栗・酢・升 三つそろって クリスマス!
万策尽きたLittle Mustapha達ですが、とうとう元の世界に戻ってきてしまいました。もうすでに12時は過ぎていますし、恐らく家の外にはムキムキの殺人鬼達がうろついていることでしょう。そしてしばらくしたら、彼らのことに気付いてこの家の中に入ってくるに違いありません。
Little Mustaphaはそっとトイレの扉を開けて部屋の方の様子をうかがいました。そして中が静かなことを確認すると彼らはそろって部屋に向かいました。
ミドル・ムスタファ-----部屋に行って何かあるんですか?
Little Mustapha-----特にないけど。まあ武器になりそうなモノを探したり、それにサンタの酒もあるし、少しは落ち着けると思うけど。
そんなことを言いながら部屋に戻ってきたLittle Mustaphaが扉を開けると、なんと驚いたことに中にニコラス刑事がいたのです!
一同(ニコラス刑事)除く-----ウワァ!ビックリさせるなよ!
ニコラス刑事-----いやあ、すまないね。誰もいなかったから勝手に入って来てしまったぞ。オホ。
Little Mustapha-----というか、ニコラス刑事さんは襲われなかったの?
ニコラス刑事-----ん?まあな。というかあのチンピラどもは私が全部片付けたがな。オホ。
ミドル・ムスタファ-----本当ですか?
ニコラス刑事-----私の意外な強さに驚いているのかな?オーッホッホッホッホ!
ニヒル・ムスタファ-----なんかヘンだぜ。
犬サンタ-----解ったんだワン!おじいさまだワン!
犬サンタが言ったとおりでした。そこにいたのはニコラス刑事に姿を変えたサンタだったのです。サンタは笑いながらいつもの赤い服と白いヒゲのおじさんの姿になりました。
Little Mustapha-----なんだよ。サンタのドッキリ企画か。それじゃあ、ガッカリだ。
ミドル・ムスタファ-----そんなことはいいですけど。これってどういうことなんですか?外はもう安全なんですか?
サンタ-----まあな。家がなくなって仕事にならないから、なんとかしないといけないしな。外にいた連中は私が全部片付けたぞ!オーッホッホッホッホ!
犬サンタ-----さすがはおじいさまなんだワン!
Little Mustapha-----それで、消えた家はどうなったの?
サンタ-----あれは断続的継続時間帯の有効期限が切れたら自動的に戻ってくるぞ。どうやら、我々の敵…いや、キミ達の敵は断続的継続時間帯を作り出すことに成功したらしいな。異次元世界への扉をあやつったり、むこうも進化しているようだから気をつけないといけないぞ。
ニヒル・ムスタファ-----というか、なんか納得いかないんだが。オレ達が一時的に異次元世界に逃げた意味はあったのか?アレってサンタさんが仕組んだ事なのか?
サンタ-----そんなことはないぞ。でもキミ達がいなかったおかげでチンピラ退治はスムーズに出来たけどな。オーッホッホッホッホ!
Little Mustapha-----ボク等がいたらダメだったの?
サンタ-----そんなこともないがな。イロイロと見せたくない部分もあるんだよ。夢がなくなったら困るだろ?オーッホッホッホッホ!
ミドル・ムスタファ-----見せたくないって言われるとみたくなりますけどね。それよりも、どうしてニコラス刑事の姿になっていたんですか?
サンタ-----ドッキリ企画だからな。ドッキリしただろ?
Little Mustapha-----ドッキリしたけど、ボクはサンタの孫娘さんとセクシートナカイさんのコラボでドッキリ企画が良かったんだけど。来年はそれをリクエストしようかな。
サンタ-----そんなのは私が許すわけなかろう。
Little Mustapha-----そうだと思うけどね。
サンタ-----ああ、それから本物、と言っても映画に出てるほうじゃないニコラス刑事なら、そのうちやって来るぞ。今年は彼が来ていることに気付かなかったようだが、それは私の忠告に従ったということだな?
ミドル・ムスタファ-----いや、普通に忘れてただけですけど。
サンタ-----なんだ、そうなのか。まあいい。それでは私はこの辺で失礼するよ。そろそろ世界中の家が戻ってきている頃だからな。では、来年まで良い子に…いや、いい大人に…というか。まあいいか。さらばだ!
ニヒル・ムスタファ-----またヘンな感じで行っちゃったな。
Little Mustapha-----あっ、しまった。ペット用から人間用にプレゼントの交換ができるかどうか聞くの忘れた。
ミドル・ムスタファ-----どうせ無理だと思いますよ。
Little Mustapha-----まあ、そうだよね。
犬サンタ-----それじゃあ、みなさん。私もこの辺でおいとまするんだワン!早くしないとハニーちゃんが待ちくたびれてしまうんだワン!
Little Mustapha-----ああ、そうか。キミは楽しいことが残っていていいなあ。
ミドル・ムスタファ-----そんなこと言わないで。今年も危機を逃れることが出来たんですし。それにサンタの酒もまだまだ残っていますし。
Little Mustapha-----それもそうだね。カニも残ってるし。じゃあ、犬サンタ君以外は全員コップに酒をくんで。じゃあいくよ。…せーの!
一同(犬サンタ除く)-----カニゾ〜〜ン!
犬サンタは江伝さんちのハニーちゃんのところへ行き、ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)ではまたダラダラした飲み会が始まってしまいました。
こんな時でも冷静なマイクロ・ムスタファだけは、先程のサンタの言葉の所々に気になる部分があって、そのことについて考えていたのですが、酒がまわってくると次第にそんなことを考えるのが面倒になったのか、また来年考えればいいや、という感じになっていました。
しばらくバカな話が続いた後にDr.ムスタファのエロ発明が出てきた時でした。部屋の扉が開いてサンタが言ったとおりニコラス刑事が入って来ました。
ニコラス刑事-----いやあ、スマンスマン。どういうワケだか知らないが、まだ8時ぐらいだと思っていたんだが、いつの間にか午前2時になってて。遅れてしまったよ。
ニヒル・ムスタファ-----ていうか、毎年言ってるけど、オレ達は呼んでないからな。
ニコラス刑事-----まあ、そう固いことは言わずに。
ミドル・ムスタファ-----それも毎年聞いているような。
ニコラス刑事-----それよりも、玄関のところに寂しそうな犬がいて可愛そうだったから連れてきてやったんだが…。
一同(ニコラス刑事と寂しそうな犬除く)-----あぁ!犬サンタだ!
ニコラス刑事-----なんだ知ってる犬なのか?
Little Mustapha-----知ってるというか、今年のメインキャラだけど。なんかションボリしてどうしたんだ?
犬サンタ-----これはショックなんだワン…。
ミドル・ムスタファ-----どうしたんですか?ハニーちゃんに嫌われましたか?
犬サンタ-----そうじゃないんだワン。ハニーちゃんなんていなかったんだワン。
Dr.ムスタファ-----どういうことだ?
犬サンタ-----ハニーちゃんはコンピューターの中にだけ存在する架空の犬だったんだワン。こんなショックな事はないんだワン…。
Little Mustapha-----なんだそれは?つまりボットみたいなもの?
犬サンタ-----きっとそんな感じだワン。
一同(犬サンタ除く)-----…。
犬サンタ-----どうしたんだワン?どうしてそんな目で私を見るのかワン?
ニヒル・ムスタファ-----いや。なんて言うか犬の不幸も蜜の味なんだな、と思っただけさ。
犬サンタ-----ひどい人達なんだワン!
Dr.ムスタファ-----まあ「恋をするならアバターのエクボ」ということわざもあるしな。
ミドル・ムスタファ-----ヘンなことわざは気にしないで、せっかくみんなそろったことですし、犬サンタさんもここでカニ食べていきませんか?ガッカリしたまま帰るのもアレですし。
犬サンタ-----良いのかワン?
Little Mustapha-----MacBook Airくれたら良いよ。
犬サンタ-----それはダメだワン。それにそんなことをいうとご主人様に言いつけるんだワン。
Little Mustapha-----ああ、わかったよ。
犬サンタ-----それからカニよりビーフジャーキーが良いんだワン。
Little Mustapha-----ええ?!
犬サンタ-----ご主人様は気前のいい人が好みだって言ってたんだワン!
Little Mustapha-----いやあ、気前は良いんだけど、それに見合うだけの持ち合わせがないとか…。スパムならあるけど。
犬サンタ-----まあ、仕方ないんだワン。
Little Mustapha-----なんか納得いかないけど。まあいいや。それじゃあ、気を取り直して。…せーの!
一同-----メリークリスマースだワン!
犬サンタ-----なんでみんな私のマネをするのかワン?
ということで、メンバーも増えてクリスマスパーティだワンが始まりました。この調子でいくとすぐにグダグダになりそうですが、そのとおりグダグダになり、いつの間にか全員酔いつぶれて寝てしまったようです。
今年もヘンなユルい緊張感のなかでピンチを切り抜けたLittle Mustapha達。これだけ恐ろしい目にあっても、懲りずに来年もプレゼントをリクエストする予定みたいです。
それからLittle Mustapha達と一緒に寝てしまった犬サンタですが、夜が明ける前にこっそりやって来たサンタの孫娘さんが連れて帰りました。以前よりもさらにセクシーになって、時にはパンチラすらしそうな衣装のサンタの孫娘さんでしたが、ザンネンながらLittle Mustapha達はだれも彼女の訪問に気付きませんでした。
ついでに書いておくと、目が覚めて帰る時になって、マイクロ・ムスタファは「このインコの横溝正史全集はどうやって持って帰ろうか?」と途方に暮れていたということです。
では次回は毎年恒例で「いつまでも最新記事がクリスマスネタじゃダメなサイトになってしまう」ということで、スゴい大特集が書かれるでしょう。お楽しみに。