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ナンデ君&イラガマン:ザ・ラストボス

遠足の数日前。悪のアジトでは...。

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エムゾネス-----遠足でございます。ハムスター教授!
ハムスター教授-----なにぃ?!遠足じゃと?これはまたとないチャンス!
メグローネ-----そのとおりでございます、ハムスター教授。
ハムスター教授-----最強の魔神ハム。我がドラゴンの力を見せる時が来た!
エムゾネス-----ドラゴンですか?ハムスター教授。
メグローネ-----それはまさにラスボス!
ハムスター教授-----そうじゃ!ドラゴンと共にナンデ君とイラガマンを待ち伏せして、今度こそ息の根を止めるのじゃ!
エムゾネスとメグローネ-----はは...っ!

そして遠足の当日。ナンデ君とイラガマンは女子達のノリについていけないながらも彼らは彼らなりに遠足を満喫していた。

ナンデ君-----やっぱり海は良いよねえ。
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イラガマン-----海は広いし大きいからね。
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ナンデ君-----それに月は昇るし日が沈むからね。
イラガマン-----それってどこかで聞いた気がするけど。
ナンデ君-----そうだね。前にも言ったっけ?
イラガマン-----どうだろう?それよりさ。海じゃなくて山でも月は昇るし日は沈むけどね。
ナンデ君-----そんなことは言ってもしょうがないよ。それは山に行ったときに言えば良いんだし、今日は海に来たんだから、海は良いねって言ってれば良くないか。
イラガマン-----じゃあそうするか。とは言っても、ちょっとした問題もあるけどね。
ナンデ君-----なんだよ。遠足で不満を言うのは禁止だぜ。
イラガマン-----そうだけどさ。前に来たときは快晴で富士山が見えてたから、今日は一番大きい望遠レンズ持って来たんだよね。天気予報でも絶好の洗濯日和とか言ってたのにさ。霞がかかってて富士山全然見えないんだよ。
ナンデ君-----それはお気の毒に。ボクが写真当番だったら未来感覚でそれは予知できたんだけどね。
イラガマン-----キミの能力は天気予報の無責任な発言より頼りになるってことだな。...と、ここで問題発生してないか?
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ナンデ君-----これって、行き止まりなのかな?
イラガマン-----どうだろう?先を歩いてた女子達はどこに行ったんだ?
ナンデ君-----姿が見えないってことは、この崖の向こう側に行ったんじゃない?でもあの岩って、ずいぶん高いぜ。
イラガマン-----まあ、キミには登るのが難しいかも知れないけどね。心配はいらないよ。ボクが先に登ってキミを上から引っ張り上げてあげるよ。
ナンデ君-----ホントに大丈夫かい?なんだかボクの未来感覚が嫌な反応を示しているんだけど。
イラガマン-----大丈夫だよ。ボクのイラガ感覚によれば、こうやってここに足をかけて...。
ナンデ君-----ほら、やっぱり無理じゃないか?
イラガマン-----いや...。なんかこの岩って波で下の方が浸食されてるから、足をかける場所が...。でも上の方はデコボコしてるから、手をかける場所があるし。ここでボクの腕力の見せ所だよ。
ナンデ君-----なんだか不安定に見えるけど...。
イラガマン-----大丈夫、大丈夫...。今ちょうど良いくぼみを見付けたから、ここを指先で引っかけて、一気に...と、思ったらリュックの中の望遠レンズが重たくて体が上がらない...!...けどもう足は離してしまったから、ここから降りると着地に失敗して海に落ちるかも...。もしかしてこれは大ピンチか...?!
ナンデ君-----どうしたんだい。登る途中で固まってるぜ。
イラガマン-----こうなったら力ずくだ。エイ...!(ズルズルズル...)
ナンデ君-----アッ、イラガマン危ない!
イラガマン-----痛たたた...。卸し金状態の岩の上を手が滑っていく...!しかし、ここで手を離したら背中から海に落ちてしまう。こんな時に手首からクモの糸が出せたら良いのに。でもそれがダメなら爪を立てるしかない!(ガリガリガリ...)
ナンデ君-----あぁ...イラガマン...!
イラガマン-----ふぅ...。なんとか岩を登る事ができた...。
ナンデ君-----そんなことよりも、イラガマン。指先が血だらけだし。爪も割れてるし。
イラガマン-----こんな地味な大ピンチがあるとは思ってなかったよ。
ナンデ君-----だから言ったじゃないか。ボクの未来感覚を信用しないからこうなるんだよ。
イラガマン-----そうだけどさ。ボクはイラガマンだし。こういうことが起きても大丈夫なようにはなってるんだよ。
ナンデ君-----エッ?!もしかして特殊能力で傷がすぐに治るのか?
イラガマン-----そうじゃなくて、消毒液と絆創膏を持ち歩いてるのさ!
ナンデ君-----なんだよそれ。じゃあ、早く治療して先を急ごうぜ。女子達の姿はまだ見えないし。
イラガマン-----ホントだね。


ナンデ君-----と思ったら、またこんな岩がある。
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イラガマン-----うーん...。
ナンデ君-----イラガマン。もう無理するのはやめた方が良いぜ。
イラガマン-----そうだね。しかも以前には何か渡る手段があったと思わせるポールと鎖が見えてるんだけど。
ナンデ君-----これって、まさかエムゾネスとかがやったのか?
イラガマン-----そんな思い切ったことはしないと思うよ。
ナンデ君-----まあそうだよね。とにかくここは諦めて別ルートから行くことにしようか。
イラガマン-----そうだね。もう痛いのはゴメンだぜ。


ナンデ君-----こうして海の音を遠くに聞きながら静かな道を歩くのも良いよね。
イラガマン-----これはこれで遠足の醍醐味って...ハッ!イラガ感覚に感知あり!
ナンデ君-----そういえば、ボクの未来感覚にもわずかな反応があるよ。
イラガマン-----アッ、あれを見ろ、ナンデ君!
ナンデ君-----ああ...、こういうことか。
イラガマン-----そういうことだね。
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ナンデ君-----でもさ。こういうところに落ちてると、ミョーにエッチに思えたりするよね。
イラガマン-----なんだよ、エッチってのは。でも、確かに不意を突かれるというかさ。もうこんな本は卒業さ、って思っていてもこういうところで見ると気になっちゃうんだよね。
ナンデ君-----アッ、しまった。ボクらまだ小学生ってことになってるんだぜ。
イラガマン-----そうだった。まだ卒業どころじゃなかったな。キミの未来感覚が反応したのはこの事のせいか。
ナンデ君-----そうみたい。でも危険が迫っていたわけじゃなく良かったよ。
イラガマン-----そうだね。じゃあ次は小網代の森に行くみたいだから、急いで行くぞ。
ナンデ君-----おお!


ナンデ君-----ここはボクらにとっては因縁の場所だったりするんだよね。
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イラガマン-----そうだよね。初めて来たときには日が暮れて、さらにタヌキングに奇襲されたからね。
ナンデ君-----それがこんなに綺麗に整備されたからね。でも自然はそのまま残ってるから良いよね。
イラガマン-----そうだね。でもそれと同時にタヌキングのような魔神が隠れるのにもちょうど良い環境ってことになってるけどね。
ナンデ君-----そうなんだよ。実はボクが言いたいのはそこでもあったんだけど。さっきから未来感覚にものすごい反応があるんだけど。
イラガマン-----そうなの?ボクのイラガ感覚にはほとんど何もないけどな。あ、イテッ...。
ナンデ君-----なんか、さっきから虫が顔にぶつかってくるよね。...イテッ。
イラガマン-----この季節だし。虫も元気だよね。

エムゾネス-----ハハハハハ!まんまと罠にはまったな!ナンデ君にイラガマン!
イラガマン-----アッ!あれはエムゾネスにメグローネ!
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ナンデ君-----しまった!虫に気をとられて二人に気付かなかった。
メグローネ-----油断したね、ナンデ君にイラガマン。
イラガマン-----クソォ...。
エムゾネス-----今更後悔しても遅いわ!今日こそオマエ達の最後だ!ハムスター教授の生み出したラスボスの威力を思い知るが良い!
ナンデ君-----ラスボス?!
エムゾネス-----いでよ!ドラゴン!ナンデ君とイラガマンをひねり潰してしまえ!
イラガマン-----ど、ドラゴンだって?!そんなものがどこで待ち伏せしていたんだ?
ナンデ君-----ドラゴンっていったら巨大だからね。巨大ロボットがないと太刀打ちできない。
メグローネ-----フフフフ。焦っているようだね。さあ、ドラゴンよ、早く出てきて二人を片付けるのだ!
エムゾネス-----...ん?!どうした?なんでドラゴンが登場しないのだ?
メグローネ-----まさか、まだ到着していないのでは?
エムゾネス-----そんなはずはない。ハムスター教授がそんなミスを犯すなど...。

イラガマン-----あれ?なんだ。
ナンデ君-----二人がなんとなくソワソワしてるけど。イテッ...。また虫だ。

エムゾネス-----どうしたドラゴン!攻撃だ!
(どこからともなく)-----攻撃ならさっきからしてますぜ。ボス。
エムゾネス-----なんだこれは?空耳か?
(どこからともなく)-----違いますよ、私ですよ。魔神です。
メグローネ-----アッ、エムゾネス。あなたの「悪のティアラ」にトンボが...。まさか、さっきから喋っているのはこのトンボ?
(どこからともなく)-----トンボじゃありませんぜ。魔神ドラゴンフライ!グワォオオオオ...!

ナンデ君-----じゃあ、さっきからボクらの顔にぶつかってきてたのって。
イラガマン-----ドラゴンはドラゴンでも、ドラゴンフライだったのか!エムゾネス。ちょっと動かないでね。
エムゾネス-----な、なんだ。指先を人に向けるとは...。そしてなんでグルグルするのだ?
魔神ドラゴンフライ-----あ、ヤバい。それやられるとどうしても見てしまう...。なんか目が回ってきた...。(クラクラクラ...)
イラガマン-----(サッ!)よし。魔神確保!
ナンデ君-----イラガマンは虫取り名人だね。
メグローネ-----おのれ、ナンデ君にイラガマン!

イラガマン-----それで、この魔神ドラゴンフライどうする?
ナンデ君-----どうするって。つぶしたりするのは可哀想だし。飼ってあげれば?
魔神ドラゴンフライ-----それだけは勘弁してくれ。トンボは飛んでいる小さな虫を食べるんだ。だから虫かごで飼うことは不可能なんだよ!
イラガマン-----ということだって。
ナンデ君-----じゃあ踏みつぶすしかないのかな。
魔神ドラゴンフライ-----待ってくだせえ。それだけは勘弁してくだせえ。何でもしますから。
イラガマン-----それじゃあ、ボクらに変わってあの二人を懲らしめてくれ。
魔神ドラゴンフライ-----お安い御用で!(ブーン...!)

メグローネ-----キャー...!虫が飛んできた。恐い...。
エムゾネス-----キャー...!逃げましょう、メグローネ。
メグローネ-----そうしましょう、エムゾネス。

ナンデ君-----なんか急に女の子になっちゃったな。
イラガマン-----でも今回もなんとか助かったようだね。
ナンデ君-----これは「なんで?」って感じだけどね。
イラガマン-----それに魔神ドラゴンフライに襲われたエムゾネスはちょっと嬉しそうだったけど。
ナンデ君-----そのかわりにメグローネは相当怒ってると思うよ。
イラガマン-----それじゃあ、コレからも気を抜けないね。
ナンデ君-----そうだね。

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こうしてまた...、何かの平和が守られたのだった。帰り道にメグローネの胸の大きさについて語り合ったナンデ君とイラガマンであったが、二人に休息はない。真の平和が訪れるまで、二人の戦いは続く。
頑張れイラガマン!負けるなナンデ君!

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