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#144 「Silent Night, Holy Night」 2011-12-20 (Tue)

クリスマス 地獄の扉 閉め忘れ?

テレビ-----「はい、こちら現場の人気女子アナウッチーこと内屁端です。みなさん、ここがどこだか解りますかぁ?…。はい、そのとおりです。今日は何事もなく平和だったこの街ですが、午前零時を過ぎたあたりから、このように騒然としているのです。一体なにが起きているのでしょうか?今年もこの街では何かが起こっているようです」


ニコラス刑事-----ああ、これだ。さっきの駅のほうのやつ。

ミドル・ムスタファ-----何が起きてたんですか?

ニコラス刑事-----まあ、その時は特に何も起きてなかったようだがな。逃げた方が良いとか、音波がどうのとか。最近は変なヤツが多いしな。

Little Mustapha-----なんか気になるけど、今はテレビを見てた方が話を聞くより解りやすいと思うけど。

ニヒル・ムスタファ-----そうだな。


内屁端-----みなさん、あちらをご覧ください!なんとネコです!あの巨大なネコが現れました。そうです。人間達を食べて巨大化するのリボンを付けたネコが突然現れたのです。そして、ご覧いただけますでしょうか?リボンを付けたネコの肩に注目してください!驚くべきことに、巨大化したネコの肩の上に生意気な後輩女子アナの横屁端が乗っているではありませんか!異次元世界をリポートするように言ってあったのにサボり続け、挙げ句の果てには巨大ネコを手なずけて人間の世界に攻め込んで来たようです。

横屁端-----はい、こちら横屁端です。みなさんあのインチキ女子アナの言うことを信じてはいけません!全ては嘘っぱち。この横屁端が内屁端の悪行を暴くためにやって来たからには、もう好き放題はさせません。そしてこのリボンを付けたネコの怒りこそが、その悪行の証!内屁端の策略により私は異次元世界に閉じ込められ、そしてリボンを付けたネコ様に捧げられるべき生け贄も捧げることが出来なかったのです。しかし、今日こうしてこの世界にやって来られたのも神の御業に他ならないでしょう。時空の扉が大きく開かれて、我々はこうしてこの次元にやって来ることが出来たのです。

内屁端-----こちら内屁端です。生意気な後輩がほざいておりますが、騙されてはいけません。きっと自分の女子アナとしての才能のなさに気づいてヤケになっているに違いありません。ここはなんとしてもあの巨大なネコを止めなければいけませんが、もしかすると自衛隊の出動を要請することになるのではないかと思われます。


Little Mustapha-----ねえ、時空の扉が開いてた、って言ってたけど。

犬サンタ-----ん?!なんのことかワン?…それよりも大変なんだワン!あのネコがまたやって来てしまったんだワン。

ニヒル・ムスタファ-----まあ、責任がどこにあるのか?ということはひとまず考えないことにして、これはちょっとまずい事なんじゃないか?

Little Mustapha-----でも別にボクらを狙っているワケじゃないだろ?あの女子アナを食べたら帰って行くんじゃないか?

犬サンタ-----それだったら安心なんだワン!


内屁端-----こちらは現場の内屁端です!先ほどの現場でまた新たな動きがありました。見てください。あれはもしかしてゾンビではないでしょうか?腐敗臭を漂わせながら、大量の死体が蘇ったようです。そして、ご覧ください!あれは一ヶ月ほど前に行方不明になっていた占い師のカズコではないでしょうか?ここはウッチーが突撃取材してみたいと思いまーす!キャー、カズコさーん。私の運勢を占ってくださーい!

カズコ-----なによあんた。あんたそんなことしてると死ぬわよ。

内屁端-----そんなこととはどういうことでしょうか?

カズコ-----インタービューなんてしてないで、逃げないと死ぬ、って言ってるのよ。私の占いは当たるんだからね。後ろを見てみなさいよ!

内屁端-----後ろですかぁ?…あっ!みなさんご覧ください。油断したスキに巨大なネコが私の背後に…!そして今大きな口が私の頭に迫ってきています。キャ〜〜〜…


ニコラス刑事-----あらま。食べられちゃったぞ…。

犬サンタ-----やっぱり恐いんだワン…。どうすれば良いのかワン?ご主人様やおじいさまは助けてくれないのかワン?


横屁端-----はい、こちらは現場の横屁端です。みなさんご覧いただけたでしょうか?先ほどついにあの憎き内屁端をリボンを付けたネコ様の生け贄として捧げることが出来ました。そして、内屁端がいなくなったことにより、新たな人気女子アナ誕生です!これからは横パンこと、この横屁端が人気女子アナになるのでーす!そして、あっ…ギャアアアアア…。失礼いたしました。急にリボンを付けたネコ様が暴れ出したために私は肩から振り落とされてしまいました。そして、ご覧ください。リボンを付けたネコ様がどこからともなく蘇ってくるゾンビ達を食べているようです。入れ食い状態とはこのことでしょうか。おお、称えよ!崇めよ!リボンを付けたネコ様。人間達を食べてどんどん巨大化していきます。なんて素晴らしい光景でしょうか。


ミドル・ムスタファ-----これヤバいんじゃないですか?巨大化すればするほど胃も大きくなるから、それだけ人間が必要になって…。

ニヒル・ムスタファ-----人類は滅亡か?

犬サンタ-----そんなのはダメなんだワン!今日はみんな幸せになる日なんだワン!…大丈夫だワン。いまメールでご主人様を呼んで助けて貰うんだワン。

Little Mustapha-----ここはメールより電話じゃないかな?

犬サンタ-----そんなのはどうでも良いんだワン!

マイクロ・ムスタファ-----あの、ちょっとイイですか?

一同-----…。

マイクロ・ムスタファ-----なんで黙るんですか?

ミドル・ムスタファ-----なんとなく様子見で。こんな事態ですから。

マイクロ・ムスタファ-----どうでも良いですけど。そこの留守番電話のランプが点滅しているのって…

一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----エエッ?!ここでこの展開かよ!

Little Mustapha-----見事に一斉に驚いたね。それはそうと、どうなっているのでしょうか?ってことだけど。このメッセージはあの謎の声なのか?ってことだと、あの声はボクらを全滅させたと思ってるから違うと思うんだし、このメッセージは聞いても無害だよね?

Dr.ムスタファ-----科学的にはそうだが、あんまり考えてる時間もないんじゃないか?

Little Mustapha-----そうだよね。じゃあ、そういうことで。


 Little Mustaphaはメッセージを再生するためのボタンを押しました。


留守番電話-----ゴゴ、ゴジュ、…ゴゴ…ゴゴゴ…イッケン。ピーッ!「ちょいと、どういうことなんですの?あなた方は誰のおかげで生き返ることが出来たと思っているんですの?そんなことも知らないで、またあたくし抜きでパーティーを始めようなんて思っているのね?本当だったら法的な手段に打って出ても良いのですけれど、無事に生き返ってくれた喜びと、10周年ということもあるので今回は勘弁して差し上げますわ。でも、この件に関してあたくしに謝罪する気があるのなら、すぐにあたくしのお屋敷まで電話をかけるんですのよ!電話番号は666の…」ピイイイイッ!メッセイジオワリ。


Little Mustapha-----これはとっても心配なんだが。

ミドル・ムスタファ-----なにがですか?予想どおり特に問題はなかったようですが。

Little Mustapha-----そうじゃなくてね。ボクらが助かったのはダー・クマタンが来てくれたから、ってことで大丈夫だよね?もしもPrincess Black holeが祈ったから助かったということだと、大変なことになるんだけど。

ニヒル・ムスタファ-----選んだのは三番なんだからダー・クマタンのおかげだよ。

ミドル・ムスタファ-----ちょっと待ってください。そうだとすると、ボクらを助けるためのまじないとか、祈りとかであのゾンビとかも生き返っているんですかね?

Dr.ムスタファ-----科学的にはそうなるかも知れないな。

ニヒル・ムスタファ-----科学じゃないだろ。でも、そうだとしたらやっぱりオレ達はダー・クマタンの力で復活したってことだし、代償とかは心配しなくて良いんじゃないか。

Little Mustapha-----そうだよね!そうだよね!ね!ね!…ああ、良かった。

犬サンタ-----ちょっと静かにするんだワン!外はそれどころじゃなくなってるんだワン。


横屁端-----はい、こちら現場の人気女子アナ、横屁端です。こちらにあの占い師カズコがやって来たので話を聞いてみたいと思います。

カズコ-----ちょっとあんた何考えてるのよ。さっさとあのネコを止めなさいよ!あんたが飼ってるんでしょ?

横屁端-----飼っているのではありません!でもどうして止めないといけないんですかぁ?

カズコ-----当たり前じゃないのよ!あのネコ私の『地獄の軍団』を食べてるのよ。これじゃあ、せっかくの計画が台無しじゃないのよ!

横屁端-----計画とは一体どのようなものなのでしょうか?

カズコ-----自慢じゃないけどね、私はこれまで地獄にいたのよ。それで地獄にいる時に良いこと思いついちゃったから、新しいビジネスを始めようと思ってんのよ。だけど人手が足りないから、こっちに来る時に他の魂を占いでちょろまかしてこっちに引き入れたんだけど。あんたのネコが食べてるから人手が足りなくなるじゃないのよ。

横屁端-----でもあの状態で私の言うことを聞いてくれるかどうか解りませんが、人気女子アナである私と、あのリボンを付けたネコの間にはこれまでに築かれた信頼関係があります。では、やめるように説得してみましょう。

カズコ-----そうよ。ちゃんとやらないとあんた死ぬよ。

横屁端-----リボンを付けたネコ様!リボンを付けたネコ様!お願いがあります。どうか…、あっ…!これは一体どういうことでしょうか?

カズコ-----どうしたのよ、早く止めなさいよ!

横屁端-----みなさま、おわかりいただけるでしょうか?ただいま人気女子アナの横屁端は突然の激しい耳鳴りに襲われ、周囲の状況が把握できないような状況になりつつあります。これは何が起きているのでしょう?そして、私の頭の中で不気味な笑い声が聞こえているようにも思えます。…これは…これはなんでしょうか?…何かが私の意識を侵食していくような…。…そうです、これは何かが私に憑依しているに違いありません。そして、しばらくすると、私は別の人格になってしまうに違いありません。

カズコ-----ちょっと、なんなのよ!早くネコを止めなさいよ!

憑依された横屁端-----フッフッフッフッフ…。そうはいかないよカズコ。そしてブラックホール・スタジオの諸君。久しぶりだねえ。


ミドル・ムスタファ-----ちょっと。これはあの謎のメッセージの声じゃないですか?

Little Mustapha-----今回はこんな感じで登場かよ。

犬サンタ-----恐いんだワン。今度は悪魔の声だワン。


憑依された横屁端-----お前達を全滅させて、今回のクリスマスは次の計画に移ろうと思っていたんだが、お前達のせいで台無しになってしまったよ。しかしな、これで終わりと思うなよ。私はこの簡単に憑依できる体を手に入れた。そして、この体の中にいればあのリボンを付けたネコも味方に出来るようじゃないか。今後お前達にどんな地獄を見せられるのか楽しみだな。フッフッフッフッフ…。フッフッフッフッフ…。

カズコ-----ちょっと、なんなのよ!いきなり男の声で話して気持ち悪い。悪の軍団!この女子アナをやっておしまい!

憑依された横屁端-----おのれ、占い師の分際で!お前など殺人音波で十分だ。「ギイィィィィイ!」


犬サンタ-----うわ!イヤな音なんだワン。

Little Mustapha-----あの音聞いたら死んじゃうんじゃなかったっけ?

ミドル・ムスタファ-----そうですよ、早く耳をふさがないと。

ニヒル・ムスタファ-----でも今回はそれほどでもないぜ。

Little Mustapha-----一回聞いたから耐性がついたのかな?


カズコ-----何よその音波ってのは?私は鈍感だからそんなのにはやられないのよ。

憑依された横屁端-----うぬぅ…。仕方がない。ならばあのネコを…。あっ、しまった!


犬サンタ-----あっ!みんな見るんだワン!ご主人様が登場したんだワン!それにトナカイさんもいるんだワン!

Little Mustapha-----ああ、ホントだ…♡

ニヒル・ムスタファ-----スケベな顔するなよ。気持ち悪い。


サンタの孫娘-----リボンを付けたネコ。ここはあなたのいる場所ではありません。さあ、この札束ボールを追いかけて元いた世界に戻りなさい!


 サンタの孫娘さんは手に持っていた札束で出来たボールを投げました。投げた先には開けっ放しの時空の扉があって、ボールはそこに吸い込まれていきました。するとそれを見ていたリボンを付けたネコもボールを追いかけてその穴に入っていきました。


憑依された横屁端-----おい、待て!待つんだ!私を置いていくんじゃない…。

カズコ-----ふん。カワイイだけの女子アナが…。おい地獄の軍団!今日のところは引き上げるよ!ついておいで。


 リボンを付けたネコは消え、そしてカズコとゾンビ軍団達もどこかへ行ってしまいました。憑依されていた横屁端は一度気を失って倒れたのですが、意識を取り戻すと元の女子アナに戻っていました。


犬サンタ-----うわー!やっぱりご主人様は格好いいんだワン!

Little Mustapha-----うーん…そうだよねえ…。

ミドル・ムスタファ-----ちょっと、なんでいきなりパソコンなんかやってるんですか?

Little Mustapha-----いや、今のサンタの孫娘さんの活躍がYouTubeに上がってないかな、とか思ってね。

犬サンタ-----残念ながらサンタ一族はテレビに映らないんだワン。

ニヒル・ムスタファ-----でもさっきは映ってただろう?

犬サンタ-----でもここのテレビは普通のテレビじゃないみたいなんだワン。

Little Mustapha-----ええ?!だってこれ、今年買ったばっかりなんだよ。

犬サンタ-----新しくても古くても普通じゃないのは普通じゃないんだワン。

Dr.ムスタファ-----つまり普通じゃないものが映るってことか?

犬サンタ-----そういうことだと思うんだワン。

Little Mustapha-----良く解らないけど、この部屋には変なものが沢山あるってことか。

犬サンタ-----そうなんだワン。それから、電話がかかって来るんだワン!


 犬サンタ君がそう言うと、いつものように全員が身構えて電話のかかって来るのを待ちました。そして、いつものように「なんだ鳴らないじゃん」って言いそうになるタイミングで電話が鳴り出してLittle Mustapha達がビクッとなってからLittle Mustaphaがハンズフリーモードで電話に出ました。


電話-----「オーッホッホッホッホッ!メリークリスマース!」

犬サンタ-----あっ!おじいさまだワン!

電話-----「キミ達、今年のクリスマスはどうだったかな?」

Little Mustapha-----どう、って言われても。イロイロありすぎてなんだか解りませんよ。

電話-----「そうだな。私もキミ達が死んだ時にはどうしようかと思ったんだがな。オーッホッホッホッホッ!でも作戦が上手くいって今年は世界を救うことが出来たんだがな。オーッホッホッホッホッ!」

Little Mustapha-----なにそれ?どういうこと?

電話-----「プレゼントが欲しいのなら余計な詮索は禁物だよ!オーッホッホッホッホッ!」

ニヒル・ムスタファ-----そうだよ。忘れるところだったが、今年はちゃんとプレゼントが貰えるはずだぜ!余計な事は聞くなよ。

電話-----「オーッホッホッホッホッ!心配せずとも、プレゼントは犬サンタに持たせてあるよ。オーッホッホッホッホッ!」

犬サンタ-----でも一つ気になることがあるんだワン!どうして、今回はあんなに沢山の人が生き返ったのかワン?

電話-----「オーッホッホッホッホッ!キミもよく頑張ったから教えてあげるよ。Little Mustapha達が死んでしまって面接の日がクリスマスというのは問題があったんじゃよ。Little Mustapha達がヨミガエリチャンスを使うと地獄の扉が開かれる事になるんだが、それを悪用されると困ったことになるんだ。だからもっと沢山の魂が蘇るようにする必要があったんだよ。それがキミ達がさっき見たあの光景じゃ。異次元にいた女子アナ、リボンを付けたネコ、占い師、謎の声、彼らが互いに争うことによって今回の危機はなんとか乗り越えられたということだよ。オーッホッホッホッホッ!」

犬サンタ-----おじいさまはすごいんだワン!全然気づかなかったんだワン。

電話-----「それじゃあ、来年まで元気でいるんだぞ!オーッホッホッホッホッ!」

 良く解りませんが、丸く収まったということのようです。この話は次のページまで、もうちょっと続きます。

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