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#204 「シュンニュンリュィウィチュリュムニ」 2023-12-24 (Sun)

 どうやらアンドロイド女子アナの周辺ではややこしいことが起きているようです。一方でブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)ではプレゼントが貰えると解ったLittle Mustapha達が安心しきってパーティーを続けていました。


Dr. ムスタファ-----…ということでな、天才科学者が金星人の美女と解り合ってやがて愛し合うようになるという画期的なストーリーなんだよ。

ニヒル・ムスタファ-----だいたい金星人ってところが無理があるぜ。あそこは環境が悪すぎて宇宙人がいるようなところじゃないらしいぜ。

Dr. ムスタファ-----フィクションという意味では金星人がいても科学的なんだよ。

ミドル・ムスタファ-----それで、そのSF小説はいつ書き上がるんですか?

Dr. ムスタファ-----まあ実際にはまだ書き始めてもいないがな。

Little Mustapha-----そうなんだよね。アイディアは沢山あっても、いざ書こうとするとなかなか書けないんだよね。。

ミドル・ムスタファ-----その点マイクロ・ムスタファはちゃんと書き始めるからスゴいですよね。その代わり全て未完ということですが。

マイクロ・ムスタファ-----私の場合は厳密にいうとそういうのとは少し違うものですから。

退役サンタ-----だが、なかなか良い話じゃねえか。

ニヒル・ムスタファ-----もしかしてDr. ムスタファの小説のこと?

退役サンタ-----ああ、思わず涙が出そうになったぜ。

Dr. ムスタファ-----解る人には解るってことだな。

ミドル・ムスタファ-----私にはどうしても金星人の美女と愛し合いたい妄想というふうにしか思えませんでしたが。

Little Mustapha-----とはいっても、この世の中はどんなものが流行ったりするか解らないからね。もし完成させることが出来たらベストセラーになったりするかもよ。

Dr. ムスタファ-----本当か?それなら本格的に始めないとな。ところで今話したあらすじを文章にするには原稿用紙だと何枚ぐらい必要になるんだ?10枚で足りるか?

ニヒル・ムスタファ-----どうも完成することはなさそうだな。

Dr. ムスタファ-----その気になれば人間なんだって…。

犬サンタ君-----あっ、ちょっと待つんだワン!

Little Mustapha-----なんだ?せっかく良い雰囲気のクリスマスになってきたのに、マイクロ・ムスタファみたいな事を言いだして。

犬サンタ君-----でも電話が鳴る気配がするんだワン。


 犬サンタ君が言い終わるか終わらないタイミングで電話が鳴り始めて、Little Mustapha達は例によってビクッとなってお互いに気づかないフリをしました。

 今回の着信音は大野雄二ふうの軽快で格好良いビッグバンドの曲です。


ミドル・ムスタファ-----この曲って…誰でしょう?

Little Mustapha-----曲から人を当てるクイズみたいになってるな。でもこんな曲なら悪い人ではなさそうだけど。まあ、鳴りっぱなしだとうるさいから出るね。ピッ!


また例によってハンズフリーモードで電話に出ました。


電話-----「あ、もしもし。サンタですけど」

Little Mustapha-----あの曲はサンタ君だったか。もしかしてもう着いちゃったとか、そういうこと?そういうことなら遠慮せずに。玄関からでもベランダからでもどっちも開いてるから。

電話(サンタ君)-----いや、そうではなくて。少し困ったことになっているんです。

Little Mustapha-----ということは、アレかな。この家の場所が解らないとか、そういうことだな。

電話(サンタ君)-----いや、そういうことでもなくて。我々が犯罪を予測するシステムを導入したのは覚えていますよね。

Little Mustapha-----もちろん。それで犯罪者にならないように苦労してきたんだし。

電話(サンタ君)-----こちらでも去年の一件もあったのでシステムに改良を重ねて、今年はみなさんも犯罪者ではないと判定されていたのですけど。先程からみなさんが犯罪者かどうかグレーゾーンな状態なんです。

ミドル・ムスタファ-----グレーゾーンってどういうことですか?

電話(サンタ君)-----みなさんが犯罪者かどうかを示す印が点いたり消えたり、点滅しているんです。

Dr. ムスタファ-----それなら大丈夫じゃないか?疑わしきは罰せず、ってことだからな。

ニヒル・ムスタファ-----そうだな。点滅状態なら確定じゃないんだし。なるべく早く来てプレゼント渡してもらえればね。

電話(サンタ君)-----ルール的にはそれで良いかも知れませんが、実際にプレゼント取り出そうとする時に犯罪者としてマークされているとプレゼントが取り出せないんですよ。

Little Mustapha-----それなら、犯罪者マークが消えてるタイミングでサンタ君が素早く取り出せばね。若いんだし、イケメンだからそういうのは得意でしょ?

電話(サンタ君)-----いや、そういうことでは…。

マイクロ・ムスタファ-----あの、ちょっと待ってください。みなさんプレゼントに固執して重要なことを忘れていますよ。この場合はまず、どうして犯罪者マークが点滅しているのか、ということを気にするべきじゃないでしょうか。

退役サンタ-----確かにそのとおりだ。お前達は悪人には見えないが、オレはこれまでプレゼントを渡してきた子供が大人になってから些細なことが原因で犯罪者になってしまうのを何度も見てきたんだ。それは本当に悲しくてやるせないもんだが、どんなに素直で良い子でも犯罪者になることがあるんだぜ。そいつらに比べたら、お前らは素直で良い子ではないからな。犯罪者になる可能性は十分あるな。

Little Mustapha-----そういうことなら、ボク等は逆に素直で良い子じゃないから良い具合にガス抜きが出来て犯罪者になりづらいってことでもあるよ。ずっと素直で良い子でいるのは大変だからね。その反動でちょっとした事が切っ掛けで犯罪者になってしまうんだよ。

ニヒル・ムスタファ-----その話は解るが、今重要なのはそういうことじゃなくて、これから起こるかも知れない何かってことじゃないか?

Little Mustapha-----ということは、どういうことだ?また去年みたいに別の次元のボク等のような人がやってっきて犯罪を犯すってことなのか?

電話(サンタ君)-----そういうことはシステムの改良によって正確に判定できるようになっていますから。原因があるとすれば別のところですね。

Little Mustapha-----じゃあ、どういうことなんだ?

電話(サンタ君)-----あの、すいませんが、ボクはそろそろサンタの仕事に戻らないと。犯罪者と確定しない限りはあなた達のところにも行きますから、また後で会いましょう。

Little Mustapha-----じゃあ、そうしましょう。