クリスマス 三つに分けて 栗・酢・升!
今年もやって来るのなら何かが起きなければいけません。そしてきっと何かは起きるのです。ここはブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)なのですし。彼らが望まなくても、或いは世界の誰もが望まないとしても、そこでは何かが起きる12月24日の夜です。
(これまでの話のまとめは#123「まとめサンタ」を読むと解る事になっています。)
今日もLittle Mustapha's Black holeの主要メンバー達がクリスマス・パーティーのために集まってきました。
このあいだのLittle Mustapha's Black hole完成記念日のパーティーでは「クソ占いの結果によりクリスマスにはサンタにプレゼントのリクエストをしなければならない」ということが決まりました。実は中止する予定だったのですがホントのところはプレゼントが欲しい彼らはリクエストの手紙をサンタ宛に書いたのです。
上手くいけば今年こそはここへサンタがやって来て、彼らは念願のプレゼントを貰うことが出来るのですが、そこには心配事もありました。マイクロ・ムスタファの考えでは、サンタをブラックホール・スタジオに招くことが彼らを危険にさらしている原因なのだということでした。毎年起きる恐怖の出来事はサンタを呼ぶからいけなかったのだ、ということです。
しかし、毎年危険な目にあっても、酔っ払っていて何だかワケが解らないうちに終わってしまうし、そんなことよりも主要メンバー達はサンタからプレゼントが貰いたくて仕方がないのです。そして、これまで彼らが遭遇してきた様々なクリスマスの危機の事を考えても簡単に諦めてはいけないような気にさえなっているようにも思われます。ここで諦めたら、恐ろしい目にあっただけで何も得るものがないとか、そんな損得勘定です。
とにかく、マイクロ・ムスタファも含め今年は全員がブラックホール・スタジオにやって来ました。多少の不安と大きな期待を胸に。
Little Mustapha-----なんか始めからみんなそろってると変な感じだけど。
ミドル・ムスタファ-----そうですか?でも前の完成記念日のアレではちゃんとそろってましたし。
Little Mustapha-----まあ、そうだけどね。ザンネンながら今年もマイクロ・ムスタファは異次元世界から参加なんだけど。
マイクロ・ムスタファ-----いますよ!
Dr.ムスタファ-----ええ、そうなのか?もう異次元とかは出てこないと思ったんだが。
マイクロ・ムスタファ-----いますって!
ニヒル・ムスタファ-----あんまりやると怒りそうだから、このネタはこの辺でオワリにしておこうぜ。
ミドル・ムスタファ-----そうですね。
マイクロ・ムスタファ-----…。
Dr.ムスタファ-----もう怒ってるみたいだぞ。
マイクロ・ムスタファ-----イイですよ、別に。怒ってませんよ。そうやっていつも人をバカにして楽しんでれば良いんですよ。
Little Mustapha-----これは怒ってる感じだな。
マイクロ・ムスタファ-----それよりも、良いんですか?今年は大丈夫なのか、イロイロと検証してみたほうが良いと思うんですが。
Little Mustapha-----まあ、そうなのかも知れないけど、そんなことはこれまで何度もやって来て、ことごとく無駄だったし。まあ、確認すべきは留守番電話とたまにテレビのニュースを確認するぐらいで良いんじゃない?
ミドル・ムスタファ-----それだけで充分何かありそうな感じですけど。
Little Mustapha-----とりあえず留守番電話は異常なし。夕方のニュースはまだ始まってないけど…。特に臨時ニュースもやってないみたいだし。とりあえず検証終了!
マイクロ・ムスタファ-----私の言った検証というのはそういうことじゃないんですが…。
ニヒル・ムスタファ-----細かい事は気にしてもここじゃ意味がないのさ。
Dr.ムスタファ-----それじゃあ、そろそろ始めないか?今日は昼を食べてないから腹ペコなんだが。
Little Mustapha-----「腹ペコ」って久々に聞いたけど。それより、いつもの事だけどあまり食べ物とか期待されると困るんだけどね。まあ、お腹空いている人は特別にビールでお腹をふくらませてもオッケーというルールにするけど。そうじゃない人はいつものようにウィスキーでございます。というか、流行っているからといってハイボールとかナシだからね。
ミドル・ムスタファ-----だいたい解ってますからイイですよ。早く始めましょう。
Dr.ムスタファ-----というか、食べ物はないのか?
Little Mustapha-----あるけど。今年はスパムと餅とキャベツとか、そのくらいだけど。
Dr.ムスタファ-----それじゃあ全然クリスマスじゃない感じだが。
ニヒル・ムスタファ-----ここのクリスマスがクリスマスっぽかった事なんてなかったぜ。
Dr.ムスタファ-----それもそうか。
Little Mustapha-----とにかく、始めるよ。それじゃあ、グラスを手にとって。…せーの!
一同-----メリークリスマース!
毎年そうなのですが、乾杯の前に「せーの」というのが変だということに彼らは気付いているのか、いないのか。とにかく今年もクリスマスパーティが始まってしまったので、きっと何かが起こるに違いない。起こらなければそれはそれで奇跡的ですが。
Little Mustapha-----なんか今年はドキドキするよね。
ニヒル・ムスタファ-----ニヤニヤして、なんか気持ち悪いな。
Little Mustapha-----そんなこといっても、思わない?まあ、きみはいつでもムッツリだからな。
ニヒル・ムスタファ-----ムッツリってなんだよ。そこはクールって表現を使って欲しいところだがな。
Little Mustapha-----まあ、そこはどっちでも良いけど。でも「クールビューティー」じゃなくて「ムッツリビューティー」だったら格好悪いよね。
ミドル・ムスタファ-----なんですかそれは?
Dr.ムスタファ-----海外に自信を持って紹介できるようなムッツリジャパンってことだな?
Little Mustapha-----それってボクらの事かもね?
ニヒル・ムスタファ-----何の話してるか全然わかんないんだけどな。
Little Mustapha-----ああ、失礼。とにかく、今年はちゃんとプレゼントが貰えるような気がしてね。なんかニヤニヤしちゃうんだけど。なにしろ「クソ占い」のお告げがあったしね。
ミドル・ムスタファ-----占いはどうでもイイですけど。でも、あんまり気を抜くと危険かも知れませんよ。
Dr.ムスタファ-----そうなのか?私は気を抜いて電撃銃シリーズを持ってきてないぞ。
ニヒル・ムスタファ-----というか、そんなのは何年も前に役に立たないってみんな気付いてるしな。
Little Mustapha-----それより、なんで気を抜いちゃいけないんだ?
ミドル・ムスタファ-----知りませんが、その辺はマイクロ・ムスタファに聞けばイロイロと心配事はつきないと思いますけど。ただ、私としても心のどこかに不安な感じがあったり。
Little Mustapha-----それはつまり、今回危険な目にあうのはキミだってことか?
ミドル・ムスタファ-----なんでそうなるんですか?!
Little Mustapha-----だって、いつもと違って慎重だし。まあ、こういう話のセオリーみたいな感じでね。
ミドル・ムスタファ-----それは困りますよ。じゃあ、心配するのやめます。
Little Mustapha-----ということで、心配御無用なんだし。それよりも、やっぱりMacBook Airをリクエストしておけば良かったかな、とか思ってるんだけど。
ミドル・ムスタファ-----だから、前も言ったように、そういうリクエストはちょっと現実的すぎるし、クリスマスにサンタにリクエストするような感じじゃないですから。
Little Mustapha-----でも、ちっちゃいんだよ。薄いんだよ。ちょっと夢がある感じじゃない?
ニヒル・ムスタファ-----なんでちっちゃくて薄いと夢があるんだよ?
Little Mustapha-----そうなんだけどね。まあ、自分で買えばいいという話かも知れないけど、ちっちゃくて薄いパソコンは外で使いたいし、そうなると外でもインターネットにつなぎたいし。そうするとまた別に通信のために料金がかかるし。だいたい、せっかくスマートフォンにしたのに、そういう用途で使えないからいけないんだよな。日本の携帯電話会社は全然ムッツリじゃないな。
ミドル・ムスタファ-----ずいぶん長く喋ってますけど、なんのことだか良く解りませんよ。
Dr.ムスタファ-----つまりアレだろ?携帯電話がインターネットになっちゃう機能を電話会社が使えないようにしてるって、あれだろ?
ニヒル・ムスタファ-----先生、それは解って言ってるのか?
Dr.ムスタファ-----解ってなきゃ何も言えないんだろ。
Little Mustapha-----まあ、だいたいそういうことだけどね。でもあるところから、そういうことが出来ちゃう末端も発売されるというマメ情報もね。
ニヒル・ムスタファ-----そんな情報はここで言わなくてもいいだろ。
マイクロ・ムスタファ-----あの…。ちょっと良いですか?
Little Mustapha-----あんまり良くない。
マイクロ・ムスタファ-----ええっ?!
Little Mustapha-----そんな驚き方をしなくても。そろそろキミに気付かないネタは飽きたしね。というか、ホントにあまり良くないんだけど。
マイクロ・ムスタファ-----でも、これは言っておかないと…。
Little Mustapha-----そうだけど。このプレゼントを貰えそうな雰囲気を壊したくないんだよね。
ニヒル・ムスタファ-----そんなこと言っても、もうみんな気付いちゃったぜ。
ミドル・ムスタファ-----そうですね。そろそろ貰えそうな雰囲気がなくなってきそうなんですが。
Little Mustapha-----なら仕方がないか。それじゃあマイクロ・ムスタファ君から重大な発表があります。
マイクロ・ムスタファ-----重大と言うことでもないですが…。あの、そこの留守番電話のところが点滅してるのって…。
Dr.ムスタファ-----まさかメッセージが録音されてるってことか?
ニヒル・ムスタファ-----一人だけ気付いてなかった人がいたみたいだな。
ミドル・ムスタファ-----それよりも、どうしますか?
Little Mustapha-----どうしますか、って言われても。聞きたくないけど、点滅してたら気になって仕方がないし。凄くテンション下がってきたけど、まだボタンを押すぐらいの気力はあるからね。
ニヒル・ムスタファ-----そこまでテンション下がるのかよ?毎年同じ事やってるのに。
Little Mustapha-----というか、毎年同じだから面倒になってきたんだよね。まあ、押すけどね。
今年だけは留守番電話にメッセージが残されないという根拠がどこにあったのか知りませんが、留守番電話のメッセージに気付いてテンション下がりすぎなLittle Mustaphaがいつものように点滅しているボタンを押すと、メッセージの再生が始まりました。
留守番電話-----ゴゴ…ゴ…ヨジ…ゴッ・フン…ピー!「ちょいと、どういうことなんですの!?どうしてあたくしのメッセージが再生されなかったんですの?それに、あたくしの事は放っておいて、あのピアニカの話なんか初めて。こんな事が許されていいと思っているんですの?この件に関してあたくしに謝罪したいのなら、すぐにあたくしのお屋敷に電話をかけるんですのよ!電話番号は666の…」ピーッ。メッセイジ、オワリ!
Little Mustapha-----ということだけど。これはどういうテンションになれば良いのかな?
ミドル・ムスタファ-----さあ、知りませんけど。彼女が言っているのは前回の完成記念日のパーティーの事ですかね。確かにあの時は彼女からのメッセージは再生されなかったですけど。
Little Mustapha-----でも、もうメッセージは残ってないし。まあ、謎の声からのメッセージじゃなかったからまだダイジョブだな。他になにか重大な発見とかはないの?マイクロ・ムスタファ君。
マイクロ・ムスタファ-----特にないですが。
Little Mustapha-----よし。まあ、念のためにテレビのニュースを確認してみる?
ミドル・ムスタファ-----それは、まだダイジョブじゃないですかね?
ニヒル・ムスタファ-----どういう理由でダイジョブなのか解らないがな。
Dr.ムスタファ-----まあ、プレゼントを貰えるというイメージを持つことが大事なんだよ。
Little Mustapha-----それも良くわかんないけど。とにかくこのままサンタの登場を待てばいいか。
良く解らない理由により、なぜかプレゼントが貰えそうな雰囲気だけは残してパーティーは続きます。本来ならばまずは「謎のメッセージ」が再生されるべきところでしたがプリンセス・ブラックホールからのメッセージでした。もしかして、今年は本当にプレゼントが貰えてしまうのでしょうか?ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)の外はすっかり日が落ちて、近所の家ではクリスマス用のイルミネーションが少し寂しげに、それでも賑やかに点滅し始めました。