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悪魔のボール君唄・第一話

ギリギリすぎですがやっと完成。

というか、こんな話にこんな労力を使ってよかったのか?とおも思いますけど、名作シリーズとはそういうこと。実は密かに雨の中で神奈川ロケを敢行してたりしたものの、色々と気合が空回りしている感じもありますが。

とにかく、屋外シーンは全て神奈川ロケという設定で完成の今回の寸劇コーナー。38年前のあの出来事が、悲劇を呼ぶのか?

それでは「悪魔のボール君唄」はじまり、はじまり...。


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旧ザク団員-----やったー!優勝だぁ...!
旧ザク団員-----やったー!日本一だぁ...!


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 ナントカ応援団一同はとある人物からの招待を受けて、人里離れたとある旅館へとやって来ていた。

レッシィ団員-----へぇ...。旧ザク団員ってそんな歳なんですね。おじいちゃん...!
旧ザク団員-----何を言うんじゃ。今回は設定上そうなってるだけなんじゃ。
コルタナ団員-----解析中...。おじいちゃん喋りになっているわ。
旧ザク団員-----ホントじゃ!?この「設定」というのは恐ろしいものじゃな。じゃが、面倒なので、この辺でおじいちゃんネタはオシマイにするがの。...まあ、今回はこんな内容の話なんじゃないかな。
レッシィ団員-----変なの。
ザクレロ団長-----まあそんなことは気にしなくても。優勝の話は縁起が良いからな。
ジム団員-----そうっすね。
レッシィ団員-----それじゃあ、この前の優勝の時はどうだったんですか?
ザクレロ団長-----この前、って?それも知らないのか?
レッシィ団員-----だって、まだ生まれてなかったんだもん。
コルタナ団員-----解析中...。私もよ!
キュベレイ団員-----私もだ。
ザクレロ団長-----ちょっと、我々ナントカ応援団は年齢詐称禁止だぞ。だいたい、いっつもスイーツとかイタリアンとか、独身OL みたいなことばっかりしてるくせに、10代のフリは無理なんだし。
レッシィ団員-----それって、独身OL に対する偏見ですよ!それに本物の方の私は設定的に17歳なんですからね。
コルタナ団員-----私は多分2歳か3歳ぐらいよ!
キュベレイ団員-----私は...。まあ、初回登場時は20歳だがな。...おぉ!でも後付かも知れないが17歳とか14歳という情報もあるぞ!*
*)キュベレイ団員はハマーン様として扱われます。
ジム団員-----なんでみんなスマホで自分の設定調べてるんすか?
旧ザク団員-----女性というのは常に若くありたいものなんだよ。
レッシィ団員-----さすがおじいちゃん!
旧ザク団員-----だから、おじいちゃんはやめて欲しいんだが。それよりも、実を言うと私もこの前の優勝の時は良く知らないのだが。何しろ応援をサボっていた間に応援していたチームがなくなっていて困っていた時だったしな。
ザクレロ団長-----ああ、そんな設定もあったな。まあ、女性陣も生まれてたどうかは別として、まだ応援団じゃなかったし、野球のルールも知らなかった人もいるんだしな。
キュベレイ団員-----そういう細かいことは気にするな。それで、どうだったのだ?
ザクレロ団長-----なんかワァー!ってなってたけどな。ホントの事を言うと、あの年は強すぎて、なんだかワケが解らないうちに終わってた、って感じもしたなあ。あの後にもう一回ぐらい優勝出来てたら、今度はユックリと喜んでいられたかも知れないがな。
旧ザク団員-----そうですか。でも間隔が空いてその時の気分を忘れてる分、またあのワクワクドキドキが味わえると思うと楽しいですな。
ザクレロ団長-----それはあるかも知れないな。
ジム団員-----侃々諤々っすね。
キュベレイ団員-----...それはどういう意味だ?
ジム団員-----なんていうか。ワクワクドキドキっぽいっすからね。
一同-----......。

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リックディアス刑事-----これはみなさま。遠いところ、わざわざ来ていただいて恐縮です。
キュベレイ団員-----お前は写真屋ではないか。生きていたのか?!それは良かった。
リックディアス刑事-----いや、今回は設定が変わって刑事なのですが...。
ザクレロ団長-----それはどうでも良いが。それより我々に何の用なんですか?
リックディアス刑事-----実は、みなさまが名探偵だとうかがいまして。一つみなさま方の耳に入れたいことがありましてね。
ザクレロ団長-----今回も勘違いしているようだが、我々はナントカ応援団で、探偵団ではないのだが...。
リックディアス刑事-----じゃあ、骨董品の鑑定をしてくれる...。
コルタナ団員-----解析中...。それもハズレね。
キュベレイ団員-----まあ、良いではないか。せっかくここまで来たんだ。ユックリしてるだけではもったいない。
ジム団員-----ここに来るときは「自然の中でユックリしよう」って言ってたっすよ。
旧ザク団員-----まあ、聞くだけ聞いてみれば良いんじゃないか。
ジム団員-----そうっすね。
ザクレロ団長-----ということだが。
リックディアス刑事-----そうですか。実はかなり昔の話になるのですが。そう、あれは大洋ホエールズが横浜スタジアムにやって来た年のことです。私は刑事としてある事件を捜査していたのです。
レッシィ団員-----またおじいちゃん。
ザクレロ団長-----今回は設定上、細かい年齢とかは気にしちゃいけないようだがな。
リックディアス刑事-----まあ、細かいことは勘弁して下さい。とにかく、私はあの年にある事件を捜査していたのです。その事件というのが例の「顔無しハムスター事件」てやつなんです。
旧ザク団員-----例の、って言われても初めて聞くが...。
ジム団員-----そうっすね。

リックディアス刑事-----そうでしたか。それはこの近くで起きた事件で。この街のハムスターがマスコットになるって話があったのですが、それが急にどこからかやって来た男が自分こそがマスコットだと言いましてな。その男、なかなか抜目のないヤツで、街の者を説得して回って自分の評判をあげていたんですな。そのせいもあって、ほとんどハムスターで決まっていたマスコットの話がくつがえされてしまったんでございます。どんな手を使ったのか知れんが、みるみるうちにその男の評判が上がっていく。これは何か裏があるに違いないと思ったハムスターが調べてみると、やっぱりその男はただ者ではなかった。彼が配って歩いている「パッ缶」が偽物だと見ぬいたハムスターは男の家に乗り込んでいったんですな。しかし、ハムスターが帰ってくることはなかった。

ザクレロ団長-----そのマリンくんに返り討ちにあった、ってことかな?
リックディアス刑事-----いや、マリンくんとは言ってないのですが。...まあ、とにかく表向きにはそうなっているのですが...。
キュベレイ団員-----なにか不審な点があるってことだな?しかし、ハムスターが殺されたのなら犯人はマリンくん以外にはいないだろう?
リックディアス刑事-----それが問題なのです。発見された時にハムスターには顔が無かったんです。
ジム団員-----「顔無しハムスター事件」っすからね。
リックディアス刑事-----そうなんです。でもそれがどうしても腑に落ちない。私はですね、犯人と被害者がアベコベなんじゃないか?と、そう思っているのです。
レッシィ団員-----でも、胴体を見たらハムスターって解るんじゃないですか?
キュベレイ団員-----まあ、そう言うな。せっかく盛り上がってきたんだ。謎を残した事件ということにしようではないか。
コルタナ団員-----解析中...。もしそうだとしても、どうして私たちに話すのかしら?話すんだったら名探偵という設定のズゴック団員にすべきだわ。
ジム団員-----そうっすね。あの人どこにいるんすかね?
ザクレロ団長-----さあ、どうかな。今は名探偵という設定だし、思いもよらないところで何かを調べてるんじゃないか?
キュベレイ団員-----だが、彼はまだ何も知らないんじゃないのか?
ザクレロ団長-----まあ、そうだな。それにザク団員は今回は何の役なんだかな?
リックディアス刑事-----とにかく気になって仕方ないのでなんとかして欲しいのです。
一同-----はあ...。


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名探偵ズゴック-----ああ、これは思っていたよりもしんどいなあ。間違って浦賀駅行に乗ってしまったのがいけないのだが。歩いて逗子まで行こうというのはさらに間違いだったかな。

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ボール(母)-----(えっちらおっちら...。えっちらおっちら...。)
名探偵ズゴック-----おや?!あれは...。
ボール(母)-----(えっちらおっちら...。えっちらおっちら...。)

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ボール(母)-----ごめんくださりませ。ボールの母でござりやす。今年も横浜の方へ、戻ってまいりました。なにぶん可愛がってやってつかあさい...」
名探偵ズゴック-----...。(なんで老婆みたいな歩き方なんだろう?)


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レッシィ団員-----ジムⅡ君早くこないかなあ。...。(ホワワワァ〜ン...)
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レッシィ団員(妄想)-----あっ、ジムⅡ君。研究の方はどうだったの?
ジムⅡ団員(妄想)-----おかげでうまくいきました。それよりもレッシィさんはこんなところで何を?
レッシィ団員(妄想)-----もう、ジムⅡ君たら。ジムⅡ君を待っていたに決まってるじゃない。
ジムⅡ団員(妄想)-----ボクのことを?わざわざ迎えに来てくれるなんて嬉しいなあ。
レッシィ団員(妄想)-----ジムⅡ君のためなら、当たり前だよ。
ジムⅡ団員(妄想)-----レッシィさん...。
レッシィ団員(妄想)-----ジムⅡ君...。

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レッシィ団員-----...なんちゃって。ウフッフッ...!
キュベレイ団員-----おい、こんなところで何をやってる!
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レッシィ団員-----ギクッ!...ちょっと、ビックリするじゃないですか、急に。
キュベレイ団員-----そろそろジムⅡが来るころだ。まさか抜け駆けじゃないだろうな?
レッシィ団員-----そ、そんなことありませんよ。そういうキュベレイ団員だって、何やってるんですか?
キュベレイ団員-----なに、って。散歩に決っている。

「た...助けて...」

キュベレイ団員-----ん!?...何か言ったか?
レッシィ団員-----何も言ってませんよ。

「助けて...」

キュベレイ団員-----誰だ?

「助けて下さい...。ここです...。ここにいます...」

レッシィ団員-----きゃあ!あんな所にボールが!
キュベレイ団員-----なんと!?これは大変だ!
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レッシィ団員-----待ってて、今助けるから。ちょっと、キュベレイ団員。私を肩車してくれませんか?
キュベレイ団員-----そんなんであそこまで届くわけがなかろう。警察に連絡だ。
レッシィ団員-----警察というか、消防の方が良いんじゃないですか。
キュベレイ団員-----どっちでも良いが誰かを呼ばなければ。

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ジムⅡ団員-----こっちですお巡りさん。
ザク巡査-----あぁ、あれは酷い...。しかし、どうしたものかな。消防署に助けてもらうか。それとも電力会社かな。
レッシィ団員-----あれ?ジムⅡ君。いつの間に来てたの?
ジムⅡ団員-----ああ、レッシィ団員。大学の方は予定よりも早く済んだんですよ。それで、さっきここを通りかかったら鉄塔にボールが見えたんで。
レッシィ団員-----へえ、なんかビミョー。
ジムⅡ団員-----何がですか?
レッシィ団員-----ん、なんでもない。
キュベレイ団員-----作戦は失敗だったようだな。それよりもオマワリ。あのボールはどうするのだ?あんな高いところに引っかかってるのは可哀想だぞ。
ザク巡査-----そうですが。この山の中ですし、ハシゴ車も呼べませんからね。これは面倒ですよ。
レッシィ団員-----それよりもザク団員は今回お巡りさんなんですね。
ザク巡査-----はい。毎回ビミョーな役どころなんですが。
キュベレイ団員-----そこそこ二枚目なのに残念だな。そんなことよりボールはどうするんだ?
レッシィ団員-----高い所に引っかかったボールを落とすには、もう一つのボールをぶつけるのが一般的じゃないですか?
ジムⅡ団員-----でも、大抵の場合もう一つのボールも引っかかってしまう事になりますよ。
キュベレイ団員-----じゃあ、揺らしてみるか?
ザク巡査-----それは無理でしょう。木じゃないんだし。
レッシィ団員-----みんな巨大ロボットのくせに人間サイズですしね。じゃあ、やっぱり救助隊を呼んできましょうよ。
ジムⅡ団員-----そうですね。
キュベレイ団員-----そういうことだ。じゃあボールよ。そこで待っていろ。
ザク巡査-----さあ、急いで行きましょう。
カメラボール-----ま、待って...。おいて行かないで...。


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名探偵ズゴック-----へえ、そんなことがあったんですか。私が電車を間違えずに来てたらちゃんと話が聞けたんですけどね。
ザクレロ団長-----そうなんだよなあ。あの人は役が変わっても我々を探偵団だと思ってるからなあ。
ジム団員-----でも探偵も面白そうっすよ。ボクもオープン・ザ・プライス!ってやつ、やってみたいんすよね。
コルタナ団員-----解析中...。何か重大な勘違いをしているわ。
名探偵ズゴック-----ところで、さっきボール君のお母さんとすれ違ったんですけど。こちらにいらしたんでしょうか?
ザクレロ団長-----ええ?!あの人はハマスタを応援してるんだし、今も応援で忙しいんじゃないか?
ジム団員-----それホントにボール君のお母さんだったんすか?
名探偵ズゴック-----ええ。自分でボールの母だと私に名乗ったんですから。
ザクレロ団長-----もしかして、今年もシーズンシートが買えなくて、応援やめちゃったのか?
ジム団員-----今年は完売っすからね。
名探偵ズゴック-----えっ?シーズンシートが売り切れ?!
ジム団員-----そうっすよ。ヤフーに書いてたっすよ。
ザクレロ団長-----ヤフー、って大雑把な。でもシーズンシートが完売だとなんかあるのか?
名探偵ズゴック-----いや、なんだか嫌な予感が...。
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レッシィ団員-----ちょっと、ちょっと、聞いてよ!あそこの鉄塔にボール君が引っかかって大変なんだから。
名探偵ズゴック-----ボール君が?!
キュベレイ団員-----ボール君と言っても、あのボール君じゃなくてカメラの方だがな。
名探偵ズゴック-----うーん...。やっぱり気になりますね。お巡りさん、その現場にボクを案内してください。
ザク巡査-----はい、こちらです。
ザクレロ団長-----あら、行ってしまったな。ところで、ジムⅡ団員も来たし全員集合だな。
ジムⅡ団員-----どうしても終わらせたい研究があって遅れました。...全員集合といっても旧ザク団員がいないみたいですが。
レッシィ団員-----今回はおじいちゃん設定だから一人で休憩中。
ジムⅡ団員-----ああ、そうなんですか。
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ザク巡査-----ここが現場です。
名探偵ズゴック-----なるほど。ボールカメラ君はきっと何者かにココに呼ばれて罠にかかったんですね。
ザク巡査-----罠ですか?
名探偵ズゴック-----見てください。ここに鉄板とバネが落ちていますよ。きっとボール君がこの上に乗った時に留め金が外れて足元の鉄板がビヨーンってなったんでしょう。
ザク巡査-----バネでビヨーンですか。しかし犯人はどうしてそんなことを。
名探偵ズゴック-----ボールカメラ君をあそこに引っ掛ける。それ自体に何か意味があるのだと思います。
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可愛いジム-----ああ、お二人さん。旅館の方でみなさんが待ってますよ。
ザク巡査-----何かあったんですか?
可愛いジム-----ボール君が引っかかってる話しを聞いた旧ザク団員が、何かみんなに聞かせたいことがあるとかで。
名探偵ズゴック-----それじゃあ行きましょう。なにか重大な手がかりかも知れません。

ボールカメラ君-----待って...。ここからおろしてぇ...。


[つづく...]

  

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