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#185 「デーモンの降誕祭」 2018-12-24 (Mon)

第五章:そしてシュワシュワし始める

 ああ、なんとむごたらしいことでしょうか。まだ夜も更けぬうちからクリスマスのプレゼントが貰えないことが解ってしまったのです。ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)は重苦しい虚無感に包まれています。

Little Mustapha-----トニックウォーター、シュワシュワ〜…。ジントニック、シュワシュワ〜…。

ミドル・ムスタファ-----それ虚しくなりませんか?

Little Mustapha-----こういう時には飲むしかないでしょ。シュワシュワしてんだし。

Dr. ムスタファ-----だったらそんな酒じゃなくて、さっき貰ったサンタの酒でも飲んだら良いんじゃないか。

マイクロ・ムスタファ-----いや、それは良くないと思いますよ。

ニヒル・ムスタファ-----なんだ?顔色が良くないみたいだな。いつにも増して。

マイクロ・ムスタファ-----少し気になることがありまして。

ミドル・ムスタファ-----マイクロ・ムスタファが少し気になるということは、スゴく気になっているってことですよね。

マイクロ・ムスタファ-----確かにそうかも知れません。私が気になっているのは「大忙し」ということなのですが。

ミドル・ムスタファ-----そういえば犬サンタ君もサンタ君も大忙しってことになってましたよね。

Dr. ムスタファ-----だがサンタなんてクリスマスにしか仕事をしないんだから忙しいのは当たり前じゃないか?

ニヒル・ムスタファ-----でも犬サンタ君は今はサンタの仕事はしてないんだぜ。

Little Mustapha-----そうだよ。それにサンタ君だってこの時期のために一年中準備してるはずだからね。そういうのはプロスポーツ選手が試合の時しか仕事してないみたいに思うのと一緒だよ。

マイクロ・ムスタファ-----そうなんです。でもそのサンタ君でさえプレゼントを半分しか用意できないぐらい忙しいとなると、なにか嫌な予感がするのです。

Little Mustapha-----それはつまりこういうことかな?テレビをつけて街で何か変な事が起きてないか調べようと。

マイクロ・ムスタファ-----そうなりますかね。

Little Mustapha-----ならばテレビのリモコンに続いて調子が悪くなったAVアンプのリモコンの外部機器操作機能を使って、と。つけ〜!…あれ、つかない?誰かテレビをつけるのに否定的になっている人がいるってことか?

ニヒル・ムスタファ-----何を一人で言ってるのかわからないけど。でもそうやって簡単にテレビとかつけて良いのか?

Little Mustapha-----キミか。負の感情を出していたのは。

ミドル・ムスタファ-----なんで急にオカルトっぽくなるんですか。

Little Mustapha-----そうだけど。でも良く考えたらここで起きてることって基本的にオカルトだよ。

ニヒル・ムスタファ-----それよりも、テレビをつけて何か起きていた場合のことを考えなくて良いのか?ってことだよ。

Little Mustapha-----それもそうだけどね。ただし、考えていてもいなくても、何かが起きている時にはどうにもならないってこともあるんだし。危険があるのなら先に知っておいた方が良いし。

Dr. ムスタファ-----なんでも良いから点けてみたら良いだろう。なんだか気になってきたからな。

Little Mustapha-----ということで、今度はみんなで。せーの…!

一同-----点け〜!

亜毛屁端-----こちらからは以上でぇす。それでは続きまして、今年も懲りずにやっているクリスマスマーケットの会場から腹屁端アナのリポートでぇす!

腹屁端-----はい。それでは実は大学は裏口入学だとウワサされている亜毛パンに引き続き…

亜毛パン-----ちょっと、それどういうこと…

腹屁端-----アッ、音声乱れましたでしょうか?大変申し訳ございません。それでは裏口入学の亜毛パンに続いて腹パンがクリスマスマーケットからお伝えします。題して、今年も食べるぞ!腹パンの食べても食べてもお腹がグー!もう食べれないよ、腹パンのグルメコーナー、クリスマス特別編です!

スタジオのキャスター-----腹パン、今日は大張り切りですね。

腹屁端-----そうなんです。あざとい新人女子アナが入ってきて、中堅となった私はこれまで以上にモリモリ食べて頑張ろうと思っているのです。ところで、ここがどこだか解りますかぁ?

スタジオのキャスター-----えーっと、クリスマスマーケットのリポートと言っていたので、クリスマスマーケットの会場じゃないでしょうか?

腹屁端-----いつにも増して大ハズレ!ここはとても美味しそうなニオイがしているクリスマスマーケットの会場なんです!たまには当ててくださいね。

スタジオのキャスター-----はあ…。

腹屁端-----アッ、それでは早速あちらにあるクリスマスっぽい電飾。とっても綺麗なんで、ちょっと失礼してSNS用にスマホで撮影させていただきまぁす。パシャッ!それでは、早速この電飾から食べていきたいと思いまぁす!すいませぇん。この電飾はどのようにして食べるのですかぁ?

店員-----エェッ…?!

Little Mustapha-----ということで、やっぱりウィーウィーシュワシュワって言ってたよね。

ミドル・ムスタファ-----何がですか?

Little Mustapha-----今のテレビでさ。後ろで幽かに流れてたでしょ?

ニヒル・ムスタファ-----そんなことはどうでもイイだろ。とにかく街で何も起きてなかったのが解ったんだし。

Dr. ムスタファ-----でもいつものように、しばらく経ったら何か起きないとも限らないぞ。

Little Mustapha-----そんな気もするよね。もうプレゼントのために集中する必要もないし。時々テレビをつけて確認したら良いと思うけどね。

ミドル・ムスタファ-----そうですね。慎重に行きましょう。

Little Mustapha-----それじゃあ、ここは来年に向けてという意味も込めて、乾杯だな。電飾も点けてさ。こうなったら開き直った方が良いと思うんだよね。

ニヒル・ムスタファ-----また眩しくするのか?

Dr. ムスタファ-----でも賑やかな方がな。なんとなく気が紛れるしな。

ミドル・ムスタファ-----ついでにシュワシュワとか歌ったりしますか?

ニヒル・ムスタファ-----それは恥ずかしいからヤダ。

Little Mustapha-----まあシュワシュワはボクもちょっと恥ずかしいと思ってたからね。とにかく、みんなコップを持って。せーの…。

 Little Mustapha達が乾杯をしようとしたその時です。

ミドル・ムスタファ-----なんか、カサカサいってませんか?

Dr. ムスタファ-----ベランダの方だな。

Little Mustapha-----なんだろう?

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