クリスマス みんなそろって 大ピンチ
この世界ではない感じの別の世界に迷い込んでしまった三人が帰ってきて本格的にクリスマスパーティーが始まると、やはりいつものようにダラダラと飲み始めてしまう主要メンバーでした。しかし、Dr.ムスタファがいつものようにスケベな発明の話をし始めた時にそれは起こりました。
今日、トナカイや白色矮星君の家が入ってきたベランダに出られる窓が開いてニコラス刑事が入ってきました。
ニコラス刑事-----いやぁ、遅れてスマンね。
Little Mustapha-----というか、ここ数年ずっと言ってるんだけど、ボクらはあなたを呼んでないんだけどね。
ニコラス刑事-----でも来たら嬉しいだろ？
ミドル・ムスタファ-----それは、状況にもよりますけどね。今日はもうほとんどいろんな事が起きた後、という感じだから、あなたが来てもそれほどの展開にはならないと思いますけど。
ニコラス刑事-----なんだ、その展開とかいうのは？
Little Mustapha-----でも、せっかく来たんだからニコラス刑事さんもクリスマス気分になったら良いんだけどね。
ニコラス刑事-----ほら、やっぱり来て欲しかったんだろ？それよりも、さっきのアレは凄かったよな！
ミドル・ムスタファ-----アレって、何ですか？
ニコラス刑事-----あれ？！キミ達はこの街にいてアレを知らないのか？多分、今はテレビでも中継されているはずだぞ。
ニヒル・ムスタファ-----それは、なんだかイヤな予感がするんだけどな。
Little Mustapha-----でも、テレビを見ろと言われると見てみたくなってしまうよね。
という感じで、Little Mustaphaが誰の意見も聞かずにテレビのスイッチを入れてしまいました。テレビをつけると、急遽予定を変更されて放送されている報道番組が映し出されました。
スタジオのキャスター-----それでは早速現場からの中継です。
新内屁端-----…な！だから言っただろ？なのに、あいつら降板とか言いやがってよ。何にも解ってねえんだよ。な？そうだろ？…
スタジオのキャスター-----あぁ…まだ準備が整っていないようですね。それではCMです。
Little Mustapha-----何かが起きてるっぽいけど、今のじゃゼンゼン解らなかったけど。
ミドル・ムスタファ-----一体、この街では何が起きているんですか？
ニコラス刑事-----さあな。でも駅前の商店街とか騒然とした感じだったけどな。
ニヒル・ムスタファ-----というか、刑事のくせになんでその辺はいい加減なんだ？何か起きてたら最初に警察の関係者が知ってないといけないんじゃないのか？
ニコラス刑事-----そういうことかもしれんが、今日は非番だし、アレもあるだろ？
Little Mustapha-----アレって？
ニコラス刑事-----ここにいるみんなは気付いてないかも知れないんだが、私が最初に登場した時に私は定年間近という設定になってたんだがな。あれから何年か経っているし、そろそろ私も刑事じゃなくて良いような気もするんだがな。
Little Mustapha-----そう言われるとそんな気もするけど。それじゃあ今回から「ニコラス刑事」じゃなくて「ニコラス呼んでないのに勝手に来る人」という方がいいのかな？
ニコラス刑事-----それはイヤだな。
ミドル・ムスタファ-----だったらニコラス刑事なのだから、刑事でないといけませんよ。
Dr.ムスタファ-----まるで、身から出た錆という感じだな。
ニヒル・ムスタファ-----それ言うの何回目だよ？
Dr.ムスタファ-----でも、科学的には正しいだろ。
Little Mustapha-----何がどう科学的なのか知らないけど。それよりも、ニコラス刑事さんはどうやってベランダに上がってきたんだ？これまで来た人、というか人でないかも知れないけど、その人たちはいきなりベランダに現れてもおかしくはないけど、ニコラス刑事さんはどう考えても人間だから、いきなりベランダに現れたらヘンな感じだけど。
ニコラス刑事-----なんだその、いきなり現れるっていうのは？こう見えても私は警察の人間だよ。電柱や壁に付いている排水用のあのパイプとか使ってこのベランダまで登って来ることも可能なんだよ。
ミドル・ムスタファ-----それはどっちかって言うと泥棒じゃないですか？
Dr.ムスタファ-----まあ、警察も泥棒も表裏一体ということだな。
ニヒル・ムスタファ-----全然意味が解らないぜ。
Little Mustapha-----それはどうでもイイけどCMが終わったみたいだよ。
スタジオのキャスター-----それでは、気を取り直して現場からの中継です。
新内屁端-----ハイ！現場のウッチーです！みなさん、ここがどこだか解りますかあ？
スタジオのキャスター-----いつものあの街だと思いますけど。
新内屁端-----そうなんです！やはり人気女子アナの天性の勘は間違いではなかったことが証明されました！
スタジオのキャスター-----その天性の勘のせいで私達はあなたのために上の方と掛け合うのが大変だったということは…
新内屁端-----そんなことはどうでもイイので〜す！それよりも、他のどの局もノーマークだったこの街にやってきたいたウッチーが大スクープですから。みなさん録画の準備は良いですか？新ウッチーこと内屁端が歴史的事件をリポートいたします！
スタジオのキャスター-----ここでCM…は？…いかなくてもイイ…。それではウッチー、中継をお願いします。
新内屁端-----ハイ！現場のウッチーです！みなさん、ここがどこだか解りますかあ？
スタジオのキャスター-----知ってますよ！
新内屁端-----そうなんです。ここは毎年クリスマスになると大惨事になる街なのです。そして、今年も大変な事が起きているようなんです。みなさん、あちらのモンスターが見えますでしょうか？
スタジオのキャスター-----画面ではちょっと確認しづらいようですが。
新内屁端-----そうですか。あそこには、なんとリボンを付けたネコがいるのです！
スタジオのキャスター-----それは、もしかしてどこかの家のネコが逃げだしたとか、そういうことではないですよね？
新内屁端-----全然違います！あのネコは道行く人々を次々に食べているのです。そして、人を一人食べる度にどんどん巨大化していくのです！
スタジオのキャスター-----それは一体、どういうことなんですか？
新内屁端-----そんなことは私には解りません！…アッ、あのネコが私の方に近づいて来ました。もうすでに何人もの人間を食べていたので身長は５メートル以上になっているかと思われます。それではウッチーが突撃リポートしてみたいと思いまーす！
スタジオのキャスター-----ちょっと、そんなことして大丈夫なんですか？
新内屁端-----みなさま、ご覧いただけますでしょうか？私は今、ちょうどリボンを付けたネコにつまみ上げられたところです！そして、これからリボンを付けたネコの巨大な口の中に運ばれていくようで〜す！…キャー！
スタジオのキャスター-----アァァァッ！……。ハッ…！ここでCMです。
ミドル・ムスタファ-----なんですか今のは？！
Little Mustapha-----食べられちゃったね。
ニコラス刑事-----ホントだな。前のウッチーも良かったが、今度のウッチーはまた別の良さがあったのに。これは残念だな。
ニヒル・ムスタファ-----そんなことは、どうでも良いんだよ。それよりも、どうしてあのネコがここにいるんだよ？これじゃあせっかくこっちに戻ってこられたのに意味がないぜ。
Dr.ムスタファ-----そういえばそうだな。でもあのネコはもう生け贄を食べたから私らはダイジョブなんじゃないのか？
ミドル・ムスタファ-----そんなことはありませんよ。一年に一人だけ生け贄を捧げるということになっていたのに、あのネコはもうすでに何人もの人間を食べているんですよ。
Little Mustapha-----あればあるだけ食べてしまう、というヤツだな。ボクも酔っ払って何かを食べ始めると何でも美味しく感じてしまうから、いつまでも食べてしまうんだよね。だから、なるべく食べ物は買いだめとかしないようにしています！
ミドル・ムスタファ-----そんなマメ情報はどうでもいいですよ！それよりも、これまでの展開からするとあのネコは間違いなくここにやって来ますよね。恐らく来る途中に人を食べながら来るはずですからとても巨大化しているはずです。そんなものがやって来たらどうやって対処するんですか？
Little Mustapha-----それは知らないけどね。多分、あのネコはキミ達がこっちの世界にやって来た時に一緒に来てしまったという気もするよね。ということは、キミ達のせいでボクら全員大ピンチなんだけど。これはどうしてくれるんだ？
ミドル・ムスタファ-----えっ？そんな冷たいこと言わないでくださいよ。さっきあんなに謝ったじゃないですか。
Little Mustapha-----というか、あの気軽な感じの謝り方が良くなかったんだよ。ホントに悪いと思っている時には簡単には謝れないものだと思うけどね。
ニコラス刑事-----何だか解らないが、キミは何を怒ってるんだ？
Little Mustapha-----怒ってないよ。というとウソになるけど、ちょっとイヤミな感じのことが言えたからもうスッキリしたけどね。
Dr.ムスタファ-----そんなことでスッキリするのか？
Little Mustapha-----まあね。今日気付いたけど、ボクは謝られるのが嫌いみたいだよ。でもこれが解決したらちょっとした罰ゲームもあるかも知れないから乞うご期待！
ミドル・ムスタファとニヒル・ムスタファとDr.ムスタファ-----エーッ…！
Little Mustapha-----そんなことはどうでも良いけど、どうすれば良いんだ？何でこんな緊急事態に罰ゲームの話とかしてるんだよ！
ミドル・ムスタファ-----それを話し始めたのはあなたですよ！
Little Mustapha-----そうだっけ？
ミドル・ムスタファ-----それよりも、さっきから何だか余裕な感じですが、あなたは何かこの事態をなんとかする方法とか解ってるんじゃないですか？
Little Mustapha-----いや、全然。でも、こういう時に焦ってしまうと上手くいかないような気もするから余裕な感じにしてるんだけどね。ただし、今回は相手が巨大化してるし、この家ごと壊されかねないし。もしかして今回は全員食べられちゃうんじゃないかな？
ミドル・ムスタファ-----そんなことは言わずに、どうにかしましょうよ。今回は全員で力を合わせたら何とかなるんじゃないですか？さっきもそんなことを言ってたでしょ。
Little Mustapha-----でも巨大化してしまったらなあ。ボクらが乗り物に乗って、それが変形して合体して巨大ロボットにならないと太刀打ちできないよ。
ニヒル・ムスタファ-----なんで、ここで戦隊ヒーローになるんだ？
Little Mustapha-----まあ、ふと思いついてしまったから。でも「なんとかレンジャー」はホントは複数だから「なんとかレンジャーズ」が正確だよね。それから「なんとかマン」は「なんとかメン」だし。
Dr.ムスタファ-----「デビルマン」や「ウルトラマン」はあっているがな。
Little Mustapha-----そんなことだから日本人は英語が苦手、ということになってしまうんだな。
ミドル・ムスタファ-----でも戦隊ヒーローは最後に「ジャー」が付けばそれで良いという感じでほぼ日本語化されてますから、それは関係ないんじゃないですか？
ニヒル・ムスタファ-----おい！、そんなこと考えてる場合じゃないだろ！
ミドル・ムスタファ-----ああ、そうでした。何でいつもこんなふうに話がそれるんですか？
Little Mustapha-----それは、何だか知らないけど、そんなことも考えるとまた話がそれてしまうから、現在直面している問題に関して真面目に考えましょうか。
ミドル・ムスタファ-----そうですよ。真面目にやってくださいよ。
ニコラス刑事-----でも、まじめに考えれば考えるほど解決策はないような気もするがな。あのネコは食べれば食べるほど巨大化していくんだろ？だから一人食べたらそれだけ胃袋も大きくなるわけだから、いくら食べても空腹は満たされないわけだ。ということは本当に「あればあるだけ食べてしまう」ということで、この世界の人間は一人残らず食べられるということになるな。
Dr.ムスタファ-----それは素晴らしく科学的な意見だ。まさに身から出た錆ということだな。
ニヒル・ムスタファ-----なんで今日はそれにこだわるんだよ。
ミドル・ムスタファ-----それよりも、ホントにそんなことになってしまったら、どうするんですか？私達のせいで人類が滅亡するんですか？リボンを付けたネコに食べられて。
Little Mustapha-----そうならないためにも、ここはムスタファ・レンジャーズの登場じゃないか？
ミドル・ムスタファ-----なんですかそれは？
Little Mustapha-----だから、ボクらが大活躍して世界を救うんだよ。ニコラス刑事さんは残念ながら主要メンバーじゃないから「本部で指揮する人」という設定でね。でも五人にするには一人足りないから、Princess Black holeにも参加して欲しいんだけど、彼女の連絡先は誰にも解らないしなあ…
マイクロ・ムスタファ-----ちょっとイイですか！…ネタなのか知りませんが、そろそろ怒りますよ！私も入れたら主要メンバーは五人なんですけど。
一同（マイクロ・ムスタファ除く）-----ああ…、キミもいたんだ！
マイクロ・ムスタファ-----ゥゥゥゥウウウウ…
ミドル・ムスタファ-----…こ、これはヤバいんじゃないですか…？