フー・アー・ユー♪フッフッ…♪フッフッ…♪(ザ・フー)
犬サンタ-----見たかワン?
Little Mustapha-----見た、というか。見えなかったというか。
ミドル・ムスタファ-----今のが泥棒猫ですか?
犬サンタ-----そうだワン!
ニヒル・ムスタファ-----そんな得意げになってるけど。まんまと盗まれてないか。
Dr. ムスタファ-----そうだな。あんなもの食べたら、かなり胃もたれしそうだが。
犬サンタ-----泥棒猫は食べるために盗むのとは違うんだワン。
Little Mustapha-----それよりも、せっかく協力したのに捕まえられなかったら、サンタの酒も貰えないし。犬サンタ君、何やってんだよ!ってことになるけど。
犬サンタ-----フッフッフッ…、だワン。
Little Mustapha-----どういうことだ?!まさか犬サンタ君も泥棒猫の仲間だったのか?
ミドル・ムスタファ-----なんでそうなるんですか?
Little Mustapha-----だって、不敵な笑いだし。
犬サンタ-----そうじゃないんだワン。泥棒猫がエサに飛びついたってことなんだワン。これから犯行の映像を分析して本格的な捜査が始まるんだワン。
Dr. ムスタファ-----なるほど。それは科学な操作法だな。
ニヒル・ムスタファ-----まだほとんど説明を聞いてないんだが。どの辺が科学的なんだ?
犬サンタ-----まあ、黙って見てるんだワン。まずはさっきの事件が起きた時の映像を再生するんだワン。
Little Mustapha-----というか、録画なんてしてないよ。その前に録画できるプレーヤーは壊れちゃったから、ここじゃ録画できないんだし。
犬サンタ-----それなら心配ご無用だワン。私のMacBookを使ってY○uTubeでさっきの動画を検索してみるんだワン。すると、思ったとおり、高画質でさっきの動画がアップロードされてるんだワン。
ミドル・ムスタファ-----最近そういうの早いですからね。良い事なのかどうなのかはアレですけど。
Little Mustapha-----それよりも、サンタ君のパソコンは、今年はiMac Proで来るかと思ったけど、MacBookなんだね。
犬サンタ-----iMac Proなんて高いだけで、こういうところでは使い物にならないんだワン。用途によって使い分けるのが良いんだワン。だからMacBookがベストなチョイスだワン。ご主人様はMacBook Proなんだワン。
Little Mustapha-----ふーん。
ミドル・ムスタファ-----なんか素っ気ないですね。
Little Mustapha-----なんというか、意外とどうでも良い事だったからね。
ニヒル・ムスタファ-----そんなことより、動画見てどうするんだ?
犬サンタ-----まずは問題の箇所を再生してみるんだワン。
パソコン-----「…てみたいと思いまぁす。それでは、いただきまぁす!あ〜ん…」
犬サンタ-----ここだワン!ここに一瞬だけ泥棒猫が映ってるんだワン!
Dr. ムスタファ-----だが、動きが速すぎてほとんど形になってないぞ。
犬サンタ-----先生ももっと科学的にならないといけないんだワン。
Dr. ムスタファ-----な、なんだと?!
ニヒル・ムスタファ-----犬にも馬鹿にされ始めたな。
Dr. ムスタファ-----何を言うか。科学的に馬鹿にされたなら、それは科学的だから問題ないのだよ。
Little Mustapha-----全然意味が解らなくなってきてるし。それよりもそのブレちゃって何だか解らない画像をどうするの?
犬サンタ-----ここで科学捜査班の特製のソフトのお出ましだワン!
ミドル・ムスタファ-----犬サンタ君は科学捜査班なんですか?
犬サンタ-----今決めたんだワン。そんな事よりも解析を始めるんだワン。このブレてる画像を(カチャカチャカチャだワン)前後のコマと合わせてと。(カチャカチャカチャだワン)そして機械学習によって得られたデータから泥棒猫の姿を合成していくんだワン!
Little Mustapha-----スゴいなそれ。GUIっぽいソフトなのに、全部キーボードで操作してるし。まるでCSIだ。
犬サンタ-----キーボードを叩いてるのは演出だワン。
ニヒル・ムスタファ-----なんだよそれ。
犬サンタ-----だって難しそうに見せないと、誰にでも出来ることだと思われちゃうんだワン。でもそんな簡単な事でもないんだワン。
ミドル・ムスタファ-----そこは気にしなくてもイイと思いますが。それよりも、泥棒猫の姿は解ったんですか。
犬サンタ-----まだだワン。あのブレた画像からだから時間がかかるんだワン。
Little Mustapha-----ホントだ。今はまだモザイクのような画像だけど。
ニヒル・ムスタファ-----段々モザイクの四角の大きさが小さくなって…。
Dr. ムスタファ-----画像が鮮明になっていくな…。
ミドル・ムスタファ-----なんか猫と言うよりは人間の形に見えるのですが。
Little Mustapha-----そんな感じだね。
犬サンタ-----余計なことを考えると先入観で正しい判断が出来なくなるんだワン。今はただ結果が出るのを待つんだワン。
一同(犬サンタ君除く)-----はい…。
ミドル・ムスタファ-----段々形がわかってきましたよ。
Dr. ムスタファ-----やっぱり猫とは思えんな。
ニヒル・ムスタファ-----これは人間の…。
Little Mustapha-----女の人…。アッこれは…!
一同-----猫耳美少女だ(ワン)!
Dr. ムスタファ-----これは一体どういう事だ…?
マイクロ・ムスタファ-----あの、みなさん…。
マイクロ・ムスタファが何かを言おうとした時でした。部屋の電話がけたたましい音で鳴り始めたので、一同驚いてビクッとなりました。ただビクッとなったのを知られると気まずいのでお互い気付かなかったフリです。
ミドル・ムスタファ-----出ないんですか?
Little Mustapha-----なんか今回は留守番電話じゃなくて普通にかかってくることが多いけど。うるさいから出た方がイイか。
ニヒル・ムスタファ-----なんかミョーに耳障りだぜ、その音。
Little Mustapha-----そうだよね。それじゃあ、ピッ!
話が解りやすいように、Little Mustaphaがいつものようにハンズフリーモードで電話に出ました。
Little Mustapha-----もしもし…。
電話-----「アンタ達。あたいを捕まえようとしてるのかい?アッハッハッハッハッハ!笑わせんじゃないよ。あたいがそう簡単に捕まってたまるもんですか、ってんだい!次はもっと大きくて高価なものを盗んでやるからね。アッハッハッハッハッハ!アッハッハッハッハッハ!」ガチャ…!
Little Mustapha-----まさかの「あたい」キャラ。
ニヒル・ムスタファ-----しかも、最後は受話器をおく音がしたんだが。公衆電話からかけたのか?
ミドル・ムスタファ-----猫耳美少女が公衆電話使いますかね?
Dr. ムスタファ-----まあ猫耳美少女なんてものはオッサンの想像の産物って感じだからな。多少古いものでも使いこなせるんじゃないか。
ニヒル・ムスタファ-----そんなこと言ってると話が解らなくなるぜ。
犬サンタ-----うーむ…。ミステリーなんだワン。
Little Mustapha-----というか、泥棒猫っていっても、結局人間だったじゃん。ということは犬サンタ君の手には負えないということになって…。ということは、ここで長官の孫娘さんの出番って事になるんじゃないの!これは一大事ってことだし、緊急にこの部屋を捜査本部として活用してもらうに決まってるんだけど。長官の孫娘さんには捜査に専念してもらうということで、できればこの部屋に関係ない人は出て行ってもらうということにもなるんだけど…。ちょと犬サンタ君。何をボーッとしてるのだい?
犬サンタ-----猫耳が付いてたら人間じゃないんだワン。だから私が捜査するんだワン…。
ミドル・ムスタファ-----なんかホワンっとしてますね。犬サンタ君。
犬サンタ-----だって、あの泥棒猫ちゃん、カワイかったんだワン…。
ニヒル・ムスタファ-----おい、相手は猫なんだろ。犬のくせになに言ってんだよ。
ミドル・ムスタファ-----それに泥棒なんですよ。
犬サンタ-----愛は種族や職業を越えるんだワン。
Dr. ムスタファ-----こりゃマズいことになってきたな。
Little Mustapha-----ホントだよ。泥棒猫が捕まらないとサンタの酒も貰えないしなあ。
ニヒル・ムスタファ-----それよりも、サンタからのプレゼントを優先しないといけないだろ。
Little Mustapha-----そうなんだけどさ。でもプレゼントを貰って、さらにサンタの酒で乾杯って事になればダブル受賞って感じだし。サンタが来るまでにはまだ時間もあるしさ。ここはフヌケになった犬サンタ君に気合いを入れつつ、泥棒猫逮捕の手伝いをするとか。
マイクロ・ムスタファ-----あの…、その前にちょっと良いですか。
Little Mustapha-----良いですけど…。
マイクロ・ムスタファ-----そこの電話のところのランプが点滅してるのって…。
一同-----アーッ!また知らない間に留守番電話のメッセージが録音されている(んだワン)!
さっきマイクロ・ムスタファが言おうとしていたのはこの事だったのか?という感じですが、今年もやっぱり謎の留守番電話のメッセージが残されていたのでした。