イェイイェイイェイイェイイェイ!ウォウウォウウォウウォウ!(TRF)
内屁端-----はい、こちら現場の内屁端です!あちらをご覧ください!なんとですね。先程からサンタの格好をした筋骨隆々の大男がむごたらしい方法を駆使して通行人を襲っているのです!
腹屁端-----こちら、腹屁端です。オットリ系なのですが、緊急なのでなるべく早く喋っているつもりでよろしかったでしょうか?なんと、こっちでは血を吸うサンタが通行人を襲っているのです。みなさん、これが何だか解りますかぁ?
スタジオのキャスター-----なんでしょうか?なんだかぼろきれみたいな…。
腹屁端-----そうなんです。これは吸血サンタによって血を全部抜かれた人間のなれの果て。それでは早速食べてみたいと…。
スタジオのキャスター-----ああ、腹パン。それは食べないで良いですよ。
腹屁端-----そうでしたね。あっ、向こうでウッチー先輩がゾンビサンタに囲まれているので助けにいきたいと思いまぁす。
内屁端-----こちら現場の内屁端です…。キャー、てめえ押すんじゃねえよ。…えーっと現在私は…えっと、ここがどこだか解りますかぁ?…なんと先程と同じクリスマスマーケット…押すんじゃねえって言ってんだろ!…はい。なぜかサンタの格好をしたゾンビに囲まれて…。てめえ女子アナなめてんのか?こっちは仕事中なんだよ!
スタジオのキャスター-----CMです。
CM-----つらーい胃もたれ、胸焼け。こんなときフォースを使えたらなあ。でもジェダイじゃないあなたにはこれ!食べ過ぎ、飲み過ぎに「胃酸120%」!胃を大切にしたい年末年始に「胃酸120%」が効く。勝手にスターウォーズコラボ限定パッケージ、箱の隙間にフォースがもれなく入っています。「胃酸120%」で一日中飲み食いしっぱなし!今ならスパイダーマン付いてます。
Little Mustapha-----こんなところでスターウォーズコラボやられたら反応しないといけなくなっちゃうじゃないか。
ニヒル・ムスタファ-----そんなのは気にすることないだろ。
Dr. ムスタファ-----そうだぞ。そんなことより見ただろ、今の。これまでワシらを襲ってきたサンタが全員集合だったぞ。
ミドル・ムスタファ-----ということは、あの恐怖のサンタ達はこっちに向かってくるんですかね。
Little Mustapha-----だって、この部屋で起きる恐怖のサンタの問題は解決したんだし。あれはなんか別のところで似たような人達がいて、似たような話があって、それがたまたまテレビに映ってるだけかも知れないし。今日はそのどこかのクリスマスパーティーがウワーってなってるんじゃないの?
ニヒル・ムスタファ-----それは、なんていうか、有り得なくもないんだが。
犬サンタ-----でも気を付けないとダメだワン。本物のサンタと間違えて恐怖のサンタがこの家に入ってきたら大変なんだワン。
Little Mustapha-----じゃあ、結局今日はプレゼントは我慢ってこと?
マイクロ・ムスタファ-----いや、それだけでは済まないかも知れません。
ミドル・ムスタファ-----なんですか?また何か異変に気付いたんですか?
マイクロ・ムスタファ-----そうなんです…。
一同-----アーッ!留守番電話にメッセージが残されていることを示すランプが点滅している(んだワン)!
Little Mustapha-----まあ、落ち着こうよ。ここにメッセージが録音されているからって、常に恐ろしい話ではなかったんだし。多分これはプリンセス・ブラックホールからじゃないかな。
Dr. ムスタファ-----でも彼女のメッセージはすでに再生してるだろ。
Little Mustapha-----二回使っちゃいけないって事もないし。そうじゃなくても、他の人とか。ほら、FBLの捜査官がメッセージを残してた事もあったし。もしかすると修行中のサンタ君がクリスマスの挨拶とか…。
ニヒル・ムスタファ-----もう無理する必要はないと思うぜ。楽天的に考えてたって、そのメッセージの中身が変わるワケでもないからな。
Little Mustapha-----じゃあ、そういうことで、ピッ!
ミドル・ムスタファ-----アッ、押しちゃいましたね。
電話-----ゴゴ…ゴゴ…ゴゴ…ジジジジジジ…ピーッ!「フッフッフッフ。ワタシガダレダカ・ワカルカネ?LMBノショクン。ワタシノコトヲオボエテイルカネ…」
ミドル・ムスタファ-----ロボットボイスですね。
Little Mustapha-----これじゃなんて言ってるのか解りづらいなあ。
ニヒル・ムスタファ-----先生ってこういうの翻訳する装置持ってなかったか?
Dr. ムスタファ-----ん?!私はなんでも発明できるからな。持ってるかも知れないが。
ニヒル・ムスタファ-----そうじゃなくて、ずっと前に使ってただろ。
Dr. ムスタファ-----ああ、そういえばロボット・ヴォイス・トランスレーターというのがいつの間にかポケットに入っていることがあったな。…あ、今回も都合良く入っていたぞ。
Little Mustapha-----よし、それを使って翻訳だ!
Dr. ムスタファ-----おー!
電話-----「まさか忘れたワケではあるまい。あれほどの恐怖を味合わせてやったのだから。オマエ達は勝利したと思っていたようだが、考えが甘かったようだな。皮肉なことに人間のテクノロジーが私を蘇らせたのだよ。私とその下部達を。この新たな世界。電脳空間で無限に広がる恐怖と地獄の光景を創造する。私がこの世界の神なのだよ」
Little Mustapha-----途中を聞いてなかったから何のことだか解らないな。
ミドル・ムスタファ-----まあ、最後まで聞きましょうよ。
電話-----「愚かな人間どもは、滅ぼした悪魔を自らの手で復活させたのだ。そして、今度こそこの恐怖から逃れるすべはない」ピーッ!メッセー…ジジジジジジ…。
犬サンタ-----これは大変な事になったんだワン。
ニヒル・ムスタファ-----なんであの謎の声が復活したんだ?
Little Mustapha-----復活というか、ロボットボイスで復活だけど。あの謎の声がロボット化したってこと?
犬サンタ-----それはないと思うんだワン。ロボットを作りたがるのは人間だけだワン。あの悪魔のようなやつのすることじゃないんだワン。
ニヒル・ムスタファ-----オモチャが売れるから人間はロボットが好きだけどな。
ミドル・ムスタファ-----じゃあ、今のメッセージは何だって言うんですか?
Dr. ムスタファ-----それが解ったところでどうにもならんだろう。
マイクロ・ムスタファ-----いや、そんなことはありませんよ。敵のことを知るのは重要なことにちがいないですから。
犬サンタ-----そうに違いないんだワン。
Little Mustapha-----それで、マイクロ・ムスタファには今のが何だか解ったの?
マイクロ・ムスタファ-----推測に過ぎないのですが。あれはきっとコンピュータのプログラム。いや、人工知能のようなものではないかと思うのです。
ミドル・ムスタファ-----人工知能って言っても、まだ天気を教えてくれたりとか、そのくらいしか出来ないみたいですけど。
マイクロ・ムスタファ-----それは一般的に使われているやつのことですよね。でも、すでに人工知能が自動的に新たな人工知能を作るようなことが始まっているのです。さっきテレビでやっていた、機械学習によって作られた機械学習のホームページというのもその一種だと思います。
Little Mustapha-----人工知能が自分より賢い人工知能を作って、さらにその人工知能が…ってことになると恐ろしいかもね。
ニヒル・ムスタファ-----そうだとしても、なんで恐怖のサンタとか謎の声が復活してるんだ?
マイクロ・ムスタファ-----それも、さっきのテレビに関連している気がするのです。理想のサンタ像を知るために機械学習ソフトにこれまでのクリスマスやサンタのデータをインプットしたとします。そして、その中にこれまでに登場した恐怖サンタや謎の声のデータが混ざっていたら、機械学習のAIはそういう恐怖要素も理想のサンタとして解釈するかも知れないのです。
Little Mustapha-----恐怖サンタが理想のサンタ像に含まれているってことだと、外で暴れている恐怖サンタ達はウッチーのリコール社に雇われたサンタってことなの?
マイクロ・ムスタファ-----そうではないでしょう。人工知能がより優秀な人工知能を作っていく課程で恐怖サンタや謎の声のデータを自らの中に取り込んでいったとしたら、恐ろしい事が起こると思うのです。
ニヒル・ムスタファ-----それが今の状況なのか?
Little Mustapha-----うーん…。なんか納得できるような出来ないような話だけど。そんな優秀な人工知能なのに、翻訳機を使わないと聞き取れないようなロボットボイスだったし。
マイクロ・ムスタファ-----そのへんの進化は優先順位が低かったのではないでしょうか。
ミドル・ムスタファ-----そんなことを分析してる間にもうすぐ12時ですよ。あれがホントに復活した謎の声だったりしたら、12時になった瞬間に外にいる恐怖サンタ達が私達を襲いに来るんじゃないですか?
犬サンタ-----恐いんだワン…。恐ろしいんだワン…。