holicRSSFeed

#185 「デーモンの降誕祭」 2018-12-24 (Mon)

第十章:私がアナタでアナタも私

亜毛屁端-----みなさんご覧下さい!なんと喰ってばっかりの腹屁端アナが二人いるのです!

内屁端-----それでは、ここからは私が引き続き実況いたします。なんと、二人いる腹屁端がそれぞれ自分が本物であると主張しているのです!

亜毛屁端-----ちょっと、どうして私の特ダネを横取りするんですかぁ?

内屁端-----アナタのような新人には荷が重すぎるからでぇす!

亜毛屁端-----そんなことはありません。美人でスタイルも良くて、しかも高学歴ですから、どんな時でも完璧にリポートをする自信があるのです。それに、聞くところによれば、この騒動の発端は内屁端先輩だということですよ。

内屁端-----な、何を…?!誰から聞いたか知りませんが、そんなのはデマに決まっています!みなさん!こんな不確かな情報をテレビで垂れ流すようでは女子アナ失格だと思いませんかぁ?


Dr. ムスタファ-----なんだコレは?こんなケンカよりも何が起きてるのか映してもらわないと、何のことだかサッパリだ。テレビ局に苦情の電話したらどうなんだ?

Little Mustapha-----それは出来ないよ。いまサンタ君と通話中なんだから。

ミドル・ムスタファ-----そうでしたね。サンタ君、テレビ点けたんですけど、女子アナの小競り合いが始まって何のことだか解らないんですけど。

留守番電話機(サンタ君)-----ああ、すいません。実は今二人のすぐ近くにいるんですけど。…あのちょっと、そこで言い争ってないで中継をしてもらえませんか?


亜毛屁端-----あっ、大変失礼いたしました。それでは、人気も実力もすでに人気女子アナ以上といわれている私が引き続きお伝えしまぁす!

内屁端-----(ウヌゥゥゥ!チッキショー…!)

亜毛屁端-----二人いる腹屁端アナですが、ここにいるイケメンのサンタによるとどちらかがアンドロイドだというのです。そして、そのアンドロイドに適切な処置、つまりアンドロイドを停止させないと、殺人アンドロイドの集団がこの街を襲い、仕舞いには人間対アンドロイドの大戦争になるとのことなのです!今サンタが銃のようなものを持って二人の腹屁端アナに向けているのですが、どちらを撃てば良いのか解らないという状況なのです!

留守番電話機(サンタ君)-----ということなんです。解ってもらえましたか?みなさんなら何かに気付いて本物とアンドロイドが見分けられるんじゃないかと思ったんですけど。この電撃銃は間違って人を撃ってしまうとかなりのダメージを与えることになるんで。

Little Mustapha-----ってことは、これはスゴい事だよ!イケメンのサンタ君がボクらを頼って電話してきたってことだからね。

Dr. ムスタファ-----科学的に考えて、私達はサンタ君以上に女性にモテる可能性もあるってことだな。

ニヒル・ムスタファ-----どういう科学か知らないけど、そんなこと言ってる場合じゃないぜ。

ミドル・ムスタファ-----でもボクらに本物が見分けられるんでしょうか?

Little Mustapha-----解んないけど、もっと腹パンを映してもらわないと。

留守番電話機(サンタ君)-----そうですね。…あの、すいません。私じゃなくてあの二人の腹屁端さんを映してくれませんか?

亜毛屁端-----これは失礼いたしました。本当はイケメンのサンタと美女の私が映っていた方がクリスマス特番として最適だと思われたのですが、サンタさんのリクエストにより二人のポッチャリ女子アナを映すことにしまぁす。アッ、見てください。一人の腹屁端アナはまだ物足りないのか、家の門を飾り付けてあったLEDの電飾を食べ始めました。あんなものを食べて大丈夫なんでしょうか?

腹屁端1-----はい。これはとってもクリスマスっぽくて、いくらでも食べられそうです!

腹屁端2-----アッ、それはLEDでよろしかったでしょうか?そんなものを食べているのはアンドロイドに他なりませんね。

腹屁端1-----何を言っているのでしょうか?アナタこそ本当の腹屁端だというのなら、もっと食いしん坊な一面を見せないといけませんよ。

亜毛屁端-----お互いに一歩も引かないといった感じです。しかし亜毛パンは腹屁端1がアンドロイドだと思うのです。いくら何でも人間はLEDの電飾を食べることはないからでぇす!

内屁端-----おい、亜毛屁端。そうやって証拠もないのに適当なことを言うなっていってんだろ!報道なめてんのか?

Little Mustapha-----なんか、最後まともな事を言っていてドキッとしてしまったけどね。それよりも、これはどう考えたら良いんだ?確かに電飾を食べるのは人間とは思えないけど、すでに腹パンが色んなものを食べるのは見てきたし。でもコレまで見てきたのが全部本物の腹パンだという証拠もないからなあ。

子犬サンタ君-----ワンワン!

ミドル・ムスタファ-----子犬サンタ君がなんか言いたそうですが。

Little Mustapha-----もしかして犬の嗅覚みたいなもので解るのかも知れないな。子犬サンタ君。アンドロイドは右の腹パン?

子犬サンタ君-----ワン!

Little Mustapha-----左の腹パン?

子犬サンタ君-----ワン!

ニヒル・ムスタファ-----どっちのワンがイエスで、どっちがノーなんだ?

ミドル・ムスタファ-----さあ…。でも、また子犬サンタ君がiPadをタップし始めましたよ。

Little Mustapha-----なんだって。えーっと「コレばっかりはボクにも解らんワン」だって。

Dr. ムスタファ-----なんだ、最初から知らなかったのか。

Little Mustapha-----ここは思い切って二人とも撃ってしまったら?

留守番電話機(サンタ君)-----それはダメですよ。それに一回撃つとチャージに時間がかかって、間違っていた場合にはその間に逃げられてしまいます。そうなったら…。

Little Mustapha-----大変な事になるんだよね。困ったなあ。

マイクロ・ムスタファ-----アッ!

Dr. ムスタファ-----なんだ?留守番電話か?

ニヒル・ムスタファ-----今はそんなところは気にならないだろう。

マイクロ・ムスタファ-----そうですが。ちょっと気になったことがあって…。

ミドル・ムスタファ-----ここはなんでも良いから気付いたことは言った方が良いんじゃないですか。

マイクロ・ムスタファ-----そうですね。あの、さっきテレビを点けた時に腹屁端アナが出てましたけど。あの時も確かLEDの電飾を食べてました。

ニヒル・ムスタファ-----そうだが、最初に見た方が人間っていうことでもないからなあ。

マイクロ・ムスタファ-----それは私も解っています。どっちが本物かは見ただけでは解らないのです。でもあの時クリスマスマーケットにいた腹屁端アナはSNSにアップする写真をスマホで撮影していましたよね。

ミドル・ムスタファ-----そういえばそうでしたが…。

Little Mustapha-----エッ、まさかそういうこと?

マイクロ・ムスタファ-----あくまでも私の考えですけど。

Dr. ムスタファ-----なんだ?何のことだかさっぱりだぞ。

ニヒル・ムスタファ-----今は先生のために説明している時間はなさそうだがな。

ミドル・ムスタファ-----でも、これ間違ってたら私達の責任になるんでしょうか?

留守番電話機(サンタ君)-----そこは心配しないでください。責任は全部私が取ります。(キャー格好いい!サンタくぅん!こっち向いて!)

Dr. ムスタファ-----なんだ?黄色い声だな。

留守番電話機(サンタ君)-----ああ、すいません。テレビを見て駆けつけてきた人達がいるみたいで…。それよりも答えは?どっちが本物の腹屁端アナなんですか?教えてください!

Little Mustapha-----それじゃあ発表するけど。脱力しないように聞いてね。本物の腹パンはLEDを食べてる方!なぜならiPhoneを使っているから!

留守番電話機(サンタ君)-----そうでしたか!ありがとうございます!

亜毛屁端-----アッ、みなさん見てください!ちょうど今サンタさんが銃のようなものの引き金を引きました!キャ…ものすごい閃光です。…そして。ご覧下さい!小さな爆発のような衝撃のあと煙が立ちこめていますが、その中で一人の腹屁端アナが倒れています。もう一人は相変わらず何かを食べていますが。近づいて確認してみたいと思いまぁす!アッ、みなさん解りますでしょうか?こちら、倒れている腹屁端アナですが。腹部に巨大な穴が開いていて、本来ならグロテスクなものが露わになっているところなのですが、プラスチックやらシリコンやら、金属部品のようなものが見えているのです!コレはまさしくアンドロイドの腹屁端ではないでしょうか!

ミドル・ムスタファ-----やりましたね!

留守番電話機(サンタ君)-----ありがとうございます。みなさんのおかげです。(キャー、サンタくぅん!)うわ、ちょっと押さないで…。危ないですから…。うわっ…。みなさん、それじゃあ、また来年こそは…うわ、危ないですよ。(キャー!キャー!サンタ君!)

Little Mustapha-----せっかくボクらが大活躍したのに、結局女子に揉みくちゃなのはサンタ君だけなのか。

ミドル・ムスタファ-----というか、あなたはサンタの孫娘さん一筋だったんじゃないんですか?

Little Mustapha-----ああ、そうだった。

Dr. ムスタファ-----それよりも、なんでiPhoneだと本物だったんだ?

ニヒル・ムスタファ-----そんなのアンドロイドじゃないからに決まってるだろ。恥ずかしいからそんなところはあんまり聞かない方が良いぜ。

子犬サンタ君-----ワン!

次のページへ