holicRSSFeed

#174 「LMBのクリスマス殺人事件」 2016-12-24 (Sat)

 空腹の直感を信じて扉を開けたLittle Mustapha達は無事に元の世界に戻って来られたようなのですが、扉を出た先はカズコと女子達がやり合っている目の前だったのです。サンタ君目当ての女子達が彼らを取り囲んでワイワイ始めると、その様子をコッソリと監視していたサンタの孫娘さんがなにやら指示を出しました。すると物陰に待機していた特殊部隊のような格好の人達が、まずはLittle Mustaphaの両脇を抱えて人だかりから連れ出しました。

 Little Mustaphaの姿が画面から消えるとすぐにLittle Mustaphaの部屋の外でバーンという大きな音がしました。テレビに夢中になっていた他のメンバー達は驚いてビクッとなったのですが、恥ずかしいので全員がお互いに気付かないフリをしていました。

 すると、部屋の外からLittle Mustaphaの「ドゥエッ、ドゥオッ」という声が聞こえてきたかと思うと部屋の扉が開きました。そこには両脇を特殊部隊のような格好の人に抱えられたLittle Mustaphaがいました。

特殊部隊-----サンタ君の救助が困難だったために、まずはLittle Mustaphaの身柄を確保。これよりサンタ君の救出に向かいます。

ミドル・ムスタファ-----はあ。

Little Mustapha-----ドゥワッと…。あれ?!なんで自分の部屋にいるんだ?

ニヒル・ムスタファ-----キミは女子達に人気がないから、助けやすかったんだろうな。

Little Mustapha-----いや、そうじゃなくて、女子達に掴まれたと思ったら、ここにいたんだけど。

ミドル・ムスタファ-----掴んだのは女子達じゃなくて特殊部隊の人ですね。

Little Mustapha-----そうなの?というか、まだ何が何だか全然わからないけど。

Dr. ムスタファ-----おい、それよりもテレビは大変なことになってるぞ。

ミドル・ムスタファ-----ああ、女子達がサンタ君を取り合って仲間割れ。うわぁ。なんか本気で殴り合ってますけど。

ニヒル・ムスタファ-----これは地獄絵図だな。

Little Mustapha-----あれ、サンタ君はあんなところでなにやってるんだ?

ミドル・ムスタファ-----まだ状況が理解出来てないんですか?まあ、テレビを見てくださいよ。女子達の仲間割れによって、サンタ君の周りにスキができましたけど。ほら、そこへ特殊部隊が。

ニヒル・ムスタファ-----特殊部隊がサンタ君の両脇を掴んで、ここで閃光がボン!

Dr. ムスタファ-----そして、そこのトイレにバーン!


 彼らが言ったとおり、トイレで音がすると特殊部隊に抱えられたサンタ君が出てきました。彼らはワームホールを使って、あの場所から異次元への出入り口でもあるLittle Mustaphaの部屋のトイレの扉へと瞬間移動してきたのです。


テレビ-----ちょっと、あんた達なんなのよ。今ここにサンタの生き残りがいたのに、あんた達が邪魔で捕まえられなかったじゃないのよ。これじゃあ、計画が台無しよ。もうカウントダウンも終わって数字が増え始めちゃってるし。不愉快だねまったく。良いかい、オマエ達!人間どもよ。良く聞け。オマエ達は地獄に落ちる。一人残らず。それがイヤなら、何をすれば良いのか、解ってるわね。これは脅しじゃないのよ。言うことを聞かないヤツは地獄に落とすからね。


Little Mustapha-----なんか、カズコがスゴい怒ってるけど。何が起きてるの?

ミドル・ムスタファ-----いやあ、実は私達にも良く解らないんですが。でも全滅したと思われていたサンタが一人生き残っていたんですよ。

サンタ君-----ドゥエッ?!全滅って、まさか…。

Dr. ムスタファ-----まあ全滅って言っても、全員がやられたワケじゃない。ほとんどのヤツは寝返って地獄のサンタになったようだがな。

サンタ君-----それは、なんていうか、もっとショック…。

ニヒル・ムスタファ-----でもサンタ君がいてカズコの計画は失敗したみたいだし、なんか良かったんじゃないか?

Dr. ムスタファ-----まあそうだな。

ミドル・ムスタファ-----誰か上手いことこの状況を説明出来る人がいれば良いんですけど。

犬サンタ-----それじゃあ、名探偵が全てを説明するんだワン。

ミドル・ムスタファ-----あれ、犬サンタ君。戻ってくるの早いですね。

犬サンタ-----今日はご主人様が怒ってるみたいだったから早めに抜け出してきたんだワン。

Little Mustapha-----ええ!?もしかして、サンタの孫娘さんも来てたの?

ミドル・ムスタファ-----まあ、そうですけど。でも今回は少しドジっ子な一面も見せてましたし。あなたが見てなくて良かったんじゃないですか。

Little Mustapha-----何を言ってるんだよ。完璧でないからこそ良いんじゃないか。

ニヒル・ムスタファ-----そんなのはどうでも良いけど、早く説明してもらおうぜ。

 とりあえず一段落したようなので、名探偵という事になっている犬サンタ君に説明してもらいましょう。


犬サンタ-----今回の敵は手強かったんだワン。ヤツらは密かに計画を進めていて、気付いた時には残されたサンタはほとんどいなくなっていたんだワン。

サンタ君-----そうだったんですか。なんだか、ボクはクリスマスの準備に必死になりすぎて、周りで起きていることに気がついていませんでした。

犬サンタ-----それは幸運だったかも知れないんだワン。知っていたら怖じ気づいて寝返ることだってあり得るんだワン。

サンタ君-----ドゥって。まさか、ボクが…。

Little Mustapha-----まあ、そこはビミョーなところかも知れないけど。でも以外と使命感というか、そういうのがあるサンタ君なので、大丈夫だったんじゃない。

サンタ君-----ありがとうございます。

Little Mustapha-----それで、これまでの説明だとなんにも解らないけど。なぜかボクも変なところに連れて行かれたし。

犬サンタ-----まあ、焦らず聞くんだワン。カズコは味方に付けるか始末するかして、全てのサンタをこの世から消し去ろうとしてたんだワン。そして、さっき見たように地獄のクリスマスを始めるつもりだったんだワン。

ニヒル・ムスタファ-----でも、なんでサンタを全滅させようとしたんだ?自分達だけで勝手に始めれば良いのに。

犬サンタ-----それじゃあ、自己満足で終わってしまうんだワン。人々を恐がらせることは出来ても、従わせることは出来ないんだワン。本物のサンタがいれば、みんなは楽しいクリスマスの方を選ぶに決まってるんだワン。だから地獄のクリスマス以外の選択肢を残すワケには行かなかったんだワン。

Little Mustapha-----いよいよカズコが本格的になって来たのか。最初はボクに改名させようとしてただけだったのに。

犬サンタ-----そうなんだワン。カズコは地獄の軍団を手に入れて強大になったんだワン。それで、まず我々は残されたサンタを救出することになったんだワン。中にはどこかに隠れて見つからないサンタもいたんだワン。そして、やっと見付けられたのがサンタ君だったんだワン。地獄の軍団に襲われて危ないところだったんだワン。そのままサンタ君を安全な場所に避難させるつもりだったんだけど、そこで問題が発生したんだワン。

サンタ君-----そうだったんですか。ボクは追いかけてきたあなた方も危険な人達かと思って。それでLittle Mustaphaに助けを求めたんです。

犬サンタ-----そうだったんだワン。秘密裏にサンタ君を救助しようと思っていたんだけど、Little Mustaphaが出て来てしまったんだワン。それで仕方なく二人をあの部屋にかくまうことにしたんだワン。

Little Mustapha-----えぇ?!じゃあ、ボクは別にあの部屋に居る必要はなかった、ってこと?あんなに苦労したのに。

ミドル・ムスタファ-----でも、さっきサンタの孫娘さんが部屋の中にサンタとその守護者がいるとか、そんなことを言ってませんでした?その前に部屋から出て行ってしまったみたいですけど。

犬サンタ-----あれは大失敗だったんだワン。あの部屋のサンタを見てカズコが降参する予定だったんだワン。でも私が鍵をかけ忘れて二人が外に出てしまったんだワン。

Little Mustapha-----というか、ボクはたまたまいたんじゃなくて守護者とか、そういう設定があるんじゃん。

犬サンタ-----いや、それはあとから決めたことだワン。サンタと関係ない人間があの部屋にいたらおかしいから、ご主人様がそういう設定をあとから考えたんだワン。

Little Mustapha-----なんだよ。自分でも気付いていないすごい能力とか持ってるのかと思って期待したのに。

犬サンタ-----でも機嫌を直すんだワン。迷惑かけたお詫びにクリスマスプレゼントだワン!

Little Mustapha-----うわぁ、やったー!サンタの国のサンタの酒だ。というか、いつの間にか日付も変わってるし、これは急いで乾杯しないとね。それに、お腹空いてるのも思い出したから、お腹が空いてきたし。

犬サンタ-----ちょっと待つんだワン。まあ、乾杯の準備はしてても良いけど、まだ重要なことが終わってないんだワン。

Little Mustapha-----じゃあ、準備をしながら聞くけど。

犬サンタ-----実はサンタ君に会わせたい人がいるんだワン。

サンタ君-----ボクにですか?

犬サンタ-----どうぞお入りください、だワン。


 犬サンタ君が言うとまたトイレのところで物音がして、そのあとに部屋の扉が開きました。そこにはボサボサの白髪で白い髭がボーボーで、しかもゲッソリ痩せたなんだかスゴい感じの老人が立っていました。


犬サンタ-----サンタ君。こちらは仙人サンタ様であらせられるワン。

仙人サンタ-----おぉ、若きサンタよ。よくぞ生き延びた。

サンタ君-----ど、どうも…。


ニヒル・ムスタファ-----な、なんかスゴくないか。

Dr. ムスタファ-----そうだな。これは普通のニオイではない。

仙人サンタ-----さよう。私は井戸仙人に憧れ、そして修行を積み、とうとうメタンガスを食べて生きることが出来るようになったのじゃ。ウップ…。

犬サンタ-----仙人サンタ様、どうしたのかワン?

仙人サンタ-----久々に動いたからな。ゲップがでそうじゃ。ウップ…。それはそうと、若きサンタよ。今サンタ達が危機に瀕していることは知っておるな。オマエの他にまともなサンタはいなくなってしまったのだ。

サンタ君-----ホントにボクだけなんですか?じゃあ、子供達にはどうやってプレゼントを配ったら…?

仙人サンタ-----心配するでない。私が退役サンタ達に声をかけてある。彼らがサンタの仕事を一時的に引き継いでいるのだ。見たまえ。

ミドル・ムスタファ-----あ、テレビがついた!


テレビ-----現場の人気女子アナ、ウッチーこと内屁端です!みなさんあちらをご覧ください!歳をとってはいるものの、筋肉質で男前。そんなサンタ達があの悪夢のようなことが起きていた街に現れてプレゼントを配っているのです!見てください。あのソリに乗って空を駆ける姿を。手綱を握る手の筋肉のピクピクを!ウッチーはあんな素敵なサンタとクリスマスを過ごしたい…。


ニヒル・ムスタファ-----意外と出番の少なかったウッチーが目をギラギラさせて盛り上がってたな。

Dr. ムスタファ-----でもなんであんなムキムキで男性的なんだ?退役サンタなんだろ?

仙人サンタ-----退役とつくヤツはムキムキで男性的か、あるいは病んでいるか。二つに一つじゃ。

Little Mustapha-----そうなのかぁ。

ミドル・ムスタファ-----そんなに感心しなくても。

サンタ君-----それじゃ、ボクはどうすれば?

仙人サンタ-----若きサンタよ。オマエにはもっと重要な役目があるのだ。オマエは新たなサンタのリーダーとなるために、私の元で修行を積むことになる。

サンタ君-----ぼ、ボクがリーダー?そんな。無理ですよ。まだサンタになったばかりなのに。

仙人サンタ-----だがお前は最後のサンタじゃ。お前がやらなければいずれ世界からサンタはいなくなる。

Little Mustapha-----それじゃあ、サンタ君はイケメンなのにメタンガス食べるようになっちゃうの?

仙人サンタ-----それは仙人の技であって、サンタの仕事とは無関係!ウップ…。あぶない。

サンタ君-----そうですか。でもボクに出来るでしょうか?

仙人サンタ-----それは問題ではない。やるかやらないかだ。

Little Mustapha-----ヨーダみたいなことを言ってる。

ミドル・ムスタファ-----やっぱり仙人っぽい人は似たような事を言うんですね。

Little Mustapha-----でもサンタ君は見かけによらず、結構サンタの仕事に情熱を持ってる感じだったしね。なんとかなるんじゃないの。

サンタ君-----そうでしょうか。でもどっちにしろボクがやらないといけないんですよね。

犬サンタ-----そうだワン。キミならやれるんだワン!頑張るんだワン!

サンタ君-----解りました。仙人様。私に修行をつけてください。

仙人サンタ-----うむ。もう時間がない。すぐに出発するぞ。

サンタ君-----はい。

仙人サンタ-----では、キミ達も良い子で…、というか良い大人で…。まあなんでも良いから楽しくやりなさ…。ゲップ…!おっと失礼。ああ、このゲップは燃えるから火気厳禁だぞ。さらばじゃ!

一同-----さようなら仙人サンタさん!さようならサンタ君!(だワン!)


Little Mustapha-----ということで…と思ったけど、ウワァ、なんだこのニオイは?

ミドル・ムスタファ-----これって、仙人サンタのゲップじゃないですか?

ニヒル・ムスタファ-----なんで時間差で臭ってくるんだよ。

犬サンタ-----きっと仙人の技だワン。自分が臭くないようにニオイを遅らせる技なんだワン。

Dr. ムスタファ-----そんな技を使えるならゲップを出さない技も使えるだろう。このニオイなんとかしないと、体調が悪くなりそうだ。

ニヒル・ムスタファ-----いっそのこと火をつけて一気に燃やしたらどうだ?

マイクロ・ムスタファ-----ちょ、ちょっと待ってください。

Dr. ムスタファ-----なんだ、今は留守番電話もテレビもかまっているヒマはないぞ。このニオイをどうにかしなければ。

マイクロ・ムスタファ-----ですから、火は危険なので窓を開けますよ。寒いですけど臭いよりはマシですから。(ガラガラ)

ミドル・ムスタファ-----ああ、これでちょっとは良くなりましたね。

Little Mustapha-----しかし、なんでマイクロ・ムスタファはそんなに冷静なんだ?

マイクロ・ムスタファ-----なんていうか、今回は色々と目立つチャンスがありそうだったのですが、そうならなかったので、最後にニオイを我慢できる一面というのを見せてみました。

ミドル・ムスタファ-----なんですかそれは。

ニヒル・ムスタファ-----でも、今回は犬サンタ君が名探偵になっちゃったからな。

Dr. ムスタファ-----大きなカブってヤツだな。

ミドル・ムスタファ-----もしかして、お株を奪われる、ってやつですかね。

ニヒル・ムスタファ-----酷い間違い方だな。

マイクロ・ムスタファ-----それよりも、犬サンタさん。さっきの話からすると、あなたは最初から全てを知っていらしたのではないですか?

犬サンタ-----へへぇ…だワン。ちょっと悪いと思ったけど、作戦だから仕方ないんだワン。

ミドル・ムスタファ-----ホントですよ。名探偵の格好なんかして。それで殺人事件とかそんな話が出てくるから、ホントにLittle Mustaphaが殺されたのかと思ったりしましたし。

犬サンタ-----でも名探偵というのは現場に着いた時から大体全部のことを知ってるんだワン。だから今回は名探偵って設定なんだワン!

ニヒル・ムスタファ-----そんなふうに上手くまとめるのかよ。

Little Mustapha-----なんかボクには良く解んないけど。ああ、それよりもキミ達は勝手にパーティを始めたりして。色々あって忘れるところだったけど、もうお腹空いたから怒る気にもなれないし。もう良いや。とりあえずサンタの国のサンタの酒で乾杯したら、そのあとはホワイトクリスマスだから、覚悟しておくように。

ミドル・ムスタファ-----(うわぁ、やっぱり白麹の焼酎でホワイトクリスマスだったんですよ。)

ニヒル・ムスタファ-----(でも、あれ美味かったから全部飲んじゃっただろ。)

Dr. ムスタファ-----(その前にサンタの酒でワケわかんなくなるから大丈夫じゃないか?)

Little Mustapha-----ちょっと、そこ。コソコソ話してないで、早くサンタの酒をコップにくんで。じゃあ、行くよ。せーの…!

一同-----メリークリスマース!パーン!…パーン!パーン!

Little Mustapha-----やっぱ口でクラッカーの真似しても虚しいな…。

ミドル・ムスタファ-----そうですね。

 ということで、プレゼントを貰えるのかどうか、ということも忘れるぐらい変なクリスマスになってしまいましたが。気になる人のために書いておくと、サンタ君がLittle Mustapha達のリクエスト用紙を渡したおじいちゃんタイプのサンタは地獄の軍団に寝返ったので、今年はプレゼントなしです。

 ついでに書くと、今年は the Peke-Files も全然やってないし、Black-holicの大特集もあまりできなかったですし、もっと頑張ろうと思ったクリスマスであります。というかあまりクリスマスとは関係ないのですが、この際ですから反省しておくのです。

 そして、次回は年内に大特集できるのか?あるいは最新記事がずっとクリスマスネタ状態の記録更新を狙うのか?という大特集かも知れません。

 お楽しみに!