クリスマス 今年もダラダラ 終わらない
背後霊の冷子さんが何かを調べに行っている間に、あの電話機を使ってカズコが登場したり怪しい展開になっていますがLittle Mustapha達はこれからどうなるのでしょうか?
冷子-----うーん…。私が調べてきたことをイロイロと説明する前に、お前ら余計なことをしたんじゃないのか?ってことなんだけど。
Little Mustapha-----余計なこと、って?特に何もしてないと思うけど。
冷子-----でも、その電話機使ってないか?ってことなんだし。
Little Mustapha-----電話はここでは必需品というか、これがないと話が進まないんだし。使うのは余計なことじゃないと思うんだし。
冷子-----うーん…。でも、余計なことが起きたんじゃないか?ってことだけど。
ミドル・ムスタファ-----確かに、あの電話はなくても良かったですよね。
Little Mustapha-----でも、それだとマズかったりするの?
冷子-----まあ、特にないとは思うんだけど…。うーん…。まあまあだけど…。
ニヒル・ムスタファ-----まあまあ、ってどういうことだ?
冷子-----そこは気にされても困るんだけど。うーん…。仕方ないから、調査の結果を報告いたします、ってことなんだし。
Little Mustapha-----ああ、そうだよ。ボクらはまだ閻魔大王に会うほど生きてないんだし。というか調査って、そんなにすごい事をしてくれたの?さすがは背後霊。気が利きますねえ。
冷子-----別にそれほどでもないけど。友達に聞いたり。まあ、結局は検索したらすぐに見つかったんだけど。
ミドル・ムスタファ-----背後霊も検索するんですか?
冷子-----ていうか、元々そういうのはこっちの方が進んでるんだし。霊界ではどれだけの魂を管理してるのか?ってことだと人間には理解できない数なんだし。そういうのは霊界のデータベースで管理するようにしてる、ってことだし。そういうデータベースにアクセスするためのネットワークなんかも一緒に進歩してる、ってことで、人間の使ってるインターネットなんてオモチャみたいなものでございます、ってことだけど…。フヒュヒュヒュヒュ!
Dr.ムスタファ-----それは興味深い話だな。
ニヒル・ムスタファ-----というか、そんな霊界ネットの話なんかどうでも良いんだぜ。
冷子-----そうなんだけど。うーん…。普段こういうマニアックな話を説明できることがあんまりないんだし、聞かれるとつい嬉しくなって長く説明しちゃうんだし。まあまあなんだけど…。
Little Mustapha-----それで、ボクらはどうなるのか?ってことだけど。
冷子-----ああ、そうだったんだし。それじゃあ、説明するんだけど。まず霊界の法律みたいなものによると、寿命をまっとうしてない魂のうち、その死が完全に本人以外の意志によってもたらされたものである場合はヨミガエリのチャンスあり、ってことだけど…。これは交通ルールを無視したり、不注意で事故にあって死んだって事だとビミョーなんだけど、お前らの場合はこれに該当するんじゃないか?ってことだけど。
Little Mustapha-----ヨミガエリってなんだ?
冷子-----なんか最近はそう呼ぶようになってるみたいだけど。多分あの変な映画のせいじゃないか?ってことだし。
ミドル・ムスタファ-----変な映画、って失礼ですけどね。
冷子-----まあ、見てないからどうでも良いんだし。ていうか、なんでいつも話がそれるのか?ってことだし。真面目に生き返る気はあるのか?ってことなんだけど。
Little Mustapha-----もちろんでございますよ。さあさ、どうぞ先を続けてくださいませ。
冷子-----それって、へりくだってるつもりなのか?ってことだけど…。それじゃあ、続けるけど。魂が蘇るには生きていた時の体が必要なんだけど。これはつまり火葬されたりしたら無理だ、ってことなんだし。ただしやっかいなのは遺体が腐ってたりする時なんだな。普通の魂は死んですぐにヨミガエリチャンスを行使するから、だいたい問題は起きないんだし。それはほとんど心肺停止状態から蘇生したとか、そんな感じと変わらないんだけど。でもお前らずっと死んでるのに気づいてなかったんだし、これはまずいんじゃないか?ってことだし。
ミドル・ムスタファ-----というかもう一ヶ月以上経ってますよ。
Little Mustapha-----それって、つまり生き返ってもドロドロでグチャグチャってこと?
冷子-----そうなるんじゃないか?って思ってさっきちょっと確認しに行ってみたんだけど、お前らの死体は綺麗な状態を保っておりましたとさ、というネタでございます。
ニヒル・ムスタファ-----ネタってなんだよ。
冷子-----ちょっとは盛り上げた方が良いんじゃないのか?ってことなんだし。
Little Mustapha-----そんなのはどうでもイイけど。でも、なんでボクらの遺体は腐ってないんだ?
冷子-----よく知らないけど、ラッキーだったに違いないんだし。それよりも、火葬にもなってないのが驚きだ、ってことなんだし。お前ら死んでるのに誰も気づいてない、って。フヒュヒュヒュヒュ!
ミドル・ムスタファ-----ちょっと、また失礼ですよ。
冷子-----でもそれで生き返るための体が残ってるんだから、良いんじゃないか?ってことだし。
Little Mustapha-----それも、そうだな。じゃあ、さっそくヨミガエリチャンスを使うことにしようか。それじゃあ、みんな。せーの…!
一同(冷子除く)-----ヨミガエリ・チャーンス!
冷子-----…って、何言ってるんだ?ってことだけど…。
Little Mustapha-----あれ?!こうじゃないの?ヨミガエリチャンスって。全然蘇らないし。
冷子-----なんでそんな発想なんだ?ってことだけど…。フヒュヒュヒュヒュ!フヒュヒュヒュヒュ!
ミドル・ムスタファ-----それよりも、どうすれば良いか教えてくださいよ。そろそろ時間がなくなって来てますよ。
ニヒル・ムスタファ-----そうだぜ。いつもみたいにギリギリになってドキドキなのはごめんだぜ。
Little Mustapha-----そういうことだけど。これってもしかして、時間とかも進んでないことにすれば「進まない時間」の現実化が出来たりするの?
冷子-----余計なことを考えるな、ってことだし。時間ていうのは全宇宙で共通なんだし。どっちかっていうと霊界の時計に人間が合わせてる、って感じもするんだけど。時間は夢を裏切らないんだし…
ミドル・ムスタファ-----ああ、そういうフレーズは言わないほうが良いですよ。
冷子-----なんで?ってことだけど…。まあどうでも良いから言わなくてもイイけど。とにかくここにも確実に12時はくるんだし。
Little Mustapha-----そうなのか。じゃあどっちにしろこの地獄の一丁目からは去ることになるんだな。
ミドル・ムスタファ-----なんでちょっと寂しそうなんですか?
Little Mustapha-----いや。想像するだけで何でも出てくる場所を離れるのは寂しくないわけないし。
冷子-----また話がそれてるんだし。大王と面接したいのか?ってことだけど…。
Little Mustapha-----ああ、しまった。それで、どうすればよろしいでしょうか、背後霊様。
冷子-----うーん…。もう怒ったし。ふざけてると教えないんだし。
ニヒル・ムスタファ-----また余計なことを言って。
ミドル・ムスタファ-----そうですよ。スイマセン。謝りますから教えてくださいよ。ほら、あなたも謝ってくださいよ。
Little Mustapha-----それじゃあ、みんなで謝るけど。せーの…。
一同(冷子除く)-----どうも、スイマセンでしたぁ…。
冷子-----って、信じたのか?ってことだけど…。フヒュヒュヒュヒュ!
ミドル・ムスタファ-----またですか?
冷子-----あれぐらいで怒るわけないんだし。フヒュヒュヒュヒュ!フヒュヒュヒュヒュ!
Little Mustapha-----もう、そんなことされると、こっちが怒るんだし。
冷子-----まあ、ムキになるな、ってことなんだし。それじゃあ、ヨミガエリチャンスのやり方を教えるからよく聞け、ってことだけど…。面白いことに、その魂がどんな風に生きてきたかによって方法が変わったりするんだけど。方法はざっとこんな感じかな?
- 死人を甦らせる能力を持っているウッチーこと内屁端アナに助けてもらう。(100%)
- Princess Black holeに死者が生き返るように祈ってもらう。(50%)
- ジ・オールマイティことダー・クマタンに頼む。(5%)
冷子-----ってことなんだけど。これ調べるのに苦労したんだし。
Little Mustapha-----これって括弧内の100%とかは、どういう意味?
冷子-----成功する確率なんだけど。
ミドル・ムスタファ-----だったら間違いなく最初の方法が良いと思うんですが。なんで三つも方法があるんですか?
冷子-----まあ、ただで蘇らせるわけにはいかない、ってことかな。成功の確率が高ければ高いほど、代償も大きくなるってことなんだし。
ニヒル・ムスタファ-----ちなみに、その代償ってどんなものなのか解ったりするのか?
冷子-----だいたいだけど…。内屁端アナに助けて貰った場合は、お前らが全員彼女の召使いになる、ってことで。Princess Black holeの祈りの場合はサイトの主役がPrincess Black holeになって、一番確率の低いダー・クマタンで成功すれば、蘇っても特に周囲の状況に変化はない、ってことなんだけど。
ミドル・ムスタファ-----それは困りましたねえ。召使いは勘弁してほしいですよね。
ニヒル・ムスタファ-----そうだな。オレにもプライドというものがあるしな。
ミドル・ムスタファ-----Princess Black holeに頼むのが一番良いですかね?
Little Mustapha-----おい!ちょっと。何言ってるんだよ!主役の座は絶対にわたさんぞ!
Dr.ムスタファ-----でも我々に召使いになれというのか?
Little Mustapha-----そんなことはしないんだし。
ミドル・ムスタファ-----じゃあ、ダー・クマタンに頼むんですか?5%ですよ。
Little Mustapha-----0%じゃなければ五分五分みたいなもんだよ。それに、よく考えて欲しいんだけど。もしも主役がPrincess Black holeになったら、キミ達がここに登場する機会があると思う?それに、サンタからプレゼントを貰うチャンスは?ボクが主役じゃなければ、生き返ったとしてもキミ達の未来はないも同然。
ミドル・ムスタファ-----えぇ…。そうは言っても…。
ニヒル・ムスタファ-----悔しいがLittle Mustaphaの言うことが正しいと思うな。
Dr.ムスタファ-----科学的に考えてもこれまでどおりになるのが一番だしな。
ミドル・ムスタファ-----科学的じゃなくても良いと思いますが。じゃあダー・クマタンに頼むことにしましょうか。
マイクロ・ムスタファ-----私も賛成です。
一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----なんだ、キミいたのか?!
マイクロ・ムスタファ-----うーん…。
Little Mustapha-----それで、どうすれば良いの?代理人として冷子さんがダー・クマタンのところに頼みに行ってくれるとか?
冷子-----そんなわけないんだし。いつもみたいにダー・クマタンを呼んだら良いんだし。
Little Mustapha-----えー?!アレやるの?
ミドル・ムスタファ-----あれ恥ずかしいからイヤなんですけど。
冷子-----じゃあ大王のところに面接に行けば良いんだし。
ニヒル・ムスタファ-----仕方ないからやるしかないだろう。
冷子-----早くしないともうすぐ12時だぜ、ってことなんだし。じゃあ、私はそろそろ帰ることにするんだし。
Little Mustapha-----帰る、ってどこに帰るの?
冷子-----だって、お前らが生き返るまで背後霊としてやることがないんだし、自宅待機って感じなんだけど。書きかけのプログラムも仕上げたいんだし。まあ、頑張って蘇れよ、ってことだけど…。それじゃあな。あばよ!
背後霊の冷子さんはまたLittle Mustapha達の前から姿を消してしまいました。
ニヒル・ムスタファ-----おい、早くしないと後10分しかないぜ。
Little Mustapha-----ええ?!もうそんな時間?
ミドル・ムスタファ-----余計な話ばかりしてるから…。
Little Mustapha-----どうでも良いけど、早くダー・クマタンを呼び出さないと。じゃあ、みんな。恥ずかしがらずに、大きな声で。せーの…!
一同-----おーい!ダー・クマタ〜ン!!
ミドル・ムスタファ-----…なにも起きませんね。
Dr.ムスタファ-----これは失敗したってことか?
Little Mustapha-----いやいや、大丈夫だよ。声が小さかったに違いないよ。それじゃあ、もう一度!みんな大きな声で。せーの…!
一同-----おーい!ダー・クマタ〜ン!!
ニヒル・ムスタファ-----…まだダメみたいだぜ。
Little Mustapha-----そんなはずはないよ。ダー・クマタンが唯一の友達のボクを見捨てるはずはないからね。マイクロ・ムスタファもちゃんと声を出してる?
マイクロ・ムスタファ-----出してますよ。こんなに恥ずかしいことはないですが、命には代えられませんからね。
ニヒル・ムスタファ-----そんなことはどうでも良いが、なんか部屋がうっすらしてこないか。
Little Mustapha-----あっ。なんかこれは嫌な感じだけど。現世の記憶が元になっているこの場所がうっすらし始めるということは、ボクらの記憶が薄れてきて本格的な死後の世界へご案内、ってことか?
ミドル・ムスタファ-----そんな解説はどうでも良いですよ。
Little Mustapha-----そうだね。みんな最後まで諦めずにダー・クマタンを呼び続けるぞ。せーの…!
一同-----おーい!ダー・クマタ〜ン!!
一同-----おーい!ダー・クマタ〜ン!!
一同-----おーい!ダー・クマタ〜ン!!…
Little Mustapha達は必死になって恥ずかしい感じでダー・クマタンを呼び続けました。しかし、彼らのいる地獄の一丁目のブラックホール・スタジオは次第に輪郭がぼやけていき家具や壁の向こうに広く暗い世界が透けて見えるようになってきました。
そこは永遠に続く漆黒の闇。生きた人間が覗き込めばそれだけで正気を保つことが不可能になるほど、人間の理解を大きく超えた無の世界。そこに投げ出されたらどんな魂も元の世界に帰ることが出来なくなるとか、ならないとか。(なぜか最後は曖昧ですが。)
Little Mustapha達はどうなってしまうのでしょうか?