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#137 「アエリス」 2010-12-15 (Wed)

クリスマス バイオレンスは デンジャラス


 街から人や建物が消えていくという怪現象が起きている今年のクリスマス。いったいそれらはどこへ消えていくのでしょうか?そしてそれは恐怖のメッセージが言っていた「エビゾーン」とは関係があるのでしょうか?

 具体的な恐怖の対象がないまま、Little Mustapha達はジワジワと何かに追い詰められているような感じにもなっていました。ただし、いつものように酔っ払っているのでそれほど緊張感はありませんが。

 Little Mustaphaはどうしていいのか解らないまま適当な感じでテレビのスイッチを入れました。

スタジオのキャスター-----それではここで現場から中継です。現場のウッチー!

内屁端-----はい、こちら現場の内屁端が自分撮りで失礼しまあす!みなさん、ご覧いただけるでしょうか?建物や人が消える現象を追っていくと、なんと、今年もこの場所に辿り着いたのです!

スタジオのキャスター-----もしかしてそこは毎年クリスマスになるとモンスターが現れたり、怪現象の起こる街じゃないですか?

内屁端-----そのとおりです!なんと我々はこの街にやって来るとどうしようもない暴力の衝動に駆られて、このように一番強いウッチーが他のスタッフをボコボコにしてやったんです!

スタジオのキャスター-----それはいったい…

内屁端-----あっ!今あそこの酔っ払いに挑発されたので、懲らしめに行きたいと思いまあす!…オイ、てめえ、そこのクソガキ!女子アナなめてんじゃねえよ、コラァ!…

スタジオのキャスター-----ここでいったんCMです。

Little Mustapha-----ということだけど、どうしましょうか?

ミドル・ムスタファ-----どうしましょうか、と言われても。まさか、今年はあの女子アナがモンスターとしてここにやって来るとか?

ニヒル・ムスタファ-----それはないと思うぜ。オレ達はこれまで人間よりも強くて恐ろしい敵と戦って生きのびてきたんだぜ。

Little Mustapha-----厳密には戦った事はないけどね。でも人気女子アナはあくまでもサブキャラだから、メインの悪役にはなれないと思うけどね。

Dr.ムスタファ-----だったら今夜は何が起こると言うんだ?

ミドル・ムスタファ-----さあ?

マイクロ・ムスタファ-----あの、喋りますね。

一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----良いですよ。

マイクロ・ムスタファ-----留守番電話ですけど…。

一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----あぁ…。

Little Mustapha-----じゃあ、再生するけどね…。

留守番電話-----ゴゴ・ゴゴ・ゴゴ・ゴゴ・ゴゴ…ゴ・フン…ピー!「フハハハハハ!どうだねブラックホールの諸君。テンションが下がるだろう!これまで苦労してきたが、こんな簡単なことで良かったとはね。フフフフッ…。キミ達が恐れているのは不死身の殺人鬼でも歩く屍でも吸血鬼でもない。キミ達が真に恐れているもの。それはリアルな暴力。生身の人間によるナマの暴力。そうじゃないのか?これからその世界にあるものは全て消えていく。暴力的な人間とキミ達だけを残してな。ハハハハッ。そこは暴力だけが全てを支配する世界になるのだよ。名付けてエビゾーンだ!キミ達がどれだけ生きていられるか、じっくり見物させてもらうことにしよう。フッフッフッフッ…。フッハッハッハッハ!ハハハハハハハハ!」メッセイジ…オ・ワ・リ♡

Little Mustapha-----ぁぁぁぁ…。これはヤバいことになってるんだけど…どうしたら良いかな?

一同(Little Mustapha除く)-----イイとも!

Little Mustapha-----いや…そうじゃないけど。これはちょっとヤバいぞ。…ちょっと犬サンタ君もしっかりしてよ。それ震えすぎだし。今頼りにできるのはキミぐらいだと思うんだけど。ご主人様とかサンタさんとかに連絡して何とかしてもらえるとか、ないの?

犬サンタ-----ボクは強い子…!ボクは強い子…負けないんだワン。ブルブル…ボクは強い子…brbr…。

Little Mustapha-----ああ…、これはちょっと無理だな。

ミドル・ムスタファ-----ちょっとどうするんですか?これはかなりヤバいんじゃないですか?

Dr.ムスタファ-----そうだぞ。暴力は反対なんじゃなかったのか?

ニヒル・ムスタファ-----そんなこと言っても、むこうが暴力的なんだからどうにもならないぜ。それにこのままじゃオレ達がケンカとか弱すぎるのバレちまうぜ!

ミドル・ムスタファ-----もうバレてるからこうなったんじゃないですか?

Dr.ムスタファ-----それは科学的な意見だ!

マイクロ・ムスタファ-----ちょっと!みなさん、落ち着いてください!


一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----なんだ、キミいたのか!?

マイクロ・ムスタファ-----ええ!?なんでいまさらそのネタをやるんですか?しかも犬サンタさんまで!

Little Mustapha-----いや、なんか大混乱だったから。でもおかげで少し落ち着いたんだけど。

マイクロ・ムスタファ-----落ち着くんだったら私が「落ち着いてください」っていった時に落ち着いてくださいよ。

ニヒル・ムスタファ-----それはどうでもイイが、キミは何が言いたいんだ?また留守番電話にメッセージか?

マイクロ・ムスタファ-----いや、そうじゃなくて、みなさんが慌てすぎだから、ひとまず落ち着いた方がいいと思って。

Little Mustapha-----なんかやけに落ち着いてるんだな。

マイクロ・ムスタファ-----まあ、そうなんですけど。私はこういう状況は意外と平気なんです。私は目立たないですから、怖い人に目をつけられたり、そういうこともなくて。だから危険な場所を歩いたりするのも平気なんですよ。

Little Mustapha-----なんか納得したけど、それはそれでテンションの下がる話なんだが。

ミドル・ムスタファ-----でもおかげで落ち着いたから良しとしましょうよ。


Dr.ムスタファ-----落ち着いてみたんだが、それで何かあるのか?

ニヒル・ムスタファ-----さあな、また留守番電話にメッセージでも残ってるかもしれないぜ。

マイクロ・ムスタファ-----それはないですね。

犬サンタ-----あっ!だワン。

Little Mustapha-----キミはなんにでもワンがつくんだな。

ミドル・ムスタファ-----そこは気にしなくても。それより何ですか?忘れていた用事を思い出しまたか?

犬サンタ-----いや、そうじゃないんだワン。どうやら電話が鳴りそうなんだワン!

Little Mustapha-----毎年の事だけど、なんでサンタの仲間はみんな電話が鳴るのが解るんだ?


 犬サンタが電話が鳴ることを察知すると一同電話の方を見つめていました。そして「なんだ、鳴らないじゃないか」と思い始めそうなタイミングで電話が鳴ったので、いつものように一同ビクッとなったのですが、いつものようにお互いに気付かなかったフリをしながらLittle Mustaphaが電話に出ました。もちろんいつものようにハンズフリーモードでみんなに会話が聞こえるように。


電話-----オーホッホッホッホッ!サンタのおじさんだよ!

犬サンタ-----あっ、おじいさまだワン!

Little Mustapha-----ここでたのもしい助っ人が登場ってこと?

ミドル・ムスタファ-----そう期待したいですね。

電話(サンタ)-----何を言っているのか良く解らないが、クリスマスは楽しんでいるかな?

Little Mustapha-----いや、全然楽しくないですけど。最初は雰囲気だけは楽しくしてたんですけど、いまじゃもう…。何とかしてくださいよ。

電話(サンタ)-----そんなことを言ってもな。今夜はまだ仕事がたくさんあるし。それよりも聞きたいことがあるんだが、キミ達はタイムマシンとか作ろうとしてないか?

Little Mustapha-----なんだそれ?

ニヒル・ムスタファ-----作ってるとすれば先生ぐらいじゃないか。

Dr.ムスタファ-----タイムマシーンを作るためにはまず反重力技術が必要なんだが、まあ、毎年も貰えないからな。まだタイムマシーンの開発はしてないぞ。

電話(サンタ)-----そうか。ならば他に原因があるんだな。

ミドル・ムスタファ-----なにか問題でもあるんですか?

電話(サンタ)-----どうやら巨大な断続的継続時間帯が大量に発生しているようなんだね。それが原因だと思うんだが、プレゼントを届ける予定の家がいくつも消えてしまっているんだが。

Little Mustapha-----それって、あの恐怖のメッセージの人がやってるんですよ!というか、サンタさんはあのメッセージについて調べるために旅に出てたんじゃないんですか?

電話(サンタ)-----そうだがな。少しは解ってきたぞ。

ニヒル・ムスタファ-----少しだけかよ。

ミドル・ムスタファ-----それで、あの恐怖のメッセージの正体は?

電話(サンタ)-----それは、なんというか、ヤツは天界から神の知恵を盗んでいった堕天使ということらしいんだが。

ミドル・ムスタファ-----それは、最近流行りのネタですよね?

電話(サンタ)-----ああ、解ってくれたか!オーホッホッホッホッ!

ニヒル・ムスタファ-----あの、今は冗談言ってる場合じゃないんだぜ。

電話(サンタ)-----まあ、そう慌てちゃいかんぞ!断続的継続時間帯を作っているのがあのメッセージの主だとすると、やっぱりヤツは恐ろしい悪魔のようなヤツということだな。

Little Mustapha-----長いこと旅して解ったのはそれだけってこと?

電話(サンタ)-----厳密にはもっと解ったことがあるんだが、ぜんぶ話している時間はないんだろ?

Little Mustapha-----そうだけど。だいたいサンタさんは何の用で電話してきたんですか?

電話(サンタ)-----ああ、そうだった。孫のところにメールが来てたから代わりに連絡してみたんだが。

犬サンタ-----これでやっと用事が思い出せるんだワン!

電話(サンタ)-----キミは二つ以上の用事はすぐに忘れるからな。

犬サンタ-----面目ないんだワン。

電話(サンタ)-----あの袋の中を見てみればすぐに思い出すぞ!オーホッホッホッホッ!それからそこにいる窮地に立たされた人間達よ。どんな時にも解決法は見付かるものだよ。過去のこと、未来のこと、その他の全て。全部ひっくるめた上でまだ気付いてないことはないか?それを確かめた上で、時には気付いてはいけない事実もあってそこは決して気にしてはいけないということが解れば解決法は自ずと見えてくるはずだぞ!オーホッホッホッホッ!それでは楽しいクリスマスを!


ミドル・ムスタファ-----なんで、あんな混乱させるようなことを言うんですかね?みなさんは意味解りました?

Little Mustapha-----解るわけないけど。もしかしてああいう言葉のパズルみたいなことはマイクロ・ムスタファ君が得意とか?

マイクロ・ムスタファ-----私にも解りませんよ。それよりも、犬サンタさんの忘れていた用事の方が気になりませんか?

犬サンタ-----ああ、そうだったんだワン!もしかして用事を思い出したらこの状況を何とか出来るかも知れないんだワン!それじゃあ、袋の中を調べてみるんだワン!

ミドル・ムスタファ-----何が入ってるんでしょうね?

Dr.ムスタファ-----もしかして超強力電撃銃が入っているとか。

ニヒル・ムスタファ-----それはないな。

犬サンタ-----あっ、あったんだワン!そうか!これを預かっていたんだワン!

Little Mustapha-----それは、もしかしてサンタの国のサンタの酒。

犬サンタ-----恒例だから持っていくようにと言われたんだワン!

Little Mustapha-----そうか!今年もサンタの酒でワケが解らないうちに解決ということだな。

ミドル・ムスタファ-----そうなんですか?

マイクロ・ムスタファ-----いや!ちょっと待ってください。ここは緊急ですから、すぐに話しますけど。

Little Mustapha-----うん。

マイクロ・ムスタファ-----エビゾーンで酔っ払うのはどう考えても危険だと思うんです。

Little Mustapha-----でも、過去とか未来とかその他全てがどうのこうので、気にしてはいけないこともあるとか言ってたし。

ニヒル・ムスタファ-----あんな謎かけみたいなのはあてにならないぜ。

Dr.ムスタファ-----まあ、科学的にその酒はカオス理論みたいなモノだからな。

ニヒル・ムスタファ-----それって知ってる言葉を言ってみただけじゃないか?

Little Mustapha-----どうでも良いけど、これは困ったなあ。

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