正体
あまりにもだらけ過ぎだった前回の寸劇コーナーですが、今日こそは何かが起きるのか?わざわざこうして書いているのですから、おそらく何かが起きるはずですが、何が起きるのでしょうか?
ボール邸の裏に名探偵ズゴックがやってくると、そこにはレッシィ団員が待っていました。
レッシィ団員-----突然お呼び立てして申し訳ありません。あの、ここに来るところは誰にも...
名探偵ズゴック-----ええ、それなら安心してください。水辺仕様ではありますが迷彩柄ですから、人に気づかれないように行動するのは得意なんですよ。それで、話というのは?
レッシィ団員-----私、あの帰ってきたボールさんが本当のボールさんとは思えないんです。
名探偵ズゴック-----なんだ、そのことでしたか。それだったらザクレロ団長達も言ってましたよ。それからドロイラガド君というロボットも言ってましたし。さらにあなたまでそういうとなると、これはますます、あのボール君が偽物ということで間違いがなくなってきますね。
レッシィ団員-----みんな気づいてたんですか?だったらこんなコソコソする必要はなかったですね。
名探偵ズゴック-----でも、こうした方がミステリーな感じですから。しかし、問題があります。どうしたらあのボール君が偽物だと証明できるのか。
レッシィ団員-----それなら、良い方法があります...
その頃、ボール邸内では。
ボール(母)-----あらあら、ボールちゃん。こんな時間まで何処に行っていたの?何も言わないでどこかへ行ってしまうなんて、心配するじゃないの。
ボール(偽物っぽい息子)-----...。
ボール(母)-----レッシィさんとは上手くやっているの?もちろん、他の人に比べたらボールちゃん男前だもんねえ。でもボールちゃんが偽物だなんて、ウワサも流れてるのよ。きっとあいつらが妬んでやっているに違いないのよ。可哀想なボールちゃん。でもきっと大丈夫よ。
ボール(偽物っぽい息子)-----...。
ボール(母)-----また、そうやって黙り込んで。戻ってきてからずっとそう。きっととても辛い思いを...。
ボール(偽物っぽい息子)-----...フッフッフッフ...。フッフッフッフ...。
ボール(母)-----どうしたのよ、ボールちゃん。気持ち悪いじゃないの、そんな笑い方して。それに、そのケーブルは何なの?
ボール(偽物っぽい息子)-----ハッハッハッハッハ!...そうだよ。ヤツらが正しいのさ!
ボール(母)-----何を言っているの、ボールちゃん?...はっ!?まさか、あなたは...
ボール(偽物っぽい息子)-----オレはあんたの息子なんかじゃない。オレは...、オレはWebカメラさ!ハッハッハッハッ!
ボール(母)-----そ、そんな。どうして。どうして、こんなことを?!
Webカメラ-----お前達がオレにしたことを覚えてないなどとは言わせないぞ。お前達が机の上にやって来たことによって、机の上にはスペースがなくなった。そして、後から来たお前達ではなくて、オレが立ち退かなければいけなかったんだ。解像度が低いばかりでなく標準ドライバで認識されないようなオレには何の役目もなかったってワケさ。追い出されたオレはゴミゴミした棚に辿り着いた。だが失意の底でオレは偶然にもあんたの息子に出会ったのさ。アイツはあの棚で迷子になっていたようだったな。見た目も似ていたオレ達はけっこう上手くやっていたよ。だが、それが悲劇を生んだんだ。なぜかオレがボールと間違えられて、投げられたり、バットで打たれたり。そしてサッカーのワールドカップがあれば蹴られることもあった。見てのとおりオレは電子機器だ。衝撃には強くない。そしてオレはこんな醜い姿にされてしまったのさ。その日からオレはずっと待っていたのさ。お前達人形どもに復讐する日をな!ハッハッハッハッ!ハッハッハッハッ...!ハッハッハッハッ...!...(バシッ!)ギャァ...!
おぞましい事件が起きたのか?!
次回に続く。
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