クリスマス 恐怖世界が 甲殻類
今年Little Mustapha達に用意されていた恐怖とは暴力が全てを支配するエビゾーンでした。恐ろしいエビゾーンで非力なLittle Mustapha達は為す術もないと思われます。それに対抗するために、なぜかLittle Mustaphaがカニを買ってきてブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)をカニゾーンにしようとしています。
こんな計画が上手くいくのか解りませんが、カニを食べならが「サンタの国のサンタの酒」を飲んでいれば、きっと上手くいくに違いないと思った、というより、他にどうすることも出来ないと堪忍したのかも知れませんが、Little Mustapha達はさらに飲み続ける準備を始めました。
Little Mustapha-----ところで、カニってどうやって食べるんだっけ?
ミドル・ムスタファ-----さあ、カニなんて滅多に食べないですからね。
犬サンタ-----ご主人様の食べているカニにはもっといろんなものがくっついているんだワン。
Little Mustapha-----サンタの国でもカニ食べるの?
ニヒル・ムスタファ-----そんなことはどうでもいいのさ。適当に醤油でもつけて食べれば良いと思うぜ。
Dr.ムスタファ-----そうだな。あまり時間もないし、はやくサンタの酒とカニでカニゾーンな雰囲気にしておかないとな。
ニヒル・ムスタファ-----えっ?ちょっと待てよ。カニゾーンってもしかして雰囲気のことなのか?今日はこれまで雰囲気でなんとかしようとしてことごとく失敗してないか?
Little Mustapha-----いや、雰囲気だけよりは、もう少し進歩してるというか…。しかもサンタの酒だしね。
ミドル・ムスタファ-----まあ、ここまで来たら仕方ないんじゃないですか。ダメな時はダメな時でまた考えましょうよ。
Little Mustapha-----そうそう。そういう楽観的な感じが良い雰囲気を作り出すからね。
ニヒル・ムスタファ-----やっぱり雰囲気じゃないかよ。
Little Mustapha-----まあ、良いじゃん。とにかく醤油とバケツとコップと。あとはコレクエンノソースも作ってみるけどね。ちょっと待ってて。
Little Mustaphaが必要なものを取りに台所に行きました。
Dr.ムスタファ-----コレクエンノソースってなんだ?
ニヒル・ムスタファ-----あんまり期待しないほうが良いと思うぜ。
ミドル・ムスタファ-----私はゴテゴテしたソースを想像していますが。
Little Mustaphaが必要なものを持って戻ってきました。
Little Mustapha-----それじゃあ、バケツの水にサンタの酒を入れるけど。今年のサンタの酒はアルコール度数180%になっております。
Dr.ムスタファ-----凄い進化だな。たしか1000年後に300%ということじゃなかったか?
Little Mustapha-----そうだよね。でも多分200%を越えるとその先が難しいとか、そういう設定なんじゃない?まあ、とにかく入れるけど。
ミドル・ムスタファ-----うわ、そんなに入れるんですか?
Little Mustapha-----だってエビゾーンに対抗するにはこれくらいいっておかないとね。とにかく毎年進化しているサンタの酒なんだし、飲みやすさだってさらに進化しているはずだよ。
ニヒル・ムスタファ-----まあ、とにかく飲もうぜ。
Little Mustapha-----それじゃあ、みんなコップに酒をくんでください。というか犬サンタ君も飲むのか?
犬サンタ-----美味しそうだから飲んでみるんだワン。
Little Mustapha-----なんか心配だけど、まあいいか。それじゃあ、グラスを持って、…せーの!
一同-----カニゾ〜ン!
「本当にこれで大丈夫なのでしょうか?」ということも毎年書いているような気がしますが、本当にこれで大丈夫なのでしょうか?とにかく、いつもは食べる機会のほとんど無い毛ガニや、進化したサンタの酒のせいでまたクリスマスパーティーが盛り上がってしまうようです。そして、盛り上がるパーティーはダラダラ続くのです。
そして、恐怖のエビゾーンのことなど半分忘れかけた感じになってきました。
Dr.ムスタファ-----…ということでな、この方程式を使うと「なぜパンモロではドキッとしないのか?」という謎が科学的に解明できるんだよ。
ニヒル・ムスタファ-----そんなこと解明してどうするんだよ。それに、方程式じゃなくたってドキッとしない理由はわかりそうだけどな。
Little Mustapha-----というよりも、見えそうで見えないのがやっぱり一番だよね!
ミドル・ムスタファ-----そんな楽しそうに言わないでくださいよ。それよりも、さっきから気になっているんですが、犬サンタさんってけっこう飲んでますけど大丈夫なんですか?
犬サンタ-----問題ないんだワン。
Little Mustapha-----しかも、ボクらがかなり酔っ払っているのに、小型犬の犬サンタ君はほとんど酔ってないな。
犬サンタ-----これはどんなモノなのか楽しみにしていたけど、いつも飲んでる水と同じだったんだワン。
Little Mustapha-----それって、サンタの国ではサンタの酒が水代わりってことになるのかな?
犬サンタ-----そうじゃなくて、蛇口からこれが出てくるからこれが水なんだワン!
Little Mustapha-----それはあまりにも夢の国だなあ!
犬サンタ-----なんかヘンな感じで面白いんだワン!面白いからついでにもう一回言うんだワン!
Little Mustapha-----なにを?
犬サンタ-----ニャルゴだワン!
一同(犬サンタ除く)-----…???
犬サンタ-----あれ?これは嬉しくないのかワン?
ミドル・ムスタファ-----良く解りませんが、最初に来た時も言っていましたよね。
犬サンタ-----去年ここに来たトナカイさんから聞いたんだワン。こう言うと喜ぶって言ってたんだワン。
Little Mustapha-----去年も言ったけど、それは何かの間違いだと思うんだよね。
犬サンタ-----トナカイさんもそう言われたみたいだけど、あの顔は喜んでいる顔だったって言ってたんだワン!
ニヒル・ムスタファ-----やっぱり顔に出るんだな。ヘンタイの本性は。
Little Mustapha-----なにを言うんだ!ボクはそういうニャン!とかいうのよりもムッツリビューティーが好みだけどね。
ミドル・ムスタファ-----でも、もう半分ぐらいバレちゃってるから良いんじゃないですか。
Little Mustapha-----まあ、どうでもイイや。それよりも、マイクロ・ムスタファ君が機嫌悪そうだけど、何か言いたいことがあるかもよ。
マイクロ・ムスタファ-----いや、これでも楽しく飲んでいるつもりなんですが。でも一つだけ言っても良いのなら言いますけど。
Little Mustapha-----ということですが、みなさん。
一同(Little Mustaphaとマイクロ・ムスタファ除く)-----良いですよ。
マイクロ・ムスタファ-----あの、そこの留守番電話のところのランプが…
一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----うわぁ!大変だぁ!
油断しすぎ、というか飲み過ぎ、というか、なんで普通の宴会を始めてるんだよ!という感じのブラックホール・スタジオでしたが、また留守番電話にメッセージが残されているのに気付いて騒然となりました。しかし、それもつかの間で、飲み過ぎなLittle Mustaphaは適当な感じで再生ボタンを押してしまいました。
留守番電話-----ゴゴ…ゴ…ジャ…ナイ…フン…。ピー!「フフフフフッ…。キミ達は本当に私を楽しませてくれるね。それで本当に助かると思っているのかね?フハハハハハ!いいかね。あと30分もすれば12時だぞ。ハハハハハッ!まさかカニで抵抗されるとは思ってもいなかったがな。これでキミ達もオワリだ。最後の別れにカニ作戦はちょっと寂しいが、それもキミ達らしくて良かろう。それでは、あと30分ゆっくりと恐怖するがよい。まずは外を見てみるんだ。フフフフフッ…。もう取り返しのつかないことになっているぞ!フハハハハハ!ハハハハハハ!」メッセイジン。ピー!
Little Mustapha-----ヤベェ…。どうしよう。サンタの酒飲んでたからピンチだったことすっかり忘れてた!
ミドル・ムスタファ-----ええ?何ですかそれは?!サンタの酒でカニ食べたら何とかなるんじゃなかったんですか?
Little Mustapha-----いや、最初はそう思ってたし、上手くいくはずだったんだけど。
Dr.ムスタファ-----まったく、これだから。何事も科学的に考えないといけないんだ!
ニヒル・ムスタファ-----科学的に考えられる人がいれば、の話だけどな。それはそうと、この状況はどうしてくれるんだ?どうやらキミのせいでオレ達は今年でオワリみたいだぜ。
Little Mustapha-----ええ?!そうなっちゃうの?でもキミ達だってボクの作戦に賛成した感じだったじゃん。
ミドル・ムスタファ-----それは、こんな結果になるとは思ってなかったからですよ!
Little Mustapha-----ボクだってこんな結果になるとは…
犬サンタ-----みなさん、ちょっと待つんだワン!ここは冷静にならないと敵の思うつぼなんだワン!…と、マイクロ・ムスタファが言いたそうだったので代弁してみたんだワン!
マイクロ・ムスタファ-----ああ、そうですか。ありがとうございます。そのとおりです。とにかく、我々が今どのような状況にあるのか確認しませんか?
Little Mustapha-----まあ、そうだね。じゃあとりあえずカーテンを開けて外の様子を見てみるけど。みんな酔っ払ってるし、どんなことになっていてもダイジョブだよね。
ミドル・ムスタファ-----ダイジョブだと思いますが。
酔っ払っているのでそれほどパニックにはなりませんでしたが、彼らの見た光景は彼らをヤバい気分にさせるのには十分だったようです。
窓の外を見ると、そこにはこれまでにあった建物などはほとんど無くなっていて、辺り一面が荒野になっていました。そしてムキムキの筋肉の上に直接、鋲を打ち付けた革のベストやジャンパーを着たモヒカン頭やスキンヘッドの男達がいて、彼らはいくつかの集団に別れて殺し合っているようでした。
これを解る人には解りやすく、という感じで説明すると、北斗の拳の世界というか、マッドマックス2の世界というか、Fallout3のレイダ−みたいというか、その他もろもろなのですが。
酔っ払っていれば酒の勢いで何とかなるかも知れないと思っていたLittle Mustapha達でしたが、外にいるのはどう考えても彼らには太刀打ち出来そうにないマッチョで凶暴な人間ばかり。これは本当にヤバイ事になって来たような気がします。
Little Mustapha-----良いですか、みなさん。
ニヒル・ムスタファ-----なんだよその喋り方は?
Little Mustapha-----どうでも良いけど、泣いたりするのはやめようね。冷静にならないといけないからね。
ミドル・ムスタファ-----そういうあなたが一番泣きそうなんですけど。
Little Mustapha-----だって、あんなのに襲われたら、助かるワケないじゃん!
ミドル・ムスタファ-----ちょと、そんなこと言わないでくださいよ。まだ12時までは時間がありますし。
Dr.ムスタファ-----そうだぞ。最後まで希望は捨てちゃいけないんだよ。そうやって人間は科学を発展させてきたんじゃないか。
ニヒル・ムスタファ-----科学はここじゃ関係ないぜ。それに、なんか今回こそはダメな気がしてきたんだが。Little Mustaphaが半分諦めかけているし、あとはマイクロ・ムスタファが何か思いついたり気付いたりしない限りどうにもならないと思うんだが。
ミドル・ムスタファ-----マイクロ・ムスタファには何か考えがあるんですか?
マイクロ・ムスタファ-----まあ、特にないですけどね。できる事と言ったら、彼らに気付かれないようにじっとしていることぐらいですかね。まあ、何分ももたないと思いますが。
Dr.ムスタファ-----ということは、もうダメってことなのか?