クリスマス 恐怖の世界に ウエルカム!
いつものクリスマスと同じように恐ろしいことが起こりそうなのに、今のところ何が起きるのか解っていなくて、特に慌てたりも出来ずに戸惑い気味なLittle Mustapha達でした。いつもなら夕方のテレビニュースなどで外の世界の異常に気付くのですが、今日は先程テレビで見た異常な出来事は「なかったこと」にされてしまっているので、何が起こっているのか解らないようです。
こういう時にはやはりテレビで確認するしかないのでLittle Mustapha達はテレビをつけるようでした。それがヤラセでない限り、そこで起きている事は本当のことに違いないのですから。
Little Mustapha-----それじゃあ、テレビをつけてみるけど、どんなに恐ろしいことが起きていても、恐ろしい雰囲気にならないようにね。特に犬サンタ君はブルブルしたりしないように。…というか、ブルドッグってブルブルしてる…。
ニヒル・ムスタファ-----イイから早くつけようぜ。
Little Mustapha-----はいはい。解りました。
ブルドッグネタを言えないままLittle Mustaphaがテレビをつけました。するとやはり、そこでは「予定を変更して臨時ニュース」のような番組が放送されていました。
スタジオのキャスター-----それでは現場から中継です。現場には生き霊に取り憑かれた影響で暴力的な人気女子アナのウッチーこと内屁端アナがいます。ウッチー!
内屁端-----はい!こちら現場です。みなさん、ここがどこだか解りますかぁ?
スタジオのキャスター-----いや。ずいぶんと荒涼とした雰囲気ですが、どこなのでしょうか?
内屁端-----大ハズレです!なんとここは、私が夕方のニュースの時にいたあの遊園地なのです!
スタジオのキャスター-----それはいったいどういうことですか?というか、それは大変なニュースじゃないですか。
内屁端-----そうなんです。なんと夕方の時点で気付いている方も多くいたようで、園内は大変ざわついた雰囲気になっていたのですが、クリスマスムード一色だった園内からアトラクションや建物が次々に消えていったのです!そして観客達は「これではクリスマスの雰囲気が台無しではないか!」と怒りをあらわにし、しまいには暴動にまで発展するところだったのですが、怒りをぶつける相手がすっかり消えてしまったので、客達はおとなしく帰って行ったのです!
スタジオのキャスター-----あの、ビミョーにリポートするべき内容がずれているような気がするのですが。いったいどうして遊園地が消えたのでしょうか?
内屁端-----そんなことは知るよしもありません!しかし、消えたのはこの遊園地だけではありません。海の向こうに見える東京の高層ビルなども、先程からいくつか姿を消しているように見えまあす!
スタジオのキャスター-----そんなに楽しそうにされても…。今、外では何が起きているのか詳しく話してください!
内屁端-----現場からは以上でーす!(…うわ、これマジでスゴくね?マジで、マジで!)
スタジオのキャスター-----ええ…と、情報が入り次第、続報をお伝えします。それまでは、昨日放送予定だった特集「冬の絶品グルメ、まだまだあった!東京湾激安ヘドロ料理!」をお送りします。
Little Mustapha-----フフ…ッ。ということで、夢の遊園地が消えたみたいだけど。
一同(マイクロ・ムスタファと犬サンタ除く)-----ワハハハハハ!
犬サンタ-----なんで笑うのかワン?あの遊園地はみんな大好きなんだワン。
Little Mustapha-----まあ、そうかも知れないけど。だけど特になくても困らないしね。無理して恐ろしい雰囲気になるよりは楽しい雰囲気の方が安全そうだから。
マイクロ・ムスタファ-----ちょっと待ってください!良くないって言われるから聞く前に話しますけど。
Little Mustapha-----良いですけど。
マイクロ・ムスタファ-----消えたのは遊園地だけじゃないって言ってませんでしたか?
ニヒル・ムスタファ-----言ってたけど、あれって東京湾越しに見てるわけだし、そんなに遠かったら消えたかどうか解らないだろ。例えば部屋の電気を全部消しただけでも、遠くからは建物が消えたように見えるかも知れないぜ。
Dr.ムスタファ-----それはなかなか科学的な意見だな。
マイクロ・ムスタファ-----そうかも知れませんが…。
犬サンタ-----ここは気をつけないといけないんだワン!悪魔を甘く見たら恐ろしい事が起きるんだワン。
Little Mustapha-----そういえば、犬サンタ君の忘れてた用事というのはどうなったの?
犬サンタ-----どうやらご主人様は忙しいらしくて、なかなか返事が来ないんだワン。困ったんだワン。これじゃあ約束に間に合わないんだワン。
ミドル・ムスタファ-----約束って何ですか?
犬サンタ-----今日は江伝(エデン)さんちのハニーちゃんと会う約束があるんだワン。
一同(犬サンタ除く)-----…。
犬サンタ-----なんでみんなそんな目で私を見るのかワン?
ニヒル・ムスタファ-----いや、なんとなく。犬に嫉妬するのはヘンな気分だな、と思っただけさ。
犬サンタ-----良く解らないんだワン。
Little Mustapha-----それよりも江伝さんちのハニーちゃんって。もしかしてジョン・ヘンリー・エデンのこと?
犬サンタ-----違うんだワン。江伝さんは江伝さんだワン。
ミドル・ムスタファ-----マニアックなゲームネタはあまり引っぱるとワケが解らなくなりますよ。
Little Mustapha-----ああ、そうだね。
マイクロ・ムスタファ-----それよりも、ちょっと良いですか?
Little Mustapha-----良くない。
マイクロ・ムスタファ-----じゃなくて、緊急なんで言いますけど。そこの電話のところのランプが点滅してるのって…。
一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----ああ…(だワン)!
外では何が起きているのか良く解らない状態でしたが、ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)にある留守番電話にはまた着信もないのにメッセージが残されているようでした。Little Mustapha達は(そうする意味があるのか良く解りませんが)恐ろしい雰囲気にならないように注意してメッセージを再生することにしました。
Little Mustapha-----それじゃあ、再生するけどダイジョブだね?
犬サンタ-----ダイジョブだワン。怖くなったらミドル・ムスタファに耳を抑えてもらうんだワン。
Little Mustapha-----そんなことをしても、聞こえちゃうと思うけど。
ニヒル・ムスタファ-----イイから早く聞こうぜ。
Little Mustapha-----ああ、じゃあ押すよ。
留守番電話-----ゴゴ…ヒャク…ハ…ゴ…フン。ピー!「ちょいと、どういうことなんですの!?もうあたくしの言いたいことはだいたいお解りだと思いますけれど。これは一体どういうことなのかしら?LMBはあたくしのおかげでもっているようなモノなのですのよ!それを解っておきながら、どうしてこんなことが出来るのかしら。ホントにビックリしてしまいますわ。今年もあたくしをクリスマスパーティーに招待しなかったことを謝罪したいのなら今すぐにあたくしのお屋敷に電話をかけて…と言いたいところですけれど、今年はちょっと様子が違うようですわ!どうやら、あたくしのお屋敷が消失してしまったようなので、今回はあたくしが今いるラジオの放送局に電話するんですのよ!それからその犬は何なんですの?!世話も出来ないのにペットを飼うなんて動物虐待ですから、すぐにでも引き取り手を探すんですのよ。まったく。なんであたくしがそんな所まで心配しないといけないのかしら?ホントに嫌になってしまいますわ!この放送局の電話番号は666の…」ピー!メッセイージー。オーワーリー…。
Little Mustapha-----ということだけど。
犬サンタ-----どうしてその人は私の事を知っているのかワン?
Little Mustapha-----彼女は彼女でまた特殊な能力があるみたいなんだけどね。というか、どうしてそこは誰も気にしないんだろうね?
ミドル・ムスタファ-----特に害はないですしね。
ニヒル・ムスタファ-----それに、それよりも恐ろしい事が毎年起こってるからな。というかプリンセス・ブラックホールのお屋敷が消えたって言ってなかったか?
Dr.ムスタファ-----しかし、そんなことは科学的にありえんだろう?
ニヒル・ムスタファ-----だけど、さっきは遊園地のお城がなくなってるのに何も言ってなかったけどな。
Dr.ムスタファ-----あれはまあ、夢の国だしな。消えたっておかしくないんだよ。
ニヒル・ムスタファ-----適当な科学だな。
ミドル・ムスタファ-----そんなことよりも、次に行きましょうよ。
Dr.ムスタファ-----次ってなんだ?
Little Mustapha-----次っていうのも良く解らないけど。この流れで行くと次はラジオを聴いてみる、ということになりそうだけど。
ミドル・ムスタファ-----そういうことです。
Little Mustapha-----ということで、いつものこのラジカセでプリンセス・ブラックホールのクリスマスのラジオ特番を聴いてみましょうか。
犬サンタ-----ウワァ!レトロなラジカセだワン!
Little Mustapha-----でも、このレトロなアナログチューナーだからこそ聴ける放送っていうのもあるんだぜ!…おっと、なぜかムッツリした喋り方になってしまった。
ニヒル・ムスタファ-----クールって言えよ。
ミドル・ムスタファ-----どっちでもイイと思いますが。
Little Mustaphaがラジカセを持ってきて、アナログチューナーのダイヤルをグルグル回し始めました。
ラジオ-----ジジジ…コンバンワ!…ジー…ガー…ボンジョヴ…ガー…ジー…ahh!…ガー…キャッホー!…ガーガガ…ゴー…
Little Mustapha-----ねえ、今「キャッホー!」って言ってなかった?
ニヒル・ムスタファ-----そんなことは気にしても仕方ないぜ。
Little Mustapha-----ああ、失礼。
ラジオ-----ゴー〜〜…「ジャーン…♪…ただ今お聴きいただいたのは、あたくしの幻の未発表曲『特急通過待ちのプリンセス』でしたのよ。本当に発表されなかったのがもったいない、素晴らしい曲ですわね。特にあたくしの詩的才能がいかんなく発揮されているサビの部分が素晴らしいでございましょ?…さて、ここで先程の臨時ニュースの続報ですのよ。街から建物が消えていく現象ですが、どうやら建物だけでなく人も一緒に消えているそうですのよ。これはいったいどういうことかしら?そして、この現象から逃れることは出来るのかしら?もうすでにあたくしのお屋敷も消えてしまいましたが。この現象を分析した専門家の意見では、消失現象は古い建物から順に起きているという事ですのよ。人間はどのようにして消えてしまうのか解りませんが、いずれにしても適切な対処法が解るまで、ニュースを良く聞いていてくださいな。そしてくれぐれも間違った情報を信じたり広めたりするようなことはやめるんですのよ。それではここで、次の曲ですわ。先日リリースされたばかりのダークファンタジー…」
ミドル・ムスタファ-----なんだかまた危険な感じがしてきましたよ。
Little Mustapha-----ホントだよ。幻の未発表曲ってなんだ?そんな曲は作った覚えがないんだけど。
ニヒル・ムスタファ-----気にするところが間違ってるぜ。
Little Mustapha-----ホントだ。でも気になったら仕方ない。…それでどうする?
どうやらヤバくなってきたようです。