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#144 「Silent Night, Holy Night」 2011-12-20 (Tue)

クリスマス 地獄の淵で 飲んだくれ


 地獄の一丁目では自分たちが死んでいるのかどうかも解らずに飲み始めたLittle Mustapha達がさらに飲み続けて盛り上がってしまっているようです。

冷子-----…ってことで、惨憺たるサンタ…。

一同-----フヒュヒュヒュヒュ!

Little Mustapha-----そういうことなら…。トナカイと仲良い…。

一同-----フヒュヒュヒュヒュ!

ミドル・ムスタファ-----ジングルベル食べる…。

一同-----フヒュヒュヒュヒュ!

ニヒル・ムスタファ-----サンタクロースが「もうたくさんだ苦労するのは」と言った…とか?

一同-----フヒュヒュヒュヒュ!

Dr.ムスタファ-----それなら私も出来るぞ。クリスマスがクリスマス…。

冷子-----…それダジャレじゃないんだし。

一同(Dr.ムスタファ除く)-----フヒュヒュヒュヒュ!

Little Mustapha-----というか、なんでダジャレ大会になってんだ?

ニヒル・ムスタファ-----知らないよ。キミの出す酒がいけないんじゃないか?

ミドル・ムスタファ-----そうですよ。それにこれ見てくださいよ。この「地獄の一丁目の地酒」ですけど、いつの間にかアルコール分が120%になってますよ。

Little Mustapha-----サンタの酒に近づいて来たねえ。でも120は縁起の良い数だからここでアルコール濃度に関しては打ち止めといたします。

ニヒル・ムスタファ-----そんなのどうでもイイぜ。

Little Mustapha-----それから一丁目じゃなくて三丁目の方が良かったかな、とも思ってるんだけど。でもやっぱり地獄の入り口は一丁目だから、ここはそっちにあわせて一丁目で良いか。

マイクロ・ムスタファ-----それよりも、気になりませんか?

ミドル・ムスタファ-----マイクロ・ムスタファもダジャレを思いつきましたか?

マイクロ・ムスタファ-----いや、そうじゃないですし。しかも何でいつものネタはやる時とやらない時があるんですか?

Little Mustapha-----それが気になってたの?

マイクロ・ムスタファ-----そうじゃないですよ。ボクらが死んだのかどうかまだ解ってないんですよ。

ミドル・ムスタファ-----ああ、そうでしたね。

ニヒル・ムスタファ-----でも、なんかもうどうでも良いんじゃないか?

Little Mustapha-----そうだね。なんか酔っ払ったらそういうのどうでも良くなって来たし。

マイクロ・ムスタファ-----そうですけど、こうしていられるのも12時まで何ですよ。覚えてますか、みなさん。

冷子-----アァッ…、しまった。やってしまったんだし。こんな事してる場合じゃなかったんだし。…だいたいこんな酒なんか出してくるからいけないんだし。うーん…。お前らに付き合ってたらこんな事になったんだけど。

Little Mustapha-----そんなこと言っても、自分から酒飲んでたじゃん。

冷子-----うーん…。まあ、そうなんだけど…。酒って言われると、なんていうか、まあまあだけど…。

Little Mustapha-----まあ、まだ12時までは二時間以上あるし。まずはボクらが死んでるかどうか確かめてからその後のことを考えましょうか。それじゃあ、とりあえずテレビかな。

ミドル・ムスタファ-----さっきも見ませんでしたか?

Little Mustapha-----でも、他に方法はないんだし。じゃあ点けるよ。


テレビ-----「みなさん、こちらは現場の横屁端です。あちらをご覧ください。ただいま偉大なるリボンを付けたネコ様が今年最初の生け贄を口にしたところです。ご覧いただけるでしょうか?リボンを付けたネコは生け贄を丸呑みにはせずに、その鋭い牙で何度も何度も噛み砕いています。そして、堕落しきった人間の脂肪たっぷりの肉が潰れる音、そして骨を砕く音が同時に、何とも言えないおぞましさを伴ってこの耳に伝わってきます。カメラさん。あの口からはみ出しているドロドロしてヤバいものはあまり映さないようにお願いしますね。あっ、そして、いま最初の生け贄を平らげたようです。しかし、リボンを付けたネコの怒りはまだ収まりません。もっともっと沢山の生け贄を要求しています。そして私は望むのです。内屁端を!あの憎き内屁端を生け贄に!そうなのです、全てはあの憎き内屁端が…」


Little Mustapha-----ということで、テレビは点けなくても良かったかな?

ミドル・ムスタファ-----だいたい解ってましたけど。

ニヒル・ムスタファ-----結局何も解らないじゃないか。

マイクロ・ムスタファ-----いや、待ってください。

一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----なんだ、キミいたのか?!

マイクロ・ムスタファ-----今度はやるんですか?

冷子-----このネタは神出鬼没、ってフヒュヒュヒュヒュ!

マイクロ・ムスタファ-----もう、いちいち気にしてられないので続けますけどね。今回はここが地獄という設定になっているから、いつもは重要な役割を持っている電話には何も起きていません。でも、やっぱり電話には何か秘密があるのではないか、とも思うのですが。

Little Mustapha-----でも、何も起きてないんだし、何も秘密はないでしょ?

マイクロ・ムスタファ-----そうじゃなくて、何も起きないのなら我々が何かを起こせば良いのです。

ニヒル・ムスタファ-----それって、何か根拠があるのか?

マイクロ・ムスタファ-----いや、ないです。でもこういう時には何か変化が起きそうな事をしてみるのが良いと思って。

冷子-----うーん…。やめた方が良いんじゃないか?って気もするけど…。

ミドル・ムスタファ-----冷子さんはそう言ってますよ。

冷子-----まあ、そんな気がするだけ、っていったらそれだけなんだけど。

Little Mustapha-----そんな気がするだけなら、試しにやってみればいいんだし。

ミドル・ムスタファ-----やるんですか?

Little Mustapha-----やりますよ!…といっても、どこにかければ良いんだ?って事だけど。…ああ!そういえばいつか異次元世界のボクの部屋からいつもの世界のボクの部屋に電話がかかって来たことがあったけど。今回もそれでやってみるか。それじゃあハンズフリーモードで…と。


 Little Mustaphaがハンズフリーモードで自分の部屋の番号に電話をかけると、しばらく回線をつなぐようなプチプチ音がした後、物悲しい呼び出し音が聞こえて来ました。しばらくは誰も電話に出なかったのですが、待っていると呼び出し音が止まりました。


電話-----「…ぅぅぅぅううううう…ぅぅぅぅううううう…」

Little Mustapha-----うわっ!なんだこれ?

ミドル・ムスタファ-----早く切ってくださいよ。

Little Mustapha-----言われなくても。…ふう、もう切ったから安心なんだけど。一体あの不気味な呻き声は何なんだ?ってことだけど…。

ミドル・ムスタファ-----そうですね。まさに地獄の底から聞こえてくる、というかここが地獄なのか?なんだか意味が解りませんが。

ニヒル・ムスタファ-----電話をかけてみる、ってのは大失敗だったようだな。

マイクロ・ムスタファ-----いや、私もあんな恐ろしい声が聞こえてくるとは思いませんでしたから。

Dr.ムスタファ-----しかし、あれは何だったんだ?冷子さんはその辺に詳しいんじゃないのか?

冷子-----うーん…。多分あれはお前らの呻き声なんじゃないか?ってことだけど…。

ミドル・ムスタファ-----ボクらはここにいますよ。

冷子-----ここにいるのはお前らの魂の方で。現世の部屋にはまだ死体もあるだろうし。死体の方は殺される時の苦しみだとか、そういうのを覚えているから、その怨念が電話に反応したんじゃないか?ってことだけど…。ていうか、そう考えると電話をしたらお前らが死んでる、ってことが証明できたんじゃないか?って事なんだし。マイクロ・ムスタファの提案は間違ってなかったんだし。

ミドル・ムスタファ-----まあ、完全に証明できてないかも知れませんが、私はあんな恐ろしい呻き声を聞いたことないですし。身の毛もよだつとはまさにあのことですね。

ニヒル・ムスタファ-----悔しいがオレも納得だな。あれは死人の声だったぜ。

冷子-----これで問題が一つ片付いた、ってワケだし。

Little Mustapha-----それにしても、なんで自分たちの怨念の呻き声を怖がらなきゃいけないんだ?なんかそこのところは納得出来ないな。

冷子-----他人の声だったら聞いただけで失神する怖さなんだし。

ミドル・ムスタファ-----そういうことなら納得ですかね。こらから電話をする時には気をつけた方が良いですね。

冷子-----って、それどころじゃないんだけど。お前ら面接はどうするのか?ってことだし。もう死んだことは解ったんだから、大王のところにも行かなきゃならない、ってのも解ってるはずだし。

Little Mustapha-----でも、そこをなんとか。背後霊の特権で我々を助けてもらえませんでしょうか?

冷子-----なんで急に態度を変えるのか?って事なんだし。

ミドル・ムスタファ-----ボクからも頼みますよ。こんなワケの解らない中途半端なところで死ぬのは間違ってますよ。

ニヒル・ムスタファ-----そうだぜ。それにあの怨念の呻き声をきいただろ?あんなに恐ろしい声をだして。アレを聞いて何とも思わないなんて、まともな背後霊とは思えないぜ。

冷子-----うーん…。お前らって面倒なんだし…。でも確かにお前らの死には不可解なところが多い、って事でもあるんだけど…。うーん…。解んねえな。

ミドル・ムスタファ-----解らないって何がですか?

冷子-----うーん…。まあ、ちょっと調べてくるんだし。それまで待ってろ、ってことだけど…。余計な事はするなよ、ってことでもあるんだぜ。じゃあな!


 背後霊の冷子さんは何か考えがあるのか、Little Mustapha達の目の前からスーッと消えてしまいました。

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