クリスマス なのかどうかも 分からない
Little Mustapha達が部屋を片付ると、そこはいつものような散らかったLittle Mustaphaの部屋に戻りました。Little Mustaphaは別の部屋に行って非常用の酒をたくさん抱えて戻ってきました。
Little Mustapha-----これでやっとクリスマスらしくなったね。
ミドル・ムスタファ-----どうでもいいですけど、なんで部屋を片付けると部屋が散らかるんですか？
ニヒル・ムスタファ-----それよりも、なんで酒が非常用に置いてあるんだよ？
Dr.ムスタファ-----それよりも、なんだ？さっきのカツラはどこで手に入れたんだ？
マイクロ・ムスタファ-----ちょっと待ってください！
Little Mustapha-----あれ？今のはなんだ？
マイクロ・ムスタファ-----私ですよ！
ミドル・ムスタファ-----ホントだ。私にも何かが聞こえたような…
マイクロ・ムスタファ-----私です！
Little Mustapha-----ああ、キミか。なんだか久しぶりだからね、知ってたけどやってみました。
マイクロ・ムスタファ-----もう良いですよ。これからは何かとてつもないことが起こりそうでも毎回参加しますから、その冗談はやめてください。
Little Mustapha-----たまに冗談じゃないこともあるんだけどね。
マイクロ・ムスタファ-----ホントですか？…いや、それはいいんです。そんなことよりもここではいったい何が起きていたんですか？それからあなたはどこに行っていたんですか？
Little Mustapha-----なんだか全部説明するのは面倒だなあ。その前にとりあえず乾杯といきましょう。ちゃんと飲まないとサンタがやってこないから。…というか、キミ達はちゃんとサンタへの手紙を出しておいたんだろうね？
ニヒル・ムスタファ-----まあ出すことは出したけどな。この展開からすると、あまり期待出来ないような気もするんだよな。
Dr.ムスタファ-----そんな後ろ向きな感じではダメだぞ。海千山千ということもあるしな。
ニヒル・ムスタファ-----それってどういう意味で言ってるの？
ミドル・ムスタファ-----とにかく、ここはひとまず落ち着くためにも、いつものように飲もうじゃないですか。
Little Mustapha-----そうだよね。飲もうじゃないですか！
いつものようにダラッとしたクリスマスパーティーが始まりました。話があちこちにそれながらも、Little Mustaphaは彼がこれまでしてきたことの説明をはじめました。しかし、なんだか良く解らない場所の話が出てきたり、ナンデモナイとかドコデモナイとか言われてもメンバー達はあまり理解出来ませんでした。
ミドル・ムスタファ-----するとつまり、これまでここに謎のメッセージを残していた人はミニ・ムスタファではなかったんですね？
Little Mustapha-----まあ、そう言うことだね。でもさっきDirector N.T.が聞いたメッセージはミニ・ムスタファが喋ったものだけどね。ボクが頼んで外の公衆電話から喋ってもらったんだ。
ニヒル・ムスタファ-----でも、なんで電話が鳴らなかったんだ？ちゃんとした電話からかけたなら普通に鳴るはずだぜ。これまでも何度かその電話が鳴ったことがあったはずだけど。
Little Mustapha-----それに関してはある程度まで分かった気がするんだよね。この電話は持ち主にとって都合の悪い内容の電話の時は、かかってきても音が鳴らないようになっているんじゃないかと思うんだ。それを利用してボクらは作戦を立てたんだ。ブラックホール君からのメッセージは着信がないのに録音されていたでしょ？
ミドル・ムスタファ-----まあ、そうでしたね。
Little Mustapha-----それは、一時的に持ち主となっていたDirector N.T.にとって都合の悪いものだったからね。ボクが変装していたのもそこに関連しているんだけど、いきなりボクが二人になったら電話が壊れてしまうかも知れないしね。まあ、かなり怪しい動作にはなってたけどね。
ニヒル・ムスタファ-----あれはほとんど変装になってなかったぜ。
Little Mustapha-----まあ、違う人間という設定が分かればいいんだよ。それに、ボクが知った真実を伝えるのにキンダニはピッタリだったと思うんだけどね。もしもDirector N.T.が自分がボクでないと気付く前にボクが二人になってしまったら大変な事になるからね。
ミドル・ムスタファ-----何でですか？
Little Mustapha-----だって同じ人間が二人いるということはあり得ないでしょ。だからどちらかが消滅しなければいけなくなってしまうんだよ。そうならないためにもキンダニがDirector N.T.のドス黒い過去を暴いて彼に自分が誰だか思い出させることにしたんだ。
ミドル・ムスタファ-----どうでもいいですけど、キンダニってキンダイチのパロディですか？
Little Mustapha-----そうだよ。急いでたから帽子を用意出来ないのが残念だったけどね。
マイクロ・ムスタファ-----ちょっと待ってください！
Dr.ムスタファ-----なんだ？また留守番電話か？
マイクロ・ムスタファ-----そうじゃありません。さっきあなたの演じたキンダニはどちらかというと映画に影響を受けていますね。
Little Mustapha-----そうだけど。なんで？
マイクロ・ムスタファ-----いや、特に意味はないんですけど。ちょっと思ったから言ってみただけです。…というより、私だって思いついたことをなんとなく喋ったって良いじゃないですか！
ミドル・ムスタファ-----そんなに怒らないでも。あなたは話に入ってくるタイミングがヘンだからいけないんですよ。
マイクロ・ムスタファ-----そうなんですか？私は自然だと思っていますが。
ニヒル・ムスタファ-----それよりも、話が終わってないぜ。Director N.T.がブラックホール君を殺害しようとしたっていうのは本当なのか？
Little Mustapha-----ブラックホール君から聞いたからね。ホントなんだなぁ！
ミドル・ムスタファ-----なんですか、その「だなぁ！」っていうのは。
Little Mustapha-----ボクも初めて知ったんだけどね。ブラックホール君は言葉の最後に「だなぁ！」って付ける癖があるみたいだよ。きっと白色矮星君と一緒だといけないということで、彼なりに考えた結果だと思うんだなぁ！
Dr.ムスタファ-----とにかくDirector N.T.もいなくなったことだし、これからは安心してここに集まれるというワケだな。
Little Mustapha-----それがそうはいかないような気がするんだよね。Director N.T.は誰かに利用されていたんだと思うんだ。彼は自分がホントにボクだと思いこんでいたみたいだし。前に脳ミソが破裂したということで現れなくなったDirector N.T.を復活させた何者かが彼にウソの記憶を吹き込んでこの部屋に送ってきたに違いないんだ。さっき御馳走がカエルとかミミズとかネズミに変わっていたり、プレゼントが葉っぱになっていたりしたけど、あれはDirector N.T.に出来るようなことじゃないよね。
ミドル・ムスタファ-----すると私達の知らない何者かはいまだに私達を監視していたりするんですか？こんな言い方はヘンかも知れませんが、そろそろ想像を絶する恐怖のネタが切れてきている気もしますけどね。
Little Mustapha-----ああ、それなんだけど。キミ達に言い忘れていたことがあったんだなぁ！今日は外ではすごいことになってるんだよ。ということで、今年のクリスマスは第二ステージに突入という感じなんだなぁ！
ニヒル・ムスタファ-----なんだよ第二ステージって？
Little Mustapha-----今年はゾンビとか不死身の殺人鬼とか吸血鬼とか、そういう恐ろしいものからどうやって身を守るか？という感じだね。外にはそんなのがいっぱいいるんだけどね。とりあえず飲んでおくことにこしたことはないから、ここで再び乾杯といきますよ。
ミドル・ムスタファ-----なんで飲まないといけないんですか？
なんだか納得していいのかどうか分からないメンバー達でしたが、そろそろ飽きてきたあの言葉で乾杯しました。
「メリークリスマース！」
乾杯が終わったあとに外から悲鳴が聞こえてきたような気がしました。
Little Mustapha-----とりあえず、世の中で何が起きているのか確認しないとね。
Little Mustaphaはそう言ってテレビをつけました。そこには予定を変更して放送されているニュース番組が映し出されました。