ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)では、Little Mustaphaのことなどあまり心配していなさそうな主要メンバー達の宴が続いています。どこにあるか解らない場所にいるLittle Mustapha同様に、彼らも前に地獄に行ったりしているので、こういう状況には慣れきっていて、心配しなくても良いと思っているのかも知れません。
Dr. ムスタファ-----ということでな。本とビデオの印象というのは大きく違ってくるんだな。
モオルダア-----それは興味深い。
ニヒル・ムスタファ-----というか、それってどっちも頭に「エロ」がつく本とビデオだろ?
Dr. ムスタファ-----科学的には付いても付かなくても意味は変わらないぞ。
ニヒル・ムスタファ-----それよりも、事件のことは良いのか?このままじゃLittle Mustaphaだけじゃなくて、サンタも来ないかも知れないんだぜ。
Dr. ムスタファ-----それは大変だな。
ミドル・ムスタファ-----そうですね。なんだか、これまでの経験でなんとなく飲んでいれば上手く行くような気がしていたのですが、そろそろ不安になって来ますよね。
犬サンタ-----じゃあ、せっかく名探偵と捜査官がいるから、推理して遊ぶんだワン!
ミドル・ムスタファ-----遊びじゃなくて、真面目にやりましょうよ。というか、モオルダア捜査官はさっきから随分飲んでいるみたいですけど、大丈夫なんですか?
モオルダア-----ん?!何だ?私なら大丈夫。こうして油断させているスキにキミ達が尻尾を出すのを待っていたんだけどね。どうやら違うような気もしてきて。
ニヒル・ムスタファ-----なんだ?オレ達は疑われてたのか?
モオルダア-----私を誰だと思っているのだね?優秀な捜査官ならそのぐらいはすぐに察しが付くのさ。通報のあった場所と、これまでクリスマスに起きた事件を調べていくと、キミ達が容疑者にされてもおかしくはないよね。
ミドル・ムスタファ-----そうなんですか。まあ、最初はサンタと戦ってる感じもあったんですけど。あれから色々あって、サンタとも仲良くなってるっていうか。事情は複雑なんですけど。とにかく今はボクらがサンタを襲ったりしても何のメリットもない状態なんですよ。
モオルダア-----これまでの話を聞いていると、なんとなくそんな気がしたがね。逆に聞くが、Little Mustaphaのいそうな場所とか、あるいはサンタを襲いそうな人や団体の事は知らないかな?
ニヒル・ムスタファ-----そういえば、去年はあのイケメンのサンタが拉致されてたよな。
ミドル・ムスタファ-----そうでしたね。アレって、どういう理由で拉致されてたんでしたっけ?
Dr. ムスタファ-----なんか酒飲みながらだったしな。科学的にそういう細かいことは忘れてしまうよな。
マイクロ・ムスタファ-----確かアレは異次元の扉を使うためだったと思います。
ミドル・ムスタファ-----何がですか?
マイクロ・ムスタファ-----何が、って。あの若いサンタが拉致された理由ですよ。カズコという人がこの部屋にある異次元への扉を自由に使いたいからサンタを人質にしたんです。
ニヒル・ムスタファ-----キミは酔っても酔ってないみたいな感じだけど、記憶もちゃんとしてるんだな。
マイクロ・ムスタファ-----というよりも、みなさんが覚えてないのが問題だと思いますが。
モオルダア-----それは興味深いね。その異次元の扉とはどういうこと?
ミドル・ムスタファ-----ボクらにも詳しいことは良く解らないんですけど、そこのトイレの扉が異次元への扉と共通の扉ってことみたいなんです。
モオルダア-----トイレの扉?…これが?…開けてもトイレがあるだけだぞ。
ニヒル・ムスタファ-----だから良く解んないんだぜ。
Dr. ムスタファ-----その扉は全く科学的じゃないからな。
犬サンタ-----でもカズコはもうその扉を使う事を諦めたみたいだから大丈夫なんだワン。
ミドル・ムスタファ-----そうなんですか。それじゃ去年色々とやったことは効果的だったんですね。
犬サンタ-----私の大活躍だったんだワン!
モオルダア-----ということは、今年のサンタ殺人事件もそのカズコという人物が関わっているってことか?
犬サンタ-----それはまだ解らないんだワン。でも相手は恐ろしいヤツだから気をつけないといけないんだワン。
ミドル・ムスタファ-----気をつけるって言われても。
ニヒル・ムスタファ-----そうだよな。今年はオレ達に危険が迫ってる感じはほとんど無かったりするからな。
Dr. ムスタファ-----でもLittle Mustaphaがどこにいるのか解らないってのが気になって、あんまり酒も飲めない。ウイッ…!
ミドル・ムスタファ-----ウイッ、って。解りやすく酔っ払ってるじゃないですか。
マイクロ・ムスタファ-----そんなことよりも、みなさん。
Dr. ムスタファ-----なんだ?!テレビか?
マイクロ・ムスタファ-----いや。そうじゃないですよ。まあ、いつものアレでもありますが…。
ニヒル・ムスタファ-----アッ。留守番電話のメッセージが残されている事を示すランプが点滅してるぜ。
モオルダア-----フーム。これは面白い。電話が鳴っていないのにメッセージだけが残されているとは。何かの手掛かりになるかも知れないからな。聞いてみるか。
ミドル・ムスタファ-----いや、ちゃんと考えてからの方が。
モオルダア-----(ピッ!)
電話-----ゴゴ…ゴ…ニ・ジュウ…ゴ…、ゴゴ…フン…!イッケン…ノ・メッセー…ゴ・ゴゴ…。ピーッ!「ちょいと、どういう事ですの?!もしかして、あなた達また何かやらかしたんじゃございませんこと?今日がどういう日だか解らない人はいないと思いますけれど。今日はあたくしのラジオ特番がある日だって事は解っていますわね。それで、今日はいつもよりもさらに特別にしようと思って、世界中からサンタクロースをゲストに招こうと思っていたんですの。それなのに、これはいったいどういう事ですの?サンタクロースが一人も現れないんですのよ。こんなことってあり得ませんでしょ?どう考えてもあなた方の責任ですわ!それに今年もあたくしをパーティーに呼ばないで、あなた達だけ飲んだくれて!あなた方は全てに関してあたくしに謝罪をしないといけませんわよ。あたくしのお屋敷の電話番号は666…」ピーッ!メッセイジ・オワリ!
モオルダア-----ま、まさかスケアリーか?!
ミドル・ムスタファ-----いや、プリンセス・ブラックホールだと思いますけど。大丈夫ですか?顔色が悪いですけど。
モオルダア-----大丈夫。すこし驚いてしまっただけだ。それよりも、今のメッセージだが。サンタクロースが一人も来ないって言ってたよね。
ニヒル・ムスタファ-----ああ、そうだな。そこら辺は気になるところだよな。
モオルダア-----いや、そうじゃなくて。サンタって一人じゃないの?
犬サンタ-----基本的なところから間違ってるんだワン!おかしな話だワン。
ミドル・ムスタファ-----普通はみんなサンタは一人だと思ってるはずですが。何て説明すればイイか解りませんが、親会社が変わった感じですかね。数年前までは主に一人でやっていた感じではありますけど。今は大勢で手分けしてやってるみたいなんです。
モオルダア-----そんな単純なことだったのか!私は今すぐ行かなくては。キミ達、ここはまかせたよ。それでは。…おっと、良いものみっけ。…さらばだ!
ミドル・ムスタファ-----BB弾拾っていきましたね。
ニヒル・ムスタファ-----生活苦しいのかもしれないな。あの人。
Dr. ムスタファ-----それで、どうするんだ?
ミドル・ムスタファ-----どうする、って。モオルダアさんも行ってしまったし。犬サンタ君は何か知ってることないの?今日は探偵なんだし。
犬サンタ-----まだ推理の途中なんだワン。
ニヒル・ムスタファ-----だがサンタが一人も来ないって、それは結構重大な問題じゃないか?
ミドル・ムスタファ-----そうですよね。ボクらのプレゼントも行方不明ってことになりそうですよね。
Dr. ムスタファ-----しかし、我々には何も出来ることがない。それにそろそろプレゼントよりもLittle Mustaphaの心配もしないと、世間的にダメな人間だと思われるからな。
ニヒル・ムスタファ-----そこは「科学的」じゃないのかよ。
マイクロ・ムスタファ-----じゃあ、我々は我々に出来る事をするまでですよ。
Dr. ムスタファ-----また留守番電話か?
ミドル・ムスタファ-----いや、今度はテレビの方だと思いますが。
マイクロ・ムスタファ-----そういうことです。
ニヒル・ムスタファ-----でも、このリモコンでちゃんとテレビがつけられるのか?
ミドル・ムスタファ-----さっきはお尻の圧力でつきましたけど。
ニヒル・ムスタファ-----じゃあ、お尻の下に敷いてみたりして、…って。ホントについたぜ。
Dr. ムスタファ-----おお…!お尻の科学じゃ!
テレビ-----はい、こちら現場の腹パンこと腹屁端でよろしかったでしょうか?今日は沢山の人で賑わっている「楽しいクリスマス展」の会場に来ているんでーす。では、今日はここからいつものコーナー、いってみたいと思いまぁす。腹パンの・もう腹がパンパンで大満足!果てなき食欲の腹パン・グルメコーナー!イェ〜イ…!では早速、会場にある食堂の人気メニューを食べてみたいと思いまぁす。みなさん、これを見てください。このドロドロでブヨブヨした出来損ないのソーセージのようなものですが。これは罪人のお腹から引きずり出した腸をイメージしたという地獄の特製ソーセージということです。では、味見をしてみまぁす。…うん。これは…とっても。…うん。地獄なだけあって、激辛なのですが。…うん。これは一気に口の中に入れてしまったので。…うん。…うん。激辛で今にもむせてしまいそうなのですが。オホッ…。これは、ハプニング映像集に使うにはちょうど良い…うん。…オホッ…。ゲホッ…!ゲホッ!ゲーッ…。オエッ…。
テレビ-----ここでいったんCMです。
Dr. ムスタファ-----なんだこりゃ?今年は随分あのクリスマス展を紹介してるな。
ミドル・ムスタファ-----まあ、変な怪物が出てきたりしないクリスマスですし、本来ならこんな調子なんじゃないですかね。
ニヒル・ムスタファ-----これじゃあテレビ見てもなんにも解らないな。
マイクロ・ムスタファ-----いや、ちょっと待ってください。確かに大きな事件は起きていませんが、あのようなクリスマス展がやっていること自体がおかしな事ではありませんか?
ミドル・ムスタファ-----ちょっと、悪ノリって感じはありますけどね。でもそれはそんなに問題なのですか?
マイクロ・ムスタファ-----いや、普通にあのクリスマス展だけがやっているのなら問題ないのかも知れませんが、これまでの経過と一緒に考えると何かとてつもない…。
ニヒル・ムスタファ-----未完はやめてちゃんと最後まで話そうぜ。
マイクロ・ムスタファ-----ああ、すいません。サンタが殺されたとか、連れ去られたとか。それに、ラジオ番組に出演するはずだったサンタも行方不明ということです。そんな中で、あのクリスマスとは思えない地獄のような情景でサンタを展示しているクリスマス展です。もしも、これらの事柄が全て繋がっているとしたら、なにかとてつもない…。
ミドル・ムスタファ-----結局未完ですが。
犬サンタ-----マイクロ・ムスタファ君はなかなか面白いところに気がついたんだワン。しかし、一つ忘れていることがあるんだワン。
ニヒル・ムスタファ-----なんか名探偵っぽくなってきたぜ。
ミドル・ムスタファ-----忘れている事とは?
犬サンタ-----どうしてサンタ達だけでなくてLittle Mustaphaもいないのか、って事だワン。
マイクロ・ムスタファ-----つまり、鍵を握るのはLittle Mustaphaってことですか?
ミドル・ムスタファ-----ええ?!そうなんですか?
Dr. ムスタファ-----なんかそれはアレだな。
ニヒル・ムスタファ-----そうだぜ。ヤツに鍵を握らせるってのは、なんとなく心配だからな。
犬サンタ-----まあ、とにかくここは様子を見るしかないんだワン。名探偵はそろそろお腹が空いたからビーフジャーキーが欲しいんだワン!
ミドル・ムスタファ-----そんなこと言っても。…と、思ったんですけど、このスーパーの袋の中に犬用のおやつも入ってましたよ。
ニヒル・ムスタファ-----毎年来てるから、先に用意してあったんだな。
犬サンタ-----早く、おやつだワン!ワンワン!
こっちの世界では物事が進展しそうで、全然しないようです。何が起きていいるのか全く解らないので、進展のしようがない、ということでもありますが。どうやら犬サンタ君がおやつを要求したことによって、またさらに乾杯して酒を飲もうという展開になりそうです。
今年のクリスマスはどうなるのでしょうか?