サンタ、サンタフェ、三太郎。
北風小僧に凍えても、流す涙は凍る間もなし。
テンションの下がりきったLittle Mustapha達が部屋に戻ってきました。
ミドル・ムスタファ-----コレで良かったのでしょうか?
ニヒル・ムスタファ-----コレで良かったんだよ。
Little Mustapha-----そうだよ。逆にあの十代サンタ君からプレゼント貰って喜んでる人がいなくて嬉しかった、って。そう思えば気も楽になる。
Dr. ムスタファ-----だが、残念なものは残念だがな。
マイクロ・ムスタファ-----一年です。一年待てば良いんです。辛抱しましょう。
ミドル・ムスタファ-----そうですよね。最近は一年もスゴく短く感じるし。
Dr. ムスタファ-----そうやっていくうちにいつの間にか、どのサンタよりも年上になってしまうとか、そんなことはないだろうな?
ニヒル・ムスタファ-----何言ってるんだよ。来年貰えるんだから大丈夫に決まってるだろう。
Dr. ムスタファ-----だが、科学的には全ての可能性を考慮しないとだな。
Little Mustapha-----まあ、多分大丈夫だから大丈夫だよ。それよりもなんかなあ…。今日のこのダメな感じはどうしようか。
ミドル・ムスタファ-----まだウィスキーも開かないワインも沢山残ってますよ。今日は料理が多かったから、酒はそれほど減ってない感じですかね。
Little Mustapha-----まあ、それも良いんだけど。…ここは一つ試してみるか。
ニヒル・ムスタファ-----変な事するなよ。
Little Mustapha-----別に変な事ではないけど。まあ、変と言えば変かも知れないけど。とにかくやるのです。
ミドル・ムスタファ-----ちょっと、その電話使ってダイジョブなんですか?
Little Mustapha-----というか、これはボクの部屋のボクの電話なんだし。なぜか別の次元と会話できるって以外は普通のはずなんだしね。それよりも、こんな展開の時には素敵なゲストが来たらウレシイでしょ。
Dr. ムスタファ-----誰か呼ぶのか?
Little Mustapha-----そういうこと。これからサンタの孫娘さん改め、長官の孫娘さんのところに電話をかけてみる。
ミドル・ムスタファ-----そんなこと言っても、電話番号知ってるんですか?
Little Mustapha-----知ってるわけないけどね。でもなんとなく解るんだよ。精神を集中させてボタンを押せば、運命の導きによって正しい番号を押すことが出来るんだよ。
ニヒル・ムスタファ-----なに怪しいこと言ってるんだよ。
Little Mustapha-----静かに!集中しないと上手くいかないんだから。
一同、Little Mustaphaの言ったことを信用したわけではないのですが、Little Mustaphaがあまりにも真剣なので黙って彼が電話のボタンを押すのを見ていました。
Little Mustapha-----これでよし、と。ちなみに番号の後にシャープを押すと早くかかるというマメ知識もね。
ミドル・ムスタファ-----そんなことよりも、繋がるんですかね?
Little Mustapha-----まあ、黙ってなさいって。
電話-----ジー…、プツプツ…。…プルルルル!プルルルル!
一同-----オォ!繋がった!
電話-----「お電話ありがとうございます。ピザーヤです!」
一同-----なんだ、ピザーヤかよ!
電話-----「あの、ご注文でよろしかったでしょうか?」
Little Mustapha-----よろしかったもなにも、まだ何も言ってないけどね。それよりもなんで長官の孫娘さんの電話番号をピザーヤが使ってるんだよ!
電話-----「エェッ?」
ミドル・ムスタファ-----ちょっと、それ違いますから。…あの、すいません。番号間違えたみたいです。
電話-----「ああ、そうでしたか。またのお電話お待ちしております」ガチャ!
Little Mustapha-----そう言われても、もうかけないし。
Dr. ムスタファ-----というか、せっかくだから頼めば良かったのにな。
ニヒル・ムスタファ-----なんかな。ピザって食べたくなくても、見たり聞いたりするだけで食べたくなるからな。
ミドル・ムスタファ-----じゃあ、もう一度かけて頼んでみますか?
Little Mustapha-----というか、もう番号忘れちゃったよ。
ニヒル・ムスタファ-----なんだよそれは。運命が導いたピザ屋じゃなかったのか?
Little Mustapha-----そうじゃなくて、ピザーヤって時点でそれは運命ではないんだし。恐らくここにいる誰かが負の感情を持っていたから、それが原因に違いない。
ミドル・ムスタファ-----なんで急にスピリチュアルな人になってるんですか。その電話ってリダイヤルとかないんですか?
Little Mustapha-----ない!…というか、知らないけど。どっちにしろピザなんて頼んだら予算オーバーだからダメだよ。食べたいんだったら自家製のベトベトのピザだな。
ミドル・ムスタファ-----ベトベトだったらいらないですね。
ニヒル・ムスタファ-----そうですね。
Little Mustapha-----でもピザの話してたらお腹空いてきたしなあ。チーズだけ溶かして食べようか。
Dr. ムスタファ-----なんというか寂しさが倍増しないか?
Little Mustapha-----うーん…。じゃあ、仕方ない。リダイヤルの方法を調べて見るか…。というか、これってリサイクルショップから買い戻されたって設定になってるし、説明書とかはもうないんだよね。
ニヒル・ムスタファ-----メニューとか書いてあるボタン押せばなんとかなるんじゃないか?
Little Mustapha-----そんなボタンないけど…。これかな…?
Little Mustaphaがピザーヤさんにリダイヤルすべく電話機を調べ始めましたが、一筋縄ではいかないLittle Mustaphaの部屋の電話。上手くリダイヤルの機能を呼び出すことが出来ません。そうしていると急に電話から大きな音がしました。
一同驚いてビクッとなったのですが、みんな恥ずかしいのでお互いに気付いていないフリをした、というのはいつもどおりでした。
電話-----ワンダバダバダバ♪ワンダバダバダバ♪ワンダバダバダワン♪
Little Mustapha-----な、なんだこの音は?!
ミドル・ムスタファ-----これってもしかして犬サンタ君の声じゃないですか?
ニヒル・ムスタファ-----そう言われるとそうだな。
Little Mustapha-----ということは着信音ってことか?
電話-----ワンダバダバダバ♪ワンダバダバダ…♪
Little Mustapha-----もしもし…。
電話-----「あぁ、やっと出たんだワン!さっきから外で呼んでるのに、みなさん全然気付かないんだワン」
Little Mustapha-----外って…?
ミドル・ムスタファ-----アッ、ベランダに!
Little Mustapha-----そうだったのか?今日はベランダ無警戒だったからね。
電話-----「どうでもイイから早く開けるんだワン!外は寒くてかなワン!」
Little Mustapha-----はいはい、今開けますよーだ。
なぜか犬サンタ君が登場しましたが、とりあえずゲストは来たのでそれで良いのでしょうか?そして、この後なにかあるのかないのか?