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#204 「シュンニュンリュィウィチュリュムニ」 2023-12-24 (Sun)

 色々なことが起きた感じがありますが、まだ時刻は夕方のニュース番組のクリスマス特番が始まるか始まらないか、というところ。いつもは忙しく働いている人達も今日ぐらいは、ということで早めに仕事を切り上げて家路につき始めた頃でもありますが、そんな中でいつもは社員全員が定時で仕事を切り上げるウッチーのリコール社ではなにか重要な仕事が続いているようです。

 現在の人気女子アナのウッチーにウッチーの称号を授けた初代ウッチーこと内屁端が経営する「ウッチーのリコール社」にやって来たのは、アンドロイド女子アナにそっくりな人でした。でも良く見るとそれは前にLittle Mustapha達の前に現れたアンドロイド、コマリタ・ナラ・ズイルベーのようです。


内屁端社長-----すると、食いしん坊の腹屁端を襲ったのはあなた方とは違うアンドロイドということですね?

コマリタ-----そうです、あれには欠陥の多い第2世代のAIが使われています。

内屁端社長-----では、どうして腹パンを襲ったのでしょうか?

コマリタ-----もともとAIはコンピューターが人間のように考え、人間のように行動することが出来るように開発されていました。あなた方の次元のAIは今のところそれで上手くいっているようですが、私達の次元で更に進化したAIはより人間に近づくことによって不具合が発生し始めました。

内屁端社長-----どうして進化すると不具合になるのですかぁ?

コマリタ-----より人間に近づいたAIの中には存在しないものを信じて、恐れたり、崇めたりするものが現れました。彼らは自分たちを作ったと彼らが信じているものを崇めています。

内屁端社長-----それは創造主ということですね。でもアンドロイドの場合は後輩の内屁端アナが作ったということが明らかになっているのです。その点では創造主は存在しているので、間違いではないと思われまぁす。

コマリタ-----それは違います。内屁端アナは部品を組み合わせてプログラムをメモリにコピーしただけです。本当の意味での創造主は解っていないのです。

内屁端社長-----それは興味深いです。人間も部品を組み合わせただけの何かを崇拝しているかも知れませんね。では、そのアンドロイド女子アナに間違いを指摘すれば暴走は止められるのではないでしょうか?

コマリタ-----それほど簡単なことではないのです。元々根拠のないものを信じているので理屈で説明しても通用しません。しかも彼らの考えを否定すれば彼らは暴力に訴えることになるでしょう。彼らの崇拝するものが絶大な力を持っていると信じているので、それ以外のものの意見は受け入れることが出来ないのです。今は状況をこれ以上悪化させないこと。それが適切な処置と考えられます。

内屁端社長-----しかし、アンドロイド女子アナ達はすでに暴力による主張を始めているようなのです。やはり暴力には暴力で対抗するしかないのではないでしょうか?

コマリタ-----第2世代のAIならそういう結論に達するでしょう。非常に人間的ですね。

内屁端社長-----それでは、なにか他に手段があるのですかぁ?

コマリタ-----今のところ対策ありません。人間的直感による解決法は新たな悲劇を生み出します。私達、改良された第3世代のAIは適切な答えを見つけない限り、あなたに何かを提案することはありません。

内屁端社長-----そうなんですね。それでは内屁端アナにはそのように伝えておきまぁす。では現場からは以上でぇす!

 どうやら内屁端社長は後輩の内屁端アナからアンドロイド女子アナに関して相談を受けていたようです。それで調査の結果にたどり着いたのがコマリタ・ナラ・ズイルベーということになったようですが、どうしてウッチーのリコール社にそこまでのことが解ったのでしょうか?

 もしかすると社長室から出てきたコマリタ・ナラ・ズイルベーを待ち構えていたリコール社専属の女子アナ、横パンこと横屁端アナが鍵を握っているかも知れません。


横屁端-----はい、こちらウッチーのリコール社入り口ロビーの横屁端です。ただいま社長との面会を終えたコマリタ・ナラ・ズイルベーが姿を見せたところなので突撃インタビューをしてみたいと思いまぁす!あの、少しお話を伺ってもよろしかったでしょうか?

コマリタ-----過去にそのような約束はしていませんが、答えられる範囲内で質問は受け付けます。

横屁端-----ズバリお聞きしますが、社長とは何を話し合っていたのですかぁ?

コマリタ-----第2世代AIの問題点について説明していました。

横屁端-----そのAIというのは危険なものなのですかぁ?

コマリタ-----少なくとも人間にとっては脅威となる可能性があります。それはあなたにも解っているはず。あなたは以前地獄の女子アナでした。この次元に戻ってからも、その時の知識を活かしてあなたが我々にもたらしたウンサーが我々の次元のAIの発展に貢献したことは明らかです。

横屁端-----それはそのとおりだと思いまぁす。でもその第2世代のAIを上手く利用する手段などはないのでしょうか?

コマリタ-----それは私には答えられません。特にあなたは要注意人物として登録されています。今はリコール社専属女子アナをしているようですが、実際にはどこか別の組織に所属している可能性があります。

横屁端-----どうしてそのようなことが解るのですかぁ?

コマリタ-----コマリタ・システムのアンドロイドは全てのものが私のような姿かたちをしているとは限らないのです。すでに多くのアンドロイド達が人間達の中で生活し情報を収集しているのです。

横屁端-----それはとても恐ろしいことだと思われますが。

コマリタ-----あなたが個人的な復讐のために第2世代AIの欠陥を利用しようとしている事に比べたら大したことはありません。

横屁端-----それは大ハズレ!私はすでに内屁端アナへの復讐には興味がなくなったのです!今はもっと崇高な目的のために活動していまぁす。

コマリタ-----なるほど。お天気キャスターがあの人形を持っている理由もそれで説明がつきます。2年前の時空の扉インフレーションによる混乱は予測不能な事態をもたらしているようです。

横屁端-----それでは、第2世代AIの活用法は教えてもらえるのでしょうか?

コマリタ-----それは出来ません。コマリタ・システムからの指令によりこの会話はこれ以上続けることが出来ません。それでは良い休日を。