第11章:今年もこれがクリスマス
ミドル・ムスタファ-----しかし、なんでサンタ君はアンドロイドを追いかけて退治したりしてたんですかね?
Little Mustapha-----退治って、変な言い方だけど。確かにそうだよね。前のサンタさん達は例の悪魔のようなヤツと戦うために一時的にサンタ業をやってたってことだけど。今のサンタ君はサンタの最後の生き残りであり、プレゼントを配るのが本業なはずなんだよね。
Dr. ムスタファ-----イケメンだからって正義のヒーローやってみたんじゃないのか。
ニヒル・ムスタファ-----確かにそんな役をやりそうなタイプのイケメンなんだが。別に特撮じゃないんだし。
Little Mustapha-----まあでも今回はボクらのおかげで上手くいったんだし、あのイケメンのサンタ君がボクらに相当感謝してるってことは嬉しいことじゃない。
ミドル・ムスタファ-----なんかスゴく嬉しそうなんですけど、イケメンに感謝されたからってボクらがイケメンになれるワケじゃないんですよ。
Little Mustapha-----いや、なんていうか気分的にね。
ニヒル・ムスタファ-----なにがどう気分的なのか良く解らないぜ。
Little Mustapha-----良いの良いの。
マイクロ・ムスタファ-----いや、ちょっと待ってください。これはもしかすると、来年からまた何かとてつもない…。
マイクロ・ムスタファの話がまた未完に終わるのかと思われた時でした。電話機から犬の鳴き声のサンプリングで「We Wish You a Merry Christmas」が流れてきました。
Little Mustapha-----なんだこれ?ワンワン言ってて、これじゃあ全然シュワシュワしてないけど。
ニヒル・ムスタファ-----もうシュワシュワしてなくてもイイだろ。
ミドル・ムスタファ-----それよりも、出ないんですか。大体誰からの電話か解っちゃう感じですが。
Little Mustapha-----そうだね。それじゃあ、もう安全は確保できたっぽいからハンズフリーで出るよ。ピッ!もしもし?
留守番電話機-----ハッハッハッハだワン…!久しぶりなんだワン。Little Mustapha's Black-holeの諸君…。…あれ?驚かないのかワン?
Little Mustapha-----だって、出る前から犬サンタ君だってことはバレてるからね。
留守番電話機(犬サンタ君)-----おかしいんだワン?もしかして番号通知で私の電話番号が登録されてるのかワン?
ミドル・ムスタファ-----そういうことじゃないですけどね。それよりもなんですか?こっちでは色々と事件が起きてたんですよ。
留守番電話機(犬サンタ君)-----それは知ってるんだワン。こっちもそれに関して大忙しだったんだワン。だけどもうひとまず解決したら、みなさんに説明するために電話したんだワン。みなさん今回のことについて謎に思ってることが沢山あるんじゃないかワン?
Little Mustapha-----そうなんだよね。まずはなんでサンタ君がアンドロイドに対処してたのか?ってとこだけど。
留守番電話機(犬サンタ君)-----それは簡単なことなんだワン。あのアンドロイドがサンタに届くはずだったプレゼントリクエスト用の手紙を盗んでいったんだワン。だからサンタはプレゼントがほとんど用意できなかったんだワン。そして、今後も同じ事が起きないように悪いアンドロイドを始末する必要があったんだワン。
Little Mustapha-----なるほど。というか、プレゼントのリクエストの手紙を盗むって、ずっと前にあった話だよね。また同じようなことが起きてるって。もしかしてこれはリブート版ってこと?
留守番電話機(犬サンタ君)-----リブートってなんだワン?そんなことじゃないんだワン。これはなぜ悪いアンドロイドが生まれたのか?というところとも関係しているんだワン。去年のクリスマスにモンスターサンタ達を蘇らせたAIがいたのを覚えてるかワン?
Dr. ムスタファ-----ああ、そんなこともあったな。
ニヒル・ムスタファ-----というか、先生は忘れかけてたのか?
留守番電話機(犬サンタ君)-----あのAIが間違ったクリスマスを学習したってことは去年から解っていたんだワン。でも今回さらに悪いことが起きたんだワン。去年AIが悪魔のようなヤツを復活させて、悪魔のようなAIになったんだワン。私はこの悪魔のAIをサイバーデーモンと呼ぼうと提案したんだけど、却下されたんだワン。
Little Mustapha-----それはすでにゲームのキャラとして存在してるからね。きっと権利とかそういうところに気を遣ったんだろうね。
留守番電話機(犬サンタ君)-----そうなのかワン?とにかく、その悪魔のAIが今度はアンドロイドというこの世界に存在できる形の実体を手に入れたんだワン。
Little Mustapha-----それって、もしかして…。
留守番電話機(犬サンタ君)-----そうなんだワン。あの女子アナが作ったアンドロイド女子アナが地獄の門を通って地獄へ行ったのが原因だワン。そもそも、そのアンドロイド女子アナには悪魔のようなAIがプログラムした頭脳がインストールされていたんだワン。だからアンドロイド女子アナは最初から地獄へ行くようにプログラムされていたんだワン。
ミドル・ムスタファ-----そのアンドロイドが腹パンに姿を変えて戻ってきたんですか?
留守番電話機(犬サンタ君)-----そうなんだワン。その目的は、さっきも言ったように、プレゼントのリクエストの手紙を盗むことだったんだワン。そして、盗む目的はあなた達の家の場所を知るためだったんだワン。
ニヒル・ムスタファ-----AIなのに、その辺は解らなかったのか?
留守番電話機(犬サンタ君)-----それは良く解らないんだワン。
Little Mustapha-----でもボクらも油断してたかもね。昔は危険なことがないようにワザと違う住所を指定したりしたからね。というか、すでに悪魔のようなアレが退治されてたんだし、油断も何もないんだけど。
マイクロ・ムスタファ-----しかし、これからはまた気をつけないといけないようですね。
留守番電話機(犬サンタ君)-----そうなんだワン。今回は間一髪って感じだったんだワン。最初のビーコンで地獄にいる大量の殺人アンドロイドが起動して、次のビーコンで地獄の扉が開かれるんだワン。もしも最後のビーコンが送信されていたら、それで地獄の扉とその家のトイレの扉が繋がって殺人アンドロイド達がこの世界にやって来てしまうところだったんだワン。でもそこは弟子が上手くやってくれたんだワン。
子犬サンタ君-----ワンワン!
留守番電話機(犬サンタ君)-----以上で、大体の説明が終わったんだワン。
Little Mustapha-----へえ。なんか今回は意外と危険な感じがなかったから大したことないように思えるんだけど。良く考えたら恐ろしい話だね。
留守番電話機(犬サンタ君)-----良く考えなくても恐ろしい話だから気をつけないといけないだワン!それじゃあ、そろそろ弟子も疲れてきた頃だし、一緒に帰るんだワン。
Little Mustapha-----一緒に帰る、って。犬サンタ君はこの辺にいるの?
留守番電話機(犬サンタ君)-----そうなんだワン。それじゃあ、まただワン!
Little Mustapha-----そうか。子犬サンタ君も頑張ったんだな。
子犬サンタ君-----ワン!ゥォオオン…!ゥォオン!
ミドル・ムスタファ-----なんか変な鳴き声ですね。
Little Mustapha-----これはアレか?もしかして人間の言葉を喋ろうとしてるんじゃないか?
ニヒル・ムスタファ-----確かにそんな気もするな。
ミドル・ムスタファ-----頑張れ子犬サンタ君。
子犬サンタ君-----ゥオオオン…。ゥオオン!
Dr. ムスタファ-----だんだん言葉っぽくなってないか?
ミドル・ムスタファ-----もうちょっとですよ。
子犬サンタ君-----ゥオオオン…。…ジャー…キー…。クレだ…ワン!
一同(子犬サンタ君除く)-----(ズコッ!)
Little Mustapha-----そうか、そういえば今日はあんまり飲んでない感じだから、犬サンタ君用に買ったジャーキーとかも忘れてたな。それじゃあ、はいこれ。いっぱいあるけど、半分は犬サンタ君用だから子犬サンタ君は全部食べちゃダメだぞ。
犬サンタ君-----わーい!ヤッターだワン!ありがとうだワン!
ミドル・ムスタファ-----あれ、犬サンタ君だ。もしかしてずっと窓の外にいたんですか?
犬サンタ君-----そうだワン。でも今回は絵を描くのが大変そうだからそっちには行かないんだワン。それじゃあ弟子を連れて帰るから、みなさんはこの後も仲良く遊ぶんだワン!それじゃあメリークリスマスだワン!
一同-----メリークリスマース!
Little Mustapha-----ねえ、今気付いたんだけど。これはスゴい事じゃない?
ミドル・ムスタファ-----何がですか?
Little Mustapha-----今回はけっこう危ない感じだったのに、サンタの酒とか飲まないで乗り切ったし。
ニヒル・ムスタファ-----そういえばそうだな。
Dr. ムスタファ-----いつも酒に頼ってちゃ問題だからな。
Little Mustapha-----ということで、あのバイトサンタが持って来てくれたサンタの酒も大量にあるということで、今日はこれから大いにシュワシュワしていきましょう!
ニヒル・ムスタファ-----それは良いけど、恥ずかしい歌詞の間違った歌とかは歌わないからな。
Little Mustapha-----それは心配しないでも大丈夫。サンタの酒なんだし。…アッ!イイ事思い付いてしまった!
ミドル・ムスタファ-----なんですか?
Little Mustapha-----「もろびとこぞりて、シュワシュワせり」って歌あったよね?
ニヒル・ムスタファ-----そんなのないぜ。
ミドル・ムスタファ-----それにどこがイイ事なんですか?
Little Mustapha-----シュワシュワしてるから?
ニヒル・ムスタファ-----だから勝手に歌詞を変えるなよ。
Dr. ムスタファ-----まあ、良く解らないがとにかく飲まないか。
ということで、このあとサンタの酒を酔いつぶれて寝るまで飲むことになるLittle Mustapha達でした。彼らの知らない世界ではヤバい事が起きていて、この先も危険なことあるかも知れないのですが、この調子で大丈夫なのでしょうか?
大丈夫かどうかにかかわらず、彼らのプレゼントへの執念がなくなることはないでしょう。
そして、クリスマスが終わったらいつまでクリスマスのままではみっともない、というのは毎年のことなので、次回はなるべく早く大特集するための特集かも知れません。
お楽しみに。