クリスマス　もらえるものは　もらいます

　無事に現世に戻ることが出来て、リボンを付けたネコや謎の声によるピンチもなんとか切り抜けた感じになっているのですが、Little Mustapha達にはまだやることが残っています。そもそも、なんのために毎年ピンチになっているのか？というと、彼らがサンタからプレゼントを貰おうとしているからなのですが。今年こそはプレゼントが貰えるのでしょうか。

Little Mustapha-----とにかくボクらのおかげで世界が救われた、ってことでいいのか？

ミドル・ムスタファ-----私たちは特に何もしてないと思いますけど。

Little Mustapha-----でも、ボクらがいなければダメだったかも知れないんだし、それに今年は10周年だったりして。

ニヒル・ムスタファ-----言いたいことははっきり言おうぜ。

Little Mustapha-----フヒュヒュヒュヒュ！そうだけどね。ねえ犬サンタ君。

犬サンタ-----何の話かワン？

Little Mustapha-----もうキミも忘れっぽいなあ。そんなことだとおじいさまからご褒美をもらえないぞ。

犬サンタ-----あっ！そうかワン。みんなを生き返らせたご褒美をまだ貰ってないんだワン！それじゃあ、今回もビーフジャーキーが欲しいんだワン！ワン！

Little Mustapha-----そういうことじゃないんだけど。

ニヒル・ムスタファ-----プレゼントを渡せ、ってはっきり言ったら良いんだぜ。

Little Mustapha-----まあ、そういうことだけど。犬サンタさん。そろそろプレゼントの方をお願いしたいのでございますが。

犬サンタ-----変な喋り方だワン。でもご褒美をもらえるまでプレゼントはお預けだワン。ご褒美が先だワン！ワンワン！

ミドル・ムスタファ-----どうやらビーフジャーキーのことで頭がいっぱいみたいですけど。

Little Mustapha-----仕方ないなあ。じゃあ犬用のビーフジャーキー買ってくるから待っててよ。

　本当はみんな早くプレゼントが貰いたくて仕方がないのですが、Little Mustaphaが余計な事をしたために、ビーフジャーキーを買ってくるまで待たなくてはいけなくなりました。犬サンタは犬サンタでビーフジャーキーが待ち遠しくてたまりません。その間プレゼントとは特に関係のないニコラス刑事がずっと映画「デビルマン」の話をしていたのですが、誰も聞いていませんでした。

　そうしている間にLittle Mustaphaが帰ってきました。

ニコラス刑事-----…ということで、悪魔の戦いでバーンってなってな…

Little Mustapha-----ほら犬サンタ君！ビーフジャーキーだよ。

犬サンタ-----わーい！やったんだワン！ビーフジャーキーだワン！ビーフジャーキーはサンタの国でも人間の世界でも変わらない美味しさなんだワン！ハッハッハッハッハ…。

ミドル・ムスタファ-----なんか大興奮ですね。

ニヒル・ムスタファ-----ご褒美に満足なら、そろそろプレゼントってことだと思うが。

犬サンタ-----そうだったんだワン。それじゃあ、みんなにプレゼントだワン。今出すからちょっと待つんだワン！

Dr.ムスタファ-----早くしないと、のどから火が出るぞ！

ニヒル・ムスタファ-----なんだその諺は。怪獣かよ！？

犬サンタ-----そう慌てちゃいけないんだワン。…あっ、あったんだワン。それじゃあ、これは今年の特別プレゼント「サンタの国のサンタの酒」だワン！

一同-----…。

犬サンタ-----どうしたのかワン？嬉しくないのかワン？

Little Mustapha-----というか、それリクエストと違うんだけど。

犬サンタ-----リクエストは関係ないんだワン。

ミドル・ムスタファ-----関係ないって、どういうことですか？

犬サンタ-----みんな死んでたからリクエストは無効になったんだワン！

Little Mustapha-----そんなのズルいよ。どうせ生き返ることになってたんだし、ちゃんと用意してくれてたって良かったのに。

犬サンタ-----そんなことを言っても仕方がないんだワン。サンタの国では膨大な量のリクエストを処理しないといけないんだワン。だから無駄を省くために、クリスマスの前に死亡が確認された人のリクエストの手紙は自動的に消去される仕組みになっているんだワン！サンタの国の技術はバカに出来ないんだワン！

Little Mustapha-----そうやって何でも自動化していくから、人間の温かみが失われていくんだ！

ニヒル・ムスタファ-----こういう時だけ都合良くそんなことを主張するなよ。

Little Mustapha-----まあ、そうだけど。

犬サンタ-----でもおじいさまは優しいから、これを特別プレゼントとして用意してくれたんだワン！

ミドル・ムスタファ-----じゃあ、仕方ないのでありがたく頂くことにしましょうよ。

Dr.ムスタファ-----今年もまた酒か…。

ニコラス刑事-----でもその酒美味しいから良いんじゃないか。プレゼントなんかよりそっちだろ。

ニヒル・ムスタファ-----勝手に来て、勝手に飲んでいくくせに、よく言うな。

ニコラス刑事-----細かいことは気にせずにな。

犬サンタ-----それから、帰る前に重要な事を思い出したんだワン！危うく忘れるところだったんだワン。

ミドル・ムスタファ-----なんですか？また変な事が始まるんじゃないでしょうね？

犬サンタ-----それはないから大丈夫だワン！実はご主人様からLittle Mustaphaへのメッセージを預かっているんだワン！

Little Mustapha-----えっ！？サンタの孫娘さんからボクにメッセージ？ウホッ！

ミドル・ムスタファ-----なんですかウホッ、って。

犬サンタ-----これなんだワン！ちゃんと読むんだワン。

Little Mustapha-----もちろん。読まないワケはありませんよ。

犬サンタ-----それじゃあ私はそろそろ帰るんだワン。

ミドル・ムスタファ-----もう帰るんですか？

犬サンタ-----去年はここで眠ってしまってご主人様に怒られたんだワン。だから今日は早く帰るんだワン。それじゃあ、来年までイイ子にしてるんだワン！

Little Mustapha-----ということで、犬サンタ君は帰ってしまいましたが。ここはイロイロと記念して乾杯といきましょうか。イシシシシッ…！

ミドル・ムスタファ-----なんですか、気持ち悪い笑い方ですね。

Little Mustapha-----だって、これ見てよ。サンタの孫娘さんからのメッセージ。この封筒の封をしてるのシールがさ、ハートだよ。グフフフ…。何が書いてあるんだろうね？

ニヒル・ムスタファ-----別にハートだからって、特別な意味はないんじゃないのか？

Little Mustapha-----まあまあ、ニヒル・ムスタファ君。ヤキモチを焼く気持ちもわかりますけどね。これからボクの事は「ミスター・リア充」と呼んでくれたまえ。

Dr.ムスタファ-----どうでも良いが、はやく読んでみたらどうなんだ？

Little Mustapha-----どうしようかな？すごい事が書いてあったりしたら恥ずかしいしなあ。

ニヒル・ムスタファ-----どうせ、たいしたことは書いてないぜ。

Little Mustapha-----それじゃあ、サンタの孫娘さんから届いた愛のメッセージを読んでみたいと思います。…。

ミドル・ムスタファ-----なんて書いてあるんです？

Little Mustapha-----ん…？！。

ニヒル・ムスタファ-----ん、じゃなくて。何だったんだよ。

Little Mustapha-----なんだろう、これ？「振り出しに戻る」って書いてあるけど。

ミドル・ムスタファ-----それだけですか？

Little Mustapha-----うん。意味が解らないけど。

Dr.ムスタファ-----科学的に考えたら「振り出しに戻る」っていう意味だぞ。

ニヒル・ムスタファ-----そうじゃなくて、何が振り出しか？ってことだぜ。

ミドル・ムスタファ-----もしかして…。これはあんまり考えたくないですが、私達が次第に近づいていたプレゼントへの道のりが振り出しに戻るとか？

Little Mustapha-----えぇ？！そうなの？

ニヒル・ムスタファ-----でも、他に何かあるのか？

一同-----うーん…。

マイクロ・ムスタファ-----これはミステリーですよ。

一同（マイクロ・ムスタファ除く）-----うーん…。

マイクロ・ムスタファ-----うーん…ってなんですか？

一同（マイクロ・ムスタファ除く）-----うーん…。

マイクロ・ムスタファ-----ちょっと！こんどはそういうネタですか。私が喋るといつもそうやって…

Little Mustapha-----まあ、新ネタだし、気にしてはいけませんよ。

マイクロ・ムスタファ-----別に気にしませんけど。それよりもミステリーですよ。

ミドル・ムスタファ-----それはみんなも解ってますよ。サンタの孫娘さんから謎のメッセージ、これはけっこうなミステリーだと思いますよ。

マイクロ・ムスタファ-----いや、そうじゃなくて。そこの留守番電話のランプが…。

一同（マイクロ・ムスタファ除く）-----アァッ！？

Little Mustapha-----ここまで来てまだ何かあるのか？

ミドル・ムスタファ-----というか、どうするんですか？犬サンタも帰ってしまったし。なにか恐ろしいことが起きたら困りますよこれ。

ニコラス刑事-----ここに警察もいるんだし大丈夫だろう。

ニヒル・ムスタファ-----そういえば刑事だってことはすっかり忘れてたな。

Dr.ムスタファ-----だが、科学的に考えてここで起きる恐ろしい事に対しては警察とか意味がないからな。

Little Mustapha-----でも、これは聞かないとどうにもならないし。もう殺人音波には耐性があることが判明してるし。とりあえず大丈夫だと思うけど。まあ、考えてても仕方がないから押すけどね。

ミドル・ムスタファ-----あぁ…。

　いつものように適当な判断で再生ボタンが押されてしまいました。

留守番電話-----ゴ・ゼン、ゴゴゴ…レ・イ・ジマ…ツモ…ゴ、イッケン。ピイィィィ！「もしもし、ってことだけど…。また背後霊になる前にちょっと知らせておかないといけないんじゃないか？って事があるから電話してみたんだし。この電話は霊界にも繋がってて便利じゃないか？って事でもあるんだけど、それどころじゃないんだし。それで、なんで電話したのか？っていうと、なんか閻魔大王が凄い怒ってるんだけど。うーん…。別にお前らが生き返ったとか、そういうのは関係ないみたいなんだけど、今回は一気に沢山の人が蘇りすぎたんじゃないのか？ってことがダメだったみたいなんだし。しかも、大王はその原因がお前らにあるんじゃないか？って思ってるらしいんだけど。でも、これはあくまでもウワサってことだし、気にする事でもないかも知れないんけど。でも次に死ぬ時まで良い事しておかないと、面接ではかなり不利になるんじゃないか？ってことなんだし。うーん…。まあまあだけど…。それから、もっと重要なんじゃないか？ってことが…」ピィィィイイ！メッセイジ・オワリ！

ミドル・ムスタファ-----どういうことでしょうか？

Little Mustapha-----つまり、これからも良い子にしていましょう！って事だとおもうよ。

Dr.ムスタファ-----でも最後に「もっと重要な事」とか言ってなかったか？

ニヒル・ムスタファ-----オレもそこが気になるんだが…。

Little Mustapha-----でも一番重要なことは最初に言うはずだから、閻魔大王が怒っているというのが「もっとも重要」なことでその次が「もっと重要」って感じだと思うから。

ミドル・ムスタファ-----そんな気楽な解釈で良いんですか？

Little Mustapha-----心配してもしょうがないし。そんなに心配なら「どんな悩みもスッキリ解決！サンタの国のサンタの酒！」を飲もうじゃありませんか。

ニコラス刑事-----そうだ、それが良い！

ニヒル・ムスタファ-----まあ、そうだな。

Little Mustapha-----それじゃあ、バケツに水を用意してと…。今年は出だしが遅れてるから、一気に三滴入れちゃいますよ！

ミドル・ムスタファ-----そんなに入れるんですか？

Dr.ムスタファ-----サンタの酒なら大丈夫だろ。飲みやすいし。

Little Mustapha-----それじゃあ、コップの用意はよろしいでしょうか？じゃあ、いくよ。せーの…！

一同-----メリークリスマース！

　ということで、何が起きたのか良く解りませんが、今年のクリスマスはLittle Mustapha達が生き返るクリスマスだったようです。そんなすごい事が起きたのに普通に酒を飲んでいる場合なのか？という事でもありますが、ここではそれが当たり前？きっとこの後もダラダラしてグダグダの飲み会が続くに違いありません。

　そして、これから先に何が起きるのか。あるいは何も起きないのか。いや、あれだけ新要素も登場したのだから何も起きないはずはないのです。これからもブラックホール･スタジオからは目が離せないようです。

　クリスマスが終わったら、その次は後片付けなので、次回は早めに更新しないといけないのですが、何かの特集か、特集以外でお会いしましょう。お楽しみに。