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#174 「LMBのクリスマス殺人事件」 2016-12-24 (Sat)

 クリスマスイブまであと一日にせまった12月23日。それはつまりLittle Mustapha達が念願のプレゼントをサンタから貰える日があと二日に迫った日の夕暮れ時。Little Mustaphaはいつものように自分の部屋で一人でニヤニヤしていました。

 すると誰かが家の戸を叩く音が聞こえてきました。Little Mustaphaはこんな時に誰だろう?と思いながら玄関に出ました。家の戸を開けると、なんとそこには傷だらけで倒れているサンタがいました。それは去年Little Mustapha達のところへやって来た、あの若くてイケメンのサンタでした。

「た、助けてください…」

Little Mustaphaは助けを求めるサンタに驚いて、彼を起こそうと手を伸ばしたのですが、その時彼の目の前の地面に沢山の人影が伸びてきたのに気付きました。Little Mustaphaが顔を上げるとそこには西日の中に人が立っていたような気がしたのですが、それが誰かを確認するよりも先に彼の目の前に閃光が走ったかと思うとLittle Mustaphaはそのまま気を失ってしまいました。

 そして、12月24日の夕方。Little Mustapha以外の主要メンバー達がブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)にやって来ました。


ミドル・ムスタファ-----おかしいですね。

Dr. ムスタファ-----まさかクリスマスのことを忘れてるなんてことはないだろうな?

ニヒル・ムスタファ-----それはないと思うけどな。だけどこれはまったくパーティーをやる雰囲気じゃないな。

ミドル・ムスタファ-----そうですよね。最近はなぜか料理が出てきて、ツマミも解禁でパーティーらしくなって来てたんですけど。今日は酒すら置いてないですよ。

Dr. ムスタファ-----じゃあ今買い物に行ってるんじゃないか?

ニヒル・ムスタファ-----玄関開けっ放しでか?

ミドル・ムスタファ-----まあ、彼ならやりかねないですけど。

Dr. ムスタファ-----なんだ、酒も食べ物もちゃんと用意してあるぞ。ほら。

ミドル・ムスタファ-----ちょっと、勝手に人のうちの台所を漁ったりして。

Dr. ムスタファ-----まあ、良いだろう。多勢に無勢っていう言葉もあるしな。

ニヒル・ムスタファ-----それ、今使う言葉じゃないぜ。

Dr. ムスタファ-----だが、開けてない焼酎もあるしな。これはどう考えても今日のために買ってあるだろう。

ミドル・ムスタファ-----なんかこの前は焼酎にこだわってましたしね。

Dr. ムスタファ-----今回は白麹仕立てだな。

ニヒル・ムスタファ-----ホワイトクリスマスって言いたかったのか。

ミドル・ムスタファ-----ああ、そうですね。でも先にそういうネタに気付いちゃうと、実際に言われた時にどうやって反応したら良いのか困りますよね。

Dr. ムスタファ-----それより、どうするんだ?そろそろ日も暮れるし、パーティーな雰囲気にしたいだろう。

ニヒル・ムスタファ-----そうだけどな。でも全員そろわないんじゃ始めるわけにいかないしな。

ミドル・ムスタファ-----そうですよ。それにLittle Mustaphaは主役ってところはいつもこだわってますからね。主役抜きで始めると怒るかも知れませんし。

Dr. ムスタファ-----じゃあ、もう少し待つか。

ミドル・ムスタファ-----それじゃあ、マイクロ・ムスタファ君、お願いします。

マイクロ・ムスタファ-----なんですか?

ニヒル・ムスタファ-----いつものヤツだぜ。

マイクロ・ムスタファ-----ああ。あれって私が言わないといけないんですかね?まあ、そういう事なら言いますけど。テレビでも見ながら待ちましょうか。

ニヒル・ムスタファ-----やっぱりキミが言い出さないとテレビがつけづらいからな。

ミドル・ムスタファ-----それはそうと、テレビのリモコンはどこですかね。

Dr. ムスタファ-----またそれか。

サンタ君-----どぅわっと…。ここはどこだ?…ああ、まだ体中が痛む。しかし早く戻ってサンタの仕事をしないと。クリスマスに間に合わない…。アッ、そこに倒れているのはLittle Mustaphaさん。どうやら気を失いっているようだ。大丈夫ですか?ちょっとしっかりしてください。

Little Mustapha-----ブワァ…!…あれ?キミはイケメンのサンタ君じゃないか。…というか、ここはどこだ?

サンタ君-----さあ…、ボクにも解らないです。気を失っている間にここに連れて来られたみたいですが。

Little Mustapha-----気を失っていたって、どういうことだ?だいたいなんでサンタ君がいるのか?という気もするけど。

サンタ君-----ボクも記憶が曖昧なのですが。覚えているところまで話しますね。ご存知のとおり、ボクはまだサンタとしては見習いみたいなもんですから、それでちゃんとプレゼントを配ることが出来るように、クリスマス前に街を下見していたんです。そうしたらいきなり知らない人達に襲われて。結構ヤバい感じだったんですけど、なんとか逃げることができて。そうしたらあなたの家の近くにいることに気付いたので、助けてもらえないかと思って家の戸を叩いたのですが。

Little Mustapha-----ああ、そういえばそんな記憶があるけど。でも、それだけじゃどうしてここにいるのかは全然わからないよね。

サンタ君-----そうなんですよ。

Little Mustapha-----そうなんですよ、って。サンタなんだからもっと色々と知ってないといけないんじゃないの?

サンタ君-----そうなんですか?でもサンタですから、プレゼントを配ったらそれで良いと思ってたもので。

Little Mustapha-----なんだか、ボクの知ってるサンタさんとは全然違うんだな。これまで会ったことのあるサンタさんっていうのは、もっとすごい力を秘めてたりしたんだけど。

サンタ君-----それは非常事態で、元々サンタじゃない人達がサンタになってただけですからね。まあ、厳密には人でもないですけど。

Little Mustapha-----それはどうでも良いけど。とりあえずこの場所について考えてみるけど。まず八畳ほどの部屋に窓はなくて扉が一つ。そして部屋にあるものはテレビのようなものだけ。

サンタ君-----これってテレビなんですかね?なんか違うようにも見えますが。

Little Mustapha-----そうだよね。恐らくこれは霊界テレビのようなものだね。

サンタ君-----霊界テレビ?!

Little Mustapha-----サンタのくせにそんなに驚くの?

サンタ君-----だって、始めて聞きましたよ。霊界テレビなんて。

Little Mustapha-----でもたまにはこういう物をプレゼントにリクエストする人だっているんじゃないの?

サンタ君-----どうでしょうか。先輩達ならもしかして知ってるのかなあ?

Little Mustapha-----最近の子供達は現実的だからなあ。

サンタ君-----でも、どうしてそれが霊界テレビって解ったんですか?

Little Mustapha-----いや、ホントに霊界テレビかどうかは解らないけどね。でもボクって自慢じゃないけど地獄にも行ったことがあるからね。毎年クリスマスは大変な事になるから、そろそろ何が起きても平気だしね。理解不能なことでも理解したような気になることだって出来るし。

サンタ君-----でも、ちょっと待ってください。ボクらの記憶に残っている最後の部分と、ここにある霊界テレビとかを考えると、もしかしてボクらは死んでるとか、そんなことはないですよね?

Little Mustapha-----それはなかなか良い質問だね。でも大丈夫。もしここが地獄だったりすると、背後霊の冷子さんっていうのが出てくるはずだけど、出てこないからね。

サンタ君-----じゃあ、ここはどこなんですかね?

Little Mustapha-----それは全然わかりません。

 いきなり大失敗の予感がするクリスマス。いったい何が起きているのでしょうか?

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