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あと4日

「あれは陰惨な事件だったなあ…」
机の神様は遠くを見つめながら、その「陰惨な事件」というのを思い出したのか眉間にしわを寄せて少し間をあけてから続きを話し始めた。
「突然、男の妻がやってきてねえ…」

ここで、私は待ったをかけなくてはいけないようだ。机フェチの男に妻なんていたのか?
「ちょっと待ってくださいよ。その男に妻がいたんですか?そんなことは全然言ってなかったじゃありませんか」
机の神様は途中で話を止められて機嫌が悪そうだ。
「なんか文句があるって言うの?くだらないこと言ってると私が机の神様の念力で、キミを『くだらない男』にしてやるぞ」
「別にかまいませんよ。机がなかなか届かなくてこんなことを書いてるボクは十分くだらない男ですよ」
「ガハハハ。こりゃ一本とられた。キミはちゃんと自分のことを解っているようじゃないか。ちょっと感心したぞ。それじゃあ『くだらない男』はやめにして『エロカワイイ男』にしてやる!」
「ヒエッ。それだけは勘弁を!」
「そうなりたくないのなら話をちゃんと聞くがいい」
「解りましたよ」
やはり机の神様にはかないそうにない。それで、その妻がどうしたというんだ?

「妻が男のところへやって来ると妻はこう聞いたんじゃ。『ちょっとあなた!あたしとその机のどっちが大事なの?』と。男は少しも迷わずこう答えたそうだ。『そりゃ、この机に決まってるだろ。ハニー』とね」
ハニー!?私は思わずこの良く解らない机フェチについて突っ込んで見たいと思ってしまったが、そんなことをしてエロカワイイにされるのはまっぴらなので、そのまま聞いていた。
「男がそう答えるのを聞いて、妻は怒り心頭。部屋を飛び出した妻がしばらくすると鬼のような形相で戻ってきたんじゃ。なんと、手には包丁が握られていたそうな。男は恐ろしくて机にしがみついていたんだが、それを見た妻の怒りは勢いを増すばかり。そしてとうとう男は逆上した妻に刺し殺されたということじゃ」

なんだそれ?それはいろんな意味で凄い話だ。このあとどうなるんだろう?私は続きを聞きたくてじっと机の神様の方を見つめていた。

  

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