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#188 「コール・アンド・レスポンシビリティ」 2019-12-25 (Wed)

 犬サンタ君の話によると、今日はブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)で事件が起きるということなのですが、なんとなく緊張感がなくなっているLittle Mustapha達は普通に飲んで普通に盛り上がっていました。


Dr. ムスタファ-----…ということでな。最近はたとえ科学であってもセクハラなんて言われてしまうからな。そういう風潮によって科学の発展が妨げられているんだな。

ニヒル・ムスタファ-----それは先生のエロ発明がダメなだけだろ?だいたい科学の発見がセクハラなんて話は聞いたことがないぜ。

Dr. ムスタファ-----そんなことを言ってると、私の考えた透明人間になれるクスリはキミにはあげないぞ。

Little Mustapha-----エッ?!そんなのあるの?

ミドル・ムスタファ-----なんであなたが盛り上がるんですか。

Dr. ムスタファ-----まあ理論上は可能ってことだがな。

Little Mustapha-----なんだ。ダメなのか。

犬サンタ君-----簡単に諦めちゃダメなんだワン。でも透明になると何が嬉しいのかワン?

Little Mustapha-----なんていうか。夢が広がるっていうかさ。でも透明になっても犬とかには見つかるのかな。透明になるクスリと無臭になるクスリも必要だな。

犬サンタ君-----多分そうなんだワン。でも無臭になって何が嬉しいのかワン?

Little Mustapha-----だから、夢を広げるんだって。

犬サンタ君-----時々人間の事は良く解らないんだワン。

ミドル・ムスタファ-----あの、勘違いしないで欲しいんですけど。人間全体じゃなくて、Little Mustaphaと一部の人だけですよ。夢を広げたがってるのは。

犬サンタ君-----そうなのかワン。

Little Mustapha-----最近は夢のない人が多いからなあ。ところで、そろそろ十二時が近づいて来てることに気付いたんだけど。

Dr. ムスタファ-----飲んでると急に時間が経つな。

ニヒル・ムスタファ-----子犬サンタ君なんて、もうグッスリ寝てるぜ。

ミドル・ムスタファ-----ホントに事件なんて起きるんでしょうか?

Little Mustapha-----まあ、これだけいろんなものが進化しても、いまだに天気予報もハズレるからね。

犬サンタ君-----おかしいンだワン。我々の予測システムは良く当たるんだワン。

マイクロ・ムスタファ-----そこまで言うのなら、念のためにテレビを見てみるのもイイと思いますよ。

Little Mustapha-----まあ、心配ならそうするけどね。でも今回はボクの予測システムが当たりだよ。ついでにサンタの孫娘さんと結婚するところも当たってると良いなあ…。

ニヒル・ムスタファ-----それは予測システムというより願望じゃないのか?

Little Mustapha-----でも、物は言いようってことだからね。じゃあ自己責任の多数決でテレビをオン!

テレビ-----「はい!こちら絶対的人気女子アナのウッチーこと内屁端です!夕方のニュース、クリスマス特番はいよいよ佳境に入ってきたと言っても過言ではないのですが。ここで今日の目玉コーナー行ってみたいと思いまぁす!クリスマスパーティーをやっている家にウッチーが突撃でお邪魔して、他人の家のパーティーの様子を大公開するという企画!題して、お宅のクリスマスパーティー、晒しちゃう!です」

スタジオのキャスター-----それは画期的な企画ですね。ところで、パーティーをしている家というのは、どうやって見分けるんですか?

内屁端-----それは簡単です。いかにもクリスマスが好きそうな家というのは見ればすぐに解ります。例えば、部屋の中の電飾の点滅が外にまで漏れているような。あの家なんか最適じゃないでしょうか。それでは早速、突撃しまぁす!…はい、ではお邪魔しまぁす。…ゲッ!男ばっかりのクリスマスパーティー…。(これ、大丈夫?…やめる?…いける?ダイジョブ。…はい)みなさん、突然ですが、人気女子アナのウッチーでぇす!

部屋の中-----うわー!ウッチーだぁ!

Little Mustapha-----なんだ?!これはどういう事だ?

Dr. ムスタファ-----テレビに映ってるのはこの部屋じゃないか?

ミドル・ムスタファ-----でも、この部屋には誰も来てませんよ。

内屁端-----みなさんは、見たところ家族ではなさそうですが、これはどういった集まりなんですかぁ?

部屋の人-----ボクはリトル・マーメイドの親戚のリトル・ムスタファです。毎年こうして集まってパーティーしてるんです。

内屁端-----なるほど。あったんだしーってやつですね。そして、この料理はなんでしょうか?クリームシチューですかぁ?

部屋の人-----これはフリカッセのプロトタイプです。

内屁端-----プロトタイプとはなんでしょうか?

部屋の人-----詳しくは言えませんが、ボク達は基本的にプロトタイプなんです。

Little Mustapha-----料理まで一緒だし。この部屋そっくりの場所に、ボクらにそっくりの人達がいて。これは完全なパクりじゃないか!腹が立ったからヤツらを痛い目に遭わせてやる!

ミドル・ムスタファ-----ちょっと、どこに行くんですか?

ニヒル・ムスタファ-----自ら進んで傷害事件を起こそうとしてないか?

Little Mustapha-----ああ、そうだ。危ないところだった。でもパクられたら腹が立つよ。

マイクロ・ムスタファ-----いや、待ってください。これはただのパクりとか、そういう次元の問題ではないと思うんです。

犬サンタ君-----そうなんだワン。そっくりな他人がいるって、なんだか恐ろしい話なんだワン。

Little Mustapha-----先に注意しておくけど。犬サンタ君、あんまり恐がってお漏らししないでよ。

犬サンタ君-----大丈夫だワン。弟子の前だから我慢するワン。

ニヒル・ムスタファ-----それで、あのそっくりなヤツらは何だって言うんだ?

マイクロ・ムスタファ-----ここはひとまず落ち着いて順を追って考えてみましょう。

Dr. ムスタファ-----順を追うっていっても、今日起きたことはだいたい覚えてるし。彼らの登場は唐突すぎなんじゃないか?

マイクロ・ムスタファ-----そうじゃなくて、もっと前の。去年のクリスマスのことです。去年はあの食いしん坊の女子アナにそっくりのアンドロイドが登場したじゃないですか。

Little Mustapha-----そういえば、そうだった。ということは、さっきの偽物もアンドロイドってことなの?

マイクロ・ムスタファ-----そうかも知れませんし、違うかも知れません。でも彼らが言っていたプロトタイプという言葉が気になるのです。去年の女子アナは本物と見分けがつかない完璧なアンドロイドだったのですが、テレビに映っていた私達は少し見た目も違っていました。

Little Mustapha-----それに、テレビの中のボクは、自分が本当にリトル・マーメイドの親戚だと思ってるみたいだし。ということは、去年の完璧なアンドロイドを作ったのとは別の誰かが作ったのかな?

マイクロ・ムスタファ-----それは違うと思います。同じ誰かが作ったのだと思いますが、去年と違うのは情報が少ないことじゃないでしょうか。女子アナの情報は沢山あるので、コピーを作るのも早かったのですが、私達に関する情報が少ないからまだ完璧なコピーになっていないのだと思います。

ニヒル・ムスタファ-----なんかありそうな話ではあるが。でもそれはキミの推測でしかないんだよな。

マイクロ・ムスタファ-----そうなんですけど…。

犬サンタ君-----でも去年のアンドロイドを作った悪魔のAIは優秀だから人間に出来ない難しい事も出来ちゃうんだワン。だから気をつけないといけないんだワン。

Little Mustapha-----でもなんで最初からボクらのコピーを作ろうとしないんだろう。去年だってやれば出来たはずだけど。

マイクロ・ムスタファ-----そこで去年と今年の違いを考えないといけないのですが。今年はプレゼントのリクエストを各自で書きました。そのリクエストはサンタさんのところには届かずに行方不明です。その事から考えると、彼らはそのリクエスト用紙を盗んで、そこに書かれている個人情報をもとにコピーを作り始めたのでしょう。

ミドル・ムスタファ-----個人情報っていっても名前とかリクエストした商品名とか、そんなことしか書いてないですよ。

Dr. ムスタファ-----でもスゴいAIならそこから解析してデータを出すんじゃないか?

ニヒル・ムスタファ-----なんか今の一言で一気に説得力がなくなった気がするけどな。

Little Mustapha-----でも、スゴいAIはスゴいからね。もしも今の話が本当だとすると、リクエストの手紙を書いたのが10月31日で。そこから手紙が盗まれて二ヶ月足らずでさっきの状態まで完成したってことだよね。これはかなりのスピードだよ。

ミドル・ムスタファ-----もしかして、こうしている間にもさらに進化してたりして。

Little Mustapha-----それは困るな。もう一回テレビで確認しないと!それじゃ、多数決でピッ!

テレビ-----この番組は、スターウォーズコラボの提供でお送りしました。

Dr. ムスタファ-----終わってるじゃないか。

Little Mustapha-----でも、終わってるけど後ろで映像だけ現地の様子が映るとか、そういうのあるじゃん。

ニヒル・ムスタファ-----現地は現地でも、あれは食いしん坊の女子アナがなんか喰ってる映像だな。

ミドル・ムスタファ-----一体何が起ころうとしているんですかね。気になって仕方がないですよ。

犬サンタ君-----もしかして、あのアンドロイド達が事件を起こすのかも知れないワン。クリスマスに事件なんか起こしたらダメなんだワン!

マイクロ・ムスタファ-----しかし、そうするのに私達に似せたアンドロイドを作る意味があるでしょうか?

Dr. ムスタファ-----なんだ?まだ考えがあるのか?

 マイクロ・ムスタファの推理が盛り上がって来たのですが、長くなってきたので次のページへ

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