の捜査のネタを探す必要があった。

「確かにバカげた事件だよねえ。でもこれは今年が初めてじゃないんだ。二年ほど前から、何者かによってサンタ宛の手紙が盗まれる事件が起きていたんだよ」

そう言うとモオルダアは別の資料をスケアリーに手渡した。それを見るとスケアリーは多少事件に興味をしめしたようだった。

「あら、ホントですわねえ。でもこれはきっとバイトの配達員の仕業ですわ。良くあるでしょ。年賀状を配達するのが面倒になったバイトの配達員が年賀状をどこかに捨てていってしまうというのが。どうせ、年賀状なんてたいした意味もないものですし、最近ではインターネットとかありますから、本当に新年の挨拶がしたい人ならメールですればいいんですわ」

 一応興味を示したスケアリーであったが、年賀状紛失事件と同じようにこの事件を片づけてしまった。でもそれではモオルダアは困る。どんな形であれ、今年のクリスマスは忙しくしていたいのだ。

「キミは解っていないなあ。サンタ宛の手紙というのは子供達の夢がつまっているんだよ。社交辞令満載の年賀状とは訳が違うんだぜ」

「何ですの?偉そうに。でも、あなたのおっしゃることも否定できませんわね。子供達の夢が託された手紙を盗むなんて許せないことですわ」

モオルダアは何とかしてスケアリーの興味を引くことが出来たようだった。これで今年は、誰に電話をかけてもつながらないクリスマスから解放されそうである。

 このようにエフ・ビー・エルは相変わらずなのですが、その頃サンタの国では・・・。???。ここはサンタの国なのか?限りなくサンタの国に似ていますが、何かが違う。

 このサンタの国のようなところのサンタの家のような建物の中でサンタのおじさんのような人が先程から手紙の山をかき分けて、何かを探しています。


「あった!あったぞ!ヤツらめ、今年は何が欲しいというのだ?」

サンタのおじさんのような人は目を真っ赤に血走らせて、手にした封筒を開けた。あまりにも乱雑に封筒を破ったため、中にあった手紙も少し破れていたが、彼はそんなことは気にしていないようです。

 サンタのおじさんのような人は、しばらく手紙を見つめたまま動きませんでしたが、やがて口元を引きつらせて、小刻みにかをふるわせ始めました。それから、彼は突然大声で笑ったのです。彼の頭の中で膨らんだおかしさに耐えられなくなったのでしょう。この静かなサンタの国のようなところに、サンタのおじさんのような人の笑い声がこだました。

 月のない暗い夜にこの笑い声は不気味な感じです。外ではトナカイのような動物が一瞬驚いて耳をぴくっと動かしましたが、彼らには何の危険もない、ということが解ると、トナカイのような動物はまた静かに闇を見つめていました。


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