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#204 「シュンニュンリュィウィチュリュムニ」 2023-12-24 (Sun)

 ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)ではそろそろテレビをつけて世の中で起きている事を確認しないといけないような展開になっていますが、そのテレビで放送される夕方のニュース番組・クリスマス特番の関係者周辺でも最近はブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)に劣らず怪しいことが起きています。

数日前には人気女子アナ、ウッチーこと内屁端アナのところへ彼女のことを崇めているアンドロイド女子アナがやって来ました。そして、腹パンこと腹屁端アナが襲撃される事件はアンドロイド女子アナが関係していると思われますし、今年はさらに怪しい感じがします。

それだけではなく、今年のクリスマス特番には内屁端アナの宿敵であるフリーアナウンサーの亜毛パンこと亜毛屁端アナの出演がすでに決まっているのです。

このように何も起きないワケはないような危うい均衡を保ったまま、クリスマスイブのテレビ局では今年もクリスマス特番の準備が進められていました。


亜毛屁端-----あ、リホっち。元気だったぁ?

宇絵座-----これは亜毛パンさん。久しぶりです。おかげさまで元気にやっています。

亜毛屁端-----もお、リホっちったら、見たわよ。グラビア出てたでしょ。そういうことはちゃんと報告してくれないと。

宇絵座-----すいません。亜毛パンさんに比べたら私なんかまだまだですし、厚かましいような気がしたので。

亜毛屁端-----変に気を使わないで、もっとアピールしないとダメよ。それよりも、最近はどうなの?お天気コーナーは人気みたいだけど。

宇絵座-----はい、おかげさまで、例の腹話術人形キショー君のおかげもあって上手くいっています。それに最近は人気女子アナのウッチーさんにも良くしてもらっていて、スゴく楽しいですよ。

亜毛屁端-----う、ウッチーさんが?そうなの。うーん…。

宇絵座-----どうかしましたか?

亜毛屁端-----ん?!何でもないの。でもあんまり浮かれてちゃダメよ。

宇絵座-----はい、気をつけます。

亜毛屁端-----…(内屁端が宇絵座をかわいがってる、って。一体何を企んでいるの?)


と、そこへタイミングが良いのか悪いのか、人気女子アナのウッチーこと内屁端がやって来ました。


内屁端-----あら、亜毛パン、元気してた?

亜毛屁端-----あ、ウッチーさん、今日はよろしくお願いします。

内屁端-----なによ、かしこまっちゃって。私達の仲じゃない。

亜毛屁端-----は、はい。そうでしたね。

内屁端-----最近はまた色々とやってるみたいじゃない。今日の特番でしっかり宣伝していって。

亜毛屁端-----ありがとうございます。

内屁端-----それからリホっちも、今年の特番は出番が増えるんだからしっかり頼んだわよ。それじゃ、私はリポートの準備だから。またあとでね。

 終始にこやかな内屁端アナに亜毛屁端アナは驚いていました。内屁端アナの姿が目に入った時からすでに臨戦態勢で神経をとがらせていたのですが、これでは余計に気が抜けてしまいそうです。

 しかしスキを見せれば誰かに出し抜かれるこの世界。内屁端アナのあの態度の理由をなんとしても突き止めないといけないとも思っていた亜毛パンでした。


 もちろん、同じ世界に生きる内屁端アナも、何の理由もなく後輩に優しくなったりはしません。内屁端アナが気にしているのは、あのアンドロイド女子アナ達のことです。

 内屁端アナの作ったオリジナルのアンドロイド女子アナことアンパンは、何年も前に街で起きた騒動で時空の裂け目のようなところに吸い込まれて消えてしまったはずです。それが今になって内屁端アナの前に現れて彼女を邪魔するものを排除するなどと言っているのです。

 そして腹パン襲撃事件。腹パンは内屁端アナの良き理解者という存在でもあるのですが、女子アナとしては先輩の内屁端アナを差し置いてメインキャスターを務めたりもしているのです。そのために襲撃の標的となったのかは解りませんが、内屁端アナとしては都合が良くありません。しかも、腹パンを襲撃したのは複数人だったことを考えるとアンドロイド女子アナは増殖している可能性もあります。

 全ての女子アナは彼女のライバルであることに変わりありませんが、アンドロイド女子アナのやり方は過激すぎるのです。それに、解りやすくライバル達が襲われていくと、襲撃事件の首謀者として自分の名前があげられる危険性もあります。

 さらに物事をややこしくしているのは、アンドロイド女子アナ達が今どこにいるのか全く解らないということです。そうなると、内屁端アナとしては他の女子アナたちと仲良くして敵ではないというアピールをしておかないといけなくなるのです。