Technólogia Vol. 1 - Pt. 24
前回までの Technólogia は...
そこに表示されていたのは「物質転送装置」という文字だった。
「あれから20年が経っているんだよ」
「スフィアに近づくにはまず東京にいる仲間のところへ行かないといけないし」
「もしかして、ボクがまだ知らない危険な生き物とか、そういうのがいるとか。そういうことがあるんじゃないの?」
「迂回ルートはどこを進んでも危険です。途中で不慮の事故や、何かの事件に巻き込まれないとも限りません」
「ワン!」
蚊屋野の頭の中に聞こえていた声は全て動物の声だったに違いないのだ。
「東京に着いたら観測用の機械を受け取る。そうしたら特殊なスーツを着てスフィアに向かえば良いんだよ」
「あれは良い子だな。あんな子がオマエみたいなのを世話しないといけない、ってのは可哀想なことだぜ」
「少し予定を変更しないといけなくなったようだ」
心配しすぎて余計に事態が悪化するような事になるよりは、始めから進んで危険な方向を選んだ方が良い時もあるかも知れない。
蚊屋野はマズい事になったと思っていた。
「奇跡は信じても良い。しかし、迷信には騙されるな!そういうことじゃ。それがテクノーロジアを生き抜くために必要な知恵じゃ」
「アレはこの国の名前っす」
「あら。あのワンちゃん」
「解ったっす。連れて行きましょう」
「そうですけど。でも蚊屋野君が...。あの人って、なんていうか...」
「(オレか?オレはケルベロスっていうんだ。)」
「じゃあ、あだ名はケロちゃんだね」
「それじゃあ、慎重に進みましょう」
「私達も走らないと間に合わない」
彼のすぐ横にコンクリートの塊がドスンと落ちてきた。
「(おい、早く取っ手を壊しちまえよ)」
「でもカヤっぺは英才教育だからな。時々オレなんかよりもスゴいんすよ」
「なんだか、バターとマーガリンの話みたいだ」
「蚊屋野さん、あれ見えます?」
「あれがスフィアです。いくつもあるうちの一つっすけど。」
「(出来ればあれは見たくねえもんだよな)」
堂中が電波塔の前で呆然としている。
「誰かがやって来てこれを壊していった...」
「おかしいっすね」
「人がいないんすよ。この辺りの建物は全部居住地として使われているはずなんすけど。誰もいないんす」
もうすぐ夏休みも終わりそうですが、こっちはまだ夏休み特別企画!週刊で頑張る「Technólogia」更新!
今回はさらに夏休み感が増すかも知れないタイトルは「静かな校舎」です。
でも一応設定では冬の話なんですけどね。季節感はあまりない世界です。
とにかく、このために夏休み特別企画をやっていた、という部分にやっとさしかかってきたのです。
オタノシミクダサイ。
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